2003年総決起集会 決意表明 原稿

 えー、本日は、年度末の連休明けの夕食時であるにもかかわらず、また、足下の悪い中を、この決起集会に駆けつけていただきまして、誠にありがとうございます。心より篤く御礼申し上げます。

 さて、先ほどの道見市長候補予定者のお話にもありましたが、札幌市を取り巻く経済情勢は、まさに苦境であります。これまではあたりまえであった公共事業による景気対策も警察の捜査の対象となるようなことになり、これに連動して札幌市の経済構造が根底から突き崩されつつあります。その上、皆様ご承知の通り、ついに米国がイラクの攻撃に踏み切りました。今のところ株価は安定しているようですが、この戦争は、破綻寸前のアメリカ経済に致命的な打撃を与える、という予測も出ております。アメリカ発の経済恐慌が起これば、我が国は、その直撃を受けると言われております。そうなれば、当然、私たちの札幌市も、大いなる打撃を受けることになると思われます。

 私たちは、今、この苦境を脱するために、なんらかのアクションを興さねばならないわけですが、なにをどうしたらよいのか、という点で、皆、頭を抱え込んでしまっているような状態であります。

 考えますに、今のこの状況下では、なにかひとつ、これをやれば一発で景気が良くなる、というような政策はないようです。今、私たちがやらねばならない事は、考えられるあらゆることを、ひとつづつ、着実にバランスよく進めていくことだと思われます。

 と、まあ、そんなことを考えてますと、なかなか寝付かれない夜があります。先日もそういう夜がありまして、なにげなくテレビをつけましたら、ジャンプをやってました。先ほどの道見市長候補予定者のお話にもありましたノルディックスキーの世界大会のジャンプです。2007年には、この大会が札幌にやって来るわけですから、日本ジャンプ陣の健闘を期待して見ておりましたが、残念ながら、日本は、ついに金メダルを取れませんでした。

 解説の話を聞きますと、日本ジャンプ陣は、追い風に弱いそうです。ヨーロッパのジャンプ台は、後ろから風がふくような構造になっていて、前から風がふくのに慣れてしまっている日本選手は、後ろからの風では遠くに飛べないようです。

 前から風がふいて来る場合は、思い切って前傾をかけ、頭から前方に飛び込むような姿勢をとるのがいいそうですが、後ろから風がふいている場合は、これでは浮力が得られず、失速してしまってストンと落ちてしまうそうです。後ろからの風で飛ぶには、微妙な姿勢のバランスが必要なようです。金メダルを獲得する選手は、とにかく、サッツのタイミングをバッチリ決め、飛び出す方向、その後の姿勢の維持の仕方などがすばらしいそうで、諸々のことをきちんとクリアできれば、後方からの風であっても、K点を超えて、さらには130メートルを超えられるわけです。

 札幌市の経済は、今や、苦境に陥っており、これをやればなんとかなる、というような特効薬的な処方箋はありません。前傾をかけて頭から飛び込むような飛び方では遠くに飛べないのです。今、私たちがやらねばならないのは、後ろからの風をうまく受けるような微妙な姿勢をとり続け、非常に高度な流体力学的な浮力をつくりだすことです。

 札幌市は、今、IT・バイオ・新エネルギーなどの部門で新たな産業を模索しています。産・学・官の連携による新しい札幌独自の産業を模索しています。このプロジェクトは、短期的には大きな成果が望めませんが、札幌市の将来を担保する上でも、なんらかの結果が出せるよう積極的に推進し続けなくてはなりません。

 また、発注型景気対策からアドバイス型景気対策へのシフトチェンジも行わなくてはなりません。公共事業をどんどん出して景気を刺激することはできなくなっているわけで、公共工事とは無縁な企業も大きく育っていけるような環境づくりが必要です。市役所内には、様々な情報が集積しており、一企業では集められない有益な情報もたくさんあるわけですが、そういった情報のほとんどは役所内の書類の山に埋もれてしまっていて、一般には公開されてません。また、市役所には、国や道に対する情報のパイプがあります。その気になれば、かなりの情報を集めることができます。それらの情報を一般向けにきちんと整理し直して民間に公開するシステムが必要になっていると思われます。つまり、アドバイス型の景気対策です。

 また、K点を超えるためには、体重を軽くしなくてはなりません。経済における体重とは、税金でありましょう。市民税の税収は毎年下がる一方ですが、お金が足りないとぼやくばかりでは、状況は前進していきません。税金が安くなれば景気も浮揚するわけですから、行政におけるコストダウンということも大胆にやっていかなくてはなりません。

 今、札幌市は、ようやく、市営バスの全面民営化に踏み切りましたが、次は地下鉄です。と言っても、建設資金の5千億円を支払って、これを引き受ける企業はありません。したがいまして、地下鉄に関しては、民営化という線は無理でありまして、運転や整備に関する業務や、駅の管理などに関する業務を民間に委託する方向で事を進めなくてはなりません。

 同様に、清掃部が行っているゴミの回収業務なども全面的に民間委託してしまわねばなりません。学校給食や学校施設の管理業務なども同様です。さらには、交通局と同様に赤字経営が続いている市立病院も、その経営の仕方を根本から見直さなくてはなりません。採算がとれなくても必要な医療というのがありますが、その部分については、それなりの助成金を出すという形で民営化することができると思います。

 市が直営でやっている認可保育所なども、民間に引き受け手がある場合は、どんどん民間に引き渡すべきです。

 とにかく、札幌市の行政コストの最大のものは、職員の給与なわけで、これをなんとかしなくては、体重は減りません。市営バスの運転業務やゴミ回収のトラックの運転業務などに従事している職員は、組合交渉の歴史的な経緯によって年収1000万円を超えるようになっているわけですが、それらの業務を民間に委託すれば、人件費の部分で大幅なコストダウンが可能になります。

 市の職員は、今現在で、17,000人弱ですが、やる気になれば、これを1万人以下にすることも可能です。

 ちなみに、イギリスでは、義務教育における学校経営も民間委託に切り替える動きが出ています。日本でも、教員の能力の低下などが大きな問題となっておりますが、民営化してしまえば、人材の資質の面でも大きな向上が見られると思われます。現在は、使い物にならない教員でも、公務員法によって首を切ることができないため、これを生徒と接触しなくてすむような業務に回したりして雇用し続けているわけですが、民間に委託してしまえば、そういう余計なコストはかからなくなります。

 が、それらの行革は、そう簡単には進みません。国の法律のこともありますが、異次元世界のような思想ばかりを掲げてさっぱり本業をやろうとしない日教組、札教組、市労連などが民主党の看板の下に依然として大きな勢力を維持しており、これが大きな障壁になってしているからです。(組合は、職員定数の削減には絶対反対です。組合の勢力の基盤は、職員の数にあるわけですから、それを減らすような話に賛成するわけがないのです。)

 しかし、後ろからの風を受けながらK点を超えるには、こういうことにも決着をつけなくてはなりません。

 教育の話になりましたのでつけ加えておきますが、子育て支援の方向性も、最近は、ひとつのターニングポイントを迎えております。働くお母さんたちを支援するために乳幼児保育というようなことまで、最近では、やるようになっているわけですが、実際問題としては、行政が母親の代わりをするのには無理があります。これは、スゥエーデンが少子化対策として盛んに行った経緯があるわけですが、今現在のストックホルムでは、親の愛に恵まれずに施設で育った子どもたちがあふれかえり、それらが次々と犯罪を起こして、世界一の犯罪都市となっているそうです。それらの世代は、子どももつくりませんから、出生率も急落しているそうです。

 今の日本がやっている子育て支援は、子育てが嫌で働きに出る女性を支援しているような雰囲気になってきており、将来的には大きな問題に発展するのではないかと懸念されます。乳幼児保育にお金をかけるならば、そのお金を育児休暇に対する助成金という形にして使うべきと考えます。健全な子どもを育成する、という観点からも、また、コスト削減の観点からも、保育行政については、大きな見直しが必要となっています。

 経済の基盤は、人々がどう生活するか、というところにあるわけですし、後ろからの風を受けてK点を超えるためにも、ここは、踏んばらねばならないところだと考えます。

 とにかく、K点を超えるには、これをやればいい、というような特効薬的なものはありません。逆に言えば、あらゆることを徹底的にやらねばなりません。

 そういうわけで、私としましては、これまでの議員としての8年間の経験を活かすためにも、なんとか、今回の選挙には勝ち残りたい、と思うわけですが、今回の選挙は、横からの突風に煽られつづけておりまして、私ひとりがいくら頑張ってもどうにもならない状況であります。

 なんとか、もう一度、この私を市政の場に立たせていただきたく、皆様方には、より一層のご支援を、切にお願い申し上げます。

 私も、あきらめることなく最後の最後まで全力を尽くしますので、どうか、よろしくお願いいたします。

 

 本日は、誠に、ありがとうございます。


註・上田さんが市長になると、行政コストをダウンする手の話は凍結状態になるでしょう。北教組や市労連の支援で選挙に出ている以上、やりたくてもできなくなるのです。そして、福祉関連のバラマキ行政が開始されるでしょう。財源のない札幌市がそういう目先の票稼ぎに走れば、近いうちに債権団体へ転落してしまうでしょう。


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