名古屋市炎上(2010年12月19日)

名古屋で火の手があがっている。

名古屋が炎上すれば、やがては同じ政令指定都市である札幌市も炎上することになるだろう。

河村たかし市長はいったい何をやりたいのだろう?

市民税10%減を恒久的にやるというのは可能であろう。が、役人の数や給料はそんなに削れないだろう。やるとなると公共事業の発注部分で削ることになろう。となると、名古屋市からの受注で食っていた企業などは手ひどいダメージを受けるだろう。

ちなみに、名古屋市では、結局、市債(借金)を増やして減税分を補ったそうだ。しかも、予算総額は前年度に比べて437億円増え、市債残高も360億円の増となり、このためにそれまで支給されていなかった地方交付税をもらうことになったようである。市税を減らしたのにどうして予算総額を減らさなかったのかがわからないが、たぶん市長選挙の際の公約でいろいろとカネのかかる新規事業が提案されていたのだろう。

尚、市税の10%減によって一番恩恵を受けるのは、一部の高額納税者である。1万円しか市税を納めていない市民にとっては減税効果は千円でしかない。税金を納めていない生活保護受給者やそれに準ずる人たちには、なんの足しにもならない。

議員報酬を半分にするというのも、市民がみんなで望めば可能になるだろう。が、自殺する元市議会議員が何人か出るだろう。若い議員は転職するだろうが、50を過ぎた議員には転職先もない。息子が東京の大学に通っていたりしたなら、その息子は大学をやめて仕事を探さねばならなくなるだろう。議員本人もしくは議員の奥さんの実家にカネがあれば、息子の学費だけはなんとかできるかもしれないが、最終的には一家離散の状況に追い込まれるケースも出てくるはずだ。

議員報酬が半額になれば、その次の選挙では議員の半分以上が入れ替わるだろう。そして、その次の選挙でも半分以上が入れ替わるだろう。収入が半分になってしまっては、選挙をやるカネが貯められないからである。やがて、議員を本業とする者がいなくなり、議会はさらに形骸化し、市民意見などに耳を傾ける議員もいなくなるだろう。

名古屋市の議員報酬が、市の歳出のうちの何パーセントを占めるのかわからないが、それはそれほどの比率ではないはずである。札幌市の議会費は年間約15億円弱だが、そのうちの議員報酬の額は9.5億円程度だ。これを半分にしたところで5億円弱の削減にしかならない。 22年度の札幌市の一般会計の予算総額は約8,229億円であり、5億円は、この0.06%にすぎない。おそらく名古屋市の場合は、もっと低い比率であろう。

その程度の額のために議会の審議を止め、余計な選挙をやるというのが、そもそもおかしい。だいたい、市議会議員がカネをもらいすぎている、という根拠はなんなのか? 私には理解できない。

前にも書いたが、市議会が必要ない、というなら、そっちの方向で議論をまとめてもいいと思う。が、議員だって、それでメシを食っているわけだから、その報酬をいきなり半分にされては生きていけない。それでもやれるヤツが議員をやればいいんだ、ということになると、どんなヤツが議員になるのか考えてみるべきであろう。

不正をして裏で稼ぐヤツか、不労所得がごっそりあって、カネの使い道に困っているようなヤツか、とにかく名誉が欲しいという勘違いヤローか、半額でもカネもらえるならなんでもやります、という食いつめ者か、そうでなければ、生活は夫の給料でみてもらってるので、選挙資金だけもらえればそれでいいです、という主婦か・・?

河村たかし は芸人である。

日本では芸人が選挙に出ると圧勝する。

が、芸人が優れた政治家であるとはかぎらない。

河村たかしのブレインを務めていた者たちは皆一斉に離反してしまったそうだが、要するに、河村市長にはマネジメント能力や経営能力がないらしい。

にもかかわらず、名古屋市民たちは、河村を支持しつづけているようだ。皆、議論の中身などには興味がないのだろう。面白いから・・というだけで署名活動に参加したわけであろう。中には既存の権力構造に一矢報いたいという心情で署名した人もあるだろうが、それとても議論の中身を理解しての署名ではないだろう。反政府的な行動をするのがカッコイイと思ってる若者などもいたのだろうが、ファッション感覚で政治的な行動を起こすのは愚人であり、話にもなにもならない。

が、人気というのは、化け物のようなものである。その餌に釣られて大村という自民党の代議士が議員をやめて愛知県知事選挙に立候補するらしいが、これなどは、人気、という化け物に魂を抜かれてしまった典型例である。

なにせ議員というのは因果な商売で、とにかく人気が欲しい。人気=票、だからである。大村さんは、去年の衆議院選で当選してはいるが、選挙区では民主党の新人に敗れている。比例で復活してやっと当選したわけである。彼は、あの顔であるからして、選挙に強いわけがない。あれだけテレビに出演していても過去5回の選挙のうち圧勝(敵対候補が比例でも当選できない勝ち方)したのは1回のみ。そんな事情もあり、不安定な状況から抜け出したい一心で河村の誘いに食らいついたのだろう。

河村たかしは、人気が欲しいだけの男である。市長の報酬を800万円に減らしたみたいだが、河村がやめた後に市長選に立候補する者はどうなるのか考えているのだろうか? 河村のような有名人はカネがなくても選挙を戦えるが、無名の人間はそうはいかない。そして、イイ人材を呼び込もうと思っても年収が800万円では、ちゃんとした仕事をしている人間は寄りつかない。選挙資金を回収することすらできないからだ。

河村たかしは、やたらめったら騒ぎを起こし、周囲のあまり人気のない人間を敵にまわし、そのぶんだけ自分が人気を獲得するという、奇妙な人気増幅機構をつくりあげ、その機構の上で踊りを踊っているのが楽しくて仕方がない、というだけの男である。

相変わらずテレビは河村の味方のようだ。河村の手法はテレビの手法をマネたものだから、テレビ関係者には共感できるものがあるのだろう。

このまま行けば、名古屋市の火の粉は札幌市にまで飛んでくる。

火の粉の運び屋はいくらでもいる。市民オンブズマンなどを自称している某三流雑誌のレポーターなどである。

まいったね・・。


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