2006年予算案反対討論(本会議用)

 私は、ただいまから、自由民主党議員会を代表して、本特別委員会に付託されました予算案に対しまして、議案第1号、陳情第222号および陳情第224号に反対の立場から、また、残余の議案については、賛成の立場から簡潔に討論させていただきます。

 上田市政4年の総仕上げともなる今回の予算でありますが、まず、経済政策においては、札幌元気基金などの名ばかりで実のない施策ばかりがならべられており、これといった景気浮揚策がみられず、実質的には、まったく「元気の出ない予算」であります。

 例えば、今回の予算案では、市内のIT産業を1兆円規模のビジネスに成長させるという前提で高度情報通信人材育成・活用事業が盛り込まれており、これによってプロジェクトマネージャーを育成するとのことですが、業界の現況は他国との競争に敗北し、生き残れるかどうかの瀬戸際にあるわけで、業界支援のためには、もっと実質的で即効性のある施策が必要であります。

 長期的な経営戦略を考えた場合にも、多数の問題点があり、緊縮財政・縮小・均衡という考えだけで本当にいいのか、という疑問も湧いてきます。北海道新幹線推進費としては250万円が計上されているのみですが、これでは、新幹線を札幌にまで延伸する意欲がまったく感じられません。土木費の10%カットによる90億円の削減や、普通建設事業費の15.5%カットなどは、官依存型経済から脱却しきれていない本市の民間経済においては、深刻な打撃となるでありましょう。 特に、雪対策においては、市内の幹線道路の延長に対応するためにも、本来ならば予算を増やさねばならないところを増やしておらず、実質的には削減してしまっています。このことは、雪堆積場の確保や、ダンプトラックの確保に支障をきたすばかりでなく、ただでさえ厳しい作業環境を強いられている除雪業者に、さらに負担を強いることにつながるわけで、市民の願いに逆行していると言わざるを得ません。

 また、経済政策ばかりでなく、行政改革の面にも大きな不手際が生じました。八軒地区センターの指定管理者選定において、指定管理者制度そのものへの不信感を抱かせる事例があったわけであります。今後は、選定結果の通知の方法に公正さを期すべきであります。これに加えて、バス事業の民間移譲にも問題がありました。公共交通機関としてのバス事業を民間に移譲してから約2年間経過しておりますが、中央バスからの補助金の返還などに不公正なあつかいがあり、今後の路線維持方策に著しく支障をきたしております。

 この他に、市民会館の閉館についても、市民の理解を得られるような方針が打ち出されておりません。これまで市民会館を利用してきた市民は、突然の報道に驚愕しているところであり、市長としては、今後の具体的な対応策を示すべきところでありますが、今回の予算案には10年後を目指して新築するとしているのみであります。これからの10年間をどうするのかの展望が欠落しており、なんらの対応策も示されておりません。これでは、これまで市民会館を利用してきた市民に対する責任放棄であります。我が会派としては、新しい会館ができるまでの間の代替施設について、早急に結論を出し、発表すること、及び、新たな施設については、札幌の中・長期的なまちづくりを展望し、多様な視点から、しっかり検討を行い、施設概要を市民に明らかにすることが必要不可欠だと考えます。

 市民の理解を得られない、ということでは、子どもの権利条例のこともあります。少子化社会の通例どおり、今の日本では、少ない子どもを大事に育てようとするあまり、子どもたちを甘やかしすぎる保護者が増えております。結果として、子どもたちの内面には、社会的責任や集団生活における義務の観念が薄くなってしまっており、このことが教育の現場では、学級崩壊などの大きな問題に発展してきています。こういう現況において、ことさらに、子どもの「権利」ばかりを取り沙汰することの意義が理解できません。確かに、そこには、虐待やイジメの問題があるわけですが、そういった問題の解決策としても、子どもの権利条例の策定がなんらかの効果を発揮するものではないと考えます。よって、条例を策定するとしても、その名称からは、「権利」という2文字を削り、「子ども保護条例」とするべきと考えます。

 また、札幌市教育研究協議会、略して札教研のあつかいについても不名誉な顛末がありました。この問題につきましては、昨年の決算特別委員会でも取り上げたところですが、この度、文部科学省から任意団体の業務に教員を勤務時間中に従事させ、給与を支給することは不適切であるとの指摘を受けたところであります。我が会派としては、今後は、国などから不名誉な指摘を受けないように、また、市民が疑念を抱くような会計処理を行わないように、必要な改善を図らねばならないと考え、市民にとって納得できる方針を強く打ち出すべきと考えます。

 不必要な歳出ということでは、この市教委の人件費の件の他に、駅前地下通路と創成川アンダーパスの工事の件があります。1000人ワークショップなどで、いたずらに議論を重ねた結果、実施設計と準備工事への着手が大幅に遅れ、工期がずれ込んだことにより、事業費が膨張してしまっております。

 上田市政には、長期的な展望というものが欠落しており、このことが今回の予算案にも反映されていて、低迷する本市の経済に、より一層の追い討ちをかけるものと思われます。

 議会で決議された夏季オリンピックの誘致においても、失敗を怖れる上田市長の姿勢を打ち出した1万人アンケートを行った結果、「賛成」と「反対」の差がほとんど出ませんでした。「市民の負担が大きい」、「財政面で不安」、「施設の維持費、後利用が大変だ」といったマイナス面のみを強調したわけですから、その結果ははじめから見えていたのであります。そして、このアンケートの結果を下に、2020年の夏季オリンピックの招致にまで言及して、それを行わないことを表明したことは、誠に後ろ向きな行動と言わざるを得ず、これは、なんらかの長期展望を必要としている本市経済に冷水を浴びせるような行為であります。

 また、市長は、来客2000万人を公約として掲げ、新まちづくり計画では、平成18年度の年間来客数の目標を1500万人としておりますが、今年度の入り込みの見込みからすると、目標達成は不可能な状況にあります。来客を増やそうというなら、オリンピック誘致こそが大きな牽引効果を発揮するはずだったわけであり、それを拒否した上で、来年度の目標を縮小し、その縮小した目標すら達成が危ぶまれるというのは、市長の主張に大きく反するところであり、公約違反でもあります。

 以上、我が会派が平成18年度予算案に反対する意見、提言を述べさせていただき、私の討論を終わります。