TOP本棚Index日本作家Index>か>加門 七海


  東京生まれ。伝奇小説、フィールドワーク作品を中心に活躍。

著作リスト

203号室 2004年
1999年
大江山幻鬼行 2000年

203号室          光文社文庫  2004年

  ジャンルとしてはホラーです。大学進学を期に都会へ出て一人暮らしを始めた女の子にふりかかる恐怖。
  誰も自分を見ない、他人は気にしないという都会のかっこよさ?に憧れを抱き、母親の反対を押し切る形で一人暮らしを始めた清美。でも実際の生活は、自分が憧れ・想像していたものとは似ても似つかないものだった。現実に打ちのめされてる清美に、更なる仕打ちが待ち受けていた。一人暮らしの部屋に、何者かの気配を感じ取ったのだ。そこかしこに残る温もり、そして誰かが踏み鳴らす足音。鳴り止まない怒声。そして理由のわからない異臭。それらは全て清美の気のせいなのか?
  住み慣れた土地を離れた孤独と、慣れない一人暮らしの孤独。清美は孤独に包まれている。想いを寄せる男性も、打ち解け始めたバイトの先輩も、清美の孤独を理解してはくれない。周りとの溝が深まる一方で、部屋に居る何者かの気配は強まるばかりだった。誰にも相談できずに清美は・・・・

語り口が妙にリアルで、なんか悪い夢を見そうです。結局この203号室に何が居たのか、そしてそれは何故その部屋に入る人を苦しめるのか、がわからない。裏表紙に著者自身の経験も盛り込まれた・・とあるので、リアルさには納得。実経験に基づいてるのね。でも・・・ほんとうに、何が居たの???

          集英社文庫  1999年

  短篇集です。5作品収録です。
  『蠱』は、恋敵への怨念で、虫を使った呪術、蠱毒を現代の世に甦らせ、自分の身体を用いてその術を完成させる女子大生の執念のお話。
  『浄眼』は、才能が開花していないカメラマン志望の学生が、成功している友人を妬み、全ては自分の眼が悪いせいだと、彼の目玉をくり貫いてしまうお話。
  『桃源郷』は、ミイラ信仰を行う村のお話。
  『実話』は、都市伝説のような、薄ら寒い感覚を覚える作品です。
  
全部に顔を出している御前教授。民俗学を教えているが、彼の講義はいつもお化けや呪いやそんな怖い話ばかり。その教授が、大学の学生やらその弟妹やら色々な形で不思議な事件にかかわってくる。とてもマニアックで怖い感じです。二枚目でもなさそうですが、何故か惹かれます。

大江山幻鬼行          祥伝社文庫  2000年

  鬼についての原稿を依頼された筆者が、創作に行き詰まりネタを求めて鬼の伝説が残る京都の大江山へと導かれる様子と、実際に行った顛末が書かれているエッセイ?紀行本?

筆者の鬼に対する熱い思い入れが語られてて面白い。伝説に残る鬼退治のヒーロー達を真っ向から批判して、鬼を擁護する。うん、それも納得できますねーってな感じで、ついつい私も鬼贔屓になびいてしまう・・・