自民党の守旧派について

 6月3日(日)午後1時、自民党札幌支部連合のセミナーが開催されました。
 講師として、古賀誠さん(前自民党幹事長)、野田聖子さん(元郵政大臣)、などが演壇に立たれ、小泉首相を厳しく批判しておられました。
 古賀前幹事長は、
 「小泉さんには愛党精神がない。党のために一生懸命やって来た人が報われずに、党の批判ばかりを言っていた人が人気だけで総裁になっている。支持率が90%を超えるなどという状況は不健康である。戦前の国家総動員法の時代のようなもので、一種のファッショである。非情に危険だ」

 というようなことをしきりに訴えておられました。
 美人政治家の野田元郵政大臣は演壇に立つ前に「何分あるんですか?」と司会者に尋ね、「10分くらいでお願いします」と言われ、「10分ですね」と念を押して壇上に登ったのですが、15分以上も熱弁を振るわれ、

 「小泉さんの悪口を言うとみんなから強烈な批判を受けるので言いたくないが、改革、改革、と言っても、道路特定財源の見直しなど、いざ、具体的な改革案が出されると、全国の県会議員などが一斉に反対している。小泉人気も長くは保たない」

 などと皮肉めいたことを語っておられました。
 その後、来賓として、石崎岳さん(豊平区・白石区の選挙区で昨年落選)が3分間だけ時間をもらって壇上に登りました。石崎さんは、

 「つい1ヶ月前までの自民党がいかに世間の不評を買っていたかを思い出してほしい。そして、今の自民党がどれほど支持率を上げたかを考えて欲しい。 小泉政権が改革に失敗したら、今の人気の裏返しで、国民の落胆は大きな嵐になって吹き荒れる。そのときは、自民党自体が吹き飛んでしまう」

 というような演説を3分間以内できっちりとまとめておられました。

 このセミナーは自民党の札幌支部連合が主催だったので、石崎さんは自民党員としての話をしたのだろうと思いますが、小泉さんの改革が成功するか失敗するかは、自民党だけの問題ではないと思われます。政治というものに希望を失いかけた日本人にとって、小泉政権は最後の望みだと思われます。どういう事情であれ、この政権があっけなく潰れてしまうようなことになれば、日本の政治も、経済も、二度と立ち上がれないほどのダメージを受けるのではないでしょうか?
 ファッショに似た空気が流れていることは事実だと思われますが、これは、国民の危機意識がそういう雰囲気をつくっているのだと思われます。個人的な不平不満ばかりを騒ぎたて、自助努力を忘れて、全てを政治や行政に押しつけてきたこの国の風土は、かなり末期的な症状を呈していると思われます。そして、その末期的な状況を打開するには、国民の一人一人が苦痛を分かち合って堪え忍ばねばならないのだろうと、皆なんとなく気づきはじめていて、そのことが国家総動員的な空気を創り出しているような気がします。
 ただし、皆がそういう空気を拒否しないのは、小泉さんのあの姿、槍一本しか持たずに猛獣に立ち向かうような、戦場の最前線を裸で走り回っているような、あの姿が、みんなの共感を呼んでいるのであると思われます。強力な国家権力を見せびらかし、自らは戦場から遠く離れた安全な場所にいて、現場の声を無視したような命令ばかりを出すような雰囲気の人では、今の日本の救世主にはなり得ないのだと思います。
 小泉人気は、それまでの自民党のイメージの反動なのだということが、守旧派の人たちには理解されていないな、と思わされたセミナーでした。

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