2002年予算特別委員会質問原稿(財政局)

 建設局から経済局へのシフトチェンジについて

 今、札幌市は大きなターニングポイントにさしかかってます。
 官依存型の地元経済をどうするか、という点でのターニングポイントです。
 市役所内には、経済局というのがありますが、現状における経済局には、この局面を支える力などは持たされておりません。この部署は、商店街組合のお世話をしたり、中小企業である小売・サービス業と製造業のお世話をするのが本業になっており、地元経済の基礎部分を担っている建設関連業者に対するお世話は、管轄外になってます。基本的には、地域経済への景気対策をするような部分を担っていたのは、実は、建設局や都市局などでした。が、これは、資本の直接注入と言いますか、発注型の景気対策であり、財政が逼迫してきている本市としては、その面のこれまでのやり方を大幅に縮小せざるを得なくなっており、今回の予算案におきましてもその方向性が打ち出されております。
 とにかく、これまで景気対策のスタープレーヤーを演じてきた発注部局は、その座を降りざるを得なくなりました。このことは、構造改革の推進を目指す我々自民党も同意するところであり、市長の勇気ある決断には大いにエールを送るところです。が、その発注部局に代わる景気対策のスタープレーヤーをどこにするかという点では、今回出された予算案には、ちょっと足りないものを感じます。
 私は、ここで、新たなスタープレーヤーとしての立ち回りが要求されるのは経済局だと思ってます。発注型の活性化策からアドバイス型の活性化策への転換を余儀なくされ、建設局から経済局へのシフトチェンジが必要になっており、官依存型の地元経済を自立型のものへ転換させる任務は経済局が負うべきと考えるわけです。このことは、市長も深く認識されておらるようで、新分野進出支援事業を創設するなど、融資関連事業には大幅なテコ入れがなされています。
 その経済局の予算案を見ますと、観光コンベンション部の予算が47.1%(約40億)の増となっているだけで、産業振興部の予算は5.6%(約50億)の減であり、差し引きすると、10億円近い減ですが、これは、コンベンションセンターの建設による新たな予算組みや産業振興施設の建築終了などに起因しているようであり、実質的には、産業振興部に対しても大幅なテコ入れがなされているみたいです。が、実際には、テコ入れしたくても、入れるためのネタがないようで、景気刺激策としては、、産学官関連や、デザイン関連、バイオ関連、IT関連などの新分野開拓方面に限定されています。新分野開拓はすばらしいことだと思いますが、公共事業に依存しきった建設関連業者の方はどうするおつもりなのでしょうか? 新分野進出支援事業の創設については高く評価するところですが、しかし、金を貸すだけでどこまでの効果が出るのか、はなはだ怪しい気がします。何十年も建設業一本槍で暮らしてきた経営者たちは、商売換えしようにも何をしたらいいのかわからない、というのが実情であり、そこに金を貸してやるといっても、どの程度の借り手があるものか、どの程度の効果が出るものか、かなり難しいのではないかと思われます。
 また、市内に本社を持つ地元大手企業というのは、そのほとんどが建設関連業者であります。市内の資本力は、そのあたりに凝集されています。新分野を開拓しても、それが地元経済を支えるに至るまでに発展するには、その凝集された資本力をそちらに振り向ける作業が必要なのではないでしょうか?
 建設関連業者がどんどん減って、新産業がどんどん増えるというためには、その間を橋渡しする作業が必要なのではないでしょうか?
 今回の予算案に足りないものを感じるのは、その点であります。

 そのことはともかく、助役の指揮下で組織横断的に編成したとされる今回の予算案においては、福祉部門へのテコ入れが目に付きます。保健福祉部や児童家庭部は、どちらも1割前後の増です。これは額にすると70億円に近い数字になってます。

 桂市長は、建設局に代わるスタープレーヤーとして、福祉部門をステージに上げようとしているように見受けられます。福祉事業にテコを入れることは、市民の経済活動を活発化させる効果があるとは思いますが、今我々が直面している自立型経済への転換という課題を解決するものではないように思われます。福祉サービスは、あくまでも地元に根ざすものであり、輸出しずらい商品であり、域際収支の赤字を緩和することにもつながりにくいと思われるからです。

 勘違いされると困るので言っておきますが、私は、福祉事業が悪いと言っているのではありません。ただ、なけなしの金をつぎ込むときには、なんらかの展望が開けるようなところにつぎ込むべきだと言っているだけです。
 福祉は,「遅れず,休まず,着実に」くらいがちょうど良く,表舞台に出るべきでは本来はないはずなのです。セーフティネットじゃないけれど,後方支援なのです。

 今の札幌市の民間経済に欠けているものは、攻撃の精神です。言葉をかえるなら、アルピニズム的な自立の精神だと思われます。
 困難に直面することを恐れず、むしろ困難を歓迎し、他人の援助を頼むことなく、自力で這い上がろうとする精神です。
 これが欠けているばかりに、官依存症的な甘えの精神が横行し、経済の推進力が失われているのだと思われます。
 現在のジリ貧状況の元凶になっているものは、要するに、風土の腐敗であります。民主主義のはき違えや、マスコミ的な批判精神の台頭や、社会主義的な被害者意識の嵐などが、勇猛で攻撃的な人材を排除する世相をつくり、官においても民においても防御一辺倒の人材ばかりが登用されるようになってます。

 行政が、今、力点を置かなくてはならないのは、実は、この風土的な腐敗を一新し、アルピニズム的な攻撃精神を掘り起こしていくことだと思われます。そして、その極めて難しい作業を担うべき立場にあるのは、経済局であると思われます。

 現在の札幌市にとっての最大の課題は、先にも申し述べましたが、公共事業に依存しきった建設関連業者をどうするか、という点であります。IT関連のベンチャーなども活発な動きを見せているようですが、それらの市内経済への影響力は、今のところ大したものではありません。まして、新分野産業の開拓などは、即効性のあるものとは思われません。
 私としては、企画調整局などが音頭を取って、建設局や経済局との連携を図り、公共事業に依存しきった建設関連業者が新たに自立型の事業を展開するための手法などを研究し、アドバイスするなんらかの組織を創設するべきと考えます。その機関は、最終的には経済局の所管となり、発注部局に代わって、アドバイス型の景気対策を行っていくべきと考えます。

 ちなみに、企画調整局の企画部企画課には、新市場・新産業創出調査費というのが600万円ほどついてますが、その額は、ちょっとゼロが何個か足りないんじゃないかと思われます。たかだか6百万円ほどの予算で、どれほどの効果が上がるものでしょうか?
 聞くところによりますと、その調査は、外注によって行われるようですが、請け負った業者は、6百万円ほどの金額では、その事業に複数の人間を貼り付けることもできないでしょう。ひょっとすると、その仕事をあてがわれる会社員は、他の仕事も掛け持ちにならざるを得なくなり、結局、片手間にやっつけられてしまうのではないでしょうか? 6百万円では、大規模なアンケート調査などをやれば、切手代だけで赤字になってしまうように思われます。
 私としては、その新市場・新産業創出調査のうちの、新市場の方をもっと膨らませて、先に述べましたアドバイス機関の創設につなげていただきたいところです。新産業創出は、誠にけっこうなことであり、公共事業に依存しきった建設関連業者も、その新産業方面に進出することができれば、自立型への転換が図られると思いますが、まず、そこには、その橋渡しをするアドバイス機関が必要ではないでしょうか?

 ちなみに、私は、今回の特別委員会で、国際部を経済局に移管することを提案しようと思ってます。国際部の本業を官官交流の国際化から、ビジネス交流の国際化に転換すべきだと考えるわけで、そのためには、その本籍を経済局に置いた方がいいのではないかと考えるものです。
 この件は、総務局のところで詳しくやりますが、この場では、建設局を中心とした発注型の経済政策からのシフトチェンジの方向性についてお聴きしたいと思います。要するに、経済局を中心とした、アドバイス型の経済活性化策に力点を置き、そのための新たな体制づくりをやるべきときが来ていると思われるわけですが、この点に関して、ご見解をいただきたく存じます。

答弁・財政部長

 発注型の経済政策からアドバイス型の経済政策へのシフトチェンジと、そのための体制づくりに関して、というご質問でございますが、

 委員のお話にもありましたが、本市の地域経済については、建設局の事業などを主体とした公共事業を背景として、建設関連業が下支えをしてきた部分は少なからずあったのではないかと考えております。
 14年度の公共事業につきましては、そうした地域経済への影響や雇用の確保への配慮から、一定の事業量を確保しつつ、近年の社会資本の整備状況や社会環境の変化を踏まえ、本市の重点政策課題の解決に資する事業に重点配分を行うことで、公共事業の質的転換を図ったところであります。
 また、これまで情報関連の産業振興に取り組んできた(財)札幌エレクトロニクスセンターを、この4月から、更に広く産業全般の振興を担う「さっぽろ産業振興財団」へと再編することとしております。
 新財団の具体的な事業としては、各企業が自立型の事業展開を図れるように、民間の専門家を活用した経営相談や、経営指標作成などによる総合的な評価を行うほか、人材育成や創業支援事業、さらには、情報関連分野における産学官の共同研究や技術開発支援などにも取り組み、中小企業の振興に資する環境整備を図っていくこととしております。
 平成14年度からは、この新財団が、委員ご指摘の「アドバイス型」と考えられる経済活性化策の展開に必要な組織のひとつとして、建設関連業者が新産業方面に進出するような場合を含め、本市の産業基盤を支える中小企業への総合的な支援事業を実施する役割を担っていくものと考えているところであります。
 


再質問

 えー、新年度から発足する「さっぽろ産業振興財団」における各種の中小企業支援事業などを通して、発注型からアドバイス型へのシフトチェンジにも取り組む、という答弁をいただいたわけですが、その事業内容に関するところをここで掘り下げると、「それは経済局でやれ」ということになりますので、やりませんが・・・。
 おそらく、それは、経済局の守備範囲内でやるプロジェクトだと思います。しかし、公共事業に依存しきった建設関連業者については、経済局は、これまで、その部分を管轄外としてきたわけで、いきなりそれを管轄に入れても、どれほどのアドバイスができるのか、なかなか難しい面が出てくるのではないかと想像します。この分野に関しては、やはり、これまでそこばかりを相手にしてきた発注部局などとの連携が必要不可欠であり、その間を取り持つべきは企画調整局であると思われるのですが、民間の環境整備の面にも、庁舎内の環境整備の面にも、さらなる取り組みが必要ではないかと思われます。そして、そうした観点からの予算編成が強く望まれると考えるわけでありますが、この点に関しましては・・・財政局、経済局の両方を所管している佐々木助役に答弁をいただきたかったのですが、・・・どうも、今日は、都合がつかなかったようなので、その代理人として、平口財政局長の答弁をいただきたく存じます。

 

答弁・平口局長

 委員ご指摘の社会資本整備につきましては、その質的な転換を図りながらも、本市における経済活性化のための基盤整備という意味から引き続き重要な役割を占めると思いますが、国・地方を通じる厳しい財政環境を勘案しますと、建設関連事業から新産業への軸足の転換、あるいは、官依存型の構造から自立型への転換を図るべきであるというご指摘は、今般の経済状況、構造改革を実施しなければいけないという社会環境を踏まえますと、大変重要な視点であると思います。
 14年度予算の編成に当たりましても、非常に厳しい環境にある本市における経済の状況を踏まえ、先程の財政部長からの 答弁にありましたとおり、中小企業へのアドバイスなどの総合的な支援を行えるように「さっぽろ産業振興財団」の再編・機能強化、新分野進出支援資金の創設など融資制度の拡充や、産学官の共同研究支援の拡充など新分野・新産業の振興にも配慮したところであり、観光やコンベンションといった集客交流産業の振興など、地域経済の活性化に最大限の重点化を行ったところであります。しかしながら、これで十分であるということはございませんし、今回は、数値目標も作りましたので、その目標が達成できたか、そのために有効な事業であったのか検証しつつ、今後とも、本市産業の振興につきましては、経済局や企画調整局など関連部局との連携を図りながら、市役所全体として、また、議員の皆様方の貴重なご意見を十分参考にさせていただきながら、最重点の課題のひとつとして取り組んでまいりたいと考えております。

戻る

 

COPYRIGHT(C)2002 勝木勇人. ALL RIGHTS RESERVED.