2003年第4回定例議会代質原稿

質問作成者

小須田悟士 横山光之 宮村素子 長内直也 山田一仁 馬場泰年 勝木勇人

編集

小須田悟士 横山光之 勝木勇人

質問者

小須田悟士

 私は、自由民主党を代表いたしまして、札幌市政に係わる諸問題について質問をさせていただきます。

 それでは、まずはじめに市長の執務のあり方について3点お伺いします。

 上田市長は、ことあるごとに、市民合意、という言葉を使い分けて政策決定の先送りを行っておられますが、我が会派としては、この9月の長内議員の代表質問の際に、「庁舎内合意」にも力を入れるべし、という要望を出させていただいたところです。庁舎の外の意見や要望を聞くことは大変重要なことであると考えますが、その庁舎の外の意見や要望を理解し、それらを実際の施策に反映させていくためには、まず、庁舎内の状況を把握しておかなければなりません。市役所が今現在どのような課題に着手しているのか、種々のプロジェクトの進捗状況がどうなっているのか、それらに関する国との話し合いがどうなっているのか、直面している障害がどこにあるのか、といった内部事情を掌握し、また、これまでの方針を転換するのなら、どういう段取りで転換を図るべきか、優先的に継続すべき事業についても、どういうテコ入れをしたらよいのか、というようなところをしっかり勉強しておかないと、いくら庁舎の外の意見や要望を聞いても、それに対してどういう姿勢を取るべきか、要望の実現が可能なのか不可能なのかの見極めもできないのではないかと思われます。

 上田市長は、市長に就任されて半年間の時間を過ごされたわけですが、本来ならば、この半年間は、そういった庁舎の内部事情の掌握に努めるべきであったと思われます。しかし、残念ながら、上田市長の打ち出す施策や方針を見ておりますと、そのあたりの認識が足りず、一部の支援団体の要望を優先させようとするあまり、様々なボタンのかけ違いを発生させているように見受けられます。住基ネットワークの件もしかり、駅前地下通路の件もしかり、創成川のアンダーパスの件もしかり、であります。

 そこで、1点目の質問ですが、市長自身は、実際に、どの程度の時間をその市民合意のために使っておられるのでしょうか? 就任以来、毎日午後6時以降は一般市民が集まった各種団体の懇談会などに参加されておられるとお聞きしますが、その市民合意のための催し物などに参加した時間が今日現在で何時間あるのか、その数字をお伺いしたいと思います。そして、そのうち、支援団体以外の団体、つまり、市長選挙でお世話にならなかった団体との懇談が何時間あったのかもお知らせいただきたく存じます。

 2点目の質問としては、市長に就任されて以来、職員の皆さんとの間で行われた政策決定に係わる懇談やヒヤリングが何時間あったのかも併せてお伺いいたします。

 3点目の質問としては、庁舎の内部事情や、種々のプロジェクトについてのこれまでの流れをきちんと掌握することの重要性について、上田市長は、今、どうお考えなのか、改めてお伺いいたします。

 続きまして、上田市長の政治姿勢について2点お伺いします。

 市長は、この春の市長選挙において、当初、特定政党の「推薦」を受けて戦われましたが、再選挙に際しては、ご自身を、「ひとつの政党に偏らない市民派である」と標榜し、それまでの「推薦」を返上して、有権者へ支持を訴えられました。しかるに、今回の総選挙においては、選対車にまで乗って特定の政党の候補を支援したようであります。結果として、上田市長を市民派と信じて貴重な一票を投じた有権者に対しては、今回の市長の行動に疑問を抱いた市民も多いように思われてなりません。

 そこで1点目の質問ですが、上田市長は、ご自分に票を投じてくれた市民に対して、どういう気持ちを持っておられるのか、この点についてご見解をお伺いします。

 2点目の質問としては、上田市長は、ご自身の発言に関する責任というものをどうお考えなのかお伺いします。総選挙直前の10月16日の記者会見において「特定政党の候補者の遊説カーには同乗しない」と明言したにもかかわらず、実際には、先ほども申し上げましたが、遊説カーに乗って特定候補の名前を叫んだわけですが、ご自身の言動に責任を感じておられないとしか思われません。この点についてのご見解も併せてお伺いしたいと思います。

 次に、札幌駅前通地下歩行空間整備事業の展望についてお伺いします。

 11月14日、15日の両日行われた市民1,000名ワークショップにおいて、参加した市民の半数が駅前通地下通路の整備について着手すべきとし、参加した約7割の市民がその必要性を支持する結果となりました。

 市長は、先の2定の議案審査特別委員会において、地下歩行空間の地下部分については、有用性は十分認識しており、市民議論もされていると認め、「事業化に向けては、地上部分の再整備のあり方などについて、十分な議論を行い、この動向を見極めた上で、2009年度の完成を目指す」旨の答弁をされておりました。そして、この度のワークショップにより、市長が懸念されていた地上部分の整備についても市民議論が十分尽くされたと私は考えています。

 市長としては、駅前通地下歩行空間の実現に向けて、ここで、早期に事業に着手するという、明快かつ断固とした方針を間髪を入れずに打ち出すべきと考えます。ここでグズグズしていますと、国に対する平成16年度の概算要望に間に合わなくなってしまう危険もあります。この点についての市長のお考えをお尋ねいたします。

 さらに、創成川アンダーパスの展望についてもお伺いします。

 国に対する予算要求のタイミングを考えますと、創成川のアンダーパスの件についても、早急に結論を出さねばなりません。先のワークショップでは、北大通の東進についての議論などもあったようですが、すでに長年にわたって必要性についての議論も尽くされていることであり、いずれにしろ、創成川アンダーパスのプロジェクトは、地上部分と一体となったものであり、一体のものとして国との交渉を積み上げて来たわけで、地下部分のみをやるなどという話にはなりません。

 ちなみに、この11月21日に税財政調査特別委員会の中央陳情の際、国土交通省を訪問しましたところ、先方も、札幌市の市民議論の展開については、ずいぶん注視しておられるようで、「市長が、ワークショップなどの市民議論を有効に活用して、市の行政運営や道路行政をスムーズに進められれば良いが・・・」というような旨のお話をされておられました。

 そこで、質問でありますが、地下歩行空間同様、創成川アンダーパスの実現に向けて、決意のほどを市長の口から直接お聞かせいただきたく存じます。

 次に、財政問題について3点お伺いします。

 まず、1点目は財源不足への対応についてであります。収支試算によりますと,平成16年度には92億円の歳入不足が生じるのを始め,17年度以降は200億円から300億円の歳入不足となる見通しが示されております。そこで、市長は、このような多額の財源不足にどのような対応をされようとお考えなのか、お尋ねいたします。

 2点目は地域経済への配慮についてであります。道路・公園の整備や学校建設などの社会基盤整備に要する普通建設事業費については、平成14年度決算で1492億円あったものが、15年度には25%減の1111億円となっており,中期財政見通しの歳入不足額を考えますと,更なる縮減が見込まれ,地域経済への影響も懸念をされるところでありますが,この点に関して、どのように考えておられるのか、お尋ねいたします。

 3点目は本市単独の経済対策についてであります。国においては景気の回復基調を踏まえて,今年度は経済対策のための補正予算の編成は行わないという情勢であります。しかし,日本経済全体としては明るい兆しが垣間見えるものの,札幌市を取り巻く環境は決してそのようなものにはなっていないのが実情であります。そこで,本年度の予算執行状況を踏まえつつ、本市独自での地域経済対策として補正予算を組むことも必要ではないかと考えるのでありますが,この点について市長のお考えをお伺いいたします。

 次に、市内の地元中小企業の販路拡大について2点お伺いいします。

 不況克服のため自ら経営革新が可能な大企業にひ比べて、中小企業を取り巻く経営環境は益々厳しさを増してきています。しかしながら、本市経済の活性化を図るためには、事業所数で9割を超え、地元の産業基盤を支える中小企業の振興が、何よりも不可欠であります。

 とりわけ、販路の拡大は、域際収支の改善など本市経済の活性化に大きく寄与するものであり、意欲的な企業に対しては、行政がタイムリーで効果的な支援事業を創出していくことが必要であると考えます。

 昨年度事業の取り組みとしては、特選見本市参加事業及び韓国における物産と観光展において、特に大きな成果があったとのことであります。確かに、“札幌イコール新鮮”といったイメージが強く、札幌の物産展は、国内でも集客力及び売上げにおいて他の自治体を凌ぎ、トップの座を誇っております。また、本市製造業のうち「食料品製造業」は、従業者数及び製造品出荷額ともに1位をし占め、また、事業所数でも「出版・印刷・同関連産業」に次いで2位となっているなど、「食料品製造」は、本市の主力製造業であることが伺えます。

 従って、私は、見本市や展示会への出展は、短期間に大きな成果が見込まれ、販路拡大の有効な手立てであり、先ほど述べた本市の製造業の特性や、物産展などにおける「強み」を活かし、これを経済の活性化につなげていくことが必要であると考えます。

 最近の経済の国際化の波は、販売市場においても国内・国外の別なく押し寄せ、中小企業者は、海外を視野に入れた市場開拓といった、今日的な課題にも迫られております。個々の経済取引は、結局のところ各企業の営みではありますが、中小企業の販路の拡大は、新商品への開発意欲や国際競争力といった企業自身の体力を高めるとともに、本市経済全体にも大きな波及効果が期待されるものであります。

 このため、行政には、資金やノウハウの面で課題を抱える多くの中小企業に対し、国内外を問わず、そのビジネスチャンスの拡大を促進するための、着実な取り組みが期待されていると考えます。私は、現地の流通団体との接点が確保でき、取引ルートを新規に開拓する上で、海外物産展の開催は大変有効であると考えており、今後一層充実していくべきと考えるところであります。

 そこで質問でありますが、市は、今後、市内中小企業の販路拡大に向けて、どのような支援を行っていく考えなのか。具体的な取り組みを含めてお聞かせ願いたいと思います。

 次に、海外物産展や見本市等への出展は、他国との文化交流や国際理解を深める側面とともに、地元企業の販路拡大の大きなビジネスチャンスともなりうるものであります。

 その中でも、東アジア地域は近年目覚しい発展を遂げており、とりわけ中国は13億の人口を抱える巨大なマーケットとして、わが国企業の海外進出が加速している国であり、また、隣の韓国については、先のワールドカップサッカーの共同開催を契機とした民間レベルでの相互交流の高まりや、自由貿易協定(FTA)の締結に向けた最近の政府間交渉の進展など、いずれも企業の海外販路拡大にあたっての追い風により、東アジアは大きな可能性を秘めているということができます。

 また、先のSARS禍(=重症急性呼吸器症候群)が、観光産業全体に与えた甚大な影響は耳に新しいところですが、近年、札幌市を中心とした訪日外国人の来道者数は、台湾、香港、韓国といったアジア圏を中心に増加傾向にあります。これは、北海道の自然環境と共に札幌の都市イメージが、アジアの人々にとって魅力的なものとなっているもので、引き続き、観光プロモーションの強化や各種旅行商品の多様化等によって、今後共、アジア圏域からの観光客の急増が見込まれるところであります。

特に、中国に関しては、今年11月11日、対中国ビジネスの支援や観光客誘致を目的として、札幌市初の駐在員事務所が北京市に開設されましたが、こうした取り組みも含め、東アジアとの経済交流の好機を逸することなく、地元企業の海外販路拡大に向けた支援施策の充実・拡大が図られることが必要であると考えます。

 市がこれまで取り組んできた中小企業の販路拡大の取り組み、とりわけ、海外に目を向けた販路拡大支援事業は、長期的に低調な国内の消費動向の中で、中小企業が大きく飛躍する機能を秘めた事業であると評価いたします。しかし、その一方、実際、これまで行われた事業を見ると、その対象とするのは「食品製造業」など、産業全体から見ると限られた分野に留まっており、このような事業の継続のみでは、産業全体の活性化につながって行くとは言い難いと思います。

 本市としては、ただ今述べた東アジア諸地域の経済状況の変化や観光面の動向を的確に捉え、より多くの産業分野に波及する支援策を打ち出すべきと考えます。

 市長は、来客2000万人を目標として掲げているますが、その経済波及効果については述べておらず、市内の中小企業の活性化にどう結びつけていくのか、その具体的な道筋も明らかになっていない点で、物足りなさを感ずる次第です。

 例えば、この販路拡大事業を様々な産業分野が関係する観光産業振興事業と有機的に結びつけ、観光客を対象とした商品開発やマーケティング、札幌市の有する高い都市イメージを最大限活用した販売促進や観光客の誘致に積極的に取り組むことも、その一つではないかと考えるところであります。

 そこで、質問ですが、販路拡大に向けた支援については、本市の高い都市イメージを活かし、アジア圏域からの観光客の拡大も視野に入れた、よりスケールの大きな経済波及効果の高い事業として発展・拡大を図っていくべきと考えますが、いかがか? また、その将来展望についてもお伺いしたします。

 次に、都市景観についてお伺いいたします。

 札幌市の街なみは、全国的に見ても美しい方だと思うのですが、ただ、その日本全体の都市景観のレベル自体が、他の先進国からはずいぶん遅れているように思われます。

 本市を含めた日本全国の住宅地や商店街などの景観を見ますと、色彩の面でも、形の面でも、個々の建物がバラバラで、他との調和を無視した無秩序な建築が横行しています。

 「自分が所有している土地なんだから、どんなものでも好きかってに建てていい」というような、言わば、「自分勝手主義」のようなものを感じてしまいます。

 ヨーロッパの先進地域などの場合は、歴史的な経緯のなかからできあがったものなのでしょうが、そこには、ひとつの統一性があり、看板ひとつ出すにしても、全体との調和を重んじて、周りの景観を損なわないものに成っている場合が多いようです。

 これと対照的なものとしては、日本を含めた、いわゆるアジア的な景観、つまり、「自分勝手主義的な他との調和もなにもない、ケバケバしさを競い合ったような景観」があります。人によっては、こういう景観も好ましいと思うのかもしれませんし、そういった方向性を是とするか否とするかは、いちがいには語れないでしょうが、私としては、やはり、優雅さを重んじた、他との調和のある街なみを目指していくべきと考えます。自分勝手主義的な日本の雰囲気は、子供たちの人格形成の面にも大きく影響するわけで、そこには行政としても積極的に取り組むべき課題があるように思われます。

 本市としても、この点については、真剣に取り組んできているようで、平成10年には札幌市都市景観条例を施行しておりますし、これに前後して立ち上げた都市景観審議会では、今もって活発な議論が続いていると聞いております。

 しかしながら、真剣に都市景観を考えている市民は、依然として少なく、審議会の議論などに関心を寄せる市民はごく限られた人数であるように思われます。景観を考える市民と、そうでない市民の意識には、かなりのギャップがあります。

 屋外広告物などについても、いわゆる違法ビラなどを処かまわず貼りまくる業者があったりして、町内会の役員さんたちが毎月のように総手でビラはがしに取り組んだりしている状況があります。

 そこで、質問ですが、本市としては、市民や企業の方々の意識醸成へ向けて、都市景観に関する諸施策の方向性や内容を、より積極的に、広く市民に周知し、啓蒙を図る必要があると考えます。この点についての市長のご見解をお聞かせいただきたく存じます。

 次に、路面電車の今後の方向性について、2点お伺いいたします。

 路面電車は,環境に優しく、路面から直接乗り降りできることから、高齢者や障害のある方にとっても容易に利用できる交通機関であるとともに、中心市街地の活性化に寄与し、また、建設費も地下鉄などと比べると格段に安く済むことで、全国的に見直されております。

 札幌市においては、平成13年に交通事業経営改革会議において策定された交通事業改革プランに基づき、路面電車の経営問題とその機能向上策などについて検討しており、本年度末を目途に、その存廃を含めた方向性を結論づけることとされておりますが、それと平行して、ループ化の問題や桑園地区や苗穂地区への延伸についても検討がなされるべきものと考えます。

 しかしながら、市電を取り巻く環境は、乗車人員が年々減少傾向にあり、平成14年度決算では、ついに1億900万円の赤字に転落しております。また、電車の老朽化も著しく進み、45年を経過した9両をはじめ、平均の経過年数は38年となっており、今後、市電を存続する場合には、車両の更新、工場や車庫の改修、軌道改良、変電所設備更新などが必要であり、これらのコストは、一説には100億円とも言われております。

 昨年10月に実施された市電沿線の住民アンケートによりますと、約6割が路線の環状化や延伸を望んでおり、バスに代替するとした人は1%のみであります。一方、本年1月に実施した今後の路面電車の方向性に関する市民意識調査では、「路面電車を存続させるべきだ」と答えた人の割合は54.4%にのぼり、「バスに替えるべき」と答えたのは33.8%でした。普段電車を利用しない人でも過半数が存続を望んでいるわけで、本市としては、このことを重く受け止めるべきと考えます。

 一方、他都市に目を向けますと、例えば岡山市では、 昨年“ももちゃん” という愛称で親しまれている超低床電車を導入しており、モダンな外観と一転して車内は癒しの空間が広がり、路面電車の魅力向上に一役買っております。

 そこで、1点目の質問ですが、本年度末までに結論づける路面電車の存続について、現時点でどのようにお考えかお伺いいたします。

 2点目の質問は、路面電車の経営効率化についてであります。 

 先ほど申し述べましたが、存続するためには、多額の初期投資が必要となるわけですが、その100億円もの投資を回収するには、いかにして事業の効率化を図るか、がポイントとなってきます。

 効率化というとまず人件費に目が行きがちですが、欧米では、駅舎やレールの建設や車両の効率化を重要視しているそうであり、これがイギリスで発祥したPFIに現れております。

 そこで質問ですが、

 路面電車を将来的に民間に委譲することを含めたPFI方式の活用について、本市は、どのように考えるのかお伺いいたします。

 次に、市立札幌病院のあり方について4点お伺いします。

 まず、1点目として、病院の経営状況についての市長のご見解をお聞かせいただきたく存じます。今回の市立病院の決算を見ますと、一般会計から救急医療や未熟児部門などに50億円を超えるお金が繰り入れられていますが、それでも、約12億円の経常損失を計上し、累積欠損金も約128億円に及んでおり、その経営は非常に厳しいものとなっております。

 現在、全国の都市部の自治体では、自治体病院の経営状況が悪化する一方であることや、その非効率性などが問題視されはじめており、民間医療機関の増加と財政の逼迫を考慮しての自治体病院のあり方が議論され、ところによっては、行革の対象とされております。 

 こうした中で、市内の医療施設数を調べてみますと、平成14年現在で、病院と診療所を合わせて約2500という数の施設が数えられ、全国の政令指定都市の病床数を人口比率で比較しますと、札幌市が1番目である、ということがわかります。札幌市は、全国の政令都市の中で、市民ひとりあたりにつき、もっとも病床数が多い都市だということです。

 市立病院の役割がいったい何なのか、という点についての議論は、もはや、先送りできない状況だと思われます。

 ちなみに、住基ネットのからみで上田市長との親交が深い横浜市では、「市立病院あり方検討委員会」なるものを立ち上げ、「委譲による民営化をすべし」との答申を出しております。また、その答申の中では、政策的に必要な医療機能についても、市からの委託や補助などがあれば、民間で担い得るとしています。

 現在の市立札幌病院の存在意義としては、救急医療の他、周産期医療、小児科医療などの部門があげられます。これらの部門は、民間では採算がとりづらいため政策的な医療として行政が担っているわけですが、実は、補助金などによるバックアップがあれば、それらの医療についても、民間の病院で引き受けてもらえるはずであり、その方が市の直営でやるよりも低コストとなると思われます。

 このような事情を踏まえて、上田市長としては、市立札幌病院の経営状況をどのようにとらえているのか、今後の市立札幌病院のあり方をどう考えるのか、そのご所見をお伺いします。

 以上は、中・長期的な視野における質問でしたが、2点目の質問としましては、対応が急がれている課題として、周産期医療体制についてお伺いします。

 近年、低出生体重児の出生割合は増加の一途をたどっており、特別な医療が必要なハイリスク児ですとか、母体に影響を及ぼす可能性の高いハイリスク妊娠などに対する医療の充実が求められており、妊娠時から新生児期までの期間を専門的に取り扱う周産期医療へのニーズが高まっております。

 この件も、昨年の3定の代質やそれ以前の代質でも取り上げたことですが、市立札幌病院では、今もって、母体搬送依頼があっても、その全てを受け入れることができません。平成14年度のデータで言いますと、183件の依頼があったうち、病床数の問題で122件の依頼を断っています。このことは、昨年の3定における代表質問でも指摘させていただいたところですが、その後人材配置の面で多少のテコ入れがなされたものの、病床数については、あまり状況が変わっていないようであります。

 総合周産期母子医療センターとしての機能を果たすには、周産期部門の一層の充実を図るべきと思うわけですが、この件に関する今後の対応について、本市のお考えをお尋ねいたします。

 ちなみに、財政の厳しい中、病床数を増やすために増改築を行うのは、なかなか難しいかと思われます。しかしながら、病院内の部門ごとの区画の割り振りを見直すならば、稼働率が低い部門の病床数を周産期部門に割り振りし直すことも可能なのではないかと思われます。この点についてのご見解も併せてお聞かせいただきたく存じます。

 3点目の質問としては、静療院についてお伺いします。

 静療院には、不登校や神経症などの学齢児童を専門的にあつかう小児特殊病棟がある他、自閉症児をあつかう「のぞみ学園」が併設されております。このような病棟を持つ医療機関は、道内唯一のものであり、その存在意義は非常に大きなものであります。

 しかしながら、それらの病棟は老朽化が著しく、狭隘化と相まって、構造的な問題を抱えています。特に、閉鎖処遇と解放処遇の両方の処遇を同時に行えないというのは、児童青年期の精神医療を行う上での大きな問題であるようです。

 この件につきましても、昨年の3定における我が会派の代表質問で取り上げ、「増改築をも視野に入れて前向きに検討する」という答弁をいただいているわけですが、その後、市長も代わり、話が頓挫しているようなので、再度質問いたします。

 本市としては、この静療院が抱える構造上の問題をどうするつもりなのか、昨年の答弁では、病棟の改築等を行うようなお話でしたが、しかし、先にも申し述べましたように、この厳しい財政状況の中、増改築は難しいのではないかと思われます。そこで、提案ですが、静療院は、この際、市立病院の本院の中に組み込んでしまってはどうかと考えます。先ほども申し述べましたが、稼働率が低い部門の病床数を削って、静療院のためのスペースに充ててはどうかと考えるわけです。

 ちなみに、ここ数年、精神科の領域では、救急医療との兼ね合いが重要視されはじめています。精神科の患者さんが、心筋梗塞や脳梗塞などの救急医療を要する病気を併発した場合、それらの患者さんを受け入れてくれる病院がなかなか見つからないのです。市立札幌病院の本院の中に静療院が組み込まれれば、他の疾病を併発している精神科の患者さんたちにとっては、大変有用となるでしょう。

 これらの点を踏まえて、静療院の今後の方向性について、市長の見解をお聞かせいただきたく存じます。

 4点目の質問としては、その精神科救急医療についての情報発信機能についてお伺いします。精神科救急医療を必要とする患者さんにとっては、どこの病院で、どのような体制が整えられていて、ベッドが空いているかどうか、といった情報がないことが深刻な問題となっております。そこで、市立札幌病院においては、その手の情報を一手に掌握し、精神科救急医療についての情報センター的な役割を担うべきではないかと考えるわけですが、この点についての市長のご見解をお尋ねいたします。

 次に、札幌市救急医療体制検討委員会からの報告書について3点お伺いします。

 本年、9月26日に札幌市の新しい救急医療体制について、2年間の審議を経て、札幌市救急医療体制検討委員会(委員長:河西札幌市医師会副会長)から報告書が上田市長に提出されました。この報告書は、現行の救急医療体制の抱える診療の空白時間の解消、後方支援病院の確保、第二次救急医療体制の充実強化、小児救急の充実強化などの課題を指摘するとともに新しい救急医療体制のあるべき姿を示したものであります。私は、この報告書にあるように救急医療体制を構築することができれば、186万札幌市民の安心と健康を守ると言う点で大変心強く、全国からも高い評価が得られるのではないかと考えます。

 そこで、報告書に関して3点ほどお伺いいたします。

 先ず1点目の質問として、札幌市の新救急医療体制についてお伺いします。

 この報告書の内容をどの様に評価し、新しい救急医療体制を整備していこうとしているのか、市長の見解をお伺いいたします。

 2点目の質問としては、救急医療体制の検証についてお伺いします。

 我が会派としては、この度の報告書に基づいて、新しい救急医療体制を構築して頂きたいと考えるのでありますが、優れた救急医療体制が整備されたとしても、その体制が円滑かつ効率的に運用されなければならないと考えております。したがって、この体制の運用開始後の検証が極めて大切であると考えますが、具体的な検証の仕方について、市長のお考えをお伺いしたいと思います。

 3点目の質問としては、新夜間急病センターについてお伺いいたします。

 新夜間急病センターは、来年春のオープンを目指し、現在、施設の工事が順調に進んでいると聞いております。夜間急病センターは、昭和47年に札幌市医師会が全国に先駆けて、夜間における内科・小児科系の初期救急医療施設として開設し、以来この30年の間、186万市民の安心と健康を守っていると認識しています。そこで、新夜間急病センターでは、新たな札幌市救急医療体制の中核施設として、診療機能を拡充し、より質の高い、きめ細かな医療サービス等を提供するため、運営体制を整備すべきであると考えますが、市長のお考えをお伺いしたいと存じます。

  次に教育問題について2点お伺いいたします。

 いわゆる指導力不足教員の問題についてであります。

 皆様ご承知の通り、最近、指導力に欠けた教員の問題がクローズアップされております。子どもの心を理解できず、学級経営ができない事例や、いじめ等の問題行動に対して適切な対応ができない、あるいは,不用意な言動をとり、生徒の心を傷つけるといった教員に対して保護者から不信感や不満の声が多数寄せられていおります。

 教師は,子供の可能性を引き出し,人格の形成や成長の手助けをする大事な仕事であり,どの職業にも増して,資質や情熱,自分に与えられた使命にこたえる責任感が強く求められております。教師としての資質や人間性が疑われかねない者,指導力不足が否めない者が教壇に立ち,それによって子供たちの成長や人間性のはぐくみが阻害されるようなことがあるとしたなら,何よりも子供たちにとって不幸なことであります。

 文科省は,教員の任命権を持つ各都道府県教育委員会に対し、指導力不足教員を学校現場からはずして研修させ、欠勤の連続や能力に問題がある場合、分限処分も含む人事管理システムづくりを指示し,各教育委員会は、弁護士や医師など第三者を入れた判定委員会の設立や、それぞれの判定基準の検討を進めてまいりました。

 そこで、1点目の質問ですが、平成14年度において,このシステムを実施している全国の都道府県,政令市の指導力不足教員の認定は,289人となり内3人が免職処分となったとの発表がありましたが,本市の現状はどのようになっているのか伺います。

 2点目の質問としては、その現状を踏まえ、文科省から各都道府県教育委員会に発せられた指導力不足教員対策、例えば、指導力不足教員を学校現場からはずして研修させ、欠勤の連続や能力に問題がある場合、本人の同意がなくてもできる分限処分も含む人事管理システムづくり等について、本市の教育委員会は、どのような対応をしているかお伺いします。

 次に、聴覚障がい者及び視覚障害者のためのバリアフリーについて7点お伺いします。

 札幌市福祉の街づくり条例施行規則の整備基準でありますが、聴覚障害者及び耳の不自由な高齢者に対するものとして、ひとつには、「劇場・観覧場・映画館等の興業施設に不特定かつ多数の者の利用に供する観客席等を設ける場合においては、聴覚障害者が円滑に使用できるように補聴装置をひとつ以上設けること。」、更に、「緊急避難施設において非常警報装置は、視覚障害者及び聴覚障害者に非常を知らせる光・文字・音声等の設備を併設し、火災報知と連動したものとすること」となっており、この2項目のみしか規定されておりません。ここで掲げる補聴装置については、聴覚障害者が円滑に使用できるようにとなっておりますが、その聴覚障害者には、広義に解釈すると難聴等耳の不自由な高齢者をも含んでいると考えるものであります。

 そこで、1点目の質問ですが、そのような方々に対する補聴装置とは、どの様な装置を設置しているのかお伺いいたします。

ちなみに、札幌コンサートホール「キタラ」で導入しているものは、磁気ループ方式を採用しておられますが、それは、磁気ループから発生する電磁波を聴覚障害者が装着している補聴器の誘導コイルで受信して、音声を聞き取るものであります。

 そこで、2点目の質問ですが、その磁気ループから発生する電磁波については、一般観客者及びその装置を使用する者において、ペースメーカー等の医療機器への誤作動のおそれがない安全なものなのかどうか、お伺いします。

 当然のことと思いますが、コンサートホール内においては、携帯電話による電磁波の影響を鑑みて使用禁止をれいこう励行しており、その整合性からも安全第一と考えるべきと思います。

 3点目の質問としは、今現在、公共的施設と定義されております興業施設の建築物に対して、その補聴装置をどの施設に何ヶ所程設置しているのか、又、それらには、安全上問題は無いのかをお伺いいたします。

 4点目の質問としては、聴覚バリアフリーの観点からは、不特定かつ多数の者の利用に供する公共施設には、官公庁の施設・社会福祉施設・医療施設等も含まれるものと思います。これらの公共施設に対しても興業施設と同様の安全で安心な聴覚バリアフリーを拡大すべきと思いますが、この点についてどの様に考えておられるかご質問致します。

 5点目の質問としては、緊急避難施設についてはどうなのか、この点についても併せてお伺いします。

 6点目の質問としましては、官公庁の施設・社会福祉施設・医療施設等における受付・窓口サービスにおいて、聴覚障害者及び耳の不自由な高齢者に対してどの様な補聴装置をもって対応しておられるのでしょうか。もしも、対応がなされていないとすれば、この条件について聴覚バリアフリーの面から本施行規則に不備があるものと思われますので、早急に対応策を示すよう要望いたします。

 次に、視覚障害者のためのバリアフリーについてお伺いいたします。現在、札幌市内には4,000人以上の視覚障害者がおります。人は、あらゆる情報の約80%を視力から得ていると言われていますから、これらの方々は毎日、目の見える者には想像もできないようなご苦労をされていることと思います。また、私も街中で白い杖を持って一人で歩いている方を見かけることがありますが、視覚障害者は、外出の際に、車や歩行者が行き交い、また障害物も数多く存在する中を歩かなくてはならず、常に危険と隣り合わせにいることを常々感じているところであります。

 このような危険を回避し、少しでも視覚障害者が安心して街を歩けるようにということで、視覚障害者誘導用ブロック、いわゆる点字ブロックがあります。点字ブロックのふせつ敷設については、福祉のまち条例の整備基準により、建物には敷地内の通路から外部出入口まで、外部出入口から受付等の案内まで、階段の上端と下端などへ敷設するよう定めており、また歩道については、横断歩道に接する部分や視覚障害者の利用の多い施設から最寄の駅等へ通ずる歩道等で必要な部分に敷設するように定められています。

 しかしながら、福祉のまちづくり条例が施行されてからの新しい市の建物は、条例の基準に基づいた整備が行われていますが、それ以前に建てられた物については、点字ブロックが整備されていない状態のまま残っています。

 また、民間の建物については、以前より点字ブロックが敷設されている建物が多くなっているように感じますが、事業者等の点字ブロックに対する理解が十分ではないためか、新しい建物でも点字ブロックが敷設されていないところを見かけることもあります。歩道の点字ブロックについては、交差点部分を中心として、かなり整備が進んできているようですが、視覚障害者の方々からは、誘導のための点字ブロックの敷設が不十分だとの声も聞かれます。

 点字ブロックのほかにも、例えば、駅などの階段においては、手摺を頼りにしている視覚障害者も多くいますが、折角の手摺が踊り場等で途切れていて、その先がどうなっているのかがわからず、不安な箇所もあるとの声も聞いております。この場合、手摺の末端部分等に点字表示があれば、その先どこへ行くのかなどの位置情報を知ることもできるのですが、それほど普及していないように思います。このように、視覚障害者のための施設の設備は、以前に比べるとかなり進んできてはおりますが、まだまだ不十分なのではないでしょうか。

 そこで質問ですが、視覚障害者が安心して街中を歩けるようにするため、歩道の点字ブロックの敷設などの街のバリアフリー化に一層力を入れるとともに、きめ細かな施策が求められるべきと考えますが、今後どのように整備を進めていく考えなのか伺いいたします。

 次に、私の地元でもあります南区の真駒内公園内にあります豊平川さけ科学館の来館者増加のための対策についてお尋ねいたします。

 戦後の人口増加による水質の悪化によって、長い間サケの回帰が途絶えていた豊平川に再びサケを呼び戻そうと「カムバックサーモン運動」が始まったのは、今から25年前の昭和53年10月のことでした。翌年の春には30年ぶりの稚魚放流が再開され、その3年後には市民の期待に応え、稚魚たちは親ザケとなって豊平川に戻ってきたのであります。サケの回帰は、世代を超えた多くの市民に喜びと夢を与え、自然の仕組みや自然環境保護の大切さを教えるという大きな役割を果たしました。

 こうした運動の成果として「サケの回帰事業を通じて生物や自然環境の保全に関する知識の普及啓発を行うための学習施設」としてさけ科学館が誕生し着実にその使命を果たしながら、まもなく開館20周年を迎えようとしています。この20年間で本市の都市化は一層進み、河川の改修などで、子供が自然の水生生物と触れ合う機会が減少している中、さけ科学館は、展示施設・学習施設あるいは調査研究施設として、環境教育事業の充実など新しい時代の要請に対応した役割を果たすことが強く期待されているところであります。

 しかし、一方この20年間で施設の老朽化・展示施設の陳腐化が進んでいることも事実であります。

 さけ科学館開館以降、道内には2館の有料の大型サケ関連施設が開館しております。無料施設である、さけ科学館を有料のこれらの施設と比べるのも酷な話ですが、やはり186万都市の施設としては、あまりにも見劣りするのであります。こうした施設の魅力低下は、入館者の減少にも現れており、開館当初は15万人弱であった来館者は、昨年度は9万人を割り込んだと聞いております。

 そこで、豊平川さけ科学館の来館者増加のための対策について3点、私見を申し上げたいと思います。

 1点目は、障害者や高齢者の利用も考えた施設のバリアフリー化についてであります。現在、サケ科魚類を展示している水槽の中に地下水槽がありますが、この地下水槽を見学するためには、階段を降りて地下観察室に入らなくてはならず、施設の構造上、車椅子の利用者等、障害のある方などには見学することができません。福祉のまちづくり条例を制定し、すべての人にやさしい福祉都市の実現を目指している札幌市の施設としては、まことに粗末な施設であります。こうした問題を解消し、障害のある方や高齢者も見学できるような施設に改修することによって、更なる来館者の増加も見込めると思うのであります。

 2点目としては、地下水槽の改修についてであります。地下水槽は、障害のある方の見学に支障があることに加えて、夏には、ガラス面が結露して中の様子が見えにくくなったり、ひとつの大きな水槽を仕切板で仕切って数個の小水槽として使用しているため、ひとつの小水槽のみの清掃作業であったとしても、地下水槽全ての水位を下げなければならず、見学者に不便をかけております。また、これらの水槽は、もともと屋外から見学用として造られているため魚類の性質上、不適格であり、従って、現在は地下からの見学となっております。

 更に水槽が屋外にあるため、落葉が池に落ちるなどメンテナンスの面からも問題があります。他の類似施設を見ても、やはり大型水槽は展示施設の目玉となるもので、今後、来館者の増加を図るためにも大型水槽の設置を含め、地下水槽の抜本的な改修が必要と思うのであります。

 3点目ですが、札幌の持つ自然的、社会的特性に着目した展示内容の充実についてであります。さけ科学館の別館である、「さかな館」には市内の水辺の生物や色々な種類のカエルを展示したりと小さなお子さんの人気も高いと聞いておりますが、現在の展示内容が旧来からの水槽を並べているだけの単純な生物の紹介のみとなっております。

 つまり、札幌の持つ自然環境や社会的特性にまで踏み込んだものにはなっておりません。本市は地域の中に多様な水辺環境を持ち、自然に恵まれた街であります。そこに生息する生物に日本国内では北海道固有の種類も多く、北方系の自然をよく現していると聞いております。札幌の水辺の生物に関する環境教育に対応できる施設は、さけ科学館が市内で唯一の施設でありますから、今後、サケ科魚類に留まらず札幌の水辺の生物を通して、自然環境全般を子供から年配者まで楽しみながら学べる施設への発展的転換が重要であり、それに対応した展示や設備の充実強化が必要であります。

 以上3点の視点を踏まえた、さけ科学館の来館者増加のための対策の必要性について、市長はどのように考えておられるかお伺いいたします。

 次に、これからの街づくりについて2点お伺いします。

 市長は、これからのマチづくりについて、「さっぽろ元気ビジョン」を公表しされましたが、あまりにも総花的で現実性を欠いている様に思います。そのため中でも、今日までマチづくりの中核となって努力してきた町内会・自治会等から多くの疑問が投げかけられております。

 本市は他の都市に比べて町内会に自立性が乏しく、かつ、加入率も低いと言われております。しかし、そんな中で協働型社会のマチづくりに努力してきた多くの町内会の活動には、然るべき評価が与えられるべきと考えます。町内会加入率も70ないし80パーセント台は維持されており、若年単身世帯の多さを考慮に入れれば、決して低い水準ではないと思うのであります。

 そこで1点目の質問ですが、町内会には、地域の持つ特性や歴史的背景によって、活動にもそれぞれの特色があります。然るに、町内会を十把一絡げにして、例えば、顔が見えない、古くて使い物にならない、行政との癒着、ボス支配、マンネリズム等を指摘する声が、特に市長の周辺から拡声されて聞こえておりますが、これらの言葉は、ある種の先入観にとらわれており、町内会を総合的に評価するには、現実味に欠けるきらいがあると考えますが、市長の見解をお伺いいたします。

 ちなみに、全国モデル都市の住民意識調査でも町内会を「無くしてはならない」とする回答16パーセント、「あったほうが良い」とする回答69パーセント、積極・消極合わせた支持率は、85パーセントにもなっております。

 市長は、元気ビジョン「地域づくりの推進」で、地域での市民自治推進の仕組みづくりを取り上げられ、「おおむね連絡所単位に市民自らが、地域の課題を考え、問題解決や目標の実現に向けて行動する場として、まちづくり協議会を設けるとともに、区ごとにまちづくりについて、議論する区民協議会を設ける」としておられますが、前段の連絡所単位のまちづくり協議会と連合町内会の範囲は、完全に重なります。市長は、一部の町内会否定論あるいは、NPO絶対論に乗って、これからのまちづくりを町内会のみの活動からテーマコミュニティ活動に特化したボランティアやNPO主体の新たな組織を、町内会と併列あるいは、対立軸に置いて、シフト換えを目指しているように考えられますが、この発想は、一部の学者や現場で汗しない理想論者に多い議論であり、市長がこれらに踊らされて改革に踏み込んだ場合、マチづくりは大きな混乱を生む危険を孕んでいるのではないかと考えております。

 そこで2点目の質問ですが、市長は、現実の問題として、動員力を備えて、市民の日常そのものであるところの福祉・環境から防犯・防災にいたるまでの諸課題に包括的に関わり、かつ、地域社会に深く根付いて、絶対多数の市民に認知されている現存の町内会のほかに、これからのまちづくりネットワークの中核となりうる市民組織を別途に育てようと考えているのかどうかお伺いいたします。

 ちなみに、これからのまちづくりを考えた場合、むしろ町内会を地域社会の主体となりうる組織として、積極的に評価し、協働型社会づくりネットワークの中核に据えて、住民のニーズと時代の変化に対応できる柔軟性のある組織とすべきであります。一方、ボランティアやNPOは、町内会と共振しあいながら、町内会に不足する住民ニーズの部分を補完する組織にと位置づけて、育成を図るのが相当と考えますが、この件について、どのような見解をお持ちかも併せてお伺いします。

 次に、市役所改革の方策について3点お伺いします。

 市長の元気ビジョンによれば、「市役所自らが内部努力を徹底し、人員の削減や事業の効率化を進め、200億円の経費削減を目指す。そのための組織・システムづくりにITを最大限に活用するなどして、仕事のスリム化・スピード化を図ることにより、市民に直接サービスを提供する部門に予算・人員などの経営資源をシフトし、市民サービスの向上を図る。」とあります。しかしながら、市民へのサービス向上とIT化は、相反する関係ともなりかねなません。

 急速に進む高齢社会にあって行政の伝達手段が、これからの時代大きな問題となります。市長は、折りに触れ、ITのシステムを活用した意見集約や意思の伝達を述べていおられますが、果たして、これに対応できる市民(特に高齢者)の割合は、どの程度でありましょうか? 

 そこで、1点目の質問ですが、対応できるレベルにある一部市民の意見のみが増幅される危険はないのか、また、声なき声をどのようにして聞き取ろうとしているのかお伺いいたします。

 従前は、各区においては過去何年間も区長懇談会が実施され、単位町内会からの要望や意見を吸い上げ、連合町内会ごとに一年に一度区長ならびに各部の部長から回答していただいてきました。昨今は、意見や要望はいつでも公聴係で受け付けていることから、区長懇談会を当初の目的から単なる顔合わせや懇親の場に変えてきている区が多くなってきています。

 市長は、タウントークなどと唱って「市民と対話する場」を設け実施してこられましたが、これは、どちらかと言うと個人の意見や要望を聞く場であるようです。今まで本市が行ってきた区長懇談会は、これとは異なり、町内会を主体とした組織的な地域要望を聞く場であります。

 2点目の質問ですが、このような場を切り捨ててしまうことについて、市長はどのように考えているのかお伺いします。

 また、区長懇談会の内容が変貌している昨今、市からの情報の多くは、基本的に発信主義となっております。つまり、行政側は、一方的に情報を発信するだけで、その情報を市民が理解したものとして処理してしまいがちではないでしょうか?

 例えそれが、文書によるものであったとしても理解や判断が出来ない高齢者(障害者を含む)は、今後ますます増加します。手間のかかることではありますが、高齢者の利益とプライバシーを守るためには、場合によっては行政から直接出向かなくてはならない場面も多くなることは、避けられないと思っています。

 3点目の質問ですが、全てとは行かないまでも、重要と考えられる情報の伝達は、受信者の立場に立って発信していくことが、真の市民サービスの向上につながるのではないでしょうか?

 200億円の経費削減目標と市民サービスの向上とのバランスには、特段の配慮が必要と考えますが、如何か見解をお伺いいたします。

 以上を持ちまして、私からの質問は、すべて終わりました。長時間にわたり、ご静聴いただき、誠にありがとうございます。


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