「裸足の1500マイル」  2002年/オーストラリア/94分
   監督・フィリップ・ノイス
   出演・エヴァーリン・サンピ /ローラ・モナガン /ケネス・ブラナー  
ビデオで鑑賞。(2004/4/10)
1931年のオーストラリア。
政府の“隔離同化政策”によって収容所に連れ去られたアボリジニの少女3人は、母の待つ故郷に帰るため、大陸を横断するフェンスを頼りに逃走する…。
少女たちの一人、モリーの娘、ドリス・ピルキングトンが綴った真実の物語。

とにかく最初から最後までずっとずっとずっと胸が痛かった。
「胸が痛む」なんていう慣用句ではなく、本当にあばらの真ん中あたりが内側からぎゅっと捕まれているように痛んだ。
「アボリジニは野蛮な生活を送っている。彼らを救ってやるためには、まず白人(イギリス人)とアボリジニとの混血児を隔離し、教育し、白人社会にとけ込ませてやることが大切なのだ。それがアボリジニにとっての救いなのだ」とあくまでも善意から「隔離同化政策」を押し進めるアボリジニ保護局長。彼もまた彼の真実に基づいて行動している。
しかし少女達は歩き出す。収容所を抜け出し、1500マイル(約2400キロ)という遙かな距離を母のいる故郷に向かって。
広大な自然。
沈着な追跡者達。
少女達のどんどんか細くなる足。
各地でつきつけられる冷酷な真実。
カメラワークは確かに映画的なのに、映画を観ている気がしない。
「人権問題だ」「白人社会の傲慢だ」などと声高に叫んでいるわけでもない。
ただひたすら少女達の歩く姿を通して、生きるということはどういうことなのかを、何が自分にとって大切なことなのかを、問いつめられているような気がした。
とにかく脱力。脱帽。
エンドロールが終わっても呆けてしまうような映画を観たのは10数年ぶり。

総合評価 20点