平成9年第3回 定例議会代表質問原稿

 (市長及び議長に一礼し、登壇)
 えー、私も本市議会に議席をいただきまして、約2年半となりました。この間、市長、助役をはじめ、市職員の皆様方、また議員の皆様方からも、身にあまるお引き立てをいただきました。この場を借りまして、あらためて篤くお礼申し上げます。
 (拍手)
 それでは、自由民主党を代表いたしまして、7項目13点にわたり、質問させていただきます。

 まず、はじめに、昨今の金融機関を取り巻く状況について市長のご所見をお伺いいたします。

 現在、我が国では、「Free, Fair, Global」という3つの理念のもとに、日本版ビッグバンが行われようとしています。
 我が国の金融市場を2001年までに、ロンドン、ニューヨーク並みの国際金融市場として再生させ、今一度日本経済の足固めをしようというわけです。
 が、これは、多額の不良債権をかかえる国内の金融機関にとっては、非常に荷の重い話であり、いわゆる金融不安が生じております。
 本市札幌や、本道の金融界でも、その体質改善が急がれており、信用金庫の合併や、農協の再編に向けた協議が進んでおり、この4月には、たくぎんと道銀の合併方針も打ち出されました。

  (注・この質問をしたのは、拓銀が破綻する前でした。)

 この合併は、多額の不良債権にあえぐ両行が、生き残りのために選択した方針であるという後ろ向きの見方もありますが、一方では、日本版ビッグバンを乗り切るための先駆的な取り組みであるとの見方もあります。
 両行は、ともに、北海道全体の経済界を金融面から支えてきたものであり、本市の民間経済にとっても、文字どおりの後ろ楯となっているわけで、一刻も早く、新しい銀行として再出発し、なんとかその経営基盤を建て直してほしかったのですが、残念なことに去る9月12日、その合併の延期が決定されました。
 この報を受けた市民や地元企業の間には、少なからず不安が広がっております。
 (水を飲む)
 ご承知のように、現在、日本政府は、火だるまとなって財政再建に取り組んでおり、公共事業の大幅な見直しを進めております。道においても、時のアセスという名のもとに公共事業の見直しが進められており、数々の事業が先送り、あるいは凍結されております。
 この流れを受けて、札幌市も約2兆円にのぼる市債残高を償却すべく、桂市長以下血のにじむような思いで事業再評価プログラムを進められておられ、公共投資の抑制に多大な力を注いでおられます。これは、明日の札幌市を健全に運営していくためには必要不可欠な措置であり、我が自民党としても、その成果が大いに実るよう期待しているところなのですが、ただ、札幌市の民間経済が、この波に耐えられるのかどうかが心配です。
 今さら言うまでもないことですが、本市はその成り立ちからして中央官庁の投資に依存したものでありまして、人材の面でも、財源の面でも、官によって立ち上げられた街です。その経済構造は依然として官の投資に依存したままであり、これといった地場産業も育てられないまま今日を迎えております。
 お金の流れを水にたとえるなら、札幌市民の喉をうるおしている水は、国や、道や、本市の蛇口から流れてくる水がほとんどです。市内には、かなりの数のサービス業従事者もありますが、それらの喉を潤している水の大部分も、元をただせば国や道や本市の蛇口から流れてくる水なのです。
 そして今、その蛇口がちびりちびりと締りつつあります。
 本州では、ここのところ、造船やロボット関連の製造業などが大いに息を吹き返えしているのですが、地場産業の手薄な本市には、それら製造業の水は流れてきません。
 そればかりか、今年に入ってからの株式市場は一層低迷し、バブルに踊った大手ゼネコンが虫の息になっており、そのツケだけが本市の零細企業にまわされつつあります。
 波はすでに起っています。
 札幌地方裁判所は昨年末から、破産宣告などの手続きでおおわらわだと聞いています。
 ここで大手ゼネコンのひとつでも倒れるようなことが起きれば、その波は建設業界ばかりではなく、一般のサービス業にまで波及し、札幌市の民間経済は致命的な打撃を受けるでしょう。
 本市は、財政を再建しなければなりませんが、それと同時に地元経済の生きる路も模索していかなければならないでしょう。そのためには、蛇口を締めたり、緩めたりするだけの単純な操作ではどうにもならないわけで、新しい水源を探さなければならないでしょう。官依存型の経済構造を打破し、民間のなかに自立した経済力をクリエイトしていかねばならないでしょう。また、その自立した経済力をどのようにしてクリエイトするかのシナリオも必要でしょうし、そのシナリオをつくるための機構も必要でしょう。
 本市におかれましては、そのあたりのところに関して真剣に取り組んでいただきたいと考えているところですが、 今回は、金融不安について的を絞ります。
 とにかく、今、地元経済における不安定要素がちらつきはじめているわけですが、ここを凌ぐには、地元に根ざした金融機関、とりわけ、たくぎんや道銀などが防波堤になってがんばってもらうしかありません。
 ところが、先にも申し述べましたとおり、日本版ビッグバンへの流れのなかで、金融界の状勢も切羽詰まってきており、両行の合併期日も延期されました。
 ここで、地域経済に信用不安という暗い影が落ちて来るようなことになれば、外からの波が押し寄せて来なくても、本市の民間経済は自壊してしまうでしょう。

 そこで、お伺いいたしますが、
 昨今のこのような金融機関全体を取り巻く状況について、市長はどのように認識しておられるのか、そのご所見をお聴きかせ願いたく存じます。


   次に、環境問題について2点おたずねいたします。
 本市は、「北の理想都市」という高邁な目標を掲げ、国際都市としての世界的な位置付けを確立することにも意欲をもって取り組み、本市が提唱して実現した北方都市市長会もNGOに登録されました。
 今や、環境問題は、廃棄物の処理問題や、自然保護、エネルギー問題などの身近なものばかりではなく、オゾン層の破壊や温暖化の問題などの地球規模のものまでが対象となっているわけですが、その地球規模の問題なども北の理想都市を目指す国際都市としては、避けて通れない課題となっております。
 そういう事情もあってか、本市の環境基本条例の前文には、
 「身近な環境、更にはかけがえのない地球環境を保全し、これを良好な状態で将来の世代に引き継ぐことは私たちの願いであり、また、使命でもある」
 と記載されており、実際に、公害対策や、自然保護や、ゴミ処理などの面では真剣な取り組みがなされています。
 が、先にも述べましたとうり、国際都市である札幌市としては、さらにグローバルな視点から、地球規模の環境問題にもより一層の取り組みがなされるべきであると思われます。
 一般に、国際都市と言うと、外国人が大勢出入りする街がイメージされ、国際化と言うと、その出入りする外国人の数を増やすことだと思われがちですが、真の意味での国際化とはそういうことではなく、世界の流れに率先して参加し、世界共通の課題などをも自らの課題としてとらえていくことこそが真の意味での国際化なのだと思うわけです。
 (水を飲む)
 そこで、ここ数年来世界的な問題として注目を集めている地球の温暖化現象に対しても、真剣な取り組みがなされるべきだと考えます。
 ご承知のとうり、温暖化による具体的な影響としては、海水面の上昇による低地の水没、農業・漁業への影響、自然災害の増加、砂漠化、動植物の絶滅など多くの被害が予想されております。
 その温暖化の主な原因は、人類が排出する二酸化炭素なのですが、この二酸化炭素の排出は、人類のエネルギー消費量に連動しており、現代の社会・経済活動と直結する構造になっております。
 因に、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された「地球サミット」でもこのことが論議の的となり、「持続可能な発展」というキーワードが定着いたしました。現代社会の維持と発展を保持しつつ、つまり、現在のエネルギー消費を保持しつつ、どのようにして二酸化炭素の排出量を抑制していくのかという命題にぶつかったわけです。
 折しも、本年12月には京都市において、この温暖化対策についての「気候変動枠組み条約第3回締約国会議」、通称COP3(コップスリー)が開催されます。このCOP3では、我が国が議長国となって、西暦2000年以降の二酸化炭素の削減について、世界的な枠組みを決定することとなるそうですが、議長国自身の取り組み姿勢が、会議の成否の鍵を握っていると言われております。
 本市としては、その議長国の一翼を担う政令指定都市という立場からも積極的な姿勢を見せ、そのCOP3を成功に導きたいところです。
 そこで、「持続可能な発展」という重要かつ困難な命題をどのようにして実現していくかでありますが、やはり、エネルギー消費を規制するような後ろ向きな方向ではなく、エネルギーをつくる技術の面や、市民及び行政の意識改革などの面からのアプローチなどを考慮しつつ、これまで本市が遂げてきた発展を保持できる方向で二酸化炭素の排出量を削減する施策を打ち出さねばならないでしょう。

 そこで、本市における地球温暖化対策について、2点お伺いいたします。

 まず、1点目は、本市の二酸化炭素排出の現状認識と大都市としての役割についてであります。
 本市は、北国特有の状況として、暖房、徐排雪などに多大なエネルギーを消費していることと思いますが、今、世界が一致協力して温暖化に取り組まなければならないこの時期において、本市の二酸化炭素排出の現状と、大都市としての役割について、どのように認識しておられるのかお聞かせいただきたいと思います。

    2点目は、二酸化炭素の排出抑制と「持続可能な発展」の確保についてであります。
 街づくりの大きな視点として環境問題を位置付け、温暖化対策についても具体的な行動につなげていくことが必要であると考えますが、二酸化炭素排出の抑制を、市の施策に今後どのように位置付け、推進していこうとされているのか、また、その際、「持続可能な発展」をどのように確保していくおつもりか、併せてお伺いいたします。
 (水を飲む)


 次に、少子化対策について3点おたずねいたします。
 現在、地球の人口は急速に増えつつあり、100億を超える日も、そう遠くないことと予想されています。
 そのなかで、先進国と呼ばれる国々では少子化が進み、なかでも日本の少子化は他国には例のない急激な速度で進んでいるわけですが、本市の合計特殊出生率が、その日本の平均値をさらに大幅に下まわっていることは、いまさら言うまでもないことでしょう。
 ちなみに、この8月に自治省から発表された平成9年3月末の「住民基本台帳に基づく全国人口動態調査」というものがありまして、この調査は、日本国籍を持つ人だけを対象としているわけですが、これによりますと、老年人口が15.4%と初めて15%を超えており、年少人口の15.5%を凌ぎつつあります。
 また、一世帯あたりの平均人員も過去最低を更新しておりまして、少子化同様、核家族化にも拍車がかかることが予測されております。
 ここで問題となるのは、年々厳しくなって行く財政の下で高齢者対策と少子化対策のどちらを優先すべきか、というジレンマがますます激しくなることです。日本民族を維持することに力点を置くならば少子化対策の方に傾かざるを得ないのですが、高齢者の既得権を護ることに力点を置くならば、高齢者対策の方に傾いて行くことになります。政府の方針がどちらに傾いて行くのかは、世論の流れ方次第でしょうが、医療保険制度の改革の様子を見ても、新たに創設される介護保険制度を見ても、今のところは高齢者対策の方に傾きつつあるように思われます。ただ、高齢者の既得権を護り続けるにしても、今の出生率では、そのための労働人口が維持できません。
 現在、日本政府は、水際作戦を強化して外国人の密入国を厳しく取り締まっておりますが、世界の人口が100億を超え、飢える民が大陸で溢れかえるような状況になり、日本の労働人口が底をつくようなことになってしまい、なおかつ高齢者を保護する現行の方針をつづけようとするならば、そのための労働力を海外からの流入民に依存するようなことにもなりかねません。

 そうなれば、本市の市議会議員のなかにも、耳慣れない外国の名前を持った人たちが仲間入りしてくるようになるでしょう。
 少子化対策は、今のところ厚生省が中心に行ってないますが、これは、もはや福祉事業レベルの問題ではなく、国防レベルの問題だと、私は思っています。
 そこで、他の先進国に目を向けて見ますと、スウェーデンにあっては、今年6月に、公的扶助制度を見直して家庭内介護者への支援を強化し、児童の地位強化などを主旨とした社会サービス法改正案をも成立させるなどして、厳しい財政状況下でも合理化や効率化を図りながらサービス水準を維持するとともに、さらに質を高めるべく努力を続けております。
 また、フランスにあっては、伝統的に家族政策に力を入れてきており、育児を支援するための様々な手当が支払われています。そして、1994年には、子育て支援体制を強化するため、家族のための5ヶ年計画を発表し、同年、児童及び家族対策を強化する法律を成立させるなど、国レベルで積極的に少子化対策を講じております。
 我が国においても、少子化対策としてエンゼルプランの策定や児童福祉法の改正がなされ、緊急保育対策等5ヶ年事業も推進されており、また、本市においても、昨年7月に、北海道にさきがけて「札幌市子育て支援計画」を策定して、子どもを持ちたい人のための環境づくりを推進しているところであります。が、冒頭にも申しましたとうり、日本の少子・高齢化はスェーデンやフランスなどよりもずっと急激に進んでいるわけで、より一層の積極的な取り組みが必要なのではないかと思われます。

 そこで、本市の少子化対策として3点お伺いいたします。

 第1点目は、札幌市子育て支援施策の推進についてであります。この施策においては、「子育てと仕事の両立を支援する」保育施策の充実が目玉になっているわけですが、
 現在国が進めている財政構造改革においては、一切の聖域なしと明言されているところであり、本市においても、約2兆円に上る市債残高を償却すべく事業再評価プログラムが策定され、5年計画の事業縮減や期間の延長、さらには凍結などがされると聞いております。
 こういう財政状況の下で、どういう姿勢で、保育施策の充実を図っていこうとされておられるのかお伺いいたします。

 第2点目は、子育て支援のための新たな施策についてであります。
 本市では、本年4月より、従来の仲よし子ども館を質的転換し、児童会館を使用した子育て支援事業を実施するとともに、機構の一元化も図ってきておりますが、先にも申し述べましたように、少子・高齢化と同時に、少子化の要因の一つとされる、世帯の核家族化も一層進んでおります。
 今年7月の「札幌市・長期総合計画審議会」に提出された資料によりますと、2020年の本市の一世帯あたりの平均人員は、2.19人と平成7年の2.41人を大幅に下まわることが予測されます。
 このことから、「子どもが健やかに生まれ育つ環境づくり」として、核家族世帯の産前・産後の身体的・精神的な負担を軽減できるような新たな施策も展開していくべきと考えますが、いかがなものでしょうか。

 第3点目は、市民への情報の提供についてであります。
 現在進められている施策の数々は、きわめて対症療法的で、少子化の根底に流れている晩婚化や晩産化に対しては、これを追認するような方向にあるように思われます。結婚したがらない男女や子どもを持ちたがらない夫婦に追従するばかりで、それらに対しての意識転換を図るような施策が欠けているように思われるのです。
 ちなみに、それら最近の男女の意識は、ある日突然わきあがったブームなどではなく、歴史的な経緯を経てできあがったものと思われます。すなわち、敗戦による価値観の崩壊や、高度成長期に培われた拝金主義や、バブル期に横行した享楽主義や、マスコミの自虐的な戦争責任の追及による祖先軽視などが各世代から尾を引いて今日のトレンド気分のようなもをつくりあげたものと考えられるわけです。
 これは、とても一朝一夕に転換できるものではないでしょうが、しかし、だからといって、そこにできあがったトレンド気分のようなものを追認し、追従する施策ばかりでは、長期的な展望が望めないのではないかと思われます。
 勿論、そこには、子どもを欲しくても経済的な理由などで、子どもをつくる余裕のない世帯も多いわけで、そういった対症療法的な施策もより一層充実させていかなければ現況を打開することができないわけですが、晩婚や晩産の根底に流れている意識の方をも、なんらかの形で転換させていかなければどうにもならないと思われるのです。
 このことから、今我々が直面している少子化問題の深刻さをもっと広く市民に伝え、「低出生率社会における結婚や家族のあり方」や、人間本来の幸福観や、祖先に対する認識や、子孫に対するおもいやりなどについて、もっと深い議論を高めていくべきだと考えます。
 そのためには、これまでの広報誌や、その他の情報誌に加えて、インターネット等の、新しい若者向きの情報伝達手段などにも積極的に取り組んではと思うわけですが、いかがなものでしょうか。

 以上3点について本市のお考えをお伺いいたします。


 次に、学校給食について2点おたずねします。
 次世代を担う子どもたちを健全に育成することは、親の義務であると同時に社会全体の責務であるわけですが、少子化社会に突入した現在、その社会の責務の部分が非常に大きなウエイトを占めざるを得なくなりました。
 そういったなかで、先日、学校給食運営委員会から教育長に対して提言が示されたところでありますが、その提言の内容を見ますと、学校給食の位置づけを、子どもたちが生涯にわたって健やかでたくましく生きられるよう人間形成していくための「食教育」の場とし、そのために本市の学校給食が「子どもたちにとってどうあるべきか」という観点から様々な具体的施策が提言されております。
 学校給食運営委員会においては、この提言を策定するために8ヵ月間もの長きにわたって審議が重ねられたということですが、我が党としても、将来を担う札幌の子どもたちにとって、大変に良い提言が示されたと大いに評価するものです。
 また、この提言にある「具体的施策」のいくつかは、我が党が、これまで再三主張してきた学校給食の充実に対する考え方とも一致しています。
 たとえば、この提言に述べられている食事環境の改善の必要性については、我が党は食器具の改善やランチルームの確保が必要であると主張してまいりましたし、また、献立の多様化についても同じ趣旨で改善の必要性を主張してまいりました。
 私は将来を担う子どもたちのために、是非ともこの提言に示された様々な施策を実現していただきたいと思うのですが、こうした学校給食の画期的な充実策を実現していくためには、やはり、我が党がこれまで主張してきたように、民間活力を導入して、効率的かつ効果的にそれらの施策を進めていくべきであり、そして、そのことがまた、市民の期待に応え得る真の行政改革になると考えます。

 そこで、1点目の質問ですが、市長は、今回のこの提言をどのように受けとめ、また、どのように具体化していくお考えなのかお伺いいたします。

 2点目は、学校給食で使用する食材についてです。
 近年、食品の加工技術も急速に進歩し、様々な加工食品が出現しております。農産物についても、流通機構の多様化により、輸入量も増大し、季節を問わず豊富な農産物が市場に出回るようになっております。
 が、今の我々が食べている食物は、その材料の安全性の面で、決して理想的とは言えません。それは、いわゆる残留農薬の問題です。特に、輸入穀物の場合には、その残留農薬としてのポストハーベスト農薬の問題があります。
 本市は、国の定める安全基準に基づいて厳密な検査を行っており、ここに手抜かりが生じるようなことはないと信じていますが、しかし、問題なのはその安全基準値、すなわち、農薬の残留基準値についてです。
 わが国では、基準値の上限まで農薬が残留する農産物を一生涯摂取し続けたとしても、安全性に問題はないとしておりますが、しかし、その残留基準のなかには、国際基準であるコーデックス委員会の基準と異なっている部分もあり、基準値の設定については、それが常に最新の情報をもとにしているとは限りません。
 最近の子どもたちによく見られる多種多様なアレルギー症や、アトピーなどが農薬のせいであることは証明されておりませんが、一部の研究者たちは、なんらかの因果関係はあるのでは、と疑問を呈しております。
 このような状況において、発育段階にある児童生徒を対象とする学校給食においては、より一層、安全で良質な食品を使用する必要があり、今後ますます学校給食の果たす役割が重要になってくると考えます。
 本市の学校給食においては、これまでも、札幌産、富良野産の低農薬タマネギや、南区藤野産、余市産の低農薬リンゴを季節的に取り入れるなどして、より安全な食材の導入に努めてきており、このことについては一定の評価をするものです。しかしながら、これらは、10月、11月の収穫時期のみの使用であり、供給量も限られており、まだまだ十分であるとは言えないのです。
 先日、私は名寄市まで無農薬栽培の栽培状況を見に行ってきたのですが、名寄市の小中学校及び保育園では、有機・無農薬で、除草剤も使わずに栽培したミニトマトやジャガイモなどの野菜を年間を通して使用しておりました。
 有機・無農薬で栽培した野菜というのは、その野菜自体に力があり、もちろん健康にも良いのですが、栽培に手間がかかるだけでなく、形が不揃いで虫の混入が多いために調理、洗浄や仕分けにも大変手間がかかります。
 それでも、名寄市がこれを学校給食に導入できたのは、市内に有機・無農薬栽培をしている農場があったことや、子どもたちの人数が少ないことなどの諸条件が整っていたこともありますが、なによりも名寄市自体が有機無農薬栽培に対する深い理解を示し、人材育成の面にも並々ならぬ意気込みを持っていたことが大きかったように思われます。
 また、北竜町なども有機・無農薬栽培や減農薬栽培に力を入れており、札幌市の市場を開拓せんとしてがんばっておりますことから、本市の学校給食においても、まだまだ導入拡大を図ることが可能であると考えられます。
 要は、本市が、明日の札幌市を担う子どもたちに対して、どこまで責務を負うのかの問題なのであります。

 そこで、質問ですが、本市の学校給食において、今後、有機・無農薬、または、低農薬の野菜をさらに拡大して導入していく考えはあるのかどうかお伺いいたします。

 次に、公共建築物の保全計画について2点お伺いいたします。
 本市は、高度成長期のころの昭和40年代から昭和50年代にかけて、数々の都市基盤施設を積極的に整備しました。
 我々が利用している教育施設、文化施設、スポーツ・リクリエーション施設、環境衛生や福祉のための施設などの多くは、その昭和40年代から50年代に建てられたものです。
 それらの公共建築物は、市民が心豊かに生活していくためには必要不可欠なものでありますから、老朽化が限度を超えたときには、逐次、建て直していかなければならないのですが、しかしながら、今日の低経済成長期にあっては、公共建築物においても、これまでのようにおいそれとは新築するわけにはいかなくなりました。
 「建設の時代」は終り、「維持管理の時代」へと移行しつつあるわけで、これからは、これまで建設されてきた公共建築物をいかにして大切に維持し、保全していくかが重要になっていくと思われます。したがって、そのための体制づくりに主眼を置いた行政施策が必要になるのではないでしょうか。すなわち、既存の公共建築物の機能を良好な状態に維持させ、かつ、建築物の寿命や、使用年限や、市民ニーズを考慮したうえで、それぞれの建物の延命を促し、市民の財産を適切に保持していくための行政施策です。
 ちなみに、建築保全センターの保全研究所が発行した保全技術研究所年報によりますと、一般に、建築物の生涯修繕費用は、新築費用の1〜1.5倍に達するそうなのですが、その生涯修繕費を安く抑えるには、予防保全の立場から計画的な点検と修繕・改修を実施することが大切で、無計画に場当たり的な事後保全ばかりをくりかえすと建物の寿命を縮めるだけでなく、その生涯修繕費も大きく膨らんでしまうそうです。
 また、建築物の修繕費用は、竣工後15年目頃から急上昇するようですが、本市の公共建築物の建設年次構成は、建築部がまとめたところによると、15年以上経過した建築物の数が全体の約50%を占めているとのことです。
 そこで、これまでの公共建築物の維持保全に要した経費を見ますと、企業会計を除く一般部局だけでも、平成3年度が約60億円で、平成8年度が約130億円となっております。これは、5年間で2倍以上になっているわけですが、今後は、さらに莫大な経費が支出され、保全業務に係る業務量もかなり増大していくことが明らかです。
 我が党は、早くからこのことに気付き、平成4年の3定における決算特別委員会や、平成5年の4定における代表質問などでこのことに関する質問をしてきました。公共建築物の維持管理に係る財政負担を軽減する方策として、「事後保全」ではなく、「計画保全」を実施していくことを提言してきたのです。
 この提言に対しては、本市もその趣旨をふまえて、調査・研究を行う旨の回答を提示してきたと聞いております。

   そこで、1点目の質問として、本市における公共建築物の保全計画の策定がどの程度進められているのかお伺いいたします。
 さらに、2点目として、その保全計画を実施するために、どのような執行体制をお考えなのかお伺いいたします。


 次に、公営住宅の施策について、2点お伺いいたします。
 国においては、昨年度、公営住宅の1種と2種の種別を廃止し、公営住宅の新しい供給手法として、借り上げ・買い取り方式を導入したり、応能応益家賃を導入したり、高齢者世帯等に対する収入基準を緩和したりと、公営住宅法に関する抜本的な改正を行ったところであります。
 本市では、このことを受けて、今年の3月28日に「札幌市営住宅条例」の改正を行い、需要に応じた的確な供給の推進や、公平性の確保に努めておられます。 
 しかしながら、本市の市営住宅の入居者を見ますと、その収入が入居条件の限度額を超えている、いわゆる収入超過者が多数あると聞いています。公営住宅法の目的は、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃の住宅を供給することにあるはずですが、その趣旨から考えますと、収入超過者の存在には大きな疑問を感じるものであります。
 本市では、現在、いかにして行財政改革を成し遂げるかが最大の課題となっており、先にも申し述べましたとうり、公共投資の抑制が必至の状況となっているわけで、適正な資格を持たない人たちにまで低廉な家賃の住宅を提供するような余裕はないはずなのです。
 このようなことから、本市の市営住宅の供給手法については、もっと公平な原則に則るべきであると考え、さらに、そのための財源の投入の仕方については、もっと効果的であるべきと考えます。そして、そのためには、従前の直接供給を主体とした手法を改め、借り上げ・買い取り方式を拡大していくべきと考えます。

 そこで、質問の1点目ですが、
 市営住宅に入居している収入超過者は、今回の公営住宅法の改正基準で推計しますと3,800人にも上り、この他に高額所得者が140人もあるとされています。このうちの高額所得者については「明け渡し義務」が法的に定められており、市としても明け渡し請求を行うなどして退去促進に努力されていると伺っておりますが、収入超過者については、公営住宅法で「明け渡し努力義務」がかせられているだけで、明け渡すかどうかはあくまでも入居者の自主性に委ねられており、退去していただける方の数が非常に少ないと聞いています。
 市営住宅の最近の応募倍率は平均で9倍ほどになっており、数多くの適正入居資格者が入居できずにいます。収入超過者のなかには、相応の事情がある人もいることとは思いますが、入居を切望している適正資格者のことを考えますと、収入超過者にもその意を理解していただけるよう最大限の努力をすべきと考えますが、この件に関する市の見解をお伺いいたします。

 2点目の質問は、今後の市営住宅の供給の仕方についてです。
 本市は、公営住宅の新しい供給方法として、民間事業者などが所有する賃貸住宅を一定の期間借り上げ、これを公営住宅として市民に提供することにしたそうで、すでに、そのための借り上げ要綱や建設基準の策定に入っておられ、平成10年度にはこの手法を本格的にスタートさせると聞いております。
 この手法は、公共投資抑制の面でも、また投資の効率化の面でも、さらには、民間経済の活性化の面でもきわめて合理的であると思われます。特に、本市のように賃貸住宅やマンションなどが普及しすぎて、供給過多の傾向にある都市においては、尚のことです。また、これは、都市型の公営住宅の供給にもつながるでありましょうし、老朽化した賃貸住宅の建て直しの促進にもなると思われます。
 そういうわけで、本事業の早期の実施が望まれますし、さらには、戸数の拡充も視野に入れた展開が必要であると考えます。これらのことに関して本市の見解をお聞かせいただきたいと思います。


 最後に、琴似バスターミナルの高度利用と琴似地区の活性化についてお伺いいたします。
 現在、本市では、地下鉄東西線の延長工事が、平成11年3月の開業を目指して着々と進んでおります。その終点駅には、生涯学習センターや、リサイクルプラザや、新青少年センターなどの公共施設が配置されるほか、1日千便近くのバスが発着するバスターミナルと、それと一体となった民間商業施設も新設される予定です。また、周辺の手稲東新道北地区や手稲東発寒6.9地区などにおいても、再開発事業が進められており、この地区が西区内の新たな中継拠点となって発展することが期待されております。
 ただ、その一方で、現在の終点駅である琴似駅の方は、その東西線の延長にともなって、終点駅ではなくなってしまいます。地下鉄琴似駅は、バスターミナルと一体化した建物になっており、現在多くのバスが発着しているわけですが、そのバス路線も東西線の延長にともなって再編成され、相当数の路線が新しい駅の方へ短絡されると聞いております。
 琴似地区は、これまで、地下鉄やJRやバスなどの交通拠点として栄えてきたものであり、そこには、区役所をはじめとする公共施設が設置されているだけでなく、ススキノに次ぐ2番目の歓楽街もあり、さまざまな商業施設も集積されております。
 しかしながら、この度の東西線の延長によって、交通拠点としての役割が大幅に失われることとなり、地域住民をはじめ、商店街の方々も地域の賑わいに陰りができることを懸念しております。
 こういう状況のもと、この9月には、危機感を感じた琴似地区の町内会や、商店街や、大型店舗が連携を図り、「未来の琴似街づくりサミット」というものを発足させ、琴似地区の課題や問題点などを考え、地域を活性化しようとする動きも出ております。
 そうしたなかで、琴似バスターミナルの状況を見ますと、その一階部分は、バスの発着のみの施設となっており、琴似地区の一等地に位置していることを考えれば、地域の街づくりにとっても、もっとその立地条件を活かすべきと思われます。
 その立地条件を活かしていく手法としては、まず、その建物を増築し、そこに民間活力を導入するのが有効であると考えますが、市としても、市民のための公共施設を整備するなどして、相乗効果を狙うべきと考えます。
 ただし、これは、新しい終点駅への人の流れをつなぎ止めようとするのではなく、全市的な広がりを持つ集客施設を目指すべきです。
 ちなみに、本市では、市街地再開発方針の見直しが行われており、都市化の進展にともなって拡大されていく市街地を計画的に整備する方向で、地下鉄沿線地域を拡大及び連続化すると聞いております。
 琴似バスターミナルの有効活用は、地下鉄沿線地域の再開発の進展にとっても、大きく貢献するものと思われ、また、赤字に悩む交通局にとっても、その資産の価値を高める効果があると思われます。

 そこで、お伺いいたします。
 琴似バスターミナルの有効活用と琴似地区の活性化を考えるうえでは、現在のターミナルビルを増築し、民間開発を基本とした高度利用を図るとともに、全市的な広がりを持つ集客機能と利便性を考慮した公共施設をあわせて整備し、施設の総体的な機能を増大させ、このことによって琴似地区の活力ある街づくりや商業振興につなげるべきと考えますが、この件に対する市長のご所見をお聞かせいただきたいと思います。

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