「心象風景」 2003.4.5

     下から上に降るポプラの綿毛

     大学のゼミ室は
     L字形の曲がり角付近にあって
     窓のすぐ外に
     4階まで頭をのぞかせたポプラの木が
     すっくりと立っていた

     5月になると
     風の吹きようによって
     行き場をなくしたポプラの綿毛が
     小さな上昇気流に乗って
     下から上に降ってくる

     ずらりと本に囲まれた
     穴ぐらのような小さなゼミ室の
     お気に入りの席に座って
     生まれて初めて見るその風景に
     心を奪われた

     下から上に降るポプラの綿毛

     その5月に
     その部屋で
     恋をはじめた