S.Eとは、

S.Eとは、「スピリチュアル・エマージェンシー」のことで、トランスパーソナル心理学の著名な精神科医のスタニスラフ・グロフ氏の奥さんクリスチィナ・グロフという人が言いはじめた言葉のようです。
彼女によると、霊的修練などにによって、精神の危機的な状態に陥ってしまった場合、精神病院などで治療されるのではなくて、人間成長のプロセスのなかの一部として見るほうが適切である
という考え方から、その人たちをサポートするためのネットワーク(SEN)を作ったようです。詳しくはこちらのURLへ・・・・・・
http://elfi.com/sen/index.html
SEN JAPAN
http://www.npcj.com/sen/index.html



S.Eとは、古くから日本の禅などでは、魔境や禅病の時などに起こる状態として知られているものと大体同じものだろうと思います。
禅病にかかった人で、最も有名な人は、白隠禅師があげられます。
白隠禅師は、その著書「夜船閑話」でその症状を次のように語っています。

「心火は逆上し、肺金は焦枯する有様であった。それゆえ両脚は冷えきって氷水の中へつけたようになり、両方の耳は谷川のせせらぎのような耳鳴りがするし、肺胆ともにつかれ弱まり、立ち振る舞いは、ものに怯えるごとくであった。そして心は疲れきってしまい、寝ても覚めても種々の幻覚に悩み、脇の下はたえず汗をかき、両目にはいつも涙がたまる状態となった。」



このS.Eのおもな原因としては、

(1)体験を理解する概念的枠組みがない。

(2)必要以上に必然性のない行法をしたため身体のバ   ランスを崩す。

(3)内部のエネルギーの覚醒によって、それらの体験 に圧倒されてしまう。

(4)新しい自己イメージをうまくうけいれられない。

(5)霊的なオープニング(サイキックな現象や共時 性、幽体離脱や過去世体験)などによる恐怖。

などがあげられます。

近くにこれらの体験について、理解がある人がいる場合は良いのですが、一人でそのような状態になった場合、その人にとっては、相当深刻な問題になります。
私の場合もそうでしたが、その当時は何の知識ももってなかったため、自分は頭がおかしくなってしまったんじゃないかと思ったり、
内部のエネルギーによって、このまま死んでしまうんじゃないかと思ったりしました。病院に行ったりしましたが、病院では、最初から少しノイローゼぎみの患者として見られ、なにやらわけのわからない病名をつけられて、いっこうに症状が改善しませんでした。


S.Eの状態

グロフによるとS.Eの状態は、だいたい次の6種類あるとされています。

1.クンダリニーの活性化

クンダリニーとは、ヨーガの一部にある考えかたで、それらの書物によると、(クンダリニーとは、尾骨にとぐろをまいて眠る生命エネルギーで、ある種の行で活性化させると脊髄を通って7つのチャクラを活性化させ、低次元の人間を脱することができる。)とされています。
クンダリニーの活性化によって引き起こされるS.Eについては、ゴービ・クリシュナが書いた「クンダリニー」(平河出版社)に詳しく書かれてあります。
その一部を見てみますと次のように書いてあります。

『尾骨から、それと結合している背骨を得て脳に上昇していく精気の流れが、私の想像力を幻惑しているようでもあった。しかし、私にはそれをやめさせることも、想念への影響を抑えることもできなかった。私は気違いになるのではないか。こうしたことはその前兆ではあるまいか。こうした考えがしょっちゅう絶望にかりたてていた。私が気力をなくしていったのは、単にきわめて異様な意識状態にあったからではなく、むしろそれが気の狂う一歩手前の状態ではないか、神経組織がめちゃめちゃになってしまうのではないかという恐れが強かった為である。』

このことを見ても分かりますが、クンダリニーの覚醒ではあまり良い状態は起こらないということです。
この他にもクンダリニーの症状として、雷に打たれたように光に貫かれるような体験をしてみたり、神経がコントロールできなくなり、突然恐怖を感じたり、笑いだしたり、泣き出したり、呼吸困難に陥ったりします。また突然ピョンピョン跳ねだしたり(私も目撃したことがあります。)します。


2.シャーマンの旅

シャーマニズムとは、原始的宗教の原形のようなもので、西洋的な文化の中では、霊的信仰の迷信的な不健康の象徴として見られているようです。
シャーマンとは、ある特別な儀式を経て、非日常的な旅をして特別な能力を身につけ、病の人を治療したり未来を占ったりする人のことをいうようです。

このシャーマンの旅の様子が分かるもっとも有名な書物は、「カルロスカスタネダシリーズ」(二見書房)があります。最近では、ロシアの精神科医オルガ・カリティ著 「ベロボディアの輪」(角川書店)等があります。
シャーマンの旅で良くある特徴は、アストラル旅行マジカルフライトなどの異次元への旅です。これらの旅では日常と同じ位リアルに感じるのが特徴のようです。
実際に身体的なその時と同じ反応が出る(例えば身体を痛めつけられたりした旅をした場合、体にその痕が残る)こともあるようです。
また精霊動植物自然界との深いつながり(コミニュケート)を持ったりするのがシャーマンの旅の特徴のようです。

アメリカインディアンのように文化全体がシャーマニズムについて広く浸透している場合はいいのですが、私達現代人がいきなりこれらの旅を経験すると、普通 恐怖と驚愕 によってS.Eに陥ってしまうみたいです。


3.精神の刷新

「精神の刷新」とは、ユング心理学派のジョン・ウェア・ペリーが言った言葉のようです。詳しくはアメリカ現代思想「(阿含宗総本山出版局)に書かれています。
人間的な成長を遂げる場合やはり、自己イメージの刷新が行われます。それに対して、おだやかな形でそれを受け入れられれば問題はないのですが、受け入れられない場合、危機的な状態になるようです。
ユング心理学の所謂‘集合無意識原型が活性化されると、自分が世界の中心にいると強く感じるみたいです。


4.サイキック・オープニング

これは、皆さんもご存じの超能力者的な体験をすることのようです。
科学では解明出来ないような超常現象が起きてきます。

これらの能力は昔から修行の副産物として付いてくるといわれています。
またシンクロニシティ(共時性)の体験もこれにあてはまります。
今までの常識を根底からくつがえすような相当不思議なことが起きてくるので、
その状態をうけいれられなくて、おかしくなったり、また自分だけが特別の人間よう
に感じたりするようです。


5.カルマ的パターンの出現

カルマという言葉は、輪廻転生の仏教的な言葉ですが、
カルマ的パターンの出現というのは、シャーマンの旅とも共通するのですが、いわゆる過去世体験などをリアルに経験することといえるでしょう。
それらの体験のあまりのリアルさに圧倒されて日常世界の現実観がおかしくなる。これがカルマ的パターンの特徴といえるようです。


6、ひょうい現象

ひょうい現象とは、日本でもおなじみのキツネの霊や死霊が乗り移ることとして知られています。
突然、自分の中に自分とは違う誰かが感じられるようになり,それらの霊からいろいろな示唆を受けてみたり、抵抗すると体ごと霊に乗り移られたように感じるみたいです。


これらのパターンがSEの状態として おもに現われるようです。しかし、これらのパターンは、一つだけ現われるというよりは、いくつか組み合わさって出てくるようです。



参考文献

●スピリチュアル・エマージェンス・ネットワーク 吉副伸逸著 C+F研究所
●医僧白隠の呼吸法 村木弘昌著 柏樹社 
●クンダリニー ゴービ・クリシュナ著 平川出版社
●魂の科学 スワミ・ヨーゲシグァラナンダ著 たま出版
●カルロス・カスタネダシリーズ 真崎義博訳 二見書房
●ベロボディアの輪  オルガ・カリティ著  角川書店
●アメリカ現代思想「      阿含宗総本山出版局
●自己発見の冒険  スタニスラフ.グロフ著  春秋社

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