宝塚・アフガニスタン友好協会
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イスラムの小咄

イスラムの小咄


 ナスルッディンの話



86話

 ある時、三人の男がやって来てナスルッディンに言った。

「質問があるのですが。」

ナスルッディンは受け入れた。

一人目が言った。「地球の中心はどこなのでしょう。」

ナスルッディンは言った。「わたしのロバが右足を置いた所だ。」

男は聞いた。「その理由を言って下さい。」

ナスルッディンは言った。「信じないのなら自分で測ってみるがいい。」

男はずっと測り続けていつ終えることもなかった。

二人目の男が聞いた。「空には星はいくつあるのでしょう。」

ナスルッディンは言った。「星の数はわたしのロバの毛の数と同じだ。」

男は言った。「どうやったらそれが分かるのですか。」

ナスルッディンは言った。「わたしのろばの毛の数を数えるがいい。」

男はろばの毛を数えることが出来ず、黙ってしまった。

三人目の男が聞いた。「わたしの馬の毛は何本あるのでしょう。」

ナスルッディンは言った。「あんたの馬の毛はわたしのロバの毛の数と同じだけある。」

男は言った。「わたしの馬とあなたのろばとは何の関係がある?不可能だ。」

ナスルッディンは言った。「心配しなさんな。あんたの馬から1本毛を抜き取って、次に

わたしのろばから1本抜いていけばいいのだ。最後に毛の数が同じじゃなかったら私が責任を取ろう。どんなことになろうとわたしはあなたの言うとおりにするよ。」

 三人ともナスルッディンの当意即妙の受け答えに打ち負かされてしまった。


69話

ナスルッディンがよその町に行ったとき、通りを歩いているとある人が彼に尋ねた。

「今日は何日でしたっけ?」

ナスルッディンは言った。「私は最近この町に来たばかりでこの町のことはよく分らないのですよ。だれかこの町の人に聞いてみて下さいな。」




●各地の習慣


ひとりの客がナスルッディンの家にやって来た。
夕食のあと、客が 言った。
「私の住む地方では食後に、ぶどうを食べるのが習慣なのですよ。」
ナスルッディンは言った。
「おやまあ、この地方では、食後 のぶどうは最も悪い習慣だと思われているのですよ。」


●ねずみ

ひとりの男がナスルッディンに言った。
「350kgの小麦があったのに 気がついたらねずみのやつらにみんな食われてしまいました。
今後 どうすればよいのやら。」
ナスルッディンは言った。
「心配しなさんな。私も350kgの小麦を 持っていたが、ねずみに気付かれる前に私が食ってしまいましたよ。」


●ナスルッディンの義母

ある時、人が駆け込んで来てナスルッディンの妻の母が川岸で洗濯 していて足をすべらし、流された、と言った。
「みんな探しているが まだ見つからない。」
ナスルッディンは大急ぎで川へやって来て、上流へ向かって探し始めた。
人々は驚いて言った。「水の中では、物は川下に流れるものですが?」
ナスルッディンは言った。「義母のことを知らないからそう言うのだ。私は何年も彼女を見て来た。
する事も言う事もすべて人と逆だ。だから川の中でも絶対に上流に流れて行ったに違いない。」と。


●あんたには関係ないこと

ある男がナスルッディンのところへやって来て、良いニュースが あると言った。
『全能の神アッラーが貴方に息子をお授けになった。』と。
ナスルッディンは言った。
『全能の神が私に息子をお授けになったとして、一体お前さんとどんな関係がある?』


●判決

ナスルッディンが彼の村の裁判所で判事をしていると、髪を振り乱した一人の男が
裁判所に飛び込んで来た。
「わたしは待ち伏せされてすべて盗まれてしまった。この村の男がやったに ちがいない。
この男を逮捕してほしい。彼はわたしの着ている衣服も剣もそれにブーツまで盗んだ。」
「ちょっと待って下さいよ」とナスルッデインは言った。
「その男はあなたの下着は取らなかったようですな。見たところあなたはまだ
下着を着ておるようじゃが。」
男は答えた。「 いいえ、下着は取られなかった。」
ナスルッデインは言った。
「この犯行はこの村の者の仕業ではありませんな。この村ではものごとは何ごとも
徹底的にやりますのじゃ。よってこの場合は調査は出来ませんな。」



●甘い菓子

ある会合で話題が甘いものの話になった。ナスルッディンが云った。
「このところずっと甘いものを食べたい、食べたいと思っているのですが...」
居合わせた人々は聞いた。「お宅で菓子を作ったりはなさらないのですか?」
ナスルッディンは云った。「小麦粉がある時には油がないし、油がある時には 砂糖がないし...」
みんなが云った。「お宅には小麦粉、砂糖、油が揃うこと はないのですか?」
彼は答えた。「何のなんの、ありますよ。でもそう言う時に私は家にいないのです。」


●どうやってらくだがあんな高い所に?

ある時、ナスルッデインはお金を少し多く持っていたので何処かに隠そうと思い、
まず穴を掘ってそこへ埋めて土を被せました。しばらくして 彼はお金は安全ではない、
と考えました。「すぐに見つかってしまうにちがいない。」
そこで彼はまた別の場所に穴を掘って埋め変えました。
そしてまた、不安になってまた別の穴を掘って埋め変え、幾度もこれをくり返しましたが、
やっぱり不安でした。最後に掘った穴からナスルッデインはお金を取り出して袋に入れ、
ろばにまたがって彼の家の近くの丘の頂上にのぼりました。
彼はそこに長い棒を地面に突き刺しその高いところにお金の入った袋をぶら下げました。
少し離れてこれを眺め「よしよし、人間は鳥ではないのだからあんな高い所の袋を取ることは
出来まい」とひとりごち、家に帰りました。
ところが、一人の男がこれを離れた所から見ていました。
彼は袋の中から金を盗みその中にらくだの糞を入れました。
数日後、ナスルッデインはお金の入り用があって棒のてっぺんから袋を下ろして中を見ると
そこにはらくだの糞があるではありませんか。彼は驚き、云いました。
「はて、人の手も届かない所にどうやってらくだがたどり着いたんだろう。」


●神に感謝を

ある時、ナスルッディンは云った。全能の神アッラーが「らくだ」を創り給うた時、
その背中に羽をおつけにならなかったことに深く感謝する、と。
なぜなら、とナスルッディンは云った。
「もしも羽のあるらくだが飛んできて屋根の上に止まったりしたらどうなる?
家が潰れてしまうではないか。やはりアッラーは全能であらせられる。」


●ろばの死

ナスルッディンの妻が亡くなった。
彼は何も感じていないようで、悲しんでいる様子さえ見られなかった。
しかし、彼のろばが死んだ時は何日も悲しんだ。
ナスルッディンの幸せをいつも望んでいる友人たちが集まって来て彼を慰めた。
彼らは云った。「お変わりありませんか。何か不自由はありませんか?」
一人が云った。「奥様が亡くなられた時、あなたはそれほど悲しまなかったのに、
この度、ろばが死んで、あなたはとても悲しみに暮れていらっしゃるようですが・・?」
ナスルッディンは答えた。
「わたしの妻が死んだ時、近所の人たちが私を慰めにやって来て、
死んだ妻よりもっといい妻を見つけてくれると約束してくれた。
でも、私のろばが死んでも誰も同じ約束をしてくれないから悲しいのだ」と。

 


 
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