2002年予算特別委員会質問原稿(企画調整局)

 官依存体質の札幌市経済を改革するための手法について

 小泉内閣の支持率急落で、構造改革が頓挫するのではないかとマスコミは騒いでいますが、小泉首相自身は、その痛みをともなう改革を断固として推進する旨の声明を出し続けています。これを受けて、というわけではないのでしょうが、今回の本市の予算案においても、普通建設事業費を1720億円から1600億円にまで減らす方針が打ち出されております。

 皆様ご承知のように、札幌市の民間経済は「生産力の裏付けなき消費経済都市」」と言われており、そこには、商業・サービス業があるばかりで、そこに流れるお金の大部分は公共工事に依存しきった建設関連業者を経由したものばかりなわけで、このままではジリ貧状態に拍車がかかることは必至です。
 札幌市民としては、まだ余力のあるうちに、この官依存体質を改革して、自立した経済力をみにつけなくてはなりません。すなわち、自助努力の精神・技術力・創造力を培い、市場における競争力を確立しなくてはならないのです。本市としても、これまで、この官依存体質からの脱却を促進するための事業として、フロンティア事業支援資金制度を代表とした様々な取り組みを行って来ており、今回は、新たに新分野進出支援事業の創設を企画したりして、それなりの努力を払って来たわけで、この点に関しては高く評価するところではありますが、しかし、これだけでは、歴史的な経緯の中からできあがっている札幌市の経済構造を改革するまでには至らないものと考えるところです。
 本市は、ここらで、もっと斬新な、ザックリとした事業を展開する必要に迫られていると思われます。新しい、斬新なザックリとした事業とは、地元経済の根幹部に凝集されている資本力が完全に底を突いてしまう前に、それらを自立型のものへ移行させていくような取り組みです。
 現状では、これまで自助努力を怠ってきた市内大手企業、特に、建設関連業者が既存の社員の雇用を維持したうえで、独力で官依存体質から脱却するのは非常に困難であり、行政としては、そのための手法を研究し、なんらかのお手伝いをする必要があると思われます。

 そこで質問ですが、

 その官依存体質からの脱却という課題について、これまで本市は、どの部局が、どの程度の研究をし、その研究成果をどのように具体化してきたのかお伺いしたく存じます。
 また、企画部企画課の今回の予算案には「新市場・新産業創出調査費」というのに6百万円ほどついてますが、これには、官依存体質からの脱却という視点が意識されているのかどうかも、併せてお伺いします。

答弁・企画部長

 ご質問の1点目の官依存体質脱却の研究についてでありますが、本市では、平成10年度ンい、総務局の旧都市政策研究室が「地域経済活性化方策に関する基礎調査」を実施しております。
 この調査研究におきましては、自立経済を支える産業構造への転換について課題認識されており、対応する行政の役割として、業務のアウトソーシングや、PFIの導入、民営化の推進などによって、地域の市場を掘り起こしていくべきことを示しております。
 また、研究成果につきましては、例えば、PFI導入の具体化や、業務のアウトソーシング等を図ってきているところでございます。

 次に、2点目の「新市場・新産業創出調査」の視点についてでありますが、消費経済都市と言われる本市として、新たな価値を自ら生み出す都市にいかにしていくか、ということは、永続的に取り組んでいくべき課題であると認識しておりますので、今回の調査におきましても、この視点を根底に置いて実施してまいります。また、昨今の厳しい社会経済環境に柔軟に対応していくという視点についても加えていかなければならないものと考えております。
 従いまして、今回の調査は、委員ご指摘の、官依存によらない自立型経済分野の創出が基本的なテーマと考えております。
 

再質問

 前回の調査では、産業構造の転換に対する課題意識があったといことですが、既存産業の業種転換にしても、多角化にしても、とにかく、余力のあるうちに行われなければならないと思います。
 ただ、市内にある既存の業者が、なんらかの転換、つまり商売替えをしようと思っても、具体的に何をしたらよいのか、どんな分野に活路が見出せるのか、がわからないという点が大きなネックになっていることは、皆さんの共通認識ではないかと思われます。その新市場・新産業創出調査というのは、そのあたりのところを調査するもののようですが、今回の調査は、その分野を示すためのものなのでしょうか? それとも、はじめから調査対象とする分野が決められていて、それに対する何か一定の仮説があり、そこを深く掘り下げるような調査がなされるのでしょうか?
 この点について、簡潔に説明していただけると幸いです。
 また、その新市場・新産業創出調査費は、たったの600万円でしかありませんが、本当にそんなもので何らかの結論的なものが見えるようになるのでしょうか? 聞くところによりますと、その調査は、外注によって行われるようですが、請け負った業者は、6百万円ほどの金額では、その事業に複数の人間を貼り付けることもできないでしょう。ひょっとすると、その仕事をあてがわれる会社員は、他の仕事も掛け持ちにならざるを得なくなり、結局、片手間にやっつけられてしまうのではないでしょうか? 6百万円では、大規模なアンケート調査などをやれば、切手代だけで赤字になってしまうように思われます。6百万円で、どのような取り組みがなされるのかも、併せて再度お伺いしたいと思います。

答弁・企画部長

 調査対象の分野についてでありますが、現在想定しております新産業の分野といたしましては、本市の特性に照らし、近い将来もっとも成長が期待される分野、例えば、環境保全に資する新エネルギー・未利用エネルギー活用に係るエネルギー関連産業、医療・福祉分野に波及効果が高いと考えられますバイオ関連産業、いろいろな業種の商品・サービスの付加価値を高めるデザイン関連産業などを対象に考えております。今回の調査では、これらの分野の振興策について、検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、例えば、少子高齢化の進行に伴いまして、これに対応するきめ細かなサービス需要が一層拡大する分野もございますので、このような市場に、札幌が持っている資源、能力、技術、創造性を積極的に活かす方策も、併せて検討してまいりたいと考えております。
 次に、調査費の額についてでありますが、取り組むべき課題は多岐にわたり、組み立てていく施策は、来年度以降の様々な動きと連動したものにしていく必要があると考えております。
 例えば、バイオの分野では、経済局が複合糖質科学プロジェクトへの支援を行いますし、デザインの分野では、高等専門学校大学化調査の中で、人材育成や地元産業との関わりが検討されてまいります。
 従いまして、今回の調査は、こうした部門別調査との連携を前提に予算編成したものでございます。

再々質問

 ただいまの答弁にありました、新エネルギー、バイオ、デザインなどの新分野の産業を振興させることは、誠に結構なことであると思われます。私も、こうした新たなビジネス分野が育ってくれて、市内経済のあり方が自立型のものに転換されて行くことを期待しています。
 ただし、ただ、黙って見ていても、そういうことにはならないだろう、と、私は思いますし、皆さんもそう思っておられることと認識しています。市内に本社を持つ地元大手企業というのは、そのほとんどが建設関連業者であります。市内の資本力は、そのあたりに凝集されています。新分野の事業を開拓しても、それが地元経済を支えるに至るまでに発展するには、その凝集された資本力をそちらに振り向ける作業が必要なのではないでしょうか? 官依存型の建設関連業者がどんどん減って、自立型の新産業がどんどん増えるという形にするためには、その間を橋渡しする作業が必要なのではないでしょうか?
 これが、野球やサッカーならば、これまでのレギュラー選手をみんな交代させて、新たなメンバー編成でチームを強化する、というやり方がありますが、資本の裏付けを必要とする経済活動においては、右から左へと簡単にメンバーチェンジするようなことはできません。自然の摂理においては、環境に適合した新しいものがどんどん育って、環境に適合しない旧態依然としたものが滅んでいく、という形になりますが、札幌市の経済にそのような自然の摂理が到来するのを待っていては、土が腐って、新しい芽も育ちようがなくなるのではないかと思われます。行政としては、なんらかの方向性が見つかったなら、既存の資本をそちらに振り向けるような橋渡しをする必要があると思います。
 私は、別に、建設業者を救済するための事業を興せと言っているのではありません。札幌市の経済構造を自立型のものへと転換していくめには、既存の資本を利用するのが早道であり、また、その既存の資本が底を突いてしまっては、新エネルギーもバイオも出る幕がなくなるのではないかと心配しているだけのことであります。経済局や建設局との連携を取って新しい体制を作り上げ、公共事業に依存しきった建設関連業者などにもアドバイスを与える事業が必要ではないかと思われるわけです。その事業は、最終的には経済局の所管になるかと思われますが、立ち上げの段階では、企画調整局の企画部が音頭を取らねばならないだろうと考えます。
 この点についてのご見解をお聞かせいただきたく存じます。

答弁

 本市経済を足腰の強いものにしていくためには、新たな産業分野が札幌に根付くことと併せて、これらの分野に、本市の産業が上手に結びついていくことが重要であると認識しております。
 今回の新市場・新産業創出調査の結果につきましては、景気対策にも反映すべく、委員からお話のありました建設業などとの情報共有も含めて、企画調整局として、関係する部局と役割を分担し、庁内連携を進め、機動的に検討を進めてまいりたいと考えております。

要望

 この件は、今年の3定か4定の代表質問で本格的に煮詰めた答弁をいただきたいと思ってるんですが、その私の代質のときまでには、もっと具体的で、積極的で、なめらかな答弁ができますよう、各部局との調整が今から着々と進められますことを強く要望しまして、次の質問に移ります。

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