古代すぶた  

斉民要術 第8巻 第79章 


古代レシピ再現コーナー第一回に選んだのは「古代すぶた」である。このレシピは現存する中国最古の農業書と言われる『斉民要術』から取り上げた。この『斉民要術』はいまでいう中国山東省の人、賈思[思]が中国の南北朝時代(AD6世紀頃)に書いたといわれる農業書で、日本で言うと聖徳太子が現れるより少し前ぐらいに書かれた書物である。そんな昔の書物とはいえ、原始的な料理だけでなく、酒、酢、乳製品等の発酵食品の作り方といったような高度な技術までもが詳細に描かれており、読んでいて楽しい書物である。しかし、レシピ再現初心者の私としてはいきなり原文から再現するのは厳しいと思い、雄山閣発行の『斉民要術 現存する最古の料理書』(田中静一 他著)を参考にさせていただいた。今後慣れてきたら和訳のない漢籍にも挑戦して行きたいと考えている。



@授乳期のコブタを使用する。湯通ししたあと、骨ごと切って皮付きの切り身にする。

皮付きの豚肉を入手するのが結構大変でした。お店の方、ご協力ありがとうございました。(管理人つれづれ草参照)




A汁を作成しておく
汁は、訳注によると、豆の煮汁のことを指すようなので、豆を水でぐつぐつ煮て見た。煮ていくと醤油のような濃い色が染み出して来て、味は、香りがなくパンチの弱い醤油、といった感じで、塩からい。




B細切りのシロネギと汁とで炒める。芳香がわずかにたったところで水を加え、煮詰めるのがよいとされる。


Cこれにウルチゴメを加えて「まぜめし」とし、細切りのシロネギと豆汁とを加える。

←「まぜめし」とは飯に野菜、香辛料などを混ぜ、味付けをした「めし」をいう、と訳注にあったので、肉を米と混ぜて炊いてみた。



Dできあがったものに山椒や食酢を加えて完成。




再現後記◎

どんな珍妙なものが出来上がるかと思いきや、結構普通に食べられるものができました。原文では「大美」(きわめて美味しい)としめくくられているんですが、私には「きわめて美味しい」とまではとても思えませんでした。昔の人の味覚だと、贅沢な豚肉をたくさん使っているので、とても美味しく感じたのかもしれません。米はどんな状態のものを使うのかよくわからなかったため、家で普通に使っている米を使いましたが、豆汁で炊いたご飯は微妙に赤紫がかった照りが入っていて、ちょっと古代米っぽい風情をかもし出していました。訳注によると、この時代の「飯」というのは脱穀した穀類を蒸し炊きにしたものを指したようで、しかも今ほど精米技術が発達していなかっただろうと思われるので、実際はこれよりもっと堅くて芯のあるものだったのかもしれません。


古代すぶた試食中…。マズイ?

2003.6.3更新

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