トルコ風揚げ茄子の肉詰め

居家必要事類全集 飲食類 125 油肉醸茄

今回はふたたび『居家必要事類全集』から油肉醸茄(揚げ茄子の肉詰め)を再現した。この『居家必要事類全集』は選者も明らかでなく、成立年数もはっきりとは伝わらないが、おおよそ元の時代の書物であろうと言われている。この書物はその載せるところの品目もはなはだ多く、今日我々が目にすることのできる『斉民要術』以来のもっともまとまった料理書である。今回は平凡社の東洋文庫594 中村 喬編訳 『中国の食譜』に掲載されているレシピを元に再現した。 


@白茄子10個のへたをとり、頂を切って穣(なかご)をくりぬく。さらに3個の茄子を刻み、くりぬいた茄子といっしょに蒸篭で蒸す。

材料を用意。左上より長ネギ、にんにく、松の実、塩、羊肉、真ん中列左から、油、味噌、しょうが、下の列左より、柚子皮、ヨーグルト、酢






←くりぬいて蒸篭で蒸す






A取り出したら、くりぬいたほうの茄子は油で揚げ、きれいなきつね色になったらさらいだす。きざんだ方の茄子は研って泥状にする。

←茄子の外側は油で揚げる









←蒸した茄子の中身は泥状に






Bそれから精(赤身)の羊肉5両を小さな角に切り、松仁(松の実)50粒を刻み、塩、醤(みそ)、生姜、それぞれ一両、葱と橘皮の糸切りと混ぜる。葱はさきに酢に浸しておくこと。
この料物を混ぜた肉を二両の油で炒め、先ほどの研った茄子と一緒にして混ぜ合わせる。


調味料と混ぜた肉を炒める








←Aの茄子の中身と、炒めた肉を混ぜ合わせる






C良い味に調えたら、くりぬいた茄子のなかにつめて供し、蒜酪(酪に泥状のニンニクをを加えたもの)で食べる。



再現後記◎

炒める、揚げる、蒸す、つめる、すりおろす、など、調理方法のオンパレード、しかも葱、生姜、ニンニクの三大薬味や、調味料をフル稼働した、見た目は地味ながら実は凝りに凝った一品なのです。

お味はというと・・・この「蒜酪」(完成写真左)という調味料がおおきなポイントでした。これははっきりいってトルコ料理??と思いましたよ。酪(*参考@)というのを厳密に再現できなかったんでヨーグルトで代用しましたが、ヨーグルトにニンニクの摩り下ろしを入れたソースは、トルコ料理に多用されるといいます(*参考A)。居家必要のレシピは宋代に固まったものが多いらしく、宋といえば国際色豊かで有名な唐の次の時代・・・これはもしかすると、遠い異国からシルクロードを通ってはるばるやってきた食べ物???はたまた北方遊牧民族の突厥がもたらしたものか?残念ながらはっきりしたことは言えませんが、研究してみる価値がありそうです。とにかく、あぶらっこい茄子の肉詰めの味を、さっぱりと辛い蒜酪が引き締めていて、異国ろまんあふれる味でした。

*参考@
昔の酪を再現した商品があるようですよ!面白いですね。
飛鳥の酪

*参考A
トルコ料理 揚げ茄子のヨーグルトソース 
パトゥルジャン・タヴァ



←試食モデル初登場の次女(7ヶ月)。離乳食にもいい感じ??













2004.8.17更新