カリフォルニア州の日系米国人社会の有力指導者ジョージ・ナカノ前同州議会議員はこのほど産経新聞のインタビューに応じて米国下院に同州選出のマイク・ホンダ議員が提出した慰安婦問題での日本糾弾決議案への反対を表明した。


 1999年から2005年までカリフォルニア州議会議員を務めたナカノ氏は99年に同じ州議員だったマイク・ホンダ氏が同州議会に提出した日本糾弾決議案にも反対した経緯がある。同決議案は日本による米兵捕虜の虐待、南京での虐殺、

慰安婦問題などをあげ、日本政府に謝罪と賠償を求めるという内容だった。当時、中国系反日団体の「世界抗日戦争史実維護連合会」と緊密に協力しあったホンダ氏に対し、ナカノ氏は公開の場で何度も反対論を述べ、日系社会の内紛ともなり、長老格のダニエル・イノウエ上院議員がナカノ氏の立場を支持する形で介入を図ったこともある。


 ナカノ氏は今回の連邦議会に出た慰安婦決議案について産経新聞との電話インタビューで

「この種の問題で日本側は十分な謝罪を述べていないのかもしれないが、日系米国人が日本政府についてあれこれ抗議する、あるいは中国系米国人が中国政府に対してなにか述べる、という言動は予期せぬ負の結果を招きかねないので、反対だ」と述べた。


 ナカノ氏はその「予期せぬ負の結果」について「アジア系

米国人がアジアの問題にばかりかかわっていると、一般から私たちアジア系は真の米国人ではなくアジア系の外国人と誤認されてしまう恐れがあることだ。ドイツ系米国人がドイツの問題を論じても、そうした誤認は起きない」と語り、米国社会でのアジア系米国人への微妙な認識を強調した。ナカノ氏はその種の誤認の実例として1999年に表面化した中国系米国人学者のロスアラモス研究所での核兵器機密スパイ疑惑をあげ、この学者が米国人なのにアジア系という理由で外国人のように扱われたことを指摘した。


 ナカノ氏はさらにホンダ慰安婦決議案への反対の理由として「日本の慰安婦は確かに非だろうが、いまの世界には他にも無数の非がある。たとえば

チベットでの人権抑圧はどうなのか。そうした現状で過去の一事例だけを拡大して追及することは均衡を欠く」と述べた。


 ナカノ氏はまたホンダ氏が州議会議員当時から現在にいたるまで一貫して、

慰安婦問題や南京事件など歴史上の案件で日本を糾弾している理由について「それはホンダ氏の選挙キャンペーンでの政治献金の問題だ」と述べ、中国系団体から集中的な政治献金を受けてきたことがホンダ氏の日本糾弾決議案提出の動因であることを示唆した。


 ナカノ氏はホンダ議員が世界抗日戦争史実維護連合会など中国系団体幹部から多額の政治献金を受けていることを知っていることを認め、「しかしこの日本非難決議案との関連ではこの献金の実態は米国内では一般にはまったく知らされていない」と語った。
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