「母と花」  2004.5.24

お母さん
あの頃うちは
お花だらけでした

バラバラに散り枯れていく家族を
つなぎとめようとするかのように
貴女は必死で花を咲かせているようでした

言葉を交わせばそれぞれの棘で
お互いを傷つけるだけと知った私たちは
やがて口を開くことをやめ
私は花盛りの家を出ていき
貴女はさらに花を咲かそうとする

私は花と貴女を憎んだ

貴女は貴女の場所で
花を咲かせ続けた

あれから何年も
何年もたって
花は決して
一人では咲かないと
最近ようやく
私は知りました

あの花にあふれた家は
もう
どこにもない