禁煙日記


6月4日

 ボタンが開き始めた。

 貰いもののボタンだが
 全魚人の庭に引っ越して3、4年。
 今年も元気に咲いた。
 大輪の鮮やかな赤は、
 シャクナゲのピンクに比べると強烈だ。
 春というより初夏を思わせる。
 


 「禁煙日記」 ということで更新を続けてきたけれど、
 正直なところ、禁煙にはもうほとんど失敗してしまっている。
 それを認めたくなくて、もう一度禁煙にチャレンジするんだという気持ちと、
 いやいやもう諦めてしまえ、という気持ちとが入り交じっている。
 
 会社ではまだ禁煙が続いていると思われており、
 机の上の灰皿も片づけられてしまっている。
 だからなんとか社内では吸わずにいるのだが、
 会社から出たらもうダメ。
 場合によっては、煙草を吸うために口実を作って外出することさえある。
 これではまるで中学生の隠れ煙草だ。
 
 そろそろ「禁煙日記」のタイトルを変える必要があるかもしれないなあ。
 
6月16日
 シャクヤクも開いた。

 このシャクヤクも貰いもの。
 嫁さんの実家を取り壊すとき、
 もったいないからと我が家に持ってきたものだ。
 ボタンを挟むように2株植えてある。
 もとはピンクだったのだが、
 管理が悪いせいか、だんだん白くなってきてしまった。
 写真の写し方も知らないので、
 白い部分がつぶれて写っている。
 
6月17日
 今年最初のバラ。

 嫁さんがスーパーから180円で買ってきたバラ。
 接写で撮ってるから大きく見えるけど、
 直径は3、4センチ。
 一番日当たりの良いところにあるせいか、
 一番早く咲いたのがこのバラだ。
 
 去年は緑色の1ミリくらいの虫がたくさんへばりついていて
 殺虫剤のスプレーを何度もかけたんだけど、
 今年はまだその虫を見かけない。
 
6月20日
 二番目はピンクのバラ。

 このバラはいつからあるんだっけ。
 まだ若い木だ。
 ピンクというか、少し紫も混じったような色で、
 イチゴバニラアイスみたいな色。
 輝きの少ない、色の割りには地味な印象だ。
 
 桃紫(ももむらさき)色と呼ぶことにした。
  

 全魚人は、バラの香りというのがよくわからなかった。
 
 バラの切り花を部屋に入れたりすると、
 良い香りだと多くの人は言うんだけど、
 全魚人はいつも
 「そうだなあ」などと生返事をするばかりで、
 花に鼻を近づけてみて、かすかにそれらしい感覚がある程度だった。
 ところが昨年あたりから少し香りが判るようになってきた。
 
 バラが部屋にあるだけで、あ、この香りと感じる。
 つまり、バラの香りって、トイレの芳香剤の香りに似ている。
 
 花の香りで好きだったのは「クチナシ」。
 学生時代、クチナシを一輪買ってきて部屋に置いておくと、
 甘い香りが部屋中に広がって、汗の臭いやら埃の臭いやら
 あるいはその他口では言えない、若く不潔な男の部屋の臭いを消してくれた。
 
 口では言えない臭いで思い出すのは
 栗の花の香り。
 東京の暑い夏の夜、駅からの帰り道を歩きながら、
 どこかの家の庭から漂ってくる栗の花の香りを嗅ぐのは、
 少し恥ずかしく、少し悲しいことだった。
 
 他に、はっきりと判る香りはラベンダー。
 かなり強い香りなので、人によって好き嫌いがあるようだ。
 全魚人の家では、花の終わりかけにラベンダーを刈り込んで
 花を束ねて玄関に置いたりする。
 個人的にはこの香り、嫌いではない。
 
 もうひとつ、ニオイヒバの香りも独特だ。
 枝払いなどのためにこの木に近づくと、
 花など咲いていないのに、安物の駄菓子のような甘い香りがする。
 その、「安物の駄菓子」がどんなお菓子だったのか、
 思い出せそうでいつも思い出せない。
 子供の頃、お祭りの夜店で買ったお菓子の臭いなのかもしれない。
 
6月21日
 これはフランネル草というらしい。

 全魚人の庭で、この花は虐待されていた。
 雑草だらけの空き地の部分に自生していて、
 さほど華やかでもなく、茎は産毛に覆われたような感じで、
 「なんか気持ちの悪い雑草だ」と思われており、
 容赦ない草刈り鎌の餌食になりながら、
 幾年かをしぶとく生き抜いた。
 
 その後、どこかのガーデンで、
 「フランネル草」というプレートのかけられたこの花を見て以来、
 全魚人による差別と虐待から解放され、
 今は花壇の中で平穏に生活している。

 おまけの1枚。 

 シャクヤクが散り始めた。
 ひとひらふたひら
 見ているうちにどんどん散っていく。
 地面に落ちた花びらのひとつひとつが大きいので、
 ちょっと見ると
 雪が降ったあとのようにも見えたりする。
 
 今夜はこれから雨風が強くなるらしいので、
 明日の朝には全部散ってしまっているかもしれない。 
6月23日
 今日は一気に4枚。

 台風は行ってしまったけど、天気は良くない。
 蒸し暑く、雲も切れ間が見えない。
 
 そんな全魚人の庭に
 一度に4種類のバラが咲いた。
 
 1枚目は小ぶりのバラ。
 色も綺麗だし、姿も上品。
 茎が高く伸びて不安定になるので、
 添え木として竹を立ててある。

 2枚目は我が家で一番古いバラ。
 色は鮮やかで香りも強い。
 「このバラはほんとに良い香り」
 と嫁さんが言うが、
 家の中ならまだしも屋外では
 全魚人にはやはりちょっと判らない。

 3枚目は黄色のバラ。
 台風崩れの嵐で細い枝が1本折れていたが、
 概して無事だった。
 まだ若く、背も低いが
 鮮やかな色だ。

 4枚目は小さなバラ。
 6月17日のバラよりも先に全魚人宅にやって来たのだが
 どうも伸び悩んでいる。
 肥料が足りないのかなあ。
 とにかく、どうにか今年も無事に咲いてくれた。

 今日はちょっとおっかないことがあった。
 「同和○○会のスギタ」と名乗る男から会社に電話があり、同和問題よりさらに悪質な差別問題に関する大会を全国で開いている、ついては同和問題に関する書籍文献を購入してくれないか、という内容だった。
 いわゆるエセ同和というのが企業に対して寄付の強要や書籍の押し売りをしてくることは、知識としては知っていたが、自分の周りで実際に彼らの噂を聞いたことはなく、本州だけの話だと思っていた。
 電話の男は乱暴な言葉こそ使わなかったが、関西弁のようなイントネーションと太い低音とで、こちらの先入観もあってその道のプロらしい迫力が感じられ、やはり恐かった。
 こちらも必死で声に力を入れ、寄付も出来ないし書籍の購入もできませんと伝えると、意外にあっさりと電話は切られた。
 ちょうど書類にゴム判を何枚も押しているところだったのだが、電話を切ったあと、ゴム判を押す手が震えてこまった。
6月25日
 最後に咲いたバラ。

 バラのうちで最後に咲いたのがこれ。
 
 黄色なんだけど、オレンジ色が混じっている。
 「葉脈」とは言わないんだろうけど、
 要するに血管みたいな部分がオレンジ色になっているように見える。
 多分、黄色と赤のバラを交配して作り出したものなんだろうが、
 これはこれで、またきれい。
 
 なお、禁煙日記終了まであと6日。
 
6月30日
 禁煙日記終了。

 去年の7月1日に禁煙を決意してちょうど1年。
 順調だった時期もあったけれど、結局禁煙には失敗してしまった。
 ちょうど区切りの良い日が来たので、今日で禁煙日記は終了。
 もう全魚人じゃなくて、普通の喫煙者だ。
 
 でも、イラク派兵には反対。
 煙草税の増税にも反対。
 年金法にも反対。
 小泉政権に反対。
 自民党に反対。
 公明党に反対。
 ブッシュ政権に反対。
 テロに反対。
 
 鈴木宗男が嫌い。
 松山千春が嫌い。
 巨人が嫌い。
 読売新聞とナベツネが嫌い。
 徳光アナが嫌い。
 産経新聞が嫌い。
 週刊新潮が嫌い。
 小林よしのりが嫌い。
 田原総一朗が嫌い。
 2ちゃんねるが嫌い。
 

 こんなこといつまでも長くは続かない
 いいかげん明日のこと考えた方がいい
 どうしたんだ ヘイヘイベイビ お前までそんなこと言うの?
 いつものようにキメてぶっ飛ばそうぜ
 
 こんな夜にお前に乗れないなんて
 こんな夜に発射できないなんて

 
 今日はこのLPをCD−Rに焼いた。

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