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風呂は木製に


   ■ユニットバスはイヤ!
■高野槙の木製浴槽
■無垢板張りの壁
■腰壁はコルク
■風道で通風
■FRP防水パン
■見晴らし確保は出来るか?

プランニングシートには以下のように書きました。
浴室
2畳。浴槽は木製(高野槙製、W1200×D750×H600程度)。
浴室内装はタイルか無垢材?(ヒバ又はヒノキ)。浴室乾燥機。

住宅設備機器工事:浴槽
高野槙材の風呂桶(W1200×D750×H600、ホルツェン社扱い\234,000)。


■ユニットバスはイヤ!
ユニットバスは嫌い。これは夫婦共通の気持ちでした。しかし問題はそこから先。

浴室をどうするかは、キッチンと並んで思い入れとお金をかけるところかもしれません。キッチンは主婦の思い入れが、浴室は夫の思い入れが現れるところかもしれません。

浴室へのこだわりの1つのタイプは「木の風呂」だと思います。板張りの浴室に木製の風呂桶を置いて、木の香りがする風呂に浸かって仕事の疲れを癒す、そんな夢をもってしまいます。しかし価格の問題とメンテナンスの問題で、ほとんどの場合は断念されることが多いのも木の風呂でしょう。

ここは機能性の問題ではなく、まったくもって私の好みの問題です。FRPや金属の風呂じゃなくて木の風呂に入りたいという願望です。

ただしその理由についてちょっとコメントしておきます。木の風呂に入りたいというのは、自宅で温泉気分に浸りたいということではありません。そうではなくて、その思いは私の風呂の想い出(原体験)に由来しているんです。私のかつての実家では、大型の桶のような形のヒノキ風呂に薪や石炭でお湯を炊いて入ってました(今の実家はステンレス浴槽ですが)。しかも1度だけ経験した新しい風呂桶への買い換えの後は、ヒノキの香り漂う風呂に入ったこと、風呂の縁には木目がくっきりと見えたこと、そんな記憶が今も鮮明にあります。中年になって、その想い出がとても懐かしい。どうしてもまた木の風呂に入りたい。そんな思いなのです。
木の家に住みたいという気持ちも、実は、いまは消失したその家の想い出に由来するもののように思います。

そんなわけで、新居では私の我が儘を実現しました。


■高野槙の木製浴槽
木製浴槽というとヒノキを想定してしまいます。各社のカタログを取り寄せましたが、ヒノキはさすがに高いです。浴槽だけで40万円もするようではとても高くて、拙宅では断念せざるをえません。古代檜80万円なんていうのもある。実はこれらは無節のヒノキを信仰する習わしが木製風呂の世界にもあるからです。

そんな中で拙宅でも買えそうな価格の木製風呂を作製していたのが樋口製作所(大阪府八尾市)です。ここでは高野槙を使った浴槽を作製しています。
高野槙とは聞き慣れない樹種ですが、ヒノキのように香りは強くないですが樹脂分が多くて水に強く白っぽい木です。無節じゃなくて節ありの小節のものの方が樹脂が多い分だけむしろ長く保つそうで、風通しが良いところに置けば20年くらい保つそうです。
板厚は3cmで、縁は5cm。据え置き型と埋め込み型があります。写真は1200×750×600の据え置き型。

問題の価格(税別)は、小節のもので
 1000×700×600で17.5万円
 1200×750×600で23.4万円
とお手頃価格です。しかもこれは「標準価格」で、実際はさらに安い。
すべて注文生産なので、形状についてはユーザーの指定に合わせてオーダーメードでつくれるそうです。

これを見つけたときには、これならいける! これでいく! と完全に決め込みました。

同一のものがホルツェンでも販売されています。
有田さんの情報では、ホルツェンのものは塗装がリボスだが製造元の製品はクレオソートを染み込ませているとのことを知りました。ここは要注意です。「プランニングシート」にホルツェン社扱いの高野槙風呂と書いたのはこのせいです。

製造元に問い合わせたら、ユーザーの希望に合わせて塗装を選べる(無塗装もある)とのこと。注文の際には確認しないといけません。

樋口製作所 槙風呂メーカー
森のバウハウス(ホルツェン神戸) 樋口製作所の浴槽を販売。
木製浴槽に要注意 有田さんのHP


■無垢板張りの壁
浴槽が木製なら、浴室内装も木張りにしたい。実に欲張りな願望です。ここらはまったくの好みの問題です。

いくつかの工務店や設計士と話した中では、木製風呂にはなんとか賛同しても板張りの浴室には難色を示す人達がほとんどでした。メンテナンスの問題があったからでしょう。プロとして当然の態度かもしれません。防水やメンテを考えたら、ユニットバスでなければモルタルにタイル張りが無難でしょう。それで私も「プランニングシート」には、「タイルか無垢材(?)」とやや引いた書き方をしていました。

ところが現在設計をお願いしている高田さんは、板張りにOKのサイン。当初から内装板張りで進みました。
木の浴室内装というとここでもまたヒノキを想像してしまいますが、ヒノキは香りがキツイし、値段も高い。設計士の薦めで、サワラ(椹)を使うことにします。サワラというとお櫃を思い出す方もいるかも。香りが弱いが水には強く白っぽい樹種です。



■腰壁はコルク
内装を無垢板にするとはいえ、水が頻繁にかかる腰壁はさすがに木ではなく水に強いタイルにしようと考えてました。
タイルは断熱性がないですから、冷えていると冷気(冷輻射)を感じます。INAXでは断熱性の高い「ミルキーフロア」という製品があることを有田さんのHPで知って、それを使うことを私は考えていました。

その後、設計者が炭化コルクの浴室用タイルを提案。表面塗装をしていないコルクで、「買ってはいけない」の某氏新居見学会で現物を見たとのこと。会員になっている「ひと・環境計画」から廉価で購入できるようです。

なお、タイルの施工は、接着剤で接着する乾式工法が一般化しています。事実、東亜コルクからはエポキシ系変成シリコン樹脂接着剤での施工要領がとどきました。しかし接着剤はパスなので、モルタルで施工する湿式工法で行います。住まいの寺子屋MLでこのことを投稿したら、モルタルとコルクとの膨張率が異なるから、使っているうちに目地割れしてコルクが剥離する可能性があるだろうとのこと。また代理店のコメントでは、、目地割れして腐食する可能性も指摘されてます。そういうときには貼りなおすしかありません。

また色が黒いから浴室が暗くなって、特に老人はものが見えにくくなるだろうとの指摘もあり、心配しました。
タイルの大きさは150×150×13です。これを360円/枚で入手可能。
炭化コルクなので真っ黒かと思ったら、実物は焦げ茶色です。真っ黒だと浴室が暗くなることを心配しましたが、この程度の色なら心配いらないでしょう。

設計者からは東亜コルクのサンプル、私はホルツェンから神戸コルクのサンプルを入手して比べてみると、東亜コルクの方が弾力性があり、神戸コルクのは硬い。性能上の違いがどれほどあるかはわかりません。

東亜コルクサンプル

(2002/3/22追記)設計者と相談。東亜コルクは接着剤の施工しか指定しないが、ホルツェンはモルタルを推奨。コルクの硬さは膨張や吸水とも関係するのではないか、という判断から、神戸コルクのコルクタイルに決定。設計者のルートで「ひと・環境計画」経由で購入することにします。ホルツェンからの購入でした。

炭化コルクはスノコの上(床レベル)からどこまで、何枚分貼るかも論点です。当初は3段(45cm)貼るという提案でしたが、水掛かりのことを考えると4段(60cm)貼った方がいいというのが私の意見で、4段にしました。これは窓位置との関係もあって、現場でかなり議論しました(後述)。


■風道で通風
浴室は湿気が多いに決まっていますが、木製浴槽や板張りは湿気に強い樹種を使っていても無機質に比べるとやはり湿気には弱いので、できるだけ乾燥を保てるような環境にした方がいい。

換気扇で換気するということだけではなく、通風換気の良い浴室にするのがいい。
そこで拙宅の浴室は図のように、建物の北東隅の位置にあって浴室が外に突き出た形になり、浴槽の南北に窓がついています。
東側の家との間には狭い露路が出来、そこを風が抜けるという想定をしてます。そんな風道を作ってそれを利用しようという設計です。この案は設計者のものです。


■FRP防水パン
浴室をユニットバスにしないなら、コンクリートブロック造りの腰壁にモルタル床にするのが普通でしょう。しかしブロックはコストの問題がある。でもブロックでないなら防水上の問題が出てくる。そこで拙宅の浴室床はFRP防水パンにしました。ブロック腰壁でないなら、防水を考えるとこれがベストの選択になる。

しかし他の内装との相性は非常に悪い。ただしFRPは床だけで、床にはスノコを敷くからあまり見えない、ということで見映えは妥協です。浴室の形は長方形でしたが、床を市販品にするので1坪の正方形にしました。

どのメーカにするか。下請けに作らせる大メーカーでなく、自らの工場で作っているメーカーを設計者は探したようで、栃木県のメーカー・西部化工機(TEL 0287-59-0833)製にしました。実は、偶然にみつけた会社だそうです。

タイプは1種類しかないとのことで、簡単な図面を設計者に送ってきました。発注前に現物を確認した方がいいだろうというメーカー側の判断もあって、現場でサンプルを確認しました。拙宅で購入予定の浴槽がほぼ入る大きさでした(実は、スペースが少し小さい)。洗い場の色は黒と白のごま塩なんですが、黒が強いので、白を多くしてほしいと要望。

正確な図面を頼で送ってきたのが下の図。内寸で1600×1600。図の上側半分強が洗い場、下側半分弱のうち斜線部分が浴槽スペースです。
・浴槽スペース(青い部分)の大きさは1190×720。浴槽は先に示したように1200×750ですから、すこし狭い。浴槽の大きさを指定して発注しないといけない。

・防水パンの天端は床よりも8cm下がった位置です。その天端から洗い場の最低位置レベルはさらに5cm下がったところです(図面には数字がない)。床からそこまでの落差はスノコを敷いてなくします。

ここまでは問題なしですが、問題は浴槽の高さでした。

・浴槽スペースのレベルは洗い場よりも低く、防水パン天端よりも25cm下がっている(正確には235mm+20mm)。だから床からは25+8=33cm低い。
木製浴槽の縁の高さは60cmなので、その位置に浴槽を設置すると床からは60-33=28cmになる。障害者には28cmは低すぎ(理由は後述)。

そこで浴槽に足をつけて高くすることにしました。側面図にあるように浴槽を浮かせます。


■見晴らし確保は出来るか?
発注した防水パン完成品が現場に持ち込まれてから、浴室設計の詰めを行いました。
ポイントは以下のことです。

1.障害者に使いやすい高さ確保する
2.浴槽内での頭の位置を確定する
3.水栓、手摺りの位置を確定する

1.障害者には浴槽の縁が床(スノコのレベル)から40cm程度がいい
 それに合わせて浴槽を設置する高さを決めましたことは先に述べたとおりです。
浴槽の縁の高さは60cmだから、床から20cm低いレベルに浴槽の、すなわち防水パン天端から20-8=12cm下がったレベルがいい。浴槽スペース(斜線部分)ではなく、その脇のところが13cm下がっている。ここがピッタリなんです。

2.頭の位置とは、湯に浸かっているときにどの窓から何を見るかということです。
 東側隣家との間にできる狭い露路に坪庭をつくって、それを浴室から眺めよう、というのが設計者の提案。浴室の南側の窓から見るのだから、頭は北側です。
 拙宅の浴室のシャワーは北側の壁です。通常はシャワーと反対側(南側)に頭を置くように設計するものですが、拙宅のではその定石を無視しようということです。

3.浴槽の縁から10cm上に手摺り、シャワーと浴槽との間に手摺りなどと決め、その位置に下地をつくります。

ところが1と2との調整が多いに難航。
湯に浸かって窓から坪庭を見るには、北側に頭を置いて目線が浴槽の縁と窓とに邪魔されないで坪庭に届かないといけない。しかし拙宅床は地面から1m程度あるので、浴槽を下に下げないとなかなか見えない。しかし下げすぎると浴槽の縁が低くなりすぎる。
解決策として、

・浴槽をできるだけ北側に寄せる。右図のようにします。この位置で、ちょうど浴槽の縁はゆかから40cmの高さになります。

・その位置も浴槽に入ったままでは坪庭の地面は見えないので、浴槽の縁に腰を掛けて眺めるようにする。腰をかけられる縁の厚さ(約10cm)を確保する。

・そのときの目線が通るように窓下端高さを設定する。

以上を決めるのにかなりの時間を現場で費やしました。

さて、完成した浴室はどうなるのか。その前に、坪庭を造らないといけない・・・



2002/3/22