市政報告(2008年6月)

初夏の候、皆様方におかれましては、益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。我が会派も第2党となって約1年が経過しましたが、おかげさまで21名の結束は固く、意気軒昂の日々を送っております。この6月の第2回定例議会におきましては、子どもの権利条例と一般ゴミ回収の有料化という2つの大きなテーマを審議したわけですが、少数派であるにもかかわらず、我が会派の主張が実を結び、一定の成果があがりましたので、改めましてご報告させていただきます。

 子どもの権利条例と申しますのは、1989年に国連総会で採択された「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」をもとにして札幌市がつくった条例案なのですが、その内容は、札幌市の教育現場における課題を反映したものとは言えず、むしろ、札幌市の教育現場を混乱させる危険をはらんでおりました。子どもたちの「休む権利」とか、「ありのままでいられる権利」、とか、「意見を表明する権利」などが盛り込まれ、子どもたちを指導する立場にある者は常に「やさしくよりそって」いなければならないといった記述が盛り込まれたその条例案には、子どもたちを自立した社会人に育てるための基本理念が欠落していたのです。そもそも、その条例案の元となっている国連の条約は、紛争地域や開発途上地域の子どもたちを対象としたものであり、子どもたちを不等に虐げている社会制度などを是正させようとするもので、我が国のような先進地域を対象としたものではありませんでした。

 我が国でも、イジメや虐待の問題はあるわけですが、それらは社会制度上で認められているわけではありません。いじめや虐待をする人たちに対して条例などが効力を発揮した事例もありません。今の日本の教育現場における最大の課題は、過保護児童対策やモンスターペアレント対策なのですが、この状況下で「子どもの権利」などという文言が条例の名の下に打ち出されれば、権利の2文字をはきちがえる子どもや親たちが続出し、学級崩壊や給食費の不払いなどの問題が一層悪化する危険がありました。

 

  このため、この条例案は昨年の第1定例議会で否決されたわけですが、「子どもには義務などない。権利だけがある。」という主張を掲げられる上田市長は、その思想的な理由や政治的な背景から、再度、子どもの権利についての条例案を提出されました。この度の条例案には、新たに、イジメや虐待を監視し、取り締まる第三者機関の創設が盛り込まれたましたが、その新しい機関と児童相談所などの種々の既存の組織との棲み分けについての整理があいまいで、新しい機関が暴走した場合の弊害が懸念されました。

 そこで、我が会派は、その条例の制定を阻止するべく、昨年来、高橋克朋議員(北区選出)を座長としたプロジェクトチームを立ち上げ、アンケート調査や街頭演説など、真剣な活動を展開してまいりました。

そして、この度、それらの活動が功を奏し、各方面より条例制定に反対する陳情が多数よせられ、それらの陳情とともに条例案を審査した文教常任委員会では条例案に対する採決が見送られ、子どもの権利条例は継続審査となりました。

 一般ゴミ回収の有料化につきましては、会派内にも賛否両論があり、なかなか会派としての態度を決められませんでした。そこで、この件につきましては、五十嵐徳美議員(東区選出)を座長とするプロジェクトチームを立ち上げ、有料化と市民サービスのバランスについて種々の検討を行ってまいりました。この結果、(1)一軒一軒の玄関先からゴミを収集する戸別収集の実施、(2)ゴミ収集事業の民間委託率の引き上げ、(3)収集事業の民間委託費の積算公開、(4)有料化による収入の使途の明確化、(5)町内会やPTAなどが行っている集団資源回収への奨励金の引き上げ、の5つの項目について市側の積極的な姿勢が担保されるならば有料化に賛成すべし、という結論に至りました。

 しかしながら、札幌市環境局は、戸別収集の実施には難色を示しました。小嶋裕美議員(厚別区選出)は代表質問において、「とりあえずモデル地区を設定して、試行的に戸別収集を行ってみるべき」という主張を行いましたが、これに対しても、「しかるべき時期が来た際には検討します」という答弁しか出されませんでした。冬期間の除雪事業との連携や費用の面に困難がある、というのが環境局の見解でしたが、実際にどのくらいの費用がかかるのか、除雪事業との連携による市民サービスの向上がまったく実現性のないことなのか、といったところについての実質的な調査はなにもされておりませんでした。

 このため、我が会派としては、ここを争点と定め、ゴミ収集の有料化についての議案審査特別委員会を設置するよう他会派に呼びかけ、その委員会でさらなる主張を行いました。札幌市環境局は、この段階で、大きく譲歩の姿勢を示し、我が会派の主張を入れて、「戸別収集に関する調査に着手する」との答弁が出されました。また、集団資源回収の奨励金については、1kgにつき2円であるところを、有料化後には3円に引き上げるという約束をとりつけました。

 我が会派は、それらの一定の成果を踏まえ、市民サービスの向上がある程度担保されたと判断し、ゴミの減量化に対する有効性を認め、今回のゴミ収集業務の有料化については、最終的に賛成の態度を決めました。

 尚、子どもの権利条例は、この秋の第3定例議会に向けてさらなる検討がなされます。我が会派としては、これを納得のいく形に収める方向で、引き続き努力してまいりますし、集団資源回収の奨励金につきましては、1kgあたり4円を目指して頑張りますし、戸別収集につきましても、引き続き行政側との折衝を続けてまいる所存でございます。

平成20年6月吉日

札幌市議会自由民主党議員会

会長 勝木勇人


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