バチカン・ミステリー
A Thief in The Night /The Death of Pope John PAUL I
著者=ジョン・コーンウェル
訳者=林 陽
出版社=徳間書店
初版=2002年1月31日
価格=1900円+税
1978年9月28日に急死した前のローマ法王、ヨハネ・パウロ1世。キリストの
生涯に合わせるかのように、わずか33日間で亡くなった法王の死には様々な不明な
点があり、そのために暗殺説が各マスコミを賑わせた。 さらにバチカン銀行と関係
の深かったアンブロシアーノ銀行の破綻、それに続く頭取の自殺。フリーメーソン
やマフィアとの関わりまで、カトリックの総本山の権威を失墜させるような噂が絶
えなかった。
著者はローマのイギリス神学校で学んだ後、信仰を離れてジャーナリスト・作家
となったジョン・コーンウェル。彼が世界各地で起こる奇跡の問題についてバチカ
ンに取材した際、教皇庁側からヨハネ・パウロ1世の死に関する本を出さないかと
依頼される。それほど教皇庁は絶えない誹謗に悩み、それに決着を付けたがってい
たということだろう。
関係者に次々と取材を開始し、途中からは現法王からもお墨付きをもらう。これ
までに出版された法王の死に関する本や新聞記事を調べ直し、ニュースソースを明
らかにして真相に近づいていこうとする。普通は入り得ない法王の居館などの描写
などは特に興味深い。
1年間に及ぶ調査を行うが、既に死んだ人はともかく、医師たちから最後まで証
言を得られないなど完全なものとはなっていない。それでも、これが真相であろう
という結論めいたものには到達している。インタビューをそのまま掲載して構成さ
れたドキュメンタリー形式だが、いったい誰が嘘を付いているのだろうか、と迷宮
に入り込んでいくような推理小説的面白さもある。
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