養小録
巻之上
雪(雪の塩漬け)
読解第3回目は、2回目に引き続き、『養小録』から
雪(イエンシュエ、雪の塩漬け)を取り上げて見た。『養小録』は、清の顧仲の著作で、清代の食経としては『随園食単』に匹敵する代表的なもので、後者に比べ、気取ったところがなく、趣味の広い作品であると評される。テキストは上海商務印所館発行の叢書集成初編の学海類編本の排印本である。なお、柴田書店発行 中山時子監訳の『養小録』等も参考にし、管理人が辞書を引きながら自ら訳出に挑戦した。
テキスト引用部分は、雪と塩を重ねて塩漬けにした液を使うと、肉などを漬けたとき色がきれいに仕上がるという話だが、はたして本当だろうか…?
◎語句◎
・
yan1 「塩漬け」 林
・臘la4 「「臘月ロウゲツ」とは、臘祭ロウサイのある月ということから、陰暦十二月のこと。」 源
・缸gang1 「つつ型のかめ。十升(周代では約一・九四リットル)を入れることのできる大形のかめ。
」 源
・暴bao4 「にわか(にはかなり)。にわかに(にはかに)。だしぬけに。急に手あらく。」源
・饌zhuan4 「そなえる(そなふ)。酒食をそろえてすすめてごちそうする。ごちそうを並べて食べる。」源
・製zhi4 「つくる。材料をととのえて物をつくる。
」源
◎辞書略号◎
源 学習研究社 漢字源(WEB版)
中 大修館書店 中日大辞典
林 大修館書店 漢語林
チ Chinese Writer の中日辞書
海 辞海
◎管理人訳◎
12月に降った雪をカメにためておき、一層を雪、一層を塩、というぐあいに入れてきちんとふたをする。夏に入り、この水をひしゃく一杯すくいとって生肉を煮るのに使う。生水や塩や味噌を使っていないのに、肉の味は即席の肉の塩漬けのようであり、肉の色は赤く美しく、数日間は腐らない。この水を用いて料理に使い、これを供するもよし、味噌を合わせるのにつかうのもまた大変良いものだ。
◎訳出後記◎
雪を塩に漬けるなんて、なんとも風流な話ではないか?この雪を塩漬けした水を使って肉の塩漬けを作ると肉の色がきれいに出る、と書かれているが、現代人の感覚だと雪はただの水なので、ちょっとあやしい話ではある。ただ、客に供した時、「これはただの塩水じゃなくて雪の塩漬けを使ったんだよ」なんて話せばもりあがるだろうし、話のタネとしてはよさそうである。とくに、雪のめったに降らない地方の貴重な初雪などで作った
雪を料理に使い、夏の暑い時分にそんな話をすれば、気分だけでもすずしくなりそうだ。
2003.6.29更新
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