2003年2定議案審査特別委員会(児童家庭部)質問原稿

 えー、私からは、児童福祉費のうちの児童福祉総務費のうちの、委託料1千155万4千円のうちの、次世代育成支援地域行動計画策定にともなうニーズ調査4百5万円についてお伺いします。

 この度の横山議員の代表質問にもありましたが、札幌市の合計特殊出生率は、平成13年現在で、1.04となっており、平成10年から数えますと3年間で0.07の減少となっています。状況は刻々と深刻化しているところであり、単に、これまでのやり方を踏襲しただけの政策では、問題解決の糸口はみつからないと思われます。そこで、フランス式の現金給付制度を本市にあてはめてみようとしたわけですが、どうしても、必要なデータが出てきませんでした。どんなデータかと言いますと、市内における一人っ子世帯、2人兄弟世帯、3人兄弟世帯などの各ケースにおける子どもの年齢や親の所得などの内訳であります。子どもが2人いて、上の子どもの年齢が16歳以下で、親の年収が500万円以上の世帯がいくつあるか、とか、子ども3人で、上の子が18歳以下で、年収が300万円以下の世帯がいくつあるか、といったデータがまったくないのであります。本市は、どうも、この手の調査を行ったことがないようです。

 そこで、質問ですが、

 この度の次世代育成支援地域行動計画策定のためのニーズ調査には、この手の調査が含まれているのかどうかお伺いします。 

 それと、この次世代育成支援地域行動計画策定は、301人以上の従業員を雇用している企業にも義務づけられているわけですが、市内には、これに該当する企業が何社あるのかも併せてお伺いします。

(再質問)

 えー、行動計画策定が義務づけられる企業の数はわからない、ということでしたが、この程度のことも調べていないというのは、怠慢なのではないかと思われます。また、今回のニーズ調査については、国の次世代育成支援対策推進法の制定にともなうもので、国から出る指針とマニュアルにしたがって行われるもので、私が述べたようなデータ調査はしない、ということでしたが、それでは、国からの支持がなければ、先に申し述べましたような子育て中の世帯の実態調査のようなものは、一切行わないつもりなのかどうかお伺いします。

 ちなみに、こういうデータは、市内の子育て中の世帯の実情を把握するためには、欠くべからざるデータであると思われるわけですが、本市の児童家庭部は、どうして、こういう実態調査を行ってこなかったのか、この点も併せてお伺いしたいと思います。

(再々質問)

 えー、非常に釈然としない答弁でしたが、要するに、本市の児童家庭部としては、フランス式の現金給付なんかには興味もなにもないわけで、育児中の世帯の実態がどうであろうが、そんなことはどうでも良く、「国の方針にだけ乗っかっていればそれでいい」ということであり、「待機児童対策として保育所さえ増やせば、それでいい」、という考え方なのだと理解しました。

 まあ、我が会派も、これまでは、保育所の整備を重点的に主張していたわけですが、どうも、それではうまく行かない、ということが示されたデータがありましたので、お知らせします。

 数年前、米国の国立衛生研究所が、保育についての大規模な調査を行ったことがあります。これは、米国の10都市において、乳幼児1,364名の育っていく課程を10年間にわたって追跡調査したものです。この調査によりますと、生後3ヶ月から4歳半までの時期に保育園などに週30時間以上預けられた子どもの17%は、幼稚園で他の子どもに乱暴を振ったり、先生に反抗したりする傾向が強かったそうであります。対象となった子どもの託児時間は、平均で週26時間となっており、週10時間以下の子どもが幼稚園で問題行動に走るケースは6%以下となってまして、預けられた先が保育園でも、託児所でも、ベビーシッターでも、結果は同じであり、子どもの性別や家系なども、先の結果、つまり、「生後3ヶ月から4歳半までの時期に保育園などに週30時間以上預けられた子どもの17%が幼稚園で問題行動に走った」という結論には影響がないようです。要するに、どんなに血筋が良くても、親が立派でも、いかに手厚い施設に入れても、託児時間の長い子は攻撃的になりやすい、ということであります。

 ちなみに、保育行政に力を入れて来たスウェーデンでは、ここ数年の間に犯罪発生数が急増しているようです。1995年の資料では、スウェーデンの犯罪発生率は米国よりも低くかったわけですが、最近のデータによりますと、人口10万人あたりの平均犯罪数は、米国の4倍にまで上がっております。強姦事件については、日本の20倍、強盗については100倍以上ということです。

 これらのデータは、あくまでも海外の保育制度に関するものでありまして、そのまま日本に当てはめるのは、危険であります。子育てをとりまく社会的な諸条件にもかなりの違いがあることを踏まえなくてはなりません。しかし、これからの日本の保育行政並びに子育て支援のあり方を考える上では、貴重な示唆を含んでいるものと思われます。つまり、保育の質の問題や、託児時間の問題などを考える上では、貴重な資料であると考えられるわけです。

 日本の少子化対策は、これまで、スウェーデンのやり方を見習う形で進められてきたわけですが、我々は、今、これまでのやり方を見直す時期に来ていると思われます。つまり、子どもというのは、やはり、できることなら、実の親が育てるのが理想であり、「行政には母親の役割は完全には勤まらない」という点を正面から受け止めなくてはならないのではないかと思います。

 もちろん、現代は、男女共同参画の時代でありまして、働くことで社会に参画しているのだ、という強い自負を持ち、「現金給付などはいらないから働かせて欲しい」というお母さんたちもいるはずです。そういうお母さんにとっては、保育行政は必要不可欠であると思われます。

 が、保育所に子どもを預けて働いているお母さんたちのほとんどは、生活費が足りないために働いているようであり、現に、認可保育所では、特殊な事情がある場合以外は、高額所得者の子どもは受け入れていません。生活費が足りないために働いているお母さんたちのほとんどは、男女共同参画の意識に燃えて子どもを保育所に預けているわけではないのであり、ある程度の現金給付があれば、仕事をやめて、子どもを保育所に預けなくなるのではないかと思われます。

 定員90名のモデルケース的な認可保育所の場合、その運営費は、子どもひとりにつき、月額で74,000円となっているそうですが、この金額を直接保護者に給付すれば、子どもを保育所に預けなくなる保護者が多数出ると思われます。

 本市が保育行政に支出しているお金は、平成14年で107億円となっており、この他に国から52億円の助成を受けており、子どもを預けている親が保育料として支払っているお金が30億円くらいあります。とりあえず、本市が独自に出している107億円を現金給付にも使えるようにして、保育か現金かを選択できるような形にすれば、現在ある保育所の半数以上は不要になり、待機児童対策なども一気にカタがつくと思われ、そして、出生率のアップも期待できます。フランスは、現金給付で合計特殊出生率を1.7から1.9にまで伸ばしているのです。

 そこで再度の質問をさせていただきます。

 次世代育成支援地域行動計画の策定にあたっては、20名から30名の委員で構成する協議会を設置すると聞いておりますが、これも、国の方針に合わせた実施計画を練るだけのものなのか、それとも、現金給付などを含めた幅広い方策を視野に入れ、本市独自の少子化対策をも検討するものなのか、その枠組みについての、そちらの腹づもりをお聞かせいただきたく存じます。

 それと、その協議会の結論と本市議会における少子化・青少年育成調査特別委員会の結論が食い違った場合、そちらとしては、どういう対応をとるつもりなのかも、併せてお伺いします。(ご承知のように、私は、その少子化・青少年育成調査特別委員会の委員長をやっております。)

(再々々質問)

 しかるべき対応と言われましたが、そのしかるべき、というのが、どうしかるべきなのか、もう一度お聞かせいただきたい。


(註)この質問については、まったくぶっつけ本番で行いました。これまでは、質問原稿を事前に理事者側に渡し、答弁調整を行っていましたが、今回の横山さんの代表質問に対する答弁があまりにも人をバカにしたものだったので、「あんな答弁しか出せないのなら、質問内容を事前に教えてやる意味がない。もう、質問は見せない。何を訊かれるか心配なら、きちんと勉強しておけばいい」と言い、その通りにしたのです。案の定、301人以上の従業員を雇用している企業の数がわからない、とか、協議会の結論と市議会の結論のどっちを優先するべきかわからない、などという話になり、児童家庭部にの堕落ぶりが明らかになりました。

 ちなみに、協議会のあり方については、広く、現金給付をも含めた論議ができるような形にするという答弁が出ました。最終的には、なんとしても、現金給付選択制を導入したいと思います。


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