子どもの権利条例案否決(2007年2月20日)

今日の本会議で、子どもの権利条例案を否決しました。

条例制定に反対したのは、自民党(24名)と公明党(11名)と新政クラブ(1名)で合計36名。賛成したのは、民主党、共産党、市民ネットワークなどで、合計31名でした。

正直申しまして、非常にいい気分です。

この条例に関する話は、私が少子化対策・青少年育成調査特別委員会の委員長をやっていたときから、民主党や市民ネットワークの議員から出ていました。私は、なにか胡散臭いものを当時から感じており、この件については賛成できない、という態度をとり続けていましたが、委員長というのは、みんなの意見をまとめる役目であり、自分の意見を押し通すことができず、『札幌市次世代育成支援対策推進行動計画素案作成に向けての提言』を作成した際には、民主党や市民ネットワークの議員たちの強い要望に押し切られてしまいました。それで、提言書の最後には、以下のような1項目を付け足しました。

7 子どもの権利条例の早期制定

(1) 子どもの意見が反映できる仕組みづくり

(2) 「子ども会議」の設置による,子どもの社会参加の保障

(3) 子どもがいつでも相談できる窓口の拡充

提言書をまとめる作業は理事会で行われたわけですが、理事は各会派から1名づつ選ばれるため、多数決になると、自民党は不利でした。それに、その子どもの権利条例なるものがどんな内容のものになるのかも、まだ、はっきりとしていませんでしたので、自民党会派内にも、公明党さんの中にも、この件についての問題意識すら持っていない議員がたくさんいました。

ちなみに、役所の職員の皆さんは、当時から、子どもの権利条例については、極めて積極的な態度をとっており、これに反対するのは非常識であるかのような事を言っておられまして、役人の言うなりになっているタイプの議員は、皆、これに反対する度胸がない状況でした。

私がこの条例制定に真っ向から反対したのは、委員長職を降りてからでした。最初は、孤立無援のような雰囲気の中で、その条例策定についての不審な点をただしました。

1. 子どもの権利条例を制定しなくてはならない、と騒いでいる人たちの論拠は、国連の場に出された「子どもの権利条約」にあり、我が国も、この条約に批准したことが条例制定への動きの原動力となっている。しかし、その条約は、あくまでも、開発途上国や紛争地域を対象としたものであり、日本国のような先進国を対象としたものではないと思われるがどうか?

2. そんな条例を制定すれば、ただでさえ甘やかされている子どもたちが益々甘やかされて、「権利」という言葉の意味をはきちがえるのではないか?

3. 今の日本で問題になっているのは、過保護対策である。シツケができない親や、シツケされていない子にどうやって社会常識を教えるかが問題になっている。シツケを行おうとしている親や教師にとっては、子どもの権利条例は障害になるのではないか? 子どもの権利などという話を大々的に発表すれば、「学校給食にマクドナルドを食わせろ」などと言い出す親が続出するのではないか?

4. その条例を制定すれば、本当にイジメや虐待が減るのか? イジメや虐待などを行う者には、条例などは何の影響力も持たないのではないか?

といった話をしたわけですが、この段階では、まだ、私ひとりが役所にタテをついている、というような感じでした。それでも、この件を会派の代表質問(質問者は鈴木議員)に盛り込んでもらい、上田市長への正面攻撃に使ってみましたら、急に賛同者が増えました。

しかし、それでも、「条例制定については、反対まではできないが、上田イジメにはちょうどいい」という程度のあつかいでした。

その後、予算特別委員会で徹底的に叩いてみましたら、「これには賛成できない」という意見が会派の意志として定着するようになり、2006年度の予算案に反対した際には、その反対理由の主要な柱のひとつとなりました。

その後、この条例案の検討委員会の最終答申が出まして、私は、さらに追い討ちをかけました。(細部については質問原稿のページを見てください。)

あとは公明党さんが我々と一緒に反対してくれるかどうか、ということとなったわけですが、公明党さんは、いつも最終的にはなんらかの取引を行って、上田市長のお願いを受け入れていましたので、私としては、最後までどうなるかわからないと思っていました。ところが、今日、その公明党さんが、ついに、我々と行動をともにしてくれまして、条例案はみごとに否決されました。

上田市長が出した子どもの権利条例案というのは、要するに、我が子可愛さに目がくらんでいるお母さんたちの弱みにつけ込んで票を稼ごうとする、非常に卑しい動機から出された政策です。上田市長は、「子どもには義務などない。権利だけがある。」と言い切ったそうですが、これこそは票欲しさに目がくらんだ、実に愚かな議論です。私は、その卑しき条例案を叩き潰せたことを非常に誇りに思います。


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