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安全な自然系断熱材で「高の下」断熱を


■寒いの嫌い
■「上の下」断熱
■筋交いをいれない?
■断熱材に苦労
■開口部の断熱
  ●断熱・ペアガラスサッシ
  ●障子とハニカムサーモ
  ●玄関に風除室


■寒いの嫌い
   私は生まれも育ちも北海道(札幌)ですが、北海道の人間は暑さ寒さに非常に弱い。暑さに弱いのは想像できるでしょうが、実は寒さにも弱い。北海道の冬は寒いです。しかし住宅やビルの中は非常に暖かく、寒いどころか暑いくらいなことは、北海道に行ったことがある人なら理解できるでしょう。
だから冬に寒い住宅は好きではありません。

断熱材を入れること、窓を2重にすることは、30年前から常識でした。近年の北海道の住宅はまさに高断熱住宅で、その研究は本州などに比べると10年から20年進んでいるでしょう。

そうした経験もあって、高断熱住宅を建てることは当初からの計画でした。だから断熱関係の書物もいろいろ読みました。

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■「上の下」断熱
高断熱住宅を追求し続けていればことは単純だったのですが、自然素材重視や伝統構法採用へ向かったので断熱に対する態度は複雑になりました。

断熱材の安全性の問題もありますが(この点は後述)、それよりも壁の構造の問題です。壁構造を当初は土壁で考え、今では板倉にすることしてますが、それが断熱性能を制約します。

1つは、土や板が壁内にあるので、充填断熱(内断熱)の場合には断熱材の厚さが制約される。

2つめは、壁の呼吸(吸放湿)を妨げないような壁仕様、具体的には防湿・気密シート(ポリエチレンシート)を使わない仕様にすることによる制約です。防湿シートがないということは湿気が壁内に入っていくわけで、それにもかかわらず壁内結露を起こさないような断熱構造にしないといけない。これはかなり難しい。
またポリエチレンシートを使わないと気密性能が制約されます。もちろんタイベック(透湿・気密シート)は使いますが、気密性能はやや落ちます。

実際の拙宅の断熱性は、以下の仕様です。
  ・断熱材はできる限り十分に入れる
  ・開口部はアルミ断熱サッシ+障子など
  ・気密はできるだけとる(タイベック、面材使用)

次世代省エネ基準の計算方法では、拙宅の断熱性能は「新省エネ」基準は充分クリアするレベルにあります。
熱損失係数(Q値)

3.22W/m2K (2.77kcal/m2h℃)
ただし、換気回数0.7回/時

「次世代省エネ」基準:2.7W/m2K
「新省エネ」基準:3.4W/m2K

いまや高断熱とは「次世代省エネ」の基準レベルでしょうから、新省エネ基準をクリアするというのは、「上」クラスではなく、「上の下」クラスの断熱でしょう。高断熱ならぬ、「高の下」断熱ってことです。

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■筋交いをいれない?
拙宅は落とし板倉という構法で家を建てるので本来は筋交いがないのですが、開口部が大きいために、それでは壁長が不足する部分が出てくる。

そこには筋交いを入れるというのが通常でしょうが、設計者の意見で、面材(2cm厚の高圧木毛セメント板)を使うことにしました。理由の大きな1つは、筋交いがあると断熱材が入れにくいことです。

筋交いを使わず、面材を板倉の外側に当てると、気密性の向上になります。
筋交いによる熱橋はできないですが、面材の厚さ分、断熱材が入らないことになりますが、柱から胴縁をふかして断熱材を面材の外側に入れることになりそうです。どうなるのか、実は明確に理解していないので、ここは改めて公開します。(前掲の熱損失係数は、この面材を考慮していない数値です)

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■断熱材に苦労
断熱材の選定にはとても苦労しました。基本的な内容は<断熱材>と<自然系断熱材>を参照下さい。

パーフェクトバリアは防湿層を施工しないといけないので、使わない。
サニーライトは透湿を妨げるから使わない。(ともに安全性が直接に問題なのではない)
セルロースファイバーは古紙のインクの問題がありそうなので、使わない。
炭化コルクや軟質木質繊維板は価格が高いので見送り。

残るは、セルロース断熱材羊毛断熱材でした。

  製品名 厚さ(mm) 防腐剤 その他



サーモウール 110 パーメスリン(ペルメトリン) バージンウール
ウールブレス 60と110 ホウ酸  バージンと再生
ウールブロック 90と110 ホウ酸 再生ウール
セル
ロー
ス系
ライブウール 50と70 ディデキシメチル・アンモニウム・
クロライド(DDAC)
 
バイタルウール 75と100 ホウ酸  

材質には、上記のほかにポリエステルが混紡されていたり、またバインダーにポリエステル樹脂などが使われています。どれも現物を取り寄せましたが、再生ウールは「へたり」が気になるという設計者の評価と防腐剤の評価から、バージンウールのウールブレスバイタルウールにします。あとは断熱性能と価格、厚みの問題です。

ウールブレス
バイタルウール メーカーの都合で製造中止になりました


(2001/8/6追記)
断熱材は設計者に紹介いただいたバイタルウールにします。床は100mm、壁は75mmを50mmの壁内に詰め込みます。

(2002/3/6追記)
床板の下に土を敷いて蓄熱性を増す計画ですが、その土には石灰を入れて強アルカリにする。床に水をこぼしたときに、土にしみこんだ水が断熱材にまでもしも行ったときに、羊毛系ではアルカリで溶けてしまう。それでセルロース系にしました。
熱性能などは以下のとおりです。熱伝導率は高性能グラスウールやポリスチレン並に高いです。

熱伝導率 0.029kcal/m・h・℃
熱抵
抗値
100mm厚 3.45m2・h・℃/kcal
75mm厚 2.58m2・h・℃/kcal
密度35kg/m3 巾430mm×長さ1350mm
(2003/6/20追記)
バイタルウールはメーカーの合併で製造中止になりました。残念です。


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■開口部の断熱
開口部(窓、出入口)の熱ロスは大きいので、開口部の断熱性能を向上させることは、家全体の断熱性能に大きく影響します。拙宅では日射取得を目的に南面の開口部が大きいので、この点はとくに重要です。


●断熱・ペアガラスサッシ
拙宅では、にはすべて空気層12mmのペアガラス入りアルミ断熱サッシを使います。

ペアガラスの空気層は6mmよりも12mmの方が断熱性が断然高い。値段の差はありません。
アルミの断熱性は悪い。だからサッシの枠や障子に断熱構造をもたせた断熱サッシの方が普通のアルミサッシよりも断熱性が高い。

できれば本当は木製サッシにしたいのですが・・・まだ高い。(-_-;)
断熱性能からいうと樹脂サッシがいいですが、塩ビを排除したいという「理想」に沿わないので、採用しません。

トステム サーマルII 拙宅で採用するサッシ
(現在は製造していない?)


●障子とハニカムサーモ
窓には、サッシに加えて、障子をつけます。和室とか洋室とかの区別無くです(もともと拙宅ではその区別がないですが)。障子はカーテンに比べてはるかに気密性がいいですから、障子1枚を入れると単板サッシを1枚入れたのと同様の断熱効果が生じます。

障子がつけにくい(費用面で難しい)ところは、セイキのハニカムサーモスクリーンをつけます。これはポリエステル不織紙でハニカム構造(蜂の巣状の6角形)を2層作ったスクリーンで、断熱性が高い。

(2002/11/15追記)
ハニカムサーモの価格はそこそこ高くて、障子と比較して廉価だとはいえない、ほとんど同じ程度です。しかし断熱性は非常に高いので、費用対効果(コストパフォーマンス)は障子よりも高い。


拙宅ではネット通販で3割引で購入しました。空気層12ミリの断熱サッシの窓に取り付けましたが、驚くほどの高断熱です。

セイキ総業ハニカムのサーモスクリーン 商品紹介
オークリッチ ハニカムサーモの通販


●玄関に風除室
玄関扉は一般には断熱性が良くない。しかも断熱ドアはありますが、断熱の引き戸は既製品はない。引き戸の気密性が低いからでしょう。

拙宅の玄関は木製の引き戸にしますから、扉自体の断熱性はいいでしょうが、扉の開け閉めや隙間からの冷気が入るでしょう。そこで断熱性向上のために、次世代省エネ基準でも示されている風除室を採用します。

通常の風除室は、本来の玄関扉の外側に設置する緩衝用の部屋です。その分のスペースが必要。
拙宅ではそうではなく、玄関の内側に設けます。玄関室と玄関ホールとの間に引き戸を設ける、要するに上がり框のあたりに引き戸をつけるのです。これで玄関室を空間的に閉ざせるようにする。冬の間はこの扉を閉めることで、玄関とあわせて2重の引き戸によって、断熱性と気密性を確保しようという魂胆です。


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2001/4/18
2001/7/15 リンクなど加筆
2002/11/15 ハニカムサーモについて加筆
2003/6/20 バイタルウール製造中止について追記