椿山課長の七日間

著者=浅田次郎

出版社=朝日新聞夕刊連載(02・9月に出版予定)

*01年〜02年4月16日まで全233回

 デパートの婦人服売場課長の椿山和昭が、過労のため突然死する。

死後の世界には極楽往生のための講習所があり、各人が現世での罪を

言い渡され、それに対して罪を認めて反省のボタンを押せば極楽へと

進める仕掛け。椿山課長は邪淫の罪を言い渡されたのだが、そんな覚

えはないとボタンを押さなかった。そこで現世に3日間だけ戻る再審

査(逆送)が認められることに。

 彼と同じように逆送されることになったのは、蓮(れん)ちゃんこ

と小学2年生の男の子と、ヤクザの親分・武田勇。生前の姿と似てい

ては困るので、椿山課長と蓮ちゃんは女性に、武田は男だが紳士的な

弁護士に身を変えている。

 現世に戻って、椿山は家族の秘密を図らずも知ることになる。線香

をあげさせてもらうという口実で帰った自宅には、後輩の社員が泊ま

っていたのだから。そして、ボケ老人として施設に入っている父の本

当の姿も知ることに・・。バカは死ななきゃ直らない。さらに、邪淫

の罪の理由も深く思い知らされることに。

 女の子になった蓮ちゃんは、本当の親を探し始める。両親が実は育

ての親で、本当は捨て子で施設に預けられていたことを知っていたの

だ。ヤクザの武田は、人違いで殺されたため、その真相を調べ始める。

そして子分たちの運命がどうなっているかを確かめないと、成仏する

わけにはいかないというわけだ。

 逆送された者たちは、当然ながらあの世のことや自分が誰であるか

を明かしてはいけない。もし掟を破ると「怖いこと」になるからだ。

つまりは地獄に落ちるということ。彼ら3人が現世でも不思議な結び

付きを見せた後で大団円へと進んでいく。

 朝日新聞で浅田次郎は「連載を終えて」の中で、極楽往生の講習所

のモデルにしたのが、府中の運転免許試験場だと語っていた。


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