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自慢ではないが、英語は大の苦手である。どのくらい苦手なのかというと…。 清水義範の小説に「スノー・カントリー」(角川文庫刊「似非物語」収録)という好短編がある。 高校の英語教師である主人公が、英語の夏休みの宿題として、生徒に「なんでもいいから英語の本を一冊訳してきなさい」という課題を 出したところ、生徒の一人が「スノー・カントリー」という小説の本を訳して来る。 実はこの「スノー・カントリー」とは、川端康成の「雪国」の英訳本なのだが、それとは知らないこの生徒は、とんでもない訳をして 来てしまうのである。 例えば、「on your way back?」(お帰りですか?)が「君の方法は背中の上ですか?」になったり、 「call up a clear picture of her」(彼女の像をくっきりと思い起こした)が「鮮明な彼女の写真に電話した」になったり、 挙句の果てには「like motion pictures superimposed one on the other」(映画の二重写しのように)が「超インポの人のエロ映画」になる始末。 こんな抱腹絶倒の面白い小説を、「他人事とは思えない」とあまり笑えなかったくらい、苦手なのである(笑) 日本人の「英語の勘違い」を書き出したら、枚挙にいとまがない。 有名なところでは、あの長嶋茂雄が外国のパーティーに参加した時、そろそろ帰るのでタクシーを呼んでもらおうと思い、 「プリーズ・コール・ミー・タクシー」 と言ったところ、周りのみんなから「HEY,Mr.タクシー」と呼ばれたという話がある。 同じ「野球選手の話」としては、前巨人監督の原辰徳がまだ現役の時、「ラブイズオーバー」という歌のタイトルの意味を、 「愛は終わった」ではなく、「ひとつの愛を『乗り越え』て、さらなる愛に突き進む」という意味だとずっと思い込んでいて、英語が 得意な江川卓にさんざん馬鹿にされたそうだ。 他にも、タレントの山田邦子が飛行機でオレンジジュースを頼む時に、スチュワーデスに「アイアム・オレンジジュース」と言って しまった事など、面白い話はまだまだたくさんある。 ここで、他人の話ばっかりで自分の失敗談を一切出さない点が、ワタクシの狡賢いところである。 「日本の学校の英語教育はおかしい」というのは、昨今しきりに言われていることである。 「ヒアリングではなく、いきなり文法などから教えるから、訳が分からなくなるんだ。」と。 確かに、「英語」ではなく「英会話」を学ばせようとするのだったら、この意見は正しいのだろう。 しかし、学校で教えているのは、あくまで「教科」のひとつである「英語」なのだということを考えたら、今の教育方法が別段 間違っているとは思えない。 大体、ヒアリングよりも英文法や英作文の方が、教科書や参考書も作りやすいし、テストも遥かにやりやすい。 もし、学校の英語の授業を受けて、英語に興味を持った人がいたら、その時には自分自身で本格的に「英会話」の勉強をすればよい だけのことのである。 どだい最初から、学校の授業だけで英語ペラペラになろうなんていうのは、甘い考えなのではなかろうか。 学校とは、「教科そのもの」を学ぶところというよりも、「勉強の仕方」や「学び方」を教わるところなのだから。 ここで、「学校の英語教育のやり方が悪かったから、自分は英語が苦手になったんだ」という結論にならないという点が、ワタクシの 偉いところである。 英語が苦手なワタクシではあるが、それでは英会話に興味がないかというと、さにあらず。むしろ、大いに興味がある。 何といっても、子供の頃、ドラえもんの道具で「どこでもドア」の次に欲しかったのが、「ほんやくコンニャク」だったのだから。 その証拠に、あの一時期大ブームになった「オーソン・ウエルズのナレーション」で有名な英語教材「イングリッシュアドベンチャー」 の初級編「家出のドリッピー」が、ちゃんと全巻我が家に揃っているのだ。 丁度いい。今回のエッセイを機に、もう一度やり直してみるか。 さてと、どこから始めようかな。 やはり最初は…被っているホコリを払うところからか(苦笑) |
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