2010年10月8日 決算特別委員会質問原稿(総務局 国際部)

 皆様ご承知の通り、現在、日本国は中国政府よりかなり強引な攻撃を受けております。フジタの社員1名は、いまだに拘束されたままとなっていますし、レアアースの輸出はいまだに再開されておりません。

それら一連の事態は、ひとえに日本国政府の弱腰外交に中国政府がつけ込んだ、という構図になっております。発端は今年5月の鳩山発言です。「尖閣諸島の帰属問題は日中当事者同士で議論して結論を出す」というような発言があり、当時の外務大臣であった岡田さんがあわててその発言内容を否定したしたことがありました。その後の8月には、菅内閣の方針で、中国政府への遠慮から閣僚全員が靖国参拝を見送るという失態もありました。

 9月7日の中国漁船による攻撃は、民主党政権の弱腰外交が引き出した結果とも言えるわけです。そして、その後の対応のまずさもあり、現在、中国政府は、ロシアと手を組んで強硬手段を講じるかまえです。

(1) 現在、新千歳空港からは瀋陽市や北京、大連、上海などへの直行便が出ているようですが、中国へ渡航する札幌市民の数は、現在、どのようになっているのか、教えていただきたいと存じます。

(2) 中国と取引のある市内企業の数およびその取引額についてそちらが把握しているところを教えてください。

(3) 尖閣諸島問題のために、中国政府からなんらかの嫌がらせを受けたり、なんらかのトラブルに巻き込まれた市内企業や札幌市民があれば、詳しい内容を教えていただきたい。

<再質問>

 札幌市民が何人くらい中国に行ってるのか、その数字は把握していない。28の企業が中国へ進出しているが、その取引額まではつかんでいない。嫌がらせやトラブルの報告は入っていない。

ということでしたが、聞いていてちょっと思ったのは、積極的にそれらの情報をつかもうとしていないのかな、ということです。

 私個人がインターネットでちょこっと検索してみましたら、次のような記事が見つかりました。

 「9月25日から28日まで札幌青年会議所(札幌JC)との交流会のため来道予定だった瀋陽の青年団約20人が急きょ訪日を取りやめた。札幌と瀋陽が姉妹都市提携を結んでいることから札幌JCと瀋陽青年団は来年に「姉妹JC」となることを前提に交流会を企画していた。また、瀋陽の一行は札幌JCとの80人規模の交流会や、中古農機具の販売会に出席して、札幌の家電量販店での買い物も計画していた。しかし、中国外務省が観光客の訪日制限の可能性を示唆した21日、先方から電話で訪問中止の通告があった。尚、このことにより「姉妹JC」の件は白紙になった。

 この程度の話は当然今日の答弁で出てくるものと思っていましたが、そちらの答弁では、トラブルなどはない、ということでした。あえてトラブルなどがないことを強調したいのか、それとも、それらのことについては札幌市は関係ないというスタンスなのか、よくわからないのですが、そこのところを教えていただきたい。

 札幌市は、経済交流という錦の御旗を押し立てて毎年多額のお金と多数の人員を投入した種々の事業を催しているわけですが、市内企業が中国でどのような商売をしているのかについてはまったく情報をもっておらず、28社が中国へ進出しているという話もJETRO(日本貿易振興機構)が発表している数字をそのまま引き写しただけのようです。国際部や経済局は、実際のところ、市内企業や札幌市民が中国で何をしているのかには興味がなく、それらのことは守備範囲ではないと考えているように見受けられるのですが、どうなのでしょうか?

<再々質問>

 では、市長にお伺いします。

 古い話になりますが、2004年の秋に、札幌市はかつて経験したことのない強烈な台風に見舞われて、死者が2名出たことがあります。 そのとき、市長は中国の長春市の方へ赴かれておりました。台風についての情報は逐次伝えられたようですが、市長は、外遊を途中で打ち切ることなく、事態の収拾を副市長にまかせきりにして、外遊を続行されました。その外遊はよほど重要な案件があってのことなのかと思いきや、世界冬の都市市長会の実務者会議をその長春市で開催したことについてのご挨拶まわりだったとのことです。

 中国人というのは、個人対個人の関係を非常に重要視します。ときには組織対組織の関係を超えてまで、個人対個人の人間関係を優先させることもあります。

 上田市長は、中国との関係を重要視し、熱心に毎年何度も中国を訪問され、ずいぶんと時間をかけて対中国外交を個人的に行ってきたわけですから、中国政府の皆さんとの間には、それなりの太いパイプを構築されてきたと思います。今、フジタの社員が報復措置のような形で拘束されているわけですが、市長としては、これまでに構築してこられた中国政府との個人的なパイプをこういうときこそ役に立てるべきと思います。

 と、言いましても、まあ、フジタの社員の件はすでに国レベルにの話し合いになってしまっているわけで、ここに上田市長が首を突っ込む余地があるかとなると、かなり難しいと思われます。しかし、今後、札幌市民のだれかが、フジタの社員のような目に遭わないとも限りません。そんなときこそ、上田市長の出番ではないかと思われるわけですが、いかがでありましょう? そういう事態のときこそ使える外交ルートや外交カードがあるはずですが、上田市長には、どのようなルートやカードがあるのでしょう? また、それらのことを踏まえて、これまでの市長の中国外交には反省点があるのではないかと思われますが、いかがでしょう?

註・上田市長は市長就任以来、22回も海外出張をしており、そのうち9回は中国への渡航でした。随行員のぶんなども含めた旅費の総額は1千万円を超えており、その4分の1が中国への渡航に使われています。市長が海外に出る場合、そこには旅費以外にも種々の事業費がついてまわります。こちらから市長が行けば、相手国からも返礼の訪問団が来たりしますし、とくに中国からは技術交流などの名目で毎年相当な数の訪問団がやってきます。それらの受け入れに係わる経費は年によって異なりますが、1千万円を超えることも珍しくありません。

<市長の答弁>

○ フジタの社員の件が尖閣諸島の件の報復であるとは限らない。

○ 以前に、札幌市民の青年がイラクで拉致されたときには、アルジャジーラにファックスを送った。

○ 国際紛争などに係わる交渉は国の仕事であり、札幌市長の仕事ではない。そういう事態のための外交ルートや外交カードはない。

○ これまでの中国外交に反省点はない。

<再々々質問>・・・(以下はアドリブ質問となった)

9月22日平成22年度第10回定例市長記者会見記録によりますと、市長は次のような話をしています。

「尖閣諸島の問題がありまして、こういうふうなお話し合いがどのように影響するかについては、未知数のところがございますけれども、地道な地方自治体間の交流といったものを積み重ねて、国家間の問題等については、それを乗り越えていけるような、そんな力量を自治体の外交の中で積み上げていければ大変ありがたいと、こんなふうに思っているところであります」

 国家間の問題等を乗り越えていけるような力量を自治体の外交の中で積み上げたい、ということです。そういう意識を持ってこれまで外交を行ってきたのに、いざというときに使える外交ルートも外交カードもないというのは、どういうことでしょう? 反省点があるのではないですか?

<市長の答弁>

 言葉の遊びです。そのような質問にはお答えできません。

<〆のコメント>

 今の日本経済はチャイナマネー抜きではやっていけません。中国との間に敵対関係をつくることだけは避けたいところです。が、しかし、そんなことばかりを大声で言い、ひたすら頭を下げていると、ますますなめられます。日本人同士ならば、こちらが謙虚に頭を下げれば、相手も丁寧に頭を下げるのがあたりまえなわけですが、しかし、そういうルールは中国人には通用しません。

 我々は、中国を敵にまわすことなく、経済交流における利益をきちんと確保しつつ、毅然とした態度で臨まねばなりません。これまでの上田市長の対中外交は、どうみても毅然とした態度ではないと思われるので、今後は、そこのところを深く反省し、札幌市民が中国政府から不当な不利益をこうむらないよう、様々な面から気を配る必要があると思います。

 札幌市長という肩書きで中国を訪問すれば、それは常にVIP待遇であり、熱烈歓迎です。しかし、そういう歓待を受けるだけのために市の予算を使っていたのだとするならば、そんな外交はまったく不要です。市内企業が中国国内でどうのような商業活動を行いっていて、どのようなサポートを必要としているのか、といった点については、きちんと本腰を入れて取り組むべきところであり、市長は、一度原点に立ち返って市内企業のニーズなどを確認することからはじめるべきです。私からはそのことを指摘させていただいて、質問を終わります。


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