2009年第1回定例議会 代表質問原稿(2月17日)

 約7年ぶりに代表質問をいたしました。うちの会派では、慣例によって、4期目以降は議員を辞めるときまで代表質問をしないことになっていたのですが、一昨年の選挙で現職2期目となるはずだった小須田さん(南区)が落選してしまい、2期生が2人だけとなってしまったりしまして、質問者が足りなくなり、私も応援にかり出されました。議員会長という立場上、新人議員のお手本となるような質問をしなくてはいけなかったのですが、そううまくは行きませんでした。なにせ7年ぶりだったもので・・・。

以下は、その原稿です。

 それでは、自由民主党議員会を代表いたしまして、市長から上程されております平成21年度予算をはじめ、市政に関します諸議案および当面の課題について、8項目22点にわたり、提案を交えながら順次質問いたします。

 まず、はじめに、市長の政治姿勢について8点お伺いいたします。

 1点目は、今回上程されました予算編成における基本的な考え方であります。

 いままでもそうでしたが、今回の予算案にも、これといった目玉商品が見あたりません。予算の概要には、新規事業を意味する二重丸の項目がいくつも並んでおりますが、例によって金額がひどく小さかったり、実態のない話だけの項目ばかりが目立ちます。子育て支援を名目に絵本を配るという項目が目新しい施策としてクローズアップされていますが、これに至っては施策というよりも市長ご自身の自己PRなのではないかと思われます。また、既存の事業についても、なにかをバッサリ切って、なにかにがっちりテコ入れした、というような斬新な取り組みもないようで、市民や職員からの批判をかわすことにのみに力を入れた「アリバイづくり予算」といった印象を受けます。

 ちなみに、昨年末には、本市と長万部の間に新幹線が通ることが先行的に決まったわけですが、この国の動きを受けて地元の機運を盛り上げようとする予算づけがなかったことも残念です。景気の「気」は気持ちの「気」だと言われます。本市としては、こういう明るいニュースをうまく使って人々の気持ちを明るくし、そこから経済効果を引き出すくらいのことを、やらねばならないのですが、そういう工夫も今回の予算案には見られません。  

 また、ご承知のとおり、本市の経済情勢は非常に厳しいところに立ち至っており、地元企業が続々と経営破綻をきたしておりますが、この状況に対する施策としては、相も変わらず融資枠の設定ばかりであります。お金を借りても商売が儲かっていなければ返せないわけで、市長には本気で市民のために何かをするおつもりがあるのかどうか疑いたくなるところです。

 そこで、今回の予算編成における上田市長の基本的な考え方を改めてお示しいただきたく存じます。

 2点目は、路線バス事業における一連の政治判断ミスについてです。

 市長は、我が会派が再三にわたって指摘しているにもかかわらず、依然として自らの政治判断ミスをお認めにならず、約5千万円にも上るJRバスへの賠償金についても一切の責任を認めておりません。昨年の4定において可決されました減給処分についても、「あの減給は、あくまでも市民の皆さんを不安にさせたことに対する責任をとったものであり、政治判断ミスによって生じた約5千万円の賠償金についての責任をとったものではない」とおっしゃっておられます。しかし、市民の皆さんのほとんどは、あの減給処分を5千万円の責任をとったものと理解しており、1ヶ月分の1割しか減給されないと聞いて、大いに憤りを感じております。

 昨年4定において、我が会派は、この件についての市民意見をきちんと調査すべきではないかと質問いたしましたが、市長は、この市民感情については、「歴史の判断に任せる」というような答弁をもって逃げを打たれました。しかしながら、このような案件は問題が解決されてしまえばウヤムヤになってしまう傾向があります。そして、事がウヤムヤにされてしまうと、結局は、行政の責任の所在そのものがウヤムヤにされ、上田政権下の無責任な行政のあり方を助長することになります。この件については、事が熱く燃えているうちに決着をつけるべきであり、市長としては、一連の不祥事の顛末をきちんと市民に説明する意味でも、市民に対するアンケート調査などを行うべきかと思います。つまり、市長の減給は「5千万円の賠償責任の一部を引き受けたものではない」という事実をきちんと説明し、その上で、この件について快く承諾していただけるかどうかを調査すべきだと思いますが、この点について再度ご答弁をお願いします。

 さて、3点目は、46協定についてです。

 昨年末の12月26日、北海道教育委員会は、長年にわたって道内の教育現場を腐敗させ続けてきた46協定をついに全面破棄いたしました。ご承知の通り、この46協定は北海道教職員組合、いわゆる北教組と道教委の間で結ばれた「密約」であり、校長の権限を著しく制約して組合主導の学校運営を容認するものであり、組合の勢力を拡大するために先生たちの待遇を優遇する内容が盛り込まれ、夏休みや冬休みの期間中、先生たちが家でビールを飲みながら一日中テレビでサッカー観戦をしていても「校外研修」と認められ、出勤あつかいになったりするものです。

 ちなみに、北教組とは、日教組の下部組織であり、悪名高き日教組は社会保険庁の怠慢業務を指導していた国費評議会を監督していた自治労とともに総評と呼ばれる過激な労働運動を主導していた組織です。上田市長は、北教組の顧問弁護士であられたわけで、46協定についての関与も少なくなかったはずであり、平成13年3月に協定の一部が破棄された際の北教組が起こした訴訟でも、原告側の弁護士として持ち前の雄弁をふるわれたことと思います。そのときには原告側が敗訴となったわけで、悔しい思いをされたと思われますが、そういう経緯をふまえ、今回の46協定全面破棄に対して、どのような思いを持たれておられるのか、市長のご見解をお伺いいたします。

 次に、4点目として、市役所内の機構改革についてお伺いします。

 市長は、この4月より、市長政策室なるものをつくり、そこに局長職ひとりと部長職4名を置くそうですが、なんのためにそのようなことをするのか、理解に苦しんでおります。そこに新設される局には、市民まちづくり局の企画部や総務局の市政推進部、秘書部、広報部などがスライドして組み込まれるそうですが、それらを統合してひとつの局にすることで何が変わるのでしょう? 政策立案とそこから出された政策の進捗状況の把握が基本的な仕事だということですが、これは、本来、市長の仕事です。市長政策室は市長のリーダーシップを補強する役割を担うのだという説明がありましたが、内容を見てみますと、市長自らがやるべき仕事を代行させる部署をつくったという情景しか見えまいりません。

 以前から、上田市長は、興味のある政策には熱心にとりくまれますが、興味のない政策は部下に丸投げする傾向がありました。今回の機構改革は、要するに、興味のある政策も、興味のない政策も、すべてひっくるめて丸投げにする部署をつくったということでありましょう。

 しかし、上田市長が市長としてそのポジションにある以上は、その機構改革の効果には限界があると思われます。

 尚、今回の「機構編成の概要」には、「市長・副市長間および市長・副市長と各局間の連絡調整を担う調整担当課長を秘書課に配置」するということが書かれてありますが、市長と副市長の間には連絡調整課長を置かねばならないほど大きな溝が生じているのでしょうか? 仮にそうだとして、その調整役を課長が担うというのもわかりません。市長・副市長・各局の局長たちの間を一課長がとりもつというのは、あまりにも不自然な話であり、そのような役目を負わされる課長さんには、凄まじいプレッシャーがかかると思われ、なんともお気の毒な感じがいたします。

 したがいまして、我が会派としては、今回の機構改革は実効性をともなわないものと考え、それだけでなく、組織の統制上、新たな火種を生むもことにもなるのではないかと危惧するところですが、この件についての市長のご見解をお聞かせいただきたく存じます。

 次に、市長の政治姿勢の5点目として、DV(ディーヴイ)わかりやすく発音すると「デーブイ」についての考え方をお伺いします。

 最近は、配偶者に暴行を加える家庭内暴力ばかりでなく、結婚前の男女の間でも暴力行為が増えているようで、これを「デートDV」と呼んでいるそうですが、札幌市の男女共同参画室が発行している「デートDV」についての意識啓発を目指したと思われるリーフレットには、デートDVが起こる社会的背景について・・・「男女ともに「男は強くてたくましく、女は優しく控えめ」「女は男に従うものだ」という固定観念がある」・・・という記載があります。また、デートDVを防ぐための心得として・・・「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」という固定観念にとらわれることなく、一人の人間として、「自分らしく」ありましょう。」・・・という記載があり、これは、相談窓口の連絡先を切り取ってカードにする部分の裏側に印刷されております。

 種々の思想運動に積極的に参加しておられる上田市長にとっては、この記載が何を意図したものか、一目瞭然であると思われます。すなわち、デートDVにカコつけて、いわゆるジェンダー(gender)フリーの思想を若者たちに植え付けようとしているわけであります。ご承知のとおり、ジェンダーフリー運動とは、性別役割分業を階級構造であると見なし、また、これを解消すべきという意図を持った政治運動で、ひな祭りや鯉のぼりなどの伝統行事を否定し、桃太郎を桃子という名前に変えて演劇を行ったり、小学生に対する行き過ぎた性教育を奨励したりするものです。この運動は、広く一般市民の賛同を得ているとは言い難く、政府も、この運動については男女共同参画社会の概念から逸脱したものとして捉えております。行政がこの運動を支援すること自体、大きな問題であるわけですが、これをDV対策と結びつけて子どもたちを洗脳するとなると、これは言語道断であります。

 政府の見解では、女性に対する暴力は、「男女の固定的な役割分担、経済力の格差、上下関係など我が国の男女が置かれている状況等に根ざした構造的問題」としています。が、これは、女性の置かれている「立場の弱さ」がDVを誘発しているという意味です。「男らしさ」「女らしさ」といった性別にかかわる固定観念がDVを誘発しているという意味ではありません。DVの社会的背景が「男らしさ」「女らしさ」を意識することにあるのだとするならば、「男らしい男は、皆、女性に暴力をふるう危険人物で、女らしい女は、皆、男の暴力をあまんじて受け入れる情けない人間だ」ということになるわけです。「男らしさ」、「女らしさ」とは、もちろん、そういうものではありません。が、男女共同参画室が発行している「デートDV」についてのリーフレットを読んだ子どもたちは、当然、そういう解釈をするものと思われます。

 したがいまして、本市としましては、このあたりの認識を一度、きちんと整理し直し、DV対策の中に偏った思想運動がまぎれ込まぬよう、見解を統一しておくべきと思いますが、いかがかお伺いします。

 市長の政治姿勢についての6点目は、APEC誘致についてです。

 来年日本政府が主催するアジア太平洋経済協力首脳会議いわゆるAPECを上田市長は「札幌市に誘致したい」と昨年10月27日に正式に表明されたわけですが、どうも、「これは、横浜市に持って行かれるのではないか」という観測が出ています。

 高橋はるみ知事は誘致活動を表明されて以来、何度も中央省庁を訪問し、積極的なアプローチを重ねておられるわけですが、上田市長がこの件で上京されたのは、11月20日と12月21日のたった2回、と聞いております。また、道庁には、このAPEC誘致を専門的にとりあつかう部署がありますが、本市にはそういう部署がございません。

 ちなみに、先般行われました洞爺湖サミットの直接的な経済波及効果は、北海道経済連合会がまとめたところによりますと約350億円となっており、ポストサミット効果、つまり、サミットが催されたことによってこれから発生するであろう経済効果は約284億円となっております。ご承知のことと思いますがサミットは8カ国の会議でしかなく、APECは19カ国・2地域の会議です。これが札幌市に誘致されれば、サミットを超える経済波及効果が見込まれます。

 であるのに、上田市長は、この件について努力する気がまったくないようであります。市長は、住基ネットの件でも横浜市さんに親しみを感じておられるようですが、その横浜市さんがサミットの誘致合戦では敗北されたので、「APECの誘致はあのときの穴埋めとして、横浜市に譲りたい」とお考えなのでしょうか? だとするならば、上田市長には、札幌市民の代表としての気概が欠けているということになります。

 そこで、この件についてのご見解をお伺いします。また、これまで札幌市が行ってきた誘致活動の中で、他都市との比較におけるセールスポイントをどのように定め、どのようにアピールしてきたのかも併せてお伺いします。

 市長の政治姿勢の7点目は、民間人の登用(とうよう)についてです。

 この件は昨年の1定の代表質問で我が会派の長内政審会長が質問したところですが、あれから1年間が経過しましたので、再度お伺いします。

 市長は昨年4月より、広報部、市民自治推進室、観光部に、5月よりは環境都市推進部に、民間の経験者をそれぞれ1名、課長職で登用されました。いずれも3年間の任期付き職員ということであります。市長は、この件について「民間の発想を伝授していただく」とか、「職員に刺激を与え、民間の良い部分を浸透させていただく」といった内容のことを定例記者会見でおっしゃられております。

 しかし、本当に民間の発想やよい部分を取り入れるというのであれば、部長職以上のポストに民間人を登用すべきではなかったかと思われますし、3年間という期限をつけたことは、いわゆる「腰掛け」の職員をつくっただけのことなのではないかと思われます。

 そこで質問ですが、民間人を登用した4つのポストは、どういう経緯で選ばれたのかお伺いします。庁舎内には多数の部局があり、民間の発想やノウハウを取り入れるべき部署はいくらでもあるわけですが、そのうちの4つの部門が選ばれた経緯が不明です。この点を明らかにしていただきたく存じます。

 また、その民間人の登用によって庁舎内にどのような刺激が発生し、組織がどう変化し、どのようなメリットが生じたのか、また、そのメリットが今回の予算案にどう反映されたのか、まもなく1年が経過するわけですから、なんらかの検証もなされていると思いますので、その検証結果も併せてお知らせください。

 尚、我が会派は、これまで、幾度となく人事評価システムについて言及してまいりました。業績評価制度上の人事評価書を作成するにあたり、年に2回、上半期と下半期のはじめに、それぞれの部署において、部下と上司との間で具体的な業務上の目標を設定し、その目標の達成率などをも評価の対象にするべきとし、そこで設定した目標の中に、全庁を挙げての取組みや、組織横断的な取組みをもきちんと組み入れ、そのことによって庁舎内の「縦割り」の壁を打破すべきと主張してまいりました。組織横断的な業務についても正式な目標として位置づけられ、それが客観的に評価されるようになれば、そのことが職員の意識改革にもつながるだろうということです。

 聞くところによれば、本市は、国からの指導もあり、この我が会派の主張してきた業績評価制度を、まず部長職から取り入れ、現在では、ついに課長職にまで取り入れはじめているようです。

 そこで、登用された4名の民間人の業績評価においては、どのような目標設定がなされていたのかも併せてお知らせください。民間の発想が広く全庁的に浸透することを期待しての登用であったわけですから、その面における工夫などもあったと思いますので、その点についてもお知らせいただけると幸いです。

 市長の政治姿勢の8点目は、株式会社札幌振興公社についてです。

 この株式会社の株は、その82%以上を札幌市が保有しておりまして、市からは部長職の職員が1名出向させられております。したがいまして、その経営については、札幌市も大きな責任を担っていると言えましょう。

 この株式会社札幌振興公社の経営内容は、今のところは黒字になっているそうで、そういう意味では私などがとやかく言う必要はないのかもしれないのですが、しかし、その黒字は、どう見ても永続的なものとは思われません。公社がかかえている施設には、ススキノゼロ番地などの老朽化が著しく、耐震性にも問題がある物件や、東区のコーセーショッピングのようにテナントもまばらになってしまっている物件や、宮の沢バスターミナルビルのように家賃収入のほとんどを支払ってくれている大手の借り主が撤退を考えている物件とか、または、円山子供の国遊園地などのように営業自体が成り立たなくなっていて早急になんらかの手を打たねばならない物件がいくつもあります。また、聞くところによりますと、老朽化がひどい藻岩山ロープウェイや展望台などの施設については、観光部が策定した「藻岩山魅力アップ構想」なるものをもとに再生計画がつくられたようで、総事業費約30億円を投入して施設整備をやり直すこととなっているようであります。しかしながら、その30億円という金額については、いささか疑問があります。藻岩山の魅力を大規模にアップして、山全体のイメージを新装開店というような雰囲気にするためには、30億円というのはあまりにも額が小さいように感じますし、老朽化した施設をとりあえず延命するだけというのであれば、30億円はあまりにも高額でありすぎ、費用対効果の面が非常に心配になります。

 本市は、これまで、管理・運営が難しい物件を次々と公社に放り込み、その見返りとして、利益の出やすい駐車場や種々の競技施設の管理業務などを抱き合わせで渡してきたわけですが、それらをそのまま放置しておいては、近い将来、公社の経営自体に大きな穴があき、貴重な市民の財産の本来の価値が失われてしまう可能性があります。

 そこで質問です。老朽化が進んでも手がつけられない施設や、種々の要素で集客能力が低下したりしてテナントに逃げられたりする施設が公社の経営をどんどん圧迫していき、藻岩山の事業が決定的に失敗して、これによる経営破綻が生じたりした場合、株主である本市としては、どのような対応をとることになるのかお示しいただきたく存じます。

 尚、昨年来の金融恐慌の状況なども勘案しますと、本市としては、公社が所有している施設や、その経営方針を根本から見直すべき時に来ていると思いますが、この点についても、市長のご見解をいただきたく存じます。

 次に、地元企業への支援策について3点お伺いします。

 1点目は、公募による経済政策の立案についてです。

 本市の経済構造は輸出産業に依存したものではないため、今回の金融恐慌においても、名古屋市や広島市ほどの大打撃は受けておりません。しかしながら、先ほども申し述べましたとおり、ここ十数年来の景気の低迷にあえぎつづけ、倒産すれすれの低空飛行を続けてきた地元企業にとっては、わずかな情勢の悪化でも死活問題に直結し、ドミノ倒しのような現象が起きないともかぎりません。本市はこれまで、「融資」という形で地元企業の支援に力を入れてまいりましたが、融資で救える企業には限りがあり、融資以上の救済策の立案が急務となっております。お金を借りても、商売が儲からねば借りたお金を返せないわけで、本市としては、地元の経済活動が儲かるようにするための方策を考え、それを実行しなくてはなりません。しかしながら、市長には、これといったアイデアがないようであります。

 そこで提案ですが、アイデアを広く公募してはいかがでしょう。「市民自治を標榜しながらも実際には自分勝手に都合よく市政を動かす上田市長(笑)」という悪いイメージを払拭するためにも、ここは一番、地元企業の支援策について市民意見を大々的に募集してはいかがかと思います。集まったアイデアを綿密に審査する組織を立ち上げ、懸賞金などもつけて、実効性のある経済政策を公募するわけです。

 そこには、実際に地元で経済活動を行っている方々だからこそ思いつくアイデアがあるはずです。実際に企業を経営している方だからこそ思いつく救済策というのもあるはずです。地元の経済人の方々が、本当に何をしてほしいのか、どういう施策を打ってほしいのか、こうなったら、直に、市民の皆さんに聴いてみるべきと思うわけですが、この、経済施策の公募についての市長のご見解をお伺いします。

 2点目は、以前から私が提案している民間サラリーマンの留学制度についてです。

 皆様ご承知のとおり、本市には、風土的な難点があります。官依存型経済を長々とやってきた経緯により、自分の創意工夫でカネを稼ぐ、という精神が枯れてしまい、ある種社会主義的な、結果平等主義的な横並び意識が強くなってしまったのです。その結果、自らの努力でなにかを勝ち取ろうとするような、ガッツのある人材が排除される傾向が顕著になり、まれにガッツのある人材が現れても「あいつはガツガツしている」などと言われて高い評価を得られない社会になってしまいました。しかし、本市の景気を浮揚するためには、自らの努力で何かを勝ち取ろうとするようなガッツのある人材に活躍の場を与えるしかありません。

 そこで、再度提案させていただきます。本市の景気浮揚策として、民間サラリーマンの留学制度を創設してはどうかと思います。民間企業でそれなりのキャリアを積んだガッツのある人に新商品や新しいビジネスを開拓する機会を与える留学制度です。留学期間は最低でも1年間とし、留学先は学校に限らず、先進的な技術やノウハウをもった企業への研修のようなことでもかまわないと思います。札幌市としては、その間の、つまり、職場を離れて海外に出ている間の給与などを補助する制度を創設してはどうかと思うわけです。もちろん、その制度を利用する人は、それなりの審査を受けなくてはなりませんし、どういう観点でどのようなメンバーが審査するのかという点が難しいと思われます。また、必ずなんらかの結果が出るとは限らないわけですが、私はやってみる価値があると思います。

 我が会派の意見具申を入れるわけにいかない市長としては、この案についてもいい答弁を出すわけにはいかないのでしょうが、再度、ご見解をお伺いいたします。

 尚、本市は、私が以前にこの質問をした2年後の平成19年度の補正予算で、ものづくり産業活性化支援事業なるものを新規事業として盛り込みました。これは、製造業を営む市内の中小企業や企業グループ、組合等に対して補助を行う制度で、補助の対象となる取り組みは、新製品開発や既成品の改良、企業間ネットワークの構築、推進、人材の育成・確保というものだそうです。19年度はこの制度により、10件の事業に対し合計約1千万円の補助金が交付されています。20年度は1千350万円の予算が組まれたそうですが、これはすでに使い切ったそうです。そして、この事業は今年度の予算案にも引き継がれておりますが、その予算枠は増えてはいるものの、依然として約1千8百万円程度のものでしかありません。私としましては、この予算枠を大幅に拡大し、そこに先程申し述べました留学制度を盛り込むという手もあると思いますが、この点についても、ご見解をお示しいただけると幸いです。

 3点目は、公共工事における低価格入札についてです。

 昨年10月より、本市の公共工事は原則として一般競争入札によって発注されておりますが、ご承知のとおり、このことは、地元業者の受注競争を激化させる結果を招いております。業者の中には仕事をとらんがため、積算もせずに、公表されている予定価格から最低制限価格を類推し、その額で応札しているところが多数あるようです。このため、入札額が同額となり、くじ引きによって落札者が決まるケースが横行しており、昨年11月末現在の入札結果では、なんと25%がくじ引きで決まっています。しかも、そのうちの実に84%が最低制限価格でのくじ引きとなっており、事態は非常に深刻であります。業界内では、「会社の経営状態は能力ではなくて、くじ運で決まる」とまで言われており、真面目に積算をして入札していた業者は、すっかりやる気をなくしております。

 これといった機関産業を持たない本市においては、地元の中小建設業者は唯一の動力源であります。これが本来あるべき利益を得られず、将来に向けた投資もままならず、ひたすら疲弊していくのみという状況を放置しておくわけには行きません。札幌市の経済全体が蓄電池の電気をどんどん放電しているような状況にあるわけです。

 また、現況のままでは、下請け叩きの激化などにより、手抜き工事の発生は避けられないでありましょうし、手抜きとまで行かなくとも工事の品質の低下が起きることは自明の理です。

 そこで質問ですが、現在横行している低価格入札に対する認識と対策についてご教示願います。

 次に、いじめ・虐待対策について2点お伺いします。

 1点目は、子どもの権利条例に関してです。

 昨年の3定で、市長が後ろから糸を引いて強引に決着をつけた子どもの権利条例におきましては、いじめと虐待への対策を第1に掲げておりますが、その決め手となる対策は子どもの権利救済機関の設置ということのようです。この救済機関の設置と運営管理費は約4千5百万円となっていますが、アシストセンターを移行させる部分があるため、実質的な予算上の上乗せ部分は約2千7百万円程度と聞いております。しかしながら、この救済機関の権能については依然として不透明な部分が多く、これに実効性がともなうのかどうかについては大いに疑問が残っております。我が会派としては、そのような形の見えない組織に新たに2千7百万円もの税金を投入するならば、そのぶんのお金を既存の機関を強化するために使った方がより高い実効性が期待できると考えております。

 尚、今回の予算案では、児童相談所の職員を4名増強するとのことですが、救済機関をやめるならば、さらにもう3名は増強できるのではないかと思われます。ご承知のように、一昨年には児童相談所の権限が強化され、虐待などを行いながらもその事実を否定して子どもの引き渡しを拒む親たちの親権の濫用に対抗できる権限が与えられております。聞くところによりますと、この児童相談所は常に過剰な業務をかかえていて、専門職員の数が十分でなく、虐待等の相談についても、一般の行政職員で対処せざるを得ないケースが少なくないとのことです。昨年、北区で発覚した8年間の監禁事件も、児童相談所の人員が強化されていれば、もう少し早い段階で事態を掌握できたはずですし、先般発覚いたしました同じく北区の2歳の女児の虐待死についても、児童相談所が本来の機能を果たしていれば未然に防ぐことができたでありましょう。

 海のものとも山のものともつかない救済機関などを設置するよりも、とりあえずは児童相談所の人員強化にこそ税金を投入すべきと考えますが、この件についてのご見解をお伺いします。

 2点目は、学校内における携帯電話の禁止についてです。

 子どもたちの所在を常に把握しておき、子どもたちが犯罪などに巻き込まれるのを防ぎたいとの理由から、我が子に携帯電話をもたせる保護者が多いようですが、実際には、携帯電話が犯罪者の攻撃をかわすために役立つことはほとんどないようです。

 一方、皆様ご承知のとおり、最近は、携帯電話がいじめのツールと化しております。携帯サイトで自分のプロフィールのページを作成できる「プロフ」や学校裏サイトなどが大きな問題となっています。いわゆるネットいじめによる子どもたちの自殺は増える一方であります。子どもたちにとっての携帯電話は、今や、凶器と化しているわけです。

 こういう状況を反映してか、昨年7月、文部科学省は、各都道府県と各指定都市の教育長と知事・市長宛に、小中学校における携帯電話の使用状況についての実態を把握し、その取り扱いについての方針を明確化するよう通知を出しました。そして、先月、携帯電話を校内に持ち込むことを原則禁止すべしという通知を出したところです。

 本市では、以前から中学校においては携帯電話の持ち込みを禁止しているところが多いようで、高校においても、校内における携帯電話の使用を禁じているようです。が、それらの決め事は学校ごとに校長の判断で定められているにすぎません。市教委としては手当たり次第に様々なサイトを覗いてまわるネットパトロールという手段をもってネットいじめを防ごうとしてるようですが、これとても各学校の先生たちの努力に依存したものであり、これまでは、市教委としてなんらかの方策を講じていたという状況ではありません。

 先日、市教委の指導室に携帯電話にかかわるいじめの発生件数について問い合わせてみたところ、「相談件数が今年度だけで20〜30件」という漠然とした話しか出てきませんでした。しかも、これは指導室にまで話が上ってきた件数でしかないそうです。子ども未来局においては、この件についての情報は、ほとんど皆無という状況でした。本市では、これといった実態調査も行われておらず、あまり問題意識を持っていなかったというのが実情であるようです。

 市長は、子どもの権利条例をつくることには熱心でしたが、教育現場の実態については無関心であり、昨年7月に出された文部科学省からの通知を無視していたことになります。今後、この件については、心を入れ替えて積極的な取り組みがなされるべきと思いますので、その決意のほどを市長ご自身からお示しいただきたく存じます。

 次に、携帯電話をテーマにしたついでに、地下鉄車内での携帯電話の使用について1点お伺いします。現在、本市は、市民の皆さんに、地下鉄内では携帯電話の電源を切っていただけるよう、かなり強くお願いをしています。このためか、交通局の調査によりますと、地下鉄を利用している市民の皆さんの9割以上は、そのことを認知しているようです。しかしながら、実際に地下鉄内で携帯電話の電源を切るように心がけていらっしゃるのは、4割強でしかないそうです。

 地下鉄内で携帯電話の電源を切ることにしたのは、心臓にペースメーカーを入れておられる方にとって、携帯電話の電波が危険である、という認識によるものですが、しかし、どうも、これは事実の誤認であったようです。実際、4割強しか電源を切っておられないのに、地下鉄内で心臓ペースメーカーが誤作動を起こしたというニュースは聞いたことがありません。他都市の状況を見ますと、優先席近辺では携帯電話の電源を切るように指示されていますが、その他の席ではマナーモードにするだけでよいようになっています。本市のような厳格な態度をとっているところは、私の知るかぎりでは、他にはありません。

 ちなみに、地下鉄で通勤されておられる市民の皆さんの中には、「地下鉄に乗っている間に、メールができると、それでひと仕事できるんだよな・・」とおっしゃられる方が多いように思います。市民の皆さんの経済活動を支援する意味でも、専用席の付近以外では、マナーモードにするだけでよろしいのではないかと思いますが、この点について、ご見解をいただきたく存じます。

 次に、少子化対策について2点お伺いします。

 本市の2006年の合計特殊出生率は、1.03となっておりますが、その前年は1.0を切っておりました。来年度には、再度1.0を切るかもしれません。ご承知のとおり、少子化は年金などの社会保障制度を崩壊させるだけではなく、経済を疲弊させる大きな要素のひとつです。私たちは、この件をなんとかしなくてはなりません。

 本市はこれまで、子育て支援という名目で保育行政については膨大な額の税金を投入してきております。しかしながら、少子化対策としては、ほとんど無策のままであり、少子化対策を専門的に担当する部署もありません。

 保育行政を充実させることが少子化対策だと信じられていたのは、今から10年以上前のことです。現在、先進国一般の少子化対策とは、現金給付制度を意味します。フランスの合計特殊出生率は1994年には1.66にまで落ち込みましたが、その後は緩やかに上昇しつづけ、今もなお1.9のラインを維持しています。そして、これは保育行政を充実させたためではありません。家族手当と呼ばれる現金給付制度によるものです。

 この家族手当は、収入に関係なく支給されるそうで、子供1人の家庭は対象外だそうですが、子供2人の家庭には、毎月約117ユーロ(1ユーロ=118円で計算しますと、約14,000円)支給され、子供が12歳以上になると、支給額が加算され、子どもが20歳になるまで支給されるそうです。3人目の子どもがある家庭には1人に付き約150ユーロ(約17,000千円)と支給総額が倍以上に増やされます。この、子供3人以上の家族に対する優遇措置は、国鉄、地下鉄の運賃割引、美術館、ホテルなどの文化・レジャー施設の料金割引など、生活のすみずみにまで及ぶとのことです。

 本市独自でフランスの国家制度をそのまま導入するのは難しいと思われますが、その気があればなんらかの方策はあるはずです。

 そこで、1点目の質問です。本市独自の方針でなんらかの方策をねり、2人以上の子育てをしている世帯に対する現金給付制度がつくれないものか、直ぐには無理でも将来の目標として頑張るつもりはないか、という点についてお伺いします。

 また、とりあえず、今回の定額給付金にともなって支給される「子育て応援特別手当」においては、札幌市独自の上乗せを行うべきと思います。この「子育て応援特別手当」は第2子以降の児童を対象にひとりあたり3万6千円が支給されるわけですが、支給の対象となる児童には年齢制限があり、平成14年4月2日から平成17年4月1日までの期間に生まれた子となっています。これは今年の3月末において4歳から6歳までの子ということになりますが、できることなら0歳から3歳までの子をも対象に入れてあげたいところです。

 そこで、「子育て応援特別手当」の対象年齢を本市独自で拡大するおつもりはないか、という点についても併せて、市長のご見解を求めます。

 尚、フランスの例にもありました公共交通料金やレジャー施設の料金割引については、奈良県がすでに着手しております。県と地元企業の連携により、3人以上の子どもを育てている親たちに「なららちゃんカード」というものを発行し、このカードを見せると、美容院やスポーツ用品店などで割引のサービスを受けられ、地元の信用金庫などでは定期預金の金利を7倍にしてもらえたりするようです。

 私は、2005年の3定で、このなららちゃんカードについて質問したことがあります。このとき、子ども未来局からは、「今後、企業あるいは経済団体と連携を深めつつ、どういったことが可能なのかということを一緒に考えて検討してまいりたい」という答弁がありました。しかし、残念ながら未だに企業や経済団体との連携は実現されておりませんし、具体的な方向性も打ち出されておりません。本市は、子どもの権利条例などという思想運動にばかりうつつをぬかし、現実の課題には目をそらし続けてきたわけです。

 2点目の質問としては、このなららちゃんカードの導入に関する本市のご見解を再度お伺いします。

 次に、市立大学における大学院の設置について1点お伺いします。

 言うまでもなく、大学は教育機関であると同時に研究機関でもあります。研究機関としては、大学院の設置は必要不可欠なものです。しかしながら、市立大学は、札幌市民のための大学であり、そこのところが他の大学とは異なっておりまして、市立大学の研究や教育活動は札幌市民の利益につながらなくてはなりません。

 そこで質問ですが、市立大学の大学院においては、札幌市民に対する入学枠を創設すべきと思うのですが、いかかでありましょう?

 一般に、「市立大学なんだから卒業生を東京にとられてしまっては意味がない」という議論があります。私は、東京にとられてしまっても、その卒業生たちが東京で活躍し、大学のステイタスを向上させてくれれば、それはそれで好ましいことだと思うのですが、それでも、東京で修行を積んだ卒業生が、いつか札幌に戻ってきていただければ、それがベストの結果であると思います。が、市外から入学した生徒が東京で就職した場合、これが札幌に戻ってくる確率は非常に低いと思われます。したがいまして、札幌の市民のための、それなりの優先枠を創設することも大事であると考えます。そこで、この件についてのご見解をおうかがいします。

 次に、中高一貫教育について3点お伺いします。

 この件については、過去にも何度か質問しておりますが、我が会派は、受験競争を緩和するための中高一貫とは別に、全国レベルの受験競争に勝ち抜ける生徒を育成するための中高一貫をも行うべき、と主張しております。いわゆる落ちこぼれ対策の充実も重要な課題であり、それは、それでこれまでどおり進めていくべきでありますが、そればかりでは社会の活力は向上していきません。 

 今、札幌市が直面しつつあるのは、都市間における経済競争での敗北ですが、これは、一重に、地元経済を牽引し、全国レベルの競争に勝利できる人材が不足していることによるものです。言うまでもなく、勉強だけが人間の人生のすべてではありませんし、学生時代はふらふらしていても、社会に出てから大いに頑張り、すばらしい業績をあげる人も少なくありません。学歴至上主義的な社会構造が好ましくないことも重々理解しております。ただし、だからと言って、札幌市の児童・生徒は勉強ができなくてもよい、ということにはなりません。一般に、児童・生徒は、勉強を通じて努力の価値を学ぶものであり、一生懸命勉強して、その努力が報われれば、自分自身に自信がもてるようになります。明日の札幌市の経済を力強く牽引していってくれる人材を育成するには、全国レベルの受験競争に勝利できる人材の育成も必要不可欠であり、この点に疑問を持つ人はいないはずであります。

 そして、今、本州の私立の進学校などでは、大学受験に的を絞った中高一環教育が非常な勢いで押し進められております。ゆとり教育で育った札幌市内の中学生たちは、その本州勢と競争する場合、高校に入ってから頑張っても、とても太刀打ちできません。

 そこで、1点目の質問ですが、ゆとり教育の一環としてではなく、より優秀な人材を育成するという観点における中高一環教育を市長はどう捉えているのかお伺いします。

 2点目の質問としては、今現在、本市の教育委員会が中心となって検討されている中高一環教育がどのような路線のものなのかお知らせください。

 3点目の質問は、中高一貫によるクラブ活動の活性化についてです。

 先般、平成19年度札幌市児童生徒の体力・運動能力調査報告書なるものが市の教育委員会から出されましたが、これによりますと、市内の児童生徒は体格の面では全国平均をうわまわっているものの「走る」ことについては、全国平均を下まわっているようです。医学的な証明はされておりませんが、人間の知能は体力や運動能力との因果関係があるようで、体力・運動能力の面で優秀な人は頭の回転もよい場合が多いようです。

 今回の予算案には、部活の顧問を引き受けてくれる先生が激減していることへの対策として、退職した教員を顧問として呼び込むモデル事業が載っていますが、しかし、中高一貫体制が充実されれば、退職した教員を引っ張り出してくる必要はなくなると思われます。ひとりの顧問が中学1年生から高校3年生までの6学年にわたる生徒たちを指導できれば、単純に計算して、顧問の数が半分ですむようになるわけです。

 部活の運営上も、退職した高齢の教員に指導を受けるより、若い現役の教員に指導を受けた方が活発な活動が展開できるのではないかと思われます。

 また、中高一貫は、部活に参加する生徒の側にとっても、有意義であろうと思われます。高校受験によって部活を中断する必要がなくなり、中高の6年間、継続的に部活をつづけられるわけです。これらのことを踏まえて、部活動を活性化するという視点からの中高一貫について、教育長のご見解をお伺いします。

 次に、妊婦健康診査の公費負担の拡充について2点お伺いします。

 近年、経済的な理由等により妊婦健康診査、いわゆる妊婦健診を受診しない妊婦が増えており、出産間際にいきなり産科医に駆け込む「飛び込み出産」が社会問題化しております。生活に困窮するあまりに妊婦健診を受けなかった未受信のケースにおいては、出産費用を踏み倒すも者も多く、これが病院の経営を圧迫させる要因のひとつにもなっているようですが、お金のことばかりではなく、未受診の場合は出産のリスクも格段に高いようです。日本医科大多摩永山病院の中井教授が、97年1月〜2007年5月に同病院で飛び込み出産をした妊婦41人を分析したところ、子が死亡したのは4例。周産期の死亡率は、通常の約15倍だったそうです。これは、病院が受け入れてくれた場合の統計ですが、未受診の妊婦が救急搬送で飛び込もうとした場合は、受け入れ拒否が発生します。いわゆる「たらいまわし」という状況となり、妊婦自身が死に至るケースもありました。

 母体や胎児の健康確保を図る上で、妊婦健診の重要性、必要性が一層高まっているところでありますが、少子化対策の一環としても、妊婦の健康管理の充実及び経済的負担の軽減を図るためは、自治体における妊婦健診にかかる公費負担の拡充が強く求められているところであります。

 こうしたなか、国においては、平成20年度2次補正予算において、妊婦健診のための地方財政措置を講じ、1件につき14回までの妊婦健診に公費負担を認めました。これまで札幌市は妊婦健診については5回まで公費負担の対象としておりましたが、その国の措置により14回まで対象となるわけです。

 ただし、その公費負担は、これまで通りの形のものを回数だけ増やすのだとすると、これは医療機関にかぎった措置となり、医療法第2条にもとづいて設置される「助産所」については公費負担の対象外となってしまいます。

 ちなみに、札幌市内における助産所では、ここ直近の5年間で、214件の出産が報告されております。国の措置は、助産所を差別する形にはなっておらず、他の自治体では助産所での妊婦健診を公費負担の対象としているところが多くあります。しかも、厚生労働省は平成19年6月に「助産所の妊婦健診も公費負担の対象」と通知しています。にもかかわらず、これまで札幌市は助産所での妊婦健診を公費負担の対象とはしておりません。

 先の平成20年4定の代表質問において、我が会派の横山峰子議員も母子保健事業の充実強化の観点から助産所が自立して活動するための支援策を講ずるべきとの問題提起をしております。産科医不足が周産期医療の現場に混乱を招いていることは皆様ご承知のことと思いますが、この問題を解決するには、産科医と助産師の連携が必要不可欠であり、助産所の活用に力を尽くすことが重要なわけですが、残念ながら公費負担のあり方ひとつ見ても、札幌市にはやる気が見られません。それどころか、助産所を差別して考えているとしか思われず、助産師の資格や役割をどう考えているのか、大いに疑問を感じるところであります。

 市長は、「子どもを安心して産み、育てることができるまちづくりが最大の少子化対策です」とおっしゃってますが、おっしゃっていることには実態がともなっておりません。市長のマニフェストでは、妊婦健診は5回まで無料とする、となっていましたが、実際には公費負担の対象とならない部分がかなりあり、これまでも無料とはなっていません。

 そこで、1点目の質問です。公費負担の回数を5回から14回に増やすのを機に、助産所における妊婦健診についても公費負担の対象とするべきと考えますが、この件についての市長のご所見をお伺いします。

 2点目は、超音波検査についてです。

 胎児の発育の状態を確認するためには、超音波検査は欠かせないものであります。

 札幌市では35歳以上の妊婦の超音波検査を公費負担の対象としておりましたが、なぜか、この公費負担制度は平成19年10月で打ち切られました。この4月からは、妊婦健診の公費負担を14回に増やすことにともなって超音波検査も公費負担の対象とするようですが、助産所での超音波検査も公費負担の対象となるのかどうかについては、明快な話が出ておりません。

 そこで、2点目です。助産所での超音波検査もこの4月より公費負担の対象となるのかどうかお聞かせください。また、その対象年齢についてもお知らせください。今回こそは35歳以上などというケチ臭い話ではなく、全年齢を対象とした公費負担を実施すべきと考えますが、この点も併せて、市長のご所見をお伺いします。

 まだまだ質問すべき点、指摘すべき点は多数あるのですが、時間の関係上、今は、ここまでといたします。皆様、ご静聴、誠にありがとうございました。


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