2002年1定 予算特別委員会 質問原稿(企画調整局)

市立高専・高看大学化について

 次に市立高等専門学校・高等看護学院の大学化について簡潔に2点ほど質問させていただきます。
 先ほどの質問でも申し述べましたが,今の札幌に必要なことは、何よりも自立した経済力を身に付け,市場競争力のある産業の育成・振興に取り組むことであると考えます。高専の大学化についても、少子化時代の真っ最中に行われるわけですから、これが成功するには、そうした地場産業の育成・振興の観点が必要不可欠であると思われます。大学化ありきで、その手法を考えるのではなく、市民ニーズを分析して、「こういう需要があるから大学化をするんだ」というスタンスを持つことが重要かと思われます。

 そこで質問ですが、
  1. 市では,大学化の方向性として、デザイン系学部については,デジタルデザイン、ユニバーサルデザイン、エコデザインの3つのキーワードによるデザインへの取り組みを掲げているようですが、この内の、デジタルデザインと密接なつながりのあるインターネットの世界においては、急速にブロードバンド化・大容量化が進んでおります。これまでのインターネットでは、静止画像、つまり止め絵のデザインに工夫を凝らすことが重要でしたが、ブロードバンドが普及すると、動く映像のやりとりが可能となり、、その分野における技術に大きな需要が生まれると思われます。
    ちなみに、テレビや映画などの映像分野においてもデジタル化が急速に進んでいることは皆様もご承知のことと思います(?)。
    今年2月のベルリン映画祭で、日本のアニメ映画「千と千尋の神隠し」が最高賞を受賞いたしましたが、これにも、デジタル技術を駆使した手法が随所に使われております。この映画の成功は、日本の映像文化が高い評価を得たというだけのことではなく、デジタルアニメーション分野がひとつの産業として一層発展していく可能性を暗示しています。
    世界で見られているアニメーションの65パーセントは日本で制作されているといわれておりますが、経済産業省では、こうしたアニメ産業の2000年の市場規模を約1,500億円,周辺ビジネスを含めると総生産額は2兆円に及ぶと見積もっております。
    そして、札幌市の状況を見てみますと、そこには大きな期待が膨らみます。
      札幌市内には、かなり前から、デジタル技術をアニメ制作に応用した会社 がありまして、全国ではじめてデジタルアニメーションのテレビ番組を制作し、これは、某キー局より毎週放映されたところであります。このことからも、デジタルアニメーションに関する地域的なポテンシャルは十分あるのではないかと思われますが、高専の大学化については、このあたりのビジネスとの連携も視野に入っているのでしょうか?


  2. 2点目として、ものづくりデザインの分野についてお伺いします。
    高専の大学化は、高等看護学院の大学化と一緒に統括的に進められるよう ですが、そうなると、市立札幌病院との間にも太いパイプが結ばれることになると思われ、それならば、そのパイプを有効に利用するべきと考えます。デザインと医療とを結びつけた、医療デザインの分野は、先ほどの新市場・新産業創出調査の対象にも含まれてるらしいですが、私は、この分野にも大きな新産業の芽が隠れていると思います。
    たとえば,義足や義手などの義肢の製作技術の育成であります。
    その技術は、「義肢装具師法」という法律に基づく国家資格にもなっておりますが、これは、基礎医学や、リハビリテーション医学や、種々の工学などの様々な分野の基礎知識の上に立脚しております。そして、良質な製品は、一部の数少ない高度技術をもった職人の手によってのみ作られています。パラリンピックに出場する選手たちが使用している義肢は非常に高いレベルの技術によって作られており、そういう技術をもっている技術者は全国でも100名程度の人数でしかないようです。と、いうことは、この分野の技術には、かなりの需要が見込まれるわけであり、そういう技術者を多数育成し、地場産業のひとつに育て上げ、市立病院との連携を確立したならば、経済効果の面でも、障害をもつ地元の人たちにとっても、大いに歓迎されるべきものと思われます。
    これは,福祉分野でのものづくりの例でありますが、医療や看護の分野においても、医療機器のデザインなど、デザインを必要とする分野は多岐にわたります。
    本市では、デザインと看護の組み合わせによる1大学2学部として検討しているわけですが、看護との組み合わせをメリットとして考え、これを積極的に活かし、ユニバーサルデザインからさらに踏み込んで、医療・看護分野におけるデザインにも力を入れてはどうかと思います。
    デザイン分野において,こうした分野で活躍できる高度なデザイン技術者を養成できれば,大学化の意義も大いにあがると思われるのですが、この点に関して、ご見解をお聞かせいただきたく存じます。

答弁・プロジェクト推進担当部長

1点目の「大学化にあたってのデジタルアニメーションとの連携」についてでありますが,デジタル映像やデジタルアニメーションは,今後,大きく発展していく可能性のある分野であります。
また,本市におけるデジタル産業は,札幌バレーをはじめ多くの企業集積があり,全国的にも高く評価されておりますことから,デジタルアニメーションを推進する上での技術的な素地は十分あるものと理解しております。
したがいまして,今後,大学化懇話会などで,委員ご提案のデジタルアニメーションとの連携につきまして,積極的に検討してまいりたいと考えます。
2点目の「医療・看護分野におけるデザインへの取り組み」についてでありますが,まさに,こうした分野こそ,安全性,快適性,機能性などの面から,何よりも良質なデザインが求められていると認識しております。
すでに,アメリカでは医療デザインをテーマとする大規模な展示会が開催されるほど注目されており,今後,日本においても医療・看護デザインの分野が発展していく可能性は高いと認識しております。
大学化懇話会におきましても,看護とデザインという2つの分野の連携を活かした教育・研究の在り方について,議論を進めるべきとの意見が出されているところであり,医療・看護デザインへの取り組みにつきましても,今後,積極的に検討してまいりたいと考えます。

戻る

 

COPYRIGHT(C)2002 勝木勇人. ALL RIGHTS RESERVED.