「水銀」 2006.3.26

私は海が好きでしたので
いつもあのテトラポットの上で
体育すわりをして
海を見ながら何かしらうたを
うたっていたものでした

私の悲しみはいつも
テトラポットを伝って
フナムシといっしょに
海にかえりました

けれども
だからといって海にとけてしまえるものでもなく
水銀のようにコロンと丸まったまま
私の悲しみは
やはり今でも
あのテトラポットの下あたりで
波に揺られているのでしょうか

引き潮の夜に
テトラポットのすきまをのぞいてごらん





いいえ
のぞいてはいけない