H10年3定決算特別委員会 質問原稿 企画調整局

 えー、私からは、都市景観賞についてお尋ねします。
 都市景観賞は、昭和58年にはじまって以来、平成9年度で8回目を数えており、受賞作品は、本市において優れた景観づくりをリードするとともに、市民の意識啓発、および、その向上に大きく貢献してきたものと高く評価するものでございます。
 (顔を上げる)
 札幌市の街なみは、全国的に見ても美しい方だと思うのですが、ただ、その日本全体の都市景観のレベル自体が、他の先進国からはずいぶん遅れているように思われます。
 私の場合は、ヨーロッパなどの美しい街なみを念頭に置いているのがよくないのかもしれませんが、本市を含めた日本全国の住宅地や商店街などの景観を見ると、色彩の面でも、形の面でも、個々の建物がバラバラで、民主主義をはきちがえた「自分かって主義」のようなものを感じてしまいます。
 「自分が所有している土地なんだから、どんなもんでも好きかってに立てていい」というような、他との調和を無視した無秩序な自由を民主主義とはきちがえているわけです。
 ヨーロッパの先進地域などの場合は、歴史的な経緯のなかからできあがったものなのでしょうが、そこには、ひとつの統一性があり、看板ひとつ出すにしても、全体との調和を重んじて、おとなしいものになっている場合が多いようです。
 これと対照的なのものとしては、香港の街なみなどに代表されるような、いわゆるアジア的な景観、つまり、「自分かって主義的な他との調和もくそもない、ケバケバしさを競ったような景観」があります。人によっては、こういう景観も好ましいと思うのかもしれませんし、そういった方向性を是とするか否とするかは、いちがいには語れないでしょうが、私としては、やはり、先進国的な優雅さを重んじた、他との調和のある街なみを目指していくべきと考えます。つまり、コーディネイトの視点を重んじるべきと考えるのであります。
 そこで、景観賞の選考について3点ほどお尋ねします。
 これまでの8回の表彰のうち、どのような物件が受賞したのか、その種類と件数、また、その内訳のなかの公共物と私物との割合についてお示しいただきたい。
 さらに、それらの受賞作品がどういう観点から評価を受けたのか、その選考基準や選考方法についてお伺いしたい。
 加えて、景観賞に対する市民の関心の程度がいか程なのか、その応募状況の推移についてもお示しいただきたいと思います。

再質問

 それでは、都市の景観を評価する視点についてお伺いいたします。
 実は、私も総務委員会の視察で、今回の受賞物件を見せてもらいました。平成7年度にも総務委員だったもので、前回の受賞物件も見ました。
 たしかに、なるほどと受賞したことがうなずける物件もあるのですが、なかには、ちょっとよくわからない物もありました。物件が大きなものであれば、それ自体がひとつの景観になっているわけですが、小さな物件の場合は、景観と呼ぶほどの空間を形成していないのです。あまり美しくない街なみの中に、ポツンとひとつだけ変わった建物が立っていて、それが受賞物件となっているわけです。まあ、写真で見ると、周りのものが写ってないので、りっぱな雰囲気を醸し出しているのですが、実際に見ると景観というようなものにはなっていないのです。
 受賞物件の中には、建築物が相当ありますが、街なみとして見た場合は、その建物と周囲の雰囲気との一体性や街なみの連続性、また空間の広がりなどをも含めた評価の仕方が重要な要素となるべきだと感じました。
 他都市の例を見ますと、ひとつの建築物の、その単体としての美しさを評価する部門と、街なみの空間を評価する部門とを分けているところもあるようです。建築賞と景観賞とは、本来別のものであるように思われ、本市の景観賞は、どちらかというと建築賞的なところが強いように思われるのですが、そのあたりのことをふまえて、その選考基準について今後どのような方向で取り組もうとしておられるのか、見直す気持ちも持っておられるのかお伺いしたいと思います。
 また、せっかくこういう賞を設定しているのですから、少しでも市民の関心を高め、より親しまれる景観賞とするために、なんらかの工夫をしてもいいのではないかと思いますが、そのことも合わせてお伺いいたします。

 さらに、でき上がったものばかりを対象とするのではなく、将来の街なみがこんなふうになれば良いといった、街角の雰囲気づくりや、街なみのデザインなど、街づくりのアイデアなどを広く市民から募ってみてはどうかとも思うのですが、そういった都市景観賞の新しい分野を検討されるお考えがあるのかどうかも、お伺いしたいと思います。

要望

 先にも申しましたが、どうも日本の街なみは、どちらかというと、ケバケバしさを競うようなアジア的なものから脱却していないと思います。自分かって主義的なこういう雰囲気は、子供たちの情操教育の面にも大きく影響するわけで、そこには行政としても積極的に取り組むべき課題があるように思われます。
 屋外広告物条例も全面的に改正され、来年度の施行が予定されているそうですし、都市景観賞としても、「秩序と調和のある落ち着いた自由主義の構築」というような視点をも視野に入れた豊かな雰囲気づくりを目指して、今後とも頑張っていただきたい、と、強く要望いたしまして、私からの質問を終わります。

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