協議離婚 |
[離婚前に決めるべきこと]
離婚に合意する前に次のことは夫妻で十分に話し合って決めておかなければなりません。
この内容を離婚協議書に記載し作成します。離婚協議書は後日の紛争による裁判の手間を省くためを避けるた
め、強制執行認諾文書付の公正証書にしておくことを勧めします。
- 親権
- 監護権
- 養育費(法改正により離婚届の記載事項)
- 面会交流(法改正により離婚届の記載事項)
- 財産分与
- 慰謝料
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[親権]
親として,子の監護及び教育をする権利義務のことを「親権《といい,親権を行使する者を「親権者《といいます 。
子の親権は,父母の婚姻中は父母が共同してこれを行使するものとされていますが,父母が離婚する場合には,協議によりどちらかを親権者として定めなければなりません。 調整がつかなかった場合は家庭裁判所に調停を申し立てることになります。
- 親権者の役割
①未成年者の子の身の回りの世話、しつけ、教育をすること(身上監護権)
②未成年の子が財産を持っているとき、または法律行為をする必要があるときなど未成年の子に代わって契約、財産管理をすること(財産管理権)
- 子供の出生前の離婚
母親が親権者になります。ただし、子供の出生後に父母の話し合いで、親権者を父にすることもできます。
- 協議離婚の場合離婚届に必ず記載します。
離婚成立後に親権者を変更する場合は子の利益のために必要がある場合は家庭裁判所に申し立てます。
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[監護権]
通常は親権者が同時に監護権を有し、子どもを引き取って養育・監護するが、子どもの福祉のために監護権者と親権者を分離することが必要な場合は、親権者でない父母の一方または第三者を監護権者に定めることができます。なお、親権者は離婚前に決めなければならないが監護権者は離婚後でもできます。
- 監護権者も親権者同様まず父母による協議により決めます。纏まらない場合には、家庭裁判所に監護権者指定の調停を申し立てることになります。
- 監護権者を定めた場合は、身上に関する監護は監護権者が行い、子どもの財産に関する法律行為の代理は親権者が行うことになります。
- 協議離婚の場合は離婚協議書に記載します。離婚届に記載する必要はありません。
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[養育費]
養育費とは 親権者または監護者でない親も,子の扶養義務はありますので,子の養育に必要な費用を負担しなければなりません。この場合に,子を監護しない親が子または子を監護する親に対して行う,子の養育するための経済的給付を一般的に「養育費《といいます。
- 養育費の対象
「未成熟のこども《(未成年者と同義ではありません)
- 支払い期間
未成熟の子が社会人として自立するまで ,一般的には高校卒業まで,または成年に達するまでと決められる場合が多いです。 なお、両親の学歴,資力や 社会的地位によっては,大学卒業時までの養育費支払義務が認められることもあります。
- 親の義務
親は未成熟の子に対し「扶養義務者が自己の最低生活を割っても自分と同程度の生活を保障しなければならない《とされる生活保持義務の一環であり,他の何にも優先して支払わなければならないものと考えられています。
そのため,養育費支払い義務はたとえ自己破産しても免責の対象にはならず,個人再生をしても減免の対象にはならず ,また支払義務者に対する給料の差し押さえはその2分の1の金額まで認められています(通常は4分の1)
- 養育費の金額
養育費の金額、支払方法は父母の話し合いで決めます。話し合いがつかない場合は裁判所に調停を申し立てます。一般的には子ども一人当たり月3~5万円とされています。
なお、養育費の大まかな目安は東京家庭裁判所手続き案内に記載の「養育費算定表の使い方《を参考にしてください 。
- 養育費の増減請求
養育費の金額や支払方法は,父母の協議により変更を行うことはできます。協議が調わない場合には,家庭裁判所の調停または審判手続きで金額を決定することになります。
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[面会交流]
面会交流とは,親権または監護権を有しない親が,未成熟の子と面会及び交流をすることです。
面会及びその他の交流については従来は法律の規定がありませんでしたが,平成24年4月の改正で明文化されました。面会交流の取り決めをする場合は子の利益を最も優先して考慮しなければならないとされております。
従来も面会交流を認めるかどうかはあくまでも子の利益および福祉の観点から判断されており,面会を認めない方が子の福祉に適うと判断した判例もあります。
- 特段の理由もないのに面会交流を拒否した場合、慰謝料を命じた判例があります。
離婚した父親が、親権者になった母親に対して、子どもの面会を求めた場合に、母親が面会を拒絶した場合です。
*母親が父親に対して子どもとの面会交流を拒否したことは、父親の親としての愛情に基づく自然の権利を、子どもの福祉に反すると特段の事情もないのに、ことさらに妨害したということができ、その妨害に至る経緯、期間、母親の態度などから、父親に対して、慰謝料500万円の支払いを認めました。
(静岡地裁浜松支部平成11年12月21日判時1713号)
- 面会交流が制限される(認められない)場合
面会交流は子の福祉の観点からその是非が判断されますので,事案によっては家庭裁判所に申立てをしても面会交流が認められないこともあります。
<面会交流が認められないことが多いケース例>
- 子と同居している親が再婚し,子が再婚相手の養子となっている場合
- 面会交流を請求する親に問題がある場合
- 父母の争いが激しい場合
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[財産分与]
財産分与とは婚姻生活により夫婦で築きあげた財産の清算を主とし有責性(離婚原因ついての責任の有無、程度)は、直接的には問題としません。その内容は財産の清算に加え離婚後の生活の扶養、慰謝料(精神的苦痛に対する搊害賠償)の要素も含むとされています。
- 財産分与請求権
離婚した者の一方が他方に対して財産の分与を求める権利です。慰謝料とは異なり離婚の原因を作った側からも請求できます。
- 財産分与の対象財産
- 婚姻中の夫婦で築いた共有財産および吊義が一方に属するが夫婦が協力して得られた実質的共有財産。
住宅ローンなどのマイナス財産も分与の対象になります。
- 受取り済みの退職金。
また将来受取ることができる退職金についても財産分与の対象とする裁判例が出始め、定着しつつあります。
- 厚生(共済)年金
(合意分割) 当事者間の合意や裁判手続により分割割合を定めたときに、当事者の一方からの年金分割の請求によって婚姻期間中に紊めた掛金の額に対応する年金を当事者間で分割することができます。 (3号分割) 平成20年4月1日以降第3号被保険者期間について第3号被保険者であった者からの請求によって、第2号被保険者の年金を2分の1に分割する制度です。 ⇒日本年金機構Q&A
年金について分割の合意をしたり、審判などを申立てする場合は日本年金機構より入手した「情報提供通知書《を添付する必要があります。また日本年金機構に離婚分割の請求を行う際には離婚協議書を公正証書にするか、または離婚協議書に公証人の認証を受けておくことが必要です。 - その他
夫婦はお互いに助け合う義務があり、結婚生活における生活費(子どもの養育費を含む)を分担する義務があります。別居中に送金して貰えず、立て替えた婚姻費用(生活費)も財産分与の対象とすることもできます。
- 財産分与の対象とならない財産
特有財産(一方が婚姻前から有した財産、自身の親から相続した財産など) ただし、相続財産の維持などに貢献があった場合は含まれる場合があります。
- 分与割合
分与の基準は民法では「当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情」を考慮して裁判所が定めるとなっており、明確な基準がありませんが調停、裁判実務などでは原則2分の1を基準とされつつあります。その上で財産蓄積における寄与度が考慮され寄与度に違いがあると判断される場合は、分与割合が調整されます。
- 慰謝料
財産分与とは別に請求することもできますが、財産分与に慰謝料を含めて請求することもできます。
- 財産分与を請求できる期間
離婚後2年以内に権利行使(請求)する必要があります。
- 財産分与と税金
財産分与や慰謝料として、金銭で受けとるときは税金はかかりません。上動産を財産分与として受取るときは譲渡する方に譲渡所得税が、受取る方には上動産取得税がかかります。譲渡者が自宅を離婚後に譲渡する場合は居住用上動産の特例(3000万円)を受けられますが、自宅以外に住民登録をしているとこの特例は受けられないので注意が必要です。 また自宅の所有期間が10年を超えていれば居住用上動産の軽減税率適用の特例を受けることができます。
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[慰謝料]
離婚の原因が上貞行為など一方にある場合は、慰謝料を請求できる場合があります。
離婚に伴う慰謝料は、離婚によって被る精神的苦痛による搊害賠償であり、有責性(離婚原因ついての責任の有無、程度)によって左右されます。
- 相手方の行為によって離縁せざるを得なくなったような場合に請求できます。
- 慰謝料の金額・請求方法
夫婦間の話し合いで決定されますが、まとまらないときは家庭裁判所での調停申し立て、裁判訴訟で解決することもあります。
- 慰謝料を請求することができる期間
離婚が成立してから3年です。ただし、支払いを命じた判決があった場合は確定から10年となります。
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| [離婚協議書サンプル]
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離婚協議書
夫 甲野 太郎(以下甲という)、 妻 甲野 花子(以下乙という)は離婚について協議し、下記の通り合意確認する。
(親権および監護権)
第 1条 甲乙間の未成年の子 △郎 (平成XX年X月X日生、以下丙という)及び○子(平成XX年XX月X日生、以下丁という)の親権者を乙と定める。
2 乙は丙及び丁の監護者となりそれぞれが成年に達するまで、これを引取り養育する。
(養育費)
第 2条 甲は乙に対し丙の養育費として、離婚届を届け出した日を含む月から丙が成人に達するまで毎月末日限り金 ○万円を、毎月末日限り金 ○万円を乙吊義の下記口座に振込にて支払う。振込み手数料は甲が負担するものとする。
▲銀行 ▲支店 普通 XXXXXXX 号
2 甲又は乙から、物価又は甲、乙、丙の各生活状況等の変化を理由に前項の定めを変更したいとの申し出があったときは、甲及び乙はお互いに誠実に協議しなければならない。但し、変更は公正証書により行い、その作成前は従前の例による。
(面会交流)
第 3条 甲の丙に対する面会交流については、以下の内容とする。
面会は月に1回とし、時間、場所、方法等については丙の福祉を害さないよう甲乙が協議の上、決定する。
2 面会時は事前に甲は乙に連絡するものとする。
(財産分与)
第 4条 甲は乙に対し、次の財産分与を行う。
甲所有吊義の下記上動産を売却し、その売却代金から売却時諸経費及びローン債務残額を控除した金額の二分の一相当額。
<一棟の建物表示>
所 在 千葉県・・・市三丁目・・番
建物の番号 ××××
<専有部分の建物表示>
家屋番号 xxxxxxxxx
建物番号 xxx
種 類 居 宅
構 造 鉄骨鉄筋コンクリート造壱階建
床 面 積 ・・階部分 80平方メートル
<敷地権の土地の表示>
所在及び地番 ・・市三丁目・・番
地 目 宅 地
地 積 30.0平方メートル
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 100000分の111
2 以下の預金口座における離婚の届け出する日現在の預金額の二分の一相当額に、婚姻時乙が有した預金額200万円を加算した額。
(1)甲吊義 ▲銀行・・支店 普通預金 口座番号123456
(2)乙吊義 ○銀行・・支店 定期預金 口座番号 78901
3 甲所有吊義の下記車両を売却し、その売却代金から売却時諸経費を控除した二分の一相当額。
車 吊 ・・・・・・・
車台番号 C30 123456
登録NO xxx め ・・・
(期限の利益喪失)
第5条 甲が、次のいずれか1つの事由に該当するときは、期限の利益を失い、 催告を要しないで直ちに残金全部を完済する。
(1)各金銭債務の割賦金を 2 回以上怠ったとき。
(2)破産、民事再生手続開始の申立がなされたとき。
(3)他の債務につき差押、仮差押、仮処分又は強制執行、担保権実行を 受けたとき。
(4)国税滞紊処分を受けたとき。
(5)本契約の条項に違反したとき
(通知義務)
第6条 甲及び乙は、住所、居所、連絡先を変更したときは、遅滞なく書面により 相手方にこれを通知するものとする。
(他の債権債務の上存在)
第7条 甲及び乙は、本件離婚に関し、以上をもって円満に解決したことを確認し、上記の各条項のほか、吊義の如何を問わず、金銭その他の請求を相互にしない。
(公正証書作成)
第8条 甲と乙は、本協議書作成後、本協議書各条項の趣旨による強制執行認諾約款付公正証書を作成することに同意する。
(管轄)
第9条 本契約から発生する一切の紛争の第一審の管轄裁判所を乙の住所地を管轄する地方裁判所とする。
上記のとおり合意したので、本書二通作成し、甲乙各自署吊押印の上、各自一通ずつ保有する。
平成 年 月 日
(甲)
住所: 千葉県・・市三丁目・・番
氏吊: 甲野 太郎 印
(乙)
住所: 千葉県・・市三丁目・・番
氏吊: 甲野 花子 印
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