2000年予算議会代表質問原稿(60分)

 えー、それでは、自由民主党議員会を代表いたしまして、市長から上程されております平成12年度予算をはじめ、市政に関します諸議案および当面の課題について、11項目点にわたり、提案を交えながら順次質問いたします。

 はじめに、本市職員の収賄事件に係わる不祥事への対応について2点お伺いいたします。
 市長は、去る2月9日、不祥事を起こした部長を懲戒免職とし、助役をはじめとする関係職員についても厳正な処分をなされました。
 また、市長自らも、建設局所管の助役ともども1ヵ月間分の給与につき10%の減給を行い、市民に対して遺憾の意を表明され、さらに、再発防止に向けた取り組みの決意をも表明されており、このことにつきましては、我が会派としても一定の評価をいたしております。
 しかしながら、これだけでは、まだ、なにも解決したことにはならないと感じます。市民の行政に対する不信感を一刻も早く払拭し、市政の円滑な運営を取り戻してこそ、一件落着といえるのではないでしょうか。
 そこで、第1点目の質問ですが、
 公務員倫理の確立を含めた再発防止策についてお伺いいたします。
 今回の不祥事は、現職の部長が関係業者から現金20万円を受け取るという収賄事件でありました。これは、お中元やお歳暮としてビール券やお酒を受け取るなどの社会的儀礼の延長線上で起こった汚職であると思われますが、根本的には、儀礼と汚職の境目がどこにあるのかということの定義を個人の倫理感に依存しすぎた結果であったように思われます。
 国の方では、現在、国家公務員倫理法を受けて、その具体化を図る倫理規程の制定を準備していると聞いておりますが、今後は、自治体においても、このような国の施策に準じた対応が求められてくるでありましょう。
 このような状況も踏まえ、今後、公務員倫理の確立を含めた再発防止策を、どのように講じられようとしているのか、お伺いいたします。

   次に、2点目として、人事制度の運用面における対応策についてお伺いいたします。
 今回の事件を引き起こした職員は、過去にも関係業者との不祥事に関連して処分を受けた経験があったわけですが、そういった人物を長期にわたって除雪業務の担当に任じ、比較的早く部長職にまで登用した点が新聞などでも取り沙汰されておりましたが、この人事には、結果論かもしれませんが、やはり問題があったと言えるのではないでしょうか。
 そのような職員を業者との接触が多い環境に長く留め置き、さらに昇任までさせたことが、職員自身の心にスキを生じさせ、自らの責任と権限のあり方を誤解してしまう結果を引き起こしたように感じます。
 本来的には、行政官の権限は、市民から負託されたものであり、個人的に好き勝手にしていいものではないのですが、今回の事件の根底には、そういう誤解があったように思われるわけです。このあたりは、個人の心の奥底にあるもので、なかなか外側からは見極められるものではないでしょうが、人事を行う立場にある者には、そのあたりの見極めも要求されるのではないかと感じます。
 そういうわけで、これからの不祥事を未然に防ぐことのみならず、積極的に市民の信頼を回復しようとする観点から、今後の人事制度の運用面における対応策について、市長のお考えをお伺いいたします。



   えー、次に、公共工事の予定価格の公表について、1点だけお伺いします。
 只今、本市職員の不祥事について質問したところですが、この一件に限らず、公共事業の発注のあり方については、なにかと世間の注目を集めているところです。
 昨年10月に発生した上川管内における農業土木工事の入札問題もそうですし、11月には、社会福祉施設の建設に係わる補助金不正受給事件が起きております。
 札幌市では、工事の発注に当たり、これまで一般競争入札や、公募型指名競争入札といった多様な入札方式の導入を進めておりますし、不正な入札を抑止し、かつ、積算の妥当性を向上させるために、昨年4月から、予定価格の事後公表制度を導入し、また、低入札価格調査制度の適用範囲を拡大したり、公募型指名競争入札対象工事を拡大したりと、様々な改善を図ってきております。
 しかし、今回の不祥事に対する市民感情を考えると、ここで、もう一歩踏み込んだ透明性の高い入札制度や契約制度が要求されるところでありましょう。

 ちなみに、道や、いくつかの政令都市では、工事などの予定価格を事前に公表する制度を実験的な形で実施いたしております。
 予定価格の事前公表を行いますと、入札する側が予定価格を目安にして入札するために、落札価格が高止まりになることが予想されます。しかし、発注者側が、入札前に予定価格を公表すれば、少なくとも発注者側に対しての不正な動きは防止されることになります。
 そこで、質問ですが、
 本市としても、新年度を迎えるにあたっては、公共工事の入札の際に、予定価格の事前公表を行う必要があると思うわけですが、これを実施する考えがあるかどうか、お尋ねいたします。



   えー、次に、新5年計画について、お伺いいたします。
 私たちは、いよいよ21世紀を迎えるわけですが、これからの5年間は、単に20世紀末から21世紀に入るという叙情詩的な意味合いを持つだけではなく、実質的な意味で非常に劇的な要素を含むものであると思われます。私たちは、これから財政や地域経済の厳しさを乗り越えなくてはならないわけですし、少子・高齢化問題や環境問題を克服するための基本路線も確立して行かなくてはなりません。さらには、地方分権や規制緩和などの本市を取り巻く社会情勢の急激な変化にも対応していかなくてはならないわけで、それらの諸課題をうまく解決して、札幌市に明るい未来を築き上げられるかどうかは、まさに、この5年間にかかっているものと思われます。
 今回の新5年計画は、そういう意味でも極めて重要なものであり、従前にはない新たな発想や工夫が強く求められていたと思っております。

 そこで、1点目ですが、
 新5年計画の理念についてお伺いいたします。
 この新5年計画は、市長が、昨年の選挙の際に市民に約束した公約内容の実施計画としての一面も有するものと思いますが、策定にあたっては、どのような考え方や理念をもって臨まれたのか、改めてお示しいただきたいと思います。

 2点目は、
 現5年計画と、新5年計画との違いや特徴についてお伺いします。
 新5年計画の総事業費を見ますと、現5年計画の約20%減となっております。この事業費の減少は、財政面の危機的状況を踏まえてのことでしょうが、これまでのハコモノ行政を脱却して、調整型の行政へと転換を図ろうとしたことにも要因があると思われます。
 ただ、多くの課題をかかえている本市としては、どの事業を優先するかを考慮する段階で、事業の取捨選択に厳しい姿勢が要求されたはずであります。そのあたりの事情や、考え方や、工夫に関しても併せてお示しいただきたいと存じます。

  (水を飲む)
 3点目は、
 昨年10月に我が会派より桂市長に提出した「新5年計画に関する要望」との整合性についてお伺いいたします。
 この要望は、昨年の選挙や日頃の議員活動を通して、独自に広く吸収した市民の声を市政に反映させるべく、政策審議会を中心に取りまとめたものであります。内容は、12項目217点にわたりますが、重点課題としては、民間活力の導入や、都市空間及び交通体系の整備、さらには、教育や福祉のあり方を取り上げております。
 これらの要望については、昨年の第4回定例市議会の山田議員の代表質問においても、その趣旨を新5年計画の策定に活かしていただけるよう強く要望したところでありますが、交通体系の整備などの面では先送りされた部分もあったようです。市民からの要望と行政側の方針を100%合致させるのは難しいことだと理解してはおりますが、実際に、我が会派の要望が、全体的に、どのように新5年計画に反映されたのか、この場を借りまして、改めてお尋ねいたします。



   えー、次に、財政問題についてお伺いいたします。
 今、札幌市は、民も官も、いわゆるジリ貧の状態にあると思われます。
 市長は、ここ3年間は、我が会派からの強い要請もあって、景気対策に力を入れてこられ、毎年2回にわたって大型の補正予算を組むなど、公共事業を絶やさないようにしてきました。このことによって、民間経済の方は、虫の息ながらもなんとか息をついていますが、それでも市税収入の面ではマイナスが続き、平成12年度の市税は、固定資産税の評価替えなどもあって、対前年度比でマイナス6.3%、金額にして約180億円というかつてないほどの大幅な減収が生じております。この市税の大幅な減収は、本市の財政を著しく圧迫することとなり、平成12年度の一般会計の予算額は、介護保険会計のこともありますが、初めて対前年度比でマイナスとなりました。
 市長としては、なお厳しい状況を脱し切っていない地域経済への配慮と、財政の健全化という相反する2つの課題に直面して、厳しい判断が要求されたわけですが、今回の予算における主要公共事業費を、マイナス7.1%にとどめたところなどは、まさに苦汁の選択であったと思われます。ただし、このことは、官依存型経済の札幌市においては、平成13年度の市税収入に大きく影響すると思われます。
 また、視点をもっと中・長期的なものへと移してみても、あまり明るい展望は見られません。これからは、これまでの借金を返済するための財源が必要になって来ますし、新聞報道などにもあったように、大幅な退職者の増加に伴う退職金の問題などもあります。また、財政投融資制度も大きく変わろうとする中で、新たな市債の引き受け手を見つけることも難しくなってきております。
 要するに、札幌市では、民も官もジリ貧状態にあると言っても過言ではないと思われます。
 ちなみに、古代中国の兵法書である『孫子』や『孫ぴん兵法』などによりますと、
 強大な敵を相手にして、逃げることもできなくなった場合には、守りの態勢を固めてはダメだとなっています。むしろ、防御の壁を低くして、兵の危機意識を高め、そのことによって活路を開くべし、となっております。
 とにかく、「必攻不守(必ず攻めて守らず)」というのが将たる者の心得であるそうです。
 まあ、本市は、別に戦争をやっているわけではありませんが、ただ、それでも、守りの姿勢ではなく、前向きな姿勢がなければ、この危機的事態に活路を開くことはできないものと感じます。

 そこで、まず最初に、12年度予算についてお伺いいたします。
 活路を開く桂市長としては、今回の初のマイナス予算について、どのような認識を持たれているのか、また、そこに活路を開くための予算措置として、どのような方針があったのか、、改めてお示し願いたいと存じます。
 ご承知のように、弾がなくなって来ているわけですから、弾の無駄使いを減らすことは当然でありましょうが、しかし、それだけでは活路は開けません。活路を開く可能性のある方面には、残りの弾を集中的に使うといった采配が重要かと思われますが、そのあたりのところを含めて、お示しいただきたいと存じます。 
 2点目ですが、
 12年度の予算編成において、当初は財源不足が230億円とも言われておりましたが、具体的にどのような工夫をされて財源の不足に対応されたのかを明らかにしていただきたいと存じます。

 3点目は、今後の財政運営についてお伺いいたします。
 我が会派といたしましては、限られた財源の中で、種々の事業や行政サービスを維持継続していくためには、行財政改革を一層進め、民間活力を導入して、市役所自体のランニングコストをできるだけ軽くしていくしかないと考えます。
 そのことを踏まえた上で、まだしばらく続くと思われますこのジリ貧状況において、市長は、どのような覚悟をもって今後の財政運営に挑まれるお考えなのか、その覚悟を明らかにしていただきたいと思います。

 4点目は、使用料・手数料についてお伺いします。
 今回発表された予算を見ますと、使用料と手数料で4億3千9百万円の増収となっております。これは、適正なコストの回収と市民負担との係わりで慎重に検討された結果であると理解してはおりますが、改めて、その使用料・手数料の見直しの考えについて明らかにしていただきたいと存じます。
 5点目は、企業会計的手法の導入についてお伺いいたします。
 昨年末に札幌市が公表した企業会計的手法導入の試案については、私も高く評価しているところです。
 発生主義が導入されたり、減価償却費や退職給与引当金を計上したりと、企業会計の優れた手法が取り入れられており、さらに、資産、負債、費用の3要素が行政目的別に分類整理されたことや、財政運営にとって重要な実質収支を示したことなどの点は、各方面からも評価されていると聞いております。
 しかしながら、この試案が対象としたのは、普通会計のみで、公営企業会計などを含んでおりません。例えば、交通局の5千億円にものぼる負債が含まれておりませんし、上下水道や、地下鉄などの資産が含まれておりません。
 ちなみに、民間企業の会計においては、これまでの単独決算中心から「連結」決算中心へと制度改正が行われることになっております。これは、米国で行われている企業の格付けを意識した改正ですが、本市の市債も、やがては国際マーケットをあてにしなくてはならなくなるかもしれませんし、地方自治体についても格付けが行われる今日にあっては、その「連結」のコンセプトを取り入れて、財政状況の全体像をわかりやすく開示することも重要ではないかと考えます。
 また、その連結決算に加えて、セグメント情報の開示という点も重要ではないかと思われます。セグメントとは、区分とか、部分という意味ですが、要するに、事業の種類や所在地などの別に応じて分割した決算を行うことで得られる情報です。
 今のこのジリ貧状況の中で適切な財政運営を行うには、当然、各事業の費用対効果を明確にしなくてはならないわけで、そのセグメント情報をつくることで事業別の収支決算をきちんと出すことが重要であると思われます。
 そこで、質問いたしますが、本市の企業会計的手法の導入に関して、今後、どのように取り組んで行かれるのか、そのお考えをお聞かせ願いたいと存じます。



   えー、次に、今、投資家たちの注目を集めているIT革命と、これに関連した産業振興について2点お伺いいたします。
 ITとは、インフォメーションテクノロジーの略で、いわゆる情報通信、とくにインターネット関連の技術のことを言います。
 昨年末、ソフトバンクの小会社で、ヤフーという会社の株がひと株で1億円を突破するというような現象が発生したことは、皆様の記憶にも新しいところだと思います。こういう現象が起きた背景には、様々な要因があるようですが、はっきりしていることは、インターネットという言葉の響きが、今、世間の注目の的になっているということです。
 ちなみに、そのインターネットも「パソコン通信」という言葉で呼ばれていたに頃には、普及率もごく僅かで、日本の銀行や一般投資家が興味を持つような対象ではなかったようです。
 これが、現在のような形にまで普及してきたのには、様々な経緯と背景があったからですが、直接の要因となったのは、その性能が飛躍的に延び、だれもが僅かな訓練で使いこなせるようなものになった点にあると思われます。要するに、革新的な技術開発がインターネットの普及を加速させ、これが不況に困惑していた投資家たちを引き付けたのであります。
 この現象は、これまでは一種のバブルであると言われており、未だにそう考えている方も多いようですが、つい先日、クリントン大統領も、そのバブル説を否定する見解を発表しましたし、実際に、企業間の電子商取引、いわゆるe・コマースは、ここ2年間ほどで飛躍的な成長を遂げています。昨年3月に通産省がまとめた「日米電子商取引の市場規模調査」によりますと、2003年の企業間の電子商取引市場は、米国では165兆円を超えると予測されており、日本でも、68兆円を超える規模に成長するとなっております。この68兆円という金額は、1998年の約7.6倍であり、日本国内の企業間の全商取引の11.2%を占めることになるそうです。
 また、電子商取引は、企業と消費者の間の、いわゆるネットショッピングの場合でも活発化しておりまして、通産省の予測では、2003年の日本では、3兆円を超える規模の市場となると見積もられております。これは、1998年の約50倍ということになるわけですが、e・コマースにしても、ネットショッピングにしても、実際は、その通産省の調査を超えるスピードで拡大していくだろうと予想されております。
 ちなみに、日本で電話が普及しはじめて、全世帯の10%にまで普及するのに要した期間は、76年間でした。ファックスは19年間で、携帯電話及び自動車電話が15年間、パソコンは13年間です。ところが、インターネットは商業利用開始から僅かに5年間で11%に達しており、2000年2月現在でのインターネット普及率は30%となっています。
 これらの急激な動きは、今後ますます加速され、ビジネスの様式から一般市民の生活様式までもが、革命と呼ばれるほどの劇的な変化を遂げると予想されています。
 一般に、IT革命が進展すると、製造業では情報関連の生産が増加し、非製造業では通信業・情報サービス業の成長といった経済効果が予想されていますが、それだけではありません。日本よりも一歩先IT革命を進めている米国では、伝統的な業種が敗北する傾向にあります。
 一例を上げますと、百科辞典のブリタニカが深刻な経営不審に陥っています。CD-ROMの百科事典が通信販売されるようになったことで、重くて分厚い百科辞典を書店で購入する人がいなくなってしまったのです。米国の書店業界は、今、深刻にビジネスの方式を考え直している最中のようです。
 ちなみに、この方面に詳しい人たちの話では、現段階のIT革命は、米国ですら、まだはじまったばかりで、やっと導火線に火がついた程度のものでしかないということです。技術面における革新的な開発がさらに進んで、爆弾自体に火がつけば、凄まじい爆風が巻き興ると予想されております。
 その爆風の企業への影響を推測しますと、地理的、地域的なハンディキャップやアドバンテージが薄くなり、コストパフォーマンスとクォリティーが良ければ仕事の受注機会が増えるという点があげられます。いい仕事さえできれば、たとえ砂漠のド真ん中に住んでいてもどんどん注文が来るということです。が、逆に、コストパフォーマンスもクォリティーも平凡で、かつ狭い範囲内で地域的なつながりだけを頼りに商売をしているような企業は、なかなか生き残れないということにもなります。勿論、業種によっては、そうならないものもかなりあるでしょう。インターネットなどでは取り引きできない商品やサービスをあつかう業種は、大した影響を受けないかもしれません。ただ、世の中の雰囲気がガラリと変わり、商品やサービスの選び方からお金の支払い方までが大きく変化してしまうとすれば、あらゆる業種が影響を受けることになるでしょう。おそらく、既存の業種のほとんどは、非常に厳しい競争にさらされることになります。
 まあ、具体的にどの業種がどうなるか、ということは、なかなか予測できないと思いますが、ひとつ言えることは、そのIT革命の土俵を造っていくIT関連の業界自体が急成長していくということと、そこに発生する技術開発競争が今後ますます激化するということです。
 ただし、そういう状況になれば、新しい企業には、より有利なビジネスチャンスが与えられます。既存の企業は、これから大きな方向転換を図らねばならないわけですが、これから商売をはじめる新しい企業は、はじめからIT革命の土俵に乗っかっているのです。もっとも、既存の企業でも、迅速に大きな方向転換を完了し、もともと持っていたノウハウなどをうまく生かすことができれば、それなりの成功を収めることもできるでしょう。先には、CD-ROMの百科事典の話をしましたが、実は、もうCD-ROMの時代は終わっております。これからは、DVDの時代を経て、メモリスティックの時代に突入すると言われております。  とにかく、新しい技術に追い付くのは大変なことで、逆に、その新しいITを一歩でも先に取り入れた企業は、一発のヒットで多額の収益を生み出す可能性を持っています。
 これからは、ベンチャーの嵐となるわけです。
 そして、今、国内の大都市は、いづれもそのベンチャーの育成に力を入れております。東京都内では、都としての政策があるうえに、台東区が区として独自な事業展開をはじめております。
 21世紀の都市間競争は、いかに多くのベンチャービジネスを創出できるかという点と、いかにしてベンチャービジネスが成功し易い環境を整えるかという点にかかってくるものと思われます。
 (水を飲む)
 札幌市は、これまで、テクノパークを造成して、大手や中堅のIT系の企業を誘致してきましたし、エレクトロニクスセンターを設置して技術開発支援のプロジェクトなども他都市に先駆けて行って来ました。パソコン通信の時代に官営のプロバイダーを設置したり、インテリジェントパッドなどの新しいソフトを開発したり、IT技術活用支援事業として、デジタル工房やネットワークプラザなどを設置しておりますし、電子流通促進事業にも積極的な姿勢をもって挑んでまいりました。
 結果として、本市の情報関連産業は、企業数にして253社、従業者数にして1万1千余名となっており、売上高にして約1千9百億円となっております。ちなみに、この1千9百億という数字は、本市の食料品製造業や、印刷・出版関連業の製造品出荷額に匹敵するもので、これまでの取り組みは大きな成果を上げてきたと言っても差し支えないでありましょう。
 が、しかし、本当の勝負はこれからということになります。
 本市としては、先に申し述べたIT革命の流れや、これに伴った新しいビジネスの台頭といった社会の動きを先取りし、その上で、本市の産業全体の底上げを図らなくてはなりません。中でも、IT関連企業のための環境づくりには、より一層のテコ入れをしていかなくてはならないと思われます。財政的に逼迫している札幌市が、活路を開くとすれば、このIT革命の流れをバネに使うしかないと考えるものです。
 そこで質問ですが、
 1点目として、市長は、このことに対してどのような方針で挑まれるおつもりなのかをお聞かせ願いたいと思います。
 2点目としては、その方針の下にどのような具体策をお考えになっているのかお伺いしたいと思います。

 えー、次に、そのIT革命に関連して、来年度に実施される総合交通情報提供システムの実証実験についてお伺いいたします。
 今現在は、電話とインターネットは別々の機材を使用しておりますが、IT革命が進めと、それらとテレビが一体になったような機材が普及してくるでしょう。
 総合交通情報提供システムとは、それらの市民生活の変化に対応すべく、新しい形の市民サービスを開拓しようとするもので、パソコンやiモードの携帯電話でバスの運行状況等の公共交通機関に関する情報を確認したり、イベントや観光情報や、地図情報などを簡単に調べられるようにするシステムと聞いております。
 事業の主体は国でありますが、札幌市は、その最初の実証実験を進めるためのモデル地区に指定されております。しかし、その実証実験は1年間に限定されており、実験終了後もそれらのサービスを継続していくかどうかは、まだ、決まっていないようです。
 このシステムは、公共交通機関の利用促進につながる他、観光産業にとっても歓迎すべきものと考えられます。ただ、バスの運行状況をリアルタイムで地図上に表わすシステムは、1台1台のバスに発信機のようなものを取り付けるようになっており、その送受信に使われる電話料金や発信機などの維持費にはかなりのコストがかかると予想されています。
 我が会派としては、このような利便性に富んだ新しいサービスシステムは、来る地方分権時代においての都市間競争に生き残るためにも、是非とも維持継続させて行くべきと考えます。この場合、これを行政サービスとして残すのではなく、民間企業の事業として育ててい頂きたいと考えます。
 と、申しますのは、本市の財政のこともありますが、IT革命を迎えるにあたっては、地元の民間資本の中にできるだけ大きな競争力を蓄えさせなくてはならないと考えるわけで、この実証実験のために研究される新しいノウハウなどは、行政の引き出しの中にしまい込んでしまっては、もったいないと考えます。実験の過程でつくり出されるソフトウェアやハードウェアをどのように生かすか、また、サービス自体をどう引き継いで行くのかも考えなければならない問題であります。
 とは言っても、実験終了後直ちに、そのシステムを民間に払い下げるというようなことはできないかもしれません。ただ、そういう場合においても、なんらかの方法で民間活力を導入するべきと思います。例えば、ランニングコストを行政だけが負担するのではなく、情報の内容や提供の方法をいろいろと工夫することによって、交通事業者や、利用者や、情報通信事業者などが様々なメリットを得られるようにし、そのことによって経費を負担してもらえるようにする方法もあると思います。
 そこで質問ですが、
 12年度に国と共同で実施するこの実証実験について、13年度以降は、どのように継続していくのか本市のお考えをお伺いいたします。



   えー、次に、今後の環境行政のあり方について3点お伺いいたします。
 環境問題と言いますと、地球温暖化の話やダイオキシンの話から、緑化の話に、河川整備の話に、動物愛護の話までがなにかと注目を集めており、人類文明のあり方にまで話が広がります。宮崎アニメの『もののけ姫』などを見ますと、環境を良くするためには、人間がいなくなるのが一番いいようですが、勿論、環境行政のあり方としては、そういう方針はありえません。
 ちなみに、環境問題を語りだすと、大量生産、大量消費、大量廃棄型社会のあり方を反省し、これまでの物質文明から脱却しよう、などというような話になりがちですが、これは、世捨て人や仙人の説く話のようで、とても現実的とは思えません。万民が霧と霞を食って生きていけるならば環境局も必要なくなるわけです。
 私たちは、国際競争の中で生き残るためにも、やはり、大量生産、大量消費、大量廃棄を続けざるを得ないでしょう。ただ、その生産の仕方や、消費の仕方や、廃棄の仕方を工夫することはできるでしょう。とにかく、問題は、現在の物質文明を継続しながら、いかにして住みよい環境を造り出すかという点にあります。要するに、人間のために、人間が造り出す種々の汚染をどうやって処理するか、つまり、人間がいるのに、いないような環境をどうやって維持するかということが課題となっております。
 本市もこれまでは、環境基本条例を制定し、これに基づいて環境基本計画を策定して、二酸化炭素の排出抑制に数値目標を掲げたり、さらには、環境アセスメント条例の制定したり、新・緑の基本計画を策定したり、資源物の回収と資源化の実施をしたりと頑張って来られており、我が会派としても大いに評価しているところでありますが、
 なにぶん、次から次へと新しい汚染物質が発見されたり、また、高額の費用を要する新しい処理方法が開発されたり、ダイオキシンに関する新しい法律ができたりして、だんだん首が締まって来ているように思われます。

 そこで、1点目の質問ですが、
 21世紀を迎えるにあたって、これからの環境行政を推進していくにあたり、市長は、どのような姿勢で取り組んでいかれるおつもりなのか、その所信をお聞かせ頂きたいと思います。

 2点目としては、
 産業廃棄物対策についてお伺いいたします。
 産業廃棄物につきましては、悪質な不法投棄が増大する中で、廃棄物処理法の改正が予定されております。これは、排出事業者の責任に関する規制を強化し、また、その処理の仕方の安全性を高めるための体制の整備を促進しようというもので、廃棄物処理に対する国民の不信感を反映させたものです。国の方では、この他に、リサイクルに関する法律を統括する循環型社会基本法や、建築資材再資源化法などの制定についても積極的な動きが出ております。
 本市は、これまで、リサイクル団地を造成するなど、廃棄物の適正処理には積極的に公共関与をしてこられましたが、こういった国の動きの中で、自治体としての廃棄物対策を見直す必要が出てきていると考えます。
 そこで、今後、産業廃棄物対策をどのように推進するお考えなのかお聞かせ願います。

 3点目としては、
 具体的に環境行政を執行していくにあたっての組織及び機構づくりについてお伺いいたします。
 今日の環境問題への対応は、先にも申し述べましたように非常にグローバルな課題になってきており、廃棄物問題や資源循環問題、さらには、自然保護や野性生物問題などとも密接につながりのある状況となっています。
 このように、広範かつ複雑な問題に対処するためには、市民、事業者の協力が不可欠であるのは勿論のこと、市長が先に表明されたISO14001の全庁規模での認証取得など、市として組織横断的な取り組みが求められるでしょう。
 具体的には、環境局と保険福祉局との連携でダイオキシン対策を進めたりするようですが、このような行政の総合化を図ることは、時代の要請でもあると同時に、今後の環境行政の強化にもつながるものと高く評価いたします。ただし、その全庁的に事業を総合化するというのは、これまでの本市の組織構造や命令系統をそのままにしていては、到底不可能であるとも感じます。部局同士がもっと風通しの良い状況で仕事を進められるような環境が必要であると感じるわけです。観念的な表現になりますが、これまでのトップダウン式のピラミッド型の組織構造では組織内に広い視野が開けてこないような気がします。そのピラミッド型と対比されるのは、ネットワーク型というものです。全庁の各部局が各々横に繋がっていくためには、そのネットワーク型の組織構造が必要になってくると考えられます。

 そこで、新年度に向けて、市政の重要な柱である環境行政の執行体制、特に、環境局の機能強化を市長はどのように図られて行こうとされておられるのかお伺いいたします。



   えー、次に、教育問題のうちから、スポーツ振興計画について、お伺いいたします。
 我が会派は、10年以上も前から、事あるごとに、スポーツに関する振興計画を策定するよう主張して来たわけですが、国の方針などが定まらなかったこともあり、なかなか実現されませんでした。 
 ところが、昨年9月、文部省が基本計画をつくる方向で動き出しました。北海道も、これに呼応して、本年1月に、北海道スポーツ振興審議会からスポーツ振興計画の基本的なあり方などについて答申が出されております。
 こうした中で、札幌市の教育委員会も、去る2月17日、札幌市スポーツ振興審議会に対し、「札幌市におけるスポーツ振興の今後のあり方」について諮問されました。ようやく、本市も、スポーツ振興計画を策定するべく動きはじめたわけです。
 その諮問には、リクリエーションとしてのスポーツや、ニュースポーツや、生涯学習としてのスポーツ、また、地域参加型のスポーツ、さらに、地域特性を生かしたスポーツ、といった木目の細かい視点が網羅されており、それらを体系的に振興しようとする方向が打ち出されております。
 本市の教育委員会は、市民のニーズを実によく把握しておられるようで、我が会派としも、そこから練り上げられる基本計画がどういう具合になるのかを楽しみにしているところです。
 ただ、そこには、不安要素も残っております。
 これまで我が会派が気にしていたプロスポーツに対する位置づけをどうしようとされているのか、また、ゆうあいピックやパラリンピックに対する社会的な認識が年々深まっている中で、障害を持つ方々のスポーツをどう取り扱っていくのか、といった視点がちょっと弱いような気がするのです。これらは、教育委員会の守備範囲を超えるものとして、市民局や保健福祉局の方で別個に扱われるのでは、といった不安が残りますし、スポーツ施設の整備を積極的に進めている環境局との連携も心配になって来ます。
 先にも、環境行政の面での事業の総合化について触れましたが、これから策定されるスポーツ振興基本計画も、全庁的な基本計画となるものなのかどうか、この点がよくわかりません。
 そこで、1点目ですが、
 これから札幌市スポーツ審議会で審議される事柄は、あくまでも教育委員会の守備範囲の中のことなのか、それとも、市民局や、保健福祉局や、環境局などを巻き込んだ組織横断的なことなのか、この点を含めて、スポーツ振興計画策定に関する本市の基本的な考え方をお示し願いたいと存じます。

 2点目は、
 総合体育館及び武道館の構想についてお伺いいたします。
 基本計画策定のための諮問書には、「見るスポーツ」という視点も盛り込まれており、スポーツを観戦したり、応援したりすることをも視野に入れた基本計画が考えられているようです。実際、スポーツをする児童生徒などは、「見られる」ことで一生懸命になるもので、見る側と見られる側の両方が盛り上がるような環境を整備をすることが、スポーツの振興にとっては重要な課題でありましょう。特に、その観戦するための施設を整備することは非常に重要であると思われます。 
 ただし、市内には、冬季オリンピック関連の大型施設があり、この2月に道立総合体育センターがオープンし、来年には、札幌ドームも完成いたします。国際的な大会や全国規模の競技会を催すには、すでに十分な施設整備が完了しつつあると言えます。したがって、ここで問題となるのは、中体連の大会や、市民体育大会などの全市的な規模の大会のための施設整備であります。現況では、それらの中規模の大会には、区の体育館などが使用されておりますが、各区の体育館には、観客席がありません。見る側と見られる側の両方が感動を分かち合えるような環境が整備されていないのであります。中体連や、市民体育大会などの地域的な中規模の大会は、スポーツ人口の基礎を支えるものであり、これを盛り上げるための施設整備は、大きな課題であると考えます。
 これらのスポーツ施設のあり方については、基本計画を策定する経過の中で、いろいろと論議されるのでしょうが、しかし、本市は、昭和59年度を初年度とする5年計画において、既に、総合体育館・武道館構想なるものを打ち出しており、今回の新5年計画にも、再度、その総合体育館・武道館構想が盛り込まれております。

 そこで、総合体育館・武道館構想を策定するにあたっての基本的な考え方についてお伺いいたします。
 我が会派としては、もはや、大きな施設は必要ないと考えます。今、本市が必要としているのは、先に申し上げたように、市民体育大会や中体連などを催せるような中規模の施設であると考えます。中規模ながらも観客席を備え、地域的な大会を盛り上げられるような施設を複数設置することが、市民のニーズに応えることであり、さらには、スポーツ人口を拡大していくための重要課題であると考えます。
 ちなみに、市内には、中央体育館があります。中規模で観客席があるということでは、中央体育館がこれに該当します。ただし、これは、すでにかなり老朽化しておりますし、施設としての機能も現在の多様化したニーズには応えられないものです。
 そこで、総合体育館・武道館構想を策定するにあたっての基本的な考え方について、中央体育館のあり方をも含めて、お示し願いたく存じます。

 尚、要望でありますが、
 スポーツ施設は、ただ単にスポーツをする場所という位置づけだけでは不十分で、憩いの場、社交の場、というような魅力的な施設であることが望ましく、また、週末や休日の開館時間も大幅に延長して、できれば24時間体制の施設であることを望むものです。
 これらのことは、我が会派からの要望とさせていただきます。



   えー、次に、先ほどの環境行政にも関連するところの一つといたしまして、学校給食に使用される食材についてお伺いいたします。食材について、とは、有機・無農薬栽培の食材の導入についてであります。
 この件については、平成9年の第3回定例市議会や平成10年の第3回定例市議会でも強く要望させていただいたところですが、再度この件について1点だけ質問させていただきます。

 これまでは、本市も道内産の減農薬農産物の使用に大変力を入れておられ、平成9年度から10年度にかけては、減農薬のタマネギを約2.5倍に増やした他、新たに減農薬のばれいしょを約468トン、にんじんを約90トン購入したりと、誠に積極的な取り組みをされておられ、この件に関しましては我が会派としても高く評価するものであります。
 ところが、有機・無農薬農産物の導入となりますと、今のところは、大きな壁にぶち当たっておられるようです。平成10年の第3回定例市議会の答弁では、生産量の面に問題があり、これを安定的に確保していくことが非常に難しいということでした。また、価格も、有機・無農薬の農産物は比較的に高価なものとなっており、給食費の問題と直結していて、16万人の児童生徒を抱える本市の学校給食にこれを導入するのは困難であるということでした。
 我が会派といたしましても、関係各位の皆さんのご苦労はよく理解しているつもりですが、今現在は困難であっても、将来の可能性を模索することだけは、続けて行かなくてはならないと考えます。
 ちなみに、減農薬栽培と有機・無農薬栽培とは、まったく違うものであります。最近は、時代の趨勢もありまして、その有機・無農薬栽培に関する認定制度が新たに確立されたりしておりますが、栽培の仕方の基本である土づくりの面から根本的に違うのが有機・無農薬栽培であります。そして、これを食べることは、医学的な側面における価値のみならず、「人間の生き方」の問題にも深く関わってくるものであります。
 ちなみに、道内で有機・無農薬栽培に取り組んでおられる農家の悩みは、手間がかかるということで「作ってもコストが高くついてしまい、そのコストを価格に乗せるとさっぱり売れない」ということでして、結局は、売れないからやめた、という方向に傾いているようです。
 農薬や化学肥料は、一回まいてしまえば、何年も地中に残りますから、新たに有機・無農薬栽培をはじめるというのは大変なことです。
 私たち札幌市民は、
 自分たちの食の安全を確保するためにも、
 郷土の土に関わる生産者の苦労を共有する意味でも、消費者の立場から、それらの意欲のある生産者をサポートしていかなければならないと思われます。そして、行政としては、次の世代の心の中に、そういった郷土への愛着や、環境問題への意識や、生産者への感謝の心を育む必要があるわけで、そういう意味でも、有機・無農薬栽培の農産物を学校給食に取り入れることは、たとえそれが年に1度しか実現できなくとも、大変意義深いことだと考えます。 
 そこで、質問ですが、
 将来に向けては、有機・無農薬農産物を学校給食の中に活用していこうとする意思があるか、という点について、本市の見解をお伺いいたします。



   えー、次に、少子化対策について、お伺いいたします。
 最新のデータによりますと、札幌市の合計特殊出生率は、1.11となっております。平成7年の段階では1.16でありましたから、本市の少子化は一層進んでいるようです。
 この少子化が問題視されるようになってから、どのくらいの年月が経過しているのかよくわかりませんが、私が初当選した時点では、すでにどの議員も少子化対策を公約のひとつに掲げておりました。
 そういう時勢の流れを反映して、政府も自治体も、ここ数年、この問題に対して真剣な姿勢で取り組んで来ておりますが、残念なことに、その成果と言えるような数字は、現在に至るまでまったく表われておりません。
 2025年には2人の生産年齢世代が1人の老年世代を支えることになるようです。
 このことが経済の面や福祉の面に暗い影を落していることは皆様すでにご承知のとおりであります。

 そこで、1点目ですが、
 本市の今後の少子化対策の基本方針についてお伺いいたします。
 国の方では、昨年末に、「少子化対策推進基本方針」なるものを策定しており、現在は、「少子化社会対策基本法案」が上程されております。本市も、12年度予算では、少子化に関する基本方針策定のために市民意識の調査を行うとのことでありました。
 そこで、まず、その調査で明らかになった市民の少子化に対する評価や、本市に対する期待などがどのようなものであったのかをお聞きいたします。また、その調査結果を受けて、現時点でもっとも必要とされる施策をどのように捉えておられるのかお示しいただきたく存じます。

 2点目は、
 新5年計画における少子化対策についてお伺いいたします。
 市長は、新5年計画の策定に当たり、少子高齢社会に対応した地域福祉の推進を重点課題のひとつとして掲げておられますが、その中で、具体的にはどういう少子化対策を事業化したのか、改めてお伺いいたします。
 
 3点目は、
 保育施策に関する基本的な考え方についてお伺いいたします。
 保育所には、認可保育所と認可外保育所があり、認可保育所には運営費の支弁がなされることは、皆様ご承知のことでしょう。この認可保育所は、戦後一貫して、市町村が自ら設置するものか、もしくは、社会福祉法人が設置・運営の主体となっているもののみに限定されてきましたが、その社会福祉法人を設立するのには、非常に高いハードルがあります。
 このことは、認可保育所の数を抑制することになり、保育所に入れない児童すなわち待機児童の存在を慢性化している原因の一つにもなっています。が、現在、国では、この件に関する規制緩和が進められており、今月中にも、認可保育所の設置主体に関する条件が撤廃される見通しとなっております。社会福祉法人が設置主体でなくとも、認可が受けられるようになるわけです。
 ちなみに、本市には、指定認可外の保育所が12施設ありまして、そこには、合計で、279名の児童が入所しております。また、指定も認可も受けていない保育所で、厚生省の定める当面の指導基準を満たしている保育所は、53施設あり、ここには、1506名の児童が入所しております。
 最近は、この認可外保育所の水準も著しく向上しているようですが、それでも、保育料をはじめとして、建物の質や、運営管理の面などでは、認可保育所と認可外保育所との格差は、あまりにも大きく、
「認可保育所に入所できた者は天国で、そうでない者は地獄」
 とも言われております。
 これらの不平等の問題や、待機児童の問題を解決するためには、やはり、行政の積極的な対応が必要となっています。ただ、これは、認可保育所を増やせば解決するというような単純な問題ではありません。認可保育所には、入所要件がありますから、入所対象にならない児童もあるのです。最近、国では、幼稚園の預かり保育に加え、3歳児の就学促進というような方針も打ち出しておりますが、本市としては、この幼稚園のあり方や、認可、認可外、などを含めて、保育サービスの供給のあり方を抜本的に見直す必要があると思われます。
 とにかく、待機児童があるなどということは、少子化対策をやっているとは言い難い状況であると考えます。
 そういうわけで、今後の保育サービスの提供について、どのようなお考えがあるのかお示し願いたいと存じます。



   えー、次に、将来の水道水源確保について、お伺いいたします。
 当別ダムを水源として確保するための石狩西部広域水道企業団が設立されたのは、平成4年のことであります。このことは、札幌圏の広域的行政の具体的な試みであり、本市の発展にとりましても、小樽市、石狩市、当別町などの近隣市町村との調和を図る上で、非常に意義のあることだったと認識しております。
 ところが、今、その計画が見直されることになっております。
 その企業団に参画した平成4年当時の見通しでは、2015年の札幌市の人口は220万人にまで増加するとされおりまして、そうなれば、現行の豊平川水系だけでは水道水の供給が追い付かなくなると予測され、2008年から同企業団からの受水を開始して、2015年には一日あたり17万立方メートルを受水することとなっていたわけですが、昨年末に出された長期総合計画における将来の人口予測では、それほどの人口増が見込めないことになり、将来の水源不足に関しても大きく数字が変更されることになりました。
 現行の水源でも、2027年までは充分賄えることとなり、その後には不足が生じるものの、2035年の段階でも、その不足量は4万8千立方メートルということになったのであります。これは、当初の計画の約72%減ということになります。
 ちなみに、「こんなことは、もっと早い時期に予測できたのでは」という声もありますが、しかし、これは結果論でありましょう。本市の水道局が計画を策定した当時は、正に人口が急速に増加していた時期であり、市民の生活水準も向上しつつあり、産業活動も活発化していたわけで、その時点での計画は、理に叶ったものであったと考えます。
 今さら言うまでもないことですが、水は、私たち市民が生活していく上では、なくてはならないものです。
 「今年は雨が少なかったから明日から水を止めます」
 などということは許されないわけで、市民の水に関する責任を負う水道局としては、常にある一定程度の安全度を想定して対処しなくてはならないと考えます。
 ただし、その前提となっている人口予測や、水需要の数字が変化すれば、当然、それに対応して計画も見直されるべきでありましょう。
 一般に、「行政は一旦決定してしまったことに関しては、その後に事情が変化しても、なかなか方向転換がきかない」などと言われておりますが、そういった中で、今回、水道局が、この計画を大幅に見直すというのは、実に画期的なことであり、非常に適切な判断であると、高く評価するところであります。
 ただし、これは、あくまでも見直しであるべきで、計画そのものから手を引くようなことがあってはならないと考えます。今回の見直しにより、石狩西部広域水道企業団からの受水量が、約72%も減少しますが、本市が企業団へ参画する目的や必要性、重要性は、なんら変わらないと思うわけであります。
 そこで、1点目の質問ですが、
 我が会派としては、今後とも同企業団に継続して参画し、将来の水源を確保することが必要であると考えております。この点について、市長のご意見をお聞かせ願います。

 2点目は、
 企業団の構成団体との今後の協議についてお伺いします。
 今回の見直しにより、水道施設の規模が縮小され、企業団の全体事業費も変更されることになると聞いております。今後は、施設の整備計画や、各構成団体の負担割合についての協議が進められるとのことでありますが、本市としては、どのような基本姿勢のもとに、その協議に臨まれるのかお伺いいたします。



    えー、最後に、札幌市における再開発事業についてお伺いいたします。
 これまで、本市は、昭和44年の都市再開発法施行以来、民間事業者を主体とした再開発事業を継続的に実施してきました。
 しかしながら、平成3年のバブル崩壊以降は、既成市街地の空洞化が進行しております。これは、景気の低迷で開発事業者の事業が頓挫してしまったことや、人口の増加に陰りが見えて来たことの他、企業の事業所が家賃の安い郊外へ移転されてしまったり、支店が統廃合されてしまったりした結果であるようです。
 ちなみに、このような状況は、札幌市に限ったことではないようで、国の方もこの件に関しては積極的な取り組み姿勢を示しており、平成10年には、いわゆる中心市街地活性化法なるものを制定しております。この法律は、関係省庁や、地方公共団体や民間事業者が連携して、中心市街地の活性化を図ることを目的とした法律です。
 我が会派としても、やはり、民間事業者を主体とした再開発を進め、そのことによって本市の活性化に結びつけるべきと考えるものですが、しかし、現在のように景気が低迷していては、その民間主導の再開発も難しくなっております。 
 実際に、本市の平成11年度と12年度の再開発予算を調べますと、過去に比べまして、事業地区の数及び予算額においても減少してきており、また、各事業地区の事業期間も非常に長期化しているように見受けられます。
 その長期化した再開発事業にはいろいろありますが、私としては、なんと言っても、JR琴似駅周辺地区の再開発が気になります。
 同駅南側のいわゆる琴似3・1地区のA工区については、平成10年度に空中歩廊を併設した大規模商業施設やマンションなどが完成を見ており、新しい賑わいのある街に変わりつつあります。
 しかしながら、隣接のB工区については、A工区の完成後に引き続いて着工される予定であったにもかかわらず、予算の繰越を含め、未だに着工に至っておりません。お聞きしたところでは、当初予定していた住宅部分の保留床取得予定者であった住宅デベロッパーが、資金難を理由に撤退してしまったとのことであります。
 現在は、ようやく新たな保留床取得予定者が決定したそうですが、そこにこぎ着けるまでの間、地元の再開発組合や市の再開発担当課は非常な苦労を重ねたと聞いております。
 このように、以前に比べますと、再開発事業が非常に立ち上げにくくなっているのが現状であります。

 そこで、1点目ですが、
 再開発事業の掘り起こしと、その推進方策についてお伺いいたします。
 このような経済不況下で再開発事業を推進するためには、初動期の段階での本市の関与が必要不可欠であると考えます。すなわち、本市が事業化のための調査研究を指導したり、民間の負担の軽減のための支援策を講ずることなどであります。
 このような本市の指導や支援策の必要性について、市長のお考えをお聴かせ願います。

 2点目は、
 JR琴似駅周辺地区の再開発のうち、北口地区の再開発についてお伺いいたします。
 当地区においては、既に市が事業化のための各種計画を策定しており、現在は再開発準備組合による施設建築物の基本設計が行われていると聞いております。しかしながら、この事業においては、現在もなお保留床を取得するべきデベロッパーが確定していないようです。
 本市としては、ススキノに次ぐ市内第2位の歓楽街を盛り立てる意味でも、当地域の歴史的な位置付けを尊重する意味でも、琴似地区の再開発には腰を据えて取り組むべきであると感じるわけで、その北口再開発が予定どおり遂行できるよう、なんらかの支援をするべきと考えます。
 ちなみに、当地区内には、琴似の産業振興の歴史的な象徴となっている古い建築物があります。これは、「レンガの館」と呼ばれているものですが、都市景観にアクセントをもたらす意味でも、この建築物は、なんらかの形で残していくべきと考えます。
 そこで、当地区の事業化に向けた今後の見通しと、市の取り組みについて、また、「レンガの館」の保存と活用について、本市がどのように考えておられるのかお示し願いたいと存じます。
 
 以上をもちまして、私からの質問を終わります。長時間にわたり、ご静聴いただきまして、誠にありがとうございました。

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