「八月の鯨」  1987年/アメリカ/91分
   監督・リンゼイ・アンダーソン
   出演・リリアン・ギッシュ/ベティ・デイヴィス/アン・サザーン
ビデオで鑑賞。(2004/4/26)
ニューイングランドの小島。古い家。
セーラ(リリアン・ギッシュ)とリビー(ベティ・デイヴィス)の老姉妹の晩夏の一日。
白内障を患って目が不自由になり、死の影におびえるあまり偏屈になってしまった姉リビー。
老いてはいてもおしゃれをし、花を愛し、そして幼い頃に同じ岬から見た鯨の姿を今年も見たいと願う妹セーラ。
静かな、静かな、映画。

ほんとにね。
まだうまくまとまらないのですが。
いい映画。
淡々と老女達の一日を描いただけの映画。
でもその一日の中に、少女だった彼女たちが、恋をして、大人になって、戦争を体験して、夫と死別して、子どもと折り合いがつかなくなって,,,,そうした人生のエッセンスがあちらこちらにちりばめられている(回想シーンなど野暮なものは一切ないのに)
生きることに消極的になってしまっている姉リビーと、今年もまた鯨を見るんだと朝に昼に晩に岬まで出かける妹セーラ。
老いたお二人の演技がたまらなく愛しい(当時リリアン・ギッシュ92歳/ベティ・デイヴィス82歳)
磨き上げられた古い家の家具の数々。
友人との他愛もないうわさ話。
老紳士を招いてのディナーでは自慢のドレスに着替え、おしろいをはたく。
逝ってしまった夫との結婚記念日にキャンドルをともし、レコードをかけ、ワインを飲む。
潮が満ち、引き、そしてまた満ちる海の美しさ。
人生は最後まで、大切に楽しんで。鯨は必ず来るのだから。
と。
彼女たちに教えられた気がしました。

総合評価 9点