「石鹸と罪」 2003.5.23

     おろしたての石鹸を
     両の掌でたんねんにこすりあわせ
     乳白色の泡をたっぷりとつくりあげる

     羽毛のようにやわらかなその泡が
     体のあちらこちらを滑りおちて
     的確なまでに
     傷口にしみこんでいく

     昨日庭仕事でつくった
     右の人差し指に
     あるいは
     あの日私が刻み込んだ
     罪に
 
     表面は乾いてみえても
     そのかさぶたの一枚下には
     トロトロと残酷になめらかな組織が
     今も息づいている

     この痛みが私の生きていく証なのだと