H13年3定決算特別委員会質問/保健福祉局



(質問1)
過去5年間(H8〜12年)の生活保護扶助費の推移はどうなっているのか?
(1) 生活保護受給者のうちの健常者で、働けるのに働かない(稼働阻害要因のない稼働年齢層)の人数・世帯数の推移
(2) その一世帯あたりの平均扶助額(医療費を含む)の推移

(答弁)
平成8年度の決算総額が約541億7千万円で、平成9年度以降、毎年約7%(対前年度)ずつ増加し、平成12年度は、約706億4千万円。約165億円の増。(平成6年から数えると、約200億円の増)受給者の世帯数は、平成8年度が19,441世帯で、平成12年度が24,681世帯となり、約1.3倍に増えている。
これを、高齢者世帯(12年度37%)、母子世帯(16%)、傷病・障害者世帯(35%)、その他の世帯(12%)の4つの類型に分けて見た場合、いずれも増加しているが、その他の世帯(稼働阻害要因のない18歳〜59歳の世帯を含む)がもっとも大きな伸びを示しており、12年度の世帯数は、2,911世帯となっている。これは8年度のの約1.7倍。1世帯あたりの扶助額は、ほぼ横ばいで、286万3千円(12年度)。

(質問2)
ケースワーカーの人数はどうなっているか? また、ケースワーカーひとりあたりの担当件数はどうなっているか?

(答弁)
社会福祉法の規定では、被保護世帯数80世帯につき1名を標準としている。このため、過去5年間の受給者の推移から翌年度の世帯数を予測し、平成13年度では、322名が配置されている。
これは、5年前と比べて80名の増となっている。
一人あたりの持ちケース数は、平成10年度以降は年度平均でおおむね一人あたり85世帯を担当している。

(質問3) 市民の声を聞く課に寄せられている相談や苦情の件数(H12年度の合計8,842件中保険福祉局に関連するものが978件)のうち、生活保護に関するものは、58件となっている。その58件のうち、制度に関するものは15件、受給者に対する指導を求めるものが14件ケースワーカーに対する苦情に関しては15件となっている。
そのケースワーカーに関する苦情については、
「ケースワーカーが親身になって相談を受けてくれない」
とか、
「児童手当支給額を後になって保護費から差し引くと言われた」
などの内容であるそうだが、受給者に対する指導を求めるものと しては、
「受給者が朝から酒を飲んだり、パチンコをしている」
とか、
「元気そうな受給者が遊んで暮らしている」
といったものが多いようである。
それらの苦情については受給者側の無理解などの問題も含まれていると思われる。が、実際にケースワーカーの説明能力などに問題がある場合もあるのではないかと思われる。そのあたりの実態は、どんなふうになっているのか?
聞くところによると、新らたに採用になった職員がいきなりケースワーカーになったりするケースもあるそうだが、これは本当なのか?
新たにケースワーカーに配属された職員のための研修はどのようなものなのか?

(答弁)
本年4月の人事異動では、87名の職員が新たにケースワーカーとして配属になった。うち、新採用職員は、約半数の41名。
ケースワーカーの仕事は、毎日、保護を受けている方々と接し、自立に向けての指導援助を行うものですので、委員のご指摘のとおり、制度の主旨を正しく、分かりやすく説明できる能力と、寄せられる要望や批判を謙虚に受け止める心構えが必要です。
そこで、新たに配置された職員には、各区役所での職場研修と保健福祉局主催の集合研修を反復して行うなどの取り組みを行ってきているところですが、今後につきましても、研修内容、実施方法の見直しを図り、これらの機会を通じまして、基本的なケースワーク技術の習得などについて、より一層徹底するよう努めたいと考えております。

「なんだかパッとしない答弁だな〜」(大越議員)

(質問5)
保護指導課のこれまでの取り組みは、高く評価したいと思う。が、改善すべき点もある。
生活保護を受けている人たちには、いろいろなケースがある。(高齢、母子、障害、病床、単身、等)
ここのところ、それらの被¥扶助者からケースワーカーが暴力をふるわれる事件なども発生しているやに聞いているが、中には、かなり難しいケースもあると思われる。
札幌市は、地域を分割して各ケースワーカーの担当を決めていて、各員が80ケース担当するよう規定しているようだが、北九州市などではケースの種目別に担当を決めていると聞いている。自立支援の対象にならない高齢者などを専門にあつかう者と自立助長を要するケースを専門にあつかう者があったりするそうである。札幌市でも、ケースの種目や扱い方の難易度などに合わせたフレキシブルな対応が必要と思われるがどうか?
(例)現在は、各ケースワーカーが個人プレイで対応しているよだが、チームワークで対応できないか?
ひとり80ケースという決め方ではなく、5人で400ケースとか、6人で480ケースというような形にして、ケースワーカー同士の横の連携を密にし、ひとつのケースを複数のケースワーカーで担当するようにし、各ケースワーカーの技量や得意分野に応じた、きめの細かい対応をするべきではないか?
また、非常に難しいケース、例えば暴力的なケースなどに対しては、特殊な訓練を受けた専門チームのようなものを編成して対応するようにしてはどうか?
まあ、来る日も来る日も、難しいケースばかりを専門的にあつかうというのは、かなりしんどいかもしれませんし、ひとり80ケースの規定に関しては自治労系の組合などが、これを守ろうと大きな圧力をかけているようですが、しかし、なんらかの対応が必要であると思われます。

(答弁)
威圧的・脅迫的暴力行為を行う者に対しては、これまでもケースワーカーだけでなく、査察指導員も含めた組織的な対応を行うこととし、警察署との連携を図りながら対応しているます。
ただ、委員のご指摘のとおり、職員が暴行を受ける事例も生じており、今年度は既に3件の発生を見ております。これは、経験年数の少ないケースワーカーが多いということもあろうかと思いますが、どう対応していくかについては、深刻に受け止めております。
このような暴力ケースへの対策としては、警察との連携をより強化していくつもりです。
ケースの担当方法についてですが、確かに、大阪市や北九州市など一部の大都市におきまして、世帯の類型によって担当や係を分けているところも出てきております。これは、地域での生活に対する支援や扶養義務者との交流の促進に重点を置く高齢者世帯と、自立助長に重点を置く稼働年齢層を集約して担当することにより、ケースワーカーに必要とされる技術や知識をさらに集約化、高度化し、被保護世帯のニーズに応じた対応が可能になるという面もありますので、他都市の状況を調査し、それらのメリットやデメリットを十分考慮しながら、どのような工夫ができるのか考えていきたいと思っております。

(質問6)
えー、私の聴いたところでは、警察OBをケースワーカーとして採用するという話もありましたが、組合関係との調整もあるようですので、これ以上は追求いたしません。
さて、小泉内閣は、痛みをともなう構造改革を推進しており、公共事業の10%カットという果敢な決断を下しており、今のところ、旧態依然とした建設業者を救済するためだけの補正予算は組む予定がないようである。失業者対策としてのセイフティーネットの充実などを企画しているようだが、札幌市の経済構造は、官依存型の業者を基盤にしており、それらの中から出てくる失業者の多くは、セイフティーネットをもってしても救いようがないケースが多いのではないかと思われる。そういったケースの多くは、結局、生活保護の方に、どっと、流れ込むのではないかという危惧がある。
生活保護の制度は、社会的弱者の健康で文化的な最低限度の生活を保障するものであり、そのことに異を唱える気は毛頭ないが、健常者で生活保護を受ける人、つまり、働けるのに働く意欲を失ってしまって、制度を利用するだけの境遇に甘んじてしまう人が増えるということは、地域経済の活性化の面にもマイナス効果が大きい。
札幌市の民間経済も、これからは、官にぶら下がるだけの構造を改革して、自助努力の精神を培い、市場における競争力をつけていかなくてはならない。
そういう意味では、被扶助者への対応の仕方も、一考を要するようになるのではないかと思われる。
すなわち、生活保護を受けている健常者に対しては、自立支援の部分に大きな力を注がねばならなくなるのではないかと思われるのである。
ちなみに、米国では、クリントン大統領時代に、生活保護の制度を見直し、健常者が生涯に受けられる扶助は最高5年間と定められ、その扶助を受けている期間は就労のための技能訓練などが義務づけられた。さらに、連続で3年間扶助を受けた者は、4年目は扶助費の支給を打ち切られるようになっている。
小泉政権は、「痛みをともなう」と言いつつも、ここまで厳しい政策転換をする方向にはないようであり、私もいきなりアメリカ方式を取り入れることが望ましいとは思っていないが、経済基盤の脆弱な札幌市においては、その保護政策の最終段階の部分をしっかりと固めておかないと、働く意欲を失った敗北者的な意識の者ばかりが増え続け、新たな産業の育成なども絵に描いた餅のようになってしまう恐れがある。そうなってしまってからでは、なにもかも手遅れであり、困窮するのは市民自身である。この点に関して、保健福祉局の方針がどうなっているのかお知らせ願いたい。
私の見解を言わせていただくなら、まず、生活保護受給者のうちの働けるのに働いてないケース(稼働阻害要因のない稼働年齢層)の数や比率などを正確にカウントしてもらいたい。最初の答弁では、この数については、その他の部分に含まれるという話であったが、要するに、カウントしていないということである。その数を正確にカウントし、それらの人たちの自立助長に向けての数値目標を設定し、他部局などとも連携を図って、ケースワーカーのその部分の技量を強化するための特別な研修を行なってみてはどうかと思う。いかがか?

(答弁)
生活保護の目的は、最低限度の保障とともに、その自立助長を図ることにあります。また、保護を受けるに当たっては、その利用し得る資産、能力、その他、あらゆるものを活用することが求められ、被保護者には常に能力に応じて勤労に励み、生活の維持向上に努めるよう義務が課せられております。
このため、稼働能力を有する被保護者に対する就労指導は最も重要なものの一つであり、全市を挙げて取り組んでおりますが、非常に厳しい経済・雇用情勢の中、就労に至るための方策をなお一層強化する必要があるものと認識しているところであります。
そこで、従来からの就労訓練を行う勤労意欲助長事業に加え、今年度は、現在の雇用情勢や求職活動の実際についての理解を深め、稼働年齢層の適職への就労を積極的に推進するため、全区のケースワーカーを対象に、職業安定所職員を講師としての研修や職業安定所での実地研修を行う予定であります。また、新たな方策として公共職業安定所のOBを採用し、専門的見地からの助言やより多くの就労先情報の提供を得ることを検討しており、人材の確保について北海道労働局と協議を続けているところです。
委員からご提案のありました失業を理由にした受給者数の把握と自立に向けた数値目標についてですが、まず、毎年1月から3月にかけて行っております全ケースの総点検において、実態を把握するよう努めたいと考えております。また、従来から、その際には自立に向けた重点指導を行う世帯を選定しておりますが、今後は、委員のご指摘を踏まえ、特に、稼働による自立に焦点をしぼって対象世帯を選定し、重点的な指導を徹底して参りたいと考えております。

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