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  1960年京都生まれ。京大卒。同大学院終了。『十角館の殺人』でデビュー。

著作リスト

十角館の殺人
水車館の殺人
迷路館の殺人
人形館の殺人
時計館の殺人
黒猫館の殺人
霧越邸殺人事件
暗黒館の殺人
緋色の囁き
眼球綺譚

十角館の殺人          講談社  1987年

  半年前に凄惨な事件が起きた小さな島。そこに集まった推理小説研究会の面々。その島にある十角形の建物の中で、やがて復讐劇が始まる・・・・

衝撃のデビュー作。これを読んで『館』の虜になってしまいました。

水車館の殺人          講談社  1988年

  舞台は山深くに建つ古城風の、3連水車を備えた異形の建物、『水車館』。この館では、1年前殺人事件があり、容疑者は未だ行方知れずのままだという。この建物が建築家 中村青司の設計によるものだと知った島田は、呼ばれもしないのに事件に首をつっこむことに・・・・

推理しながら島田が折る複雑な折り紙。とても気になります。巻末に展開図?みたいなものを付録としてつけてくれたら面白いのに。

迷路館の殺人          講談社  1988年

  館そのものが迷路で出来ている奇妙な家に呼び寄せられた4人の推理作家。彼らがこの館を舞台にした推理小説を執筆し始めた途端に、それぞれの作品をなぞった事件が発生する。地下の迷路に閉じ込められた彼らは、事件の真相を暴き、無事脱出することができるのか??

これ、とても好きな作品です。今までの3つの館の中で一番住んでみたいかも。でも・・・命の保障無しですか???

人形館の殺人          講談社  1989年

  これはなんというか・・・いつもの『館』シリーズとはちと違うような。島田潔も殆ど出番がないし。
  幼少期にうけた度重なるショックのために、一時期の記憶がロックされている飛龍想一は、父親が亡くなった為京都に移り住むこととなった。その家には、芸術家だった父の遺産である、不完全な顔の無いマネキンがいたる所に置いてある不気味な家だった。
  程なく近所で幼い子供を狙った殺人事件が起こり、想一の元にも脅迫状めいた物が送りつけられてきた。想一は忘れていた記憶を少しずつ思い出そうとするのだが、そのことが事件を一層不可思議なものにしていき・・・・

怪しい人物の一人として、作者の名前をもじったような登場人物がいます。

時計館の殺人          講談社  1991年

  鎌倉の山手にひっそりと佇む、周りから幽霊屋敷と噂されている、気まぐれな時計塔のある館が舞台です。ひょんなことから、十角館の事件にも巻き込まれた江南孝明が、またもや凄惨な事件に巻き込まれる。
  今回は島田潔が推理作家としてデビューしているという設定で、ペンネームである鹿谷門実で登場します。ので、こんがらがります。

今回の館はまたまた素晴らしいものです。仕掛けというかカラクリが見事です。人形館がちょっと意外な方向へ進んだ作品だっただけに、今回のは純粋な館シリーズに戻ったみたいな安堵感が、読んでいて広がりますね。密室に隠し廊下に・・・とね。ところで、シリーズものの名探偵と呼ばれる男たち、いい年こいて独身者が多いですよね?

黒猫館の殺人          講談社  1992年

  今回の舞台は阿寒湖にある『黒猫館』と呼ばれている館です。中村青司のカラクリは、今回はとてもスケールび大きいものになっています。途中の伏線には何度か気づきましたが、そうゆう事だとは最後までわからなかった〜。事件を目撃した老人の手記という形で物語が進行してゆきます。そしてその老人が手記のみを手にしたまま記憶喪失に陥ってしまい、鹿谷こと島田が依頼されて事件解明に乗り出す・・・。
今回、殺人事件は中盤くらいまで起きません。館関連で何度か一緒に行動しているコナン(江南)が、今回も一緒です。

霧越邸殺人事件          新潮文庫  1992年

  密室物の王道をいくというべき設定。山中の洋館・雪により閉ざされた道・そして得体の知れない主人。すごい。
  猛吹雪の中たどり着いた湖畔に聳え立つ洋館、霧越邸。以前はとある華族の持ち物だったらしいその建物に、8人の男女が避難してきた。麓の町で医者をしている男も避難してきた。一度降り出したらいつ止むかもわからぬ雪に退路を奪われ、その奇妙なお膳立てのもと、事件が起きます。

暗黒館の殺人          講談社  2004年

  

もう何がなんだか・・・わからぬ状態ですね。変なあだ名のせいで登場人物は瞬時に特定不可だし、似てる名前が多くて。ほんと理解するのに時間がかかりました。最後の最後まで、江南さんはいつもの江南さんかもしくは彼のお父さんくらいにしか考えてなかったので、真相が暴かれてもしばらくの間わけがわからなかった。島田さんも登場遅かった。というか、ほとんど登場してないじゃん!!喫茶店の名前も『しまだ』で、なんか含む感じだし。
時代設定は現代、と思いきや実は違うんですね。巧く描写しているので、最初は戸惑っちゃいますが、実は33年も前のお話なのです。ここから『館』の全てが始まったといっても過言ではない、そのような重要なお話です。この暗黒館の浦登玄児とのつながりから、藤沼一成(水車館):古峨倫典(時計館):宮垣葉太郎(迷路館)らへと続いてゆくのです。
双子の美鳥と美魚が、心を病んでいる自分たちの母を『お母様は私たちを産んだときとてもびっくりしてしまって、今もびっくりしたままなのよ・・・』という表現するのが、とてもかわいらしくて好きです。うん、なるほど。私もびっくりしたまんまになっちゃうだろうな〜って。

緋色の囁き          講談社文庫  1997年

  全寮制の名門女子学園。そこの創立者の血を引く転校生、冴子。転校早々彼女の周りで連続して級友の惨殺事件が発生する。自身は忘れていた幼いころの記憶が、冴子を恐怖に導いてゆく。犯人は自分なのか?自分は魔女なのか?失われた記憶の奥には、どのような真実が隠されているのか・・・・・

眼球綺譚          集英社文庫  1999年

  表題作と他6篇による短篇集。『ゆい』さんが多数登場します。決して同一人物ではない、と書かれてますが・・・・。
  『再生』は、なんか映画の『富江』を思い出してしまいました。ホラーです。ホラー。切っても切っても再生される・・・というお話です。
  『特別料理』は、ゲテモノ喰いの世界です。かまきりのお腹に寄生するハリガネムシです。
  『眼球綺譚』は、付き合いの浅かった知人から送られてきた、小説ともなんともいえない文章を通じて、自分の知らない過去を覗き見る・・・ていうようなお話です。

綾辻さん、結構ホラーがお好きなようで。これの関連本で『YUI』って漫画が出てるみたいですね。