先日届いたメールの中で、福田幾夫弘前大学教授は「私の氏名・所属を公表していただいても構いません」とおっしゃられていた。
私としては、福田先生に対して誤解をしていた遠慮ではなく、福田先生の誠実なお人柄と、事故に真正面から向き合う真摯な姿勢を考慮して、あえて公表を伏せた。
3月3日の朝日新聞朝刊で、記者の取材を受けた福田先生は、ご自身の氏名と所属を明かし、事故発覚当時の真相に光を当ててくださった。
事故が起きてしまった事について、批判をする気持ちはまったくない。エキスパートが最善を尽くしたとしても、人間は失敗をしてしまうことがあるから。
人として大切なのは、起きてしまった失敗から目を背けず、反省のもとに同じ失敗をくり返さないように努めること。
事故の教訓を生かすことこそ、不幸にして亡くなられた患者を「無駄死に」にさせない最善の供養となることだろう。
福田先生は現在、弘前大学において医療の安全を目指すチームのリーダーをされている。
都立広尾病院で99年に発生した消毒液誤注事故では、医療機具メーカーが点滴の誤注を防止する新製品を開発し、事故再発を防ぐ努力が実った。
福田先生を始め、こうした気骨ある者たちがいてくださる限り、日本の医療は必ず再生すると信じている。
今年の私は、3月と6月の東京、10月の名古屋での活動が予定されている。
弘前大学では、今年の9月に都立広尾病院事故被害者家族の永井氏を招き、大学全体で医療安全に取り組むことになった。
その永井氏を招いた立て役者こそ、医療安全のチームリーダーである福田幾夫弘前大学教授だった。
私も永井氏と共に弘前に伺い、福田先生に対して誤解していたことを直接謝罪した上で、福田先生から「より良い医療」を学ばせていただきたいと思う。