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わが家のこだわりと工夫
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LAN・情報系の先行配線

   ■先行配線
■CD管の配管
■情報分電盤
■配線計画
■ケーブル
■商業主義に惑わされず


■先行配線
新築時にしか行えないことがいくつかありますが、その1つがLANや情報系の隠蔽配線ですが、大切なのはその先行配線の計画です。

LANはおわかりかと思いますが、住宅内にLAN線(正確にはUTPケーブル)を引き回すことです。そのLAN線を壁内に埋め込み、パソコンを使うであろう場所にLAN用のコンセント(モジュラージャック)をつけておくのです。

情報系というのは、電話TVの配線です。家庭内の複数箇所で電話を接続できる、またTVを複数箇所で使える、そういう配線を事前に行っておくことです。

TVの場合、同軸ケーブル1系統で、UHF/VHFとBSを混合して使用できますが、CSを接続するならもう1系統必要です。またTV配線は、FMラジオ用にも使えます。

電話はワイヤレスが主流になっているので、複数箇所で電話を使えるようにすることは一見無意味に思えます。しかし、電話番号を複数設定して、複数台の電話を使うこともありえます。またCSデジタルやBSデジタルで双方向サービスを行う場合は電話ケーブルが必要になります。

どの場合も、当面は使わなくとも、将来の利用も考えて、使いそうなところには配線を行っておくことが重要です。これが先行配線です。
LAN、TV(VHF/UHF、BS、CS、CATV)、電話という情報系(弱電系)の利用計画を立てて、配線とコンセントの配置・設計を行い、配線を先行敷設しょう、というのがここで言いたいことです。

初歩的には、どこでどんな機器を使うかを電設担当の業者に伝えればいいのでしょう。しかし、それだけでは十分ではありません。そのために行うべきことがいくつかあります。そこが重要なところです。

■CD管の配管
先行配線を行う場合に必要なのは、CD管を使って配線する、ということです。

CD管とはCombined Ductの略で、その専門的意味は「コンクリート埋設専用合成樹脂可とう電線管」です。本来は、鉄筋コンクリートのビル・マンションなどで、電線を通すためにコンクリート内に埋め込んで使用する樹脂管のことです。

これを住宅内に引き回し、その中に情報系のケーブルをいれます。なぜそんなことをするか、ここがポイントです。

ケーブルは壁内にあるので、一度配線してしまうと、その後、ケーブルを配線し直しすことはできません。しかしCD管を使うと、後日、CD管の中のケーブルを入れ替えたり、あるいは新しいケーブルを加えることができるのです。

例えば、TVネーブルを2600MHzに対応したものに取り替えた、LAN線をCAT-5(カテゴリー5)からCAT-5e、さらにはCAT-6に取り替えたりするかもしれません。その場合にケーブルの変更ができます。

あるいは新築時には配線せずにCD管だけを敷設し、後日、必要になったらCD管の中にケーブルを入れ込むという対応も可能です。これは、先行配線ならぬ先行配管です。その場合には、呼び線という針金をCD管の中に入れておきます。拙宅では、私の先行配線の考えをよく理解してくれた電設担当業者が、NTT線のCD管内に光ケーブル用の呼び線を敷設してくれました。

というように情報系の配線をする場合には、CD管を使って先行配線する、ということが重要です。


CD管を敷設する場合に、注意が必要なことがあります。
1つはCD管のアール(最小曲げ半径)などについての注意です。(合成樹脂可とう電線管工業会「最小曲げ半径はいくらか?」
もう1つは、後述する情報分電盤の設置と関係するCD管集中の収まりです。拙宅では2階の情報分電盤から各部屋へCD管を敷設しましたが、そうすると情報分電盤に多数のCD管が接続され、その収まり(床下や壁内に入れ込みにくい)がなかなか大変でした。ここは電気屋さんや工務店と相談が必要です。

○CD管とPF管
CD管は「コンクリート埋設専用」となっています。理由は、燃えるからです。
コンクリート造の場合には管が埋設になりますが、木造の場合には管が露出になります(室内からは見えませんが、壁の裏側で空気に接しているということ)。こうした場合は、耐燃性(自己消火性)のあるPF管(Plastic Flexible Conduit)を用いるのが望ましい、とされています。(合成樹脂可とう電線管工業会

にもかかわらずCD管を推奨するには理由があります。
1つは、コストです。CD管の方が安いです。だから一般に、住宅ではCD管が使われます。

しかしここで指摘したい問題は、それらの材質です。
CD管はポリエチレン製です。これは問題ありません。
PF管には、一重管と二重管とがあります(二重管は可とう性が小さいので、住宅では使わないでしょう。)。一重管は、自己消火性のあるポリエチレン製ですが、難燃性のためハロゲン化合物が添加剤として入っています。二重管は、ポリエチレン管の外面を難燃性(自己消火性)のある塩化ビニルで覆った構造をしています。
だから、PF管が燃えると有害なハロゲン系ガスやダイオキシンが出ます。(東芝のレポート:PDFファイル)

PF管は、こうした材質上の問題があるので、拙宅では使いません。(家づくりノート<有害物質>を参照下さい。)
そもそも難燃性のことを心配するなら、家の中にはほかに燃える物がいっぱいあるわけで、電線管だけの問題ではないでしょう。

■情報分電盤
情報系の配線で重要なもう1つは、情報分電盤の設置でしょう。

情報分電盤と配線については、かないまる邸の家庭LANが参考になります。ISDN時代のものですが、拙宅では、これを参考にして情報分電盤の設置、配線計画、情報コンセントの計画をしました。

拙宅の情報配線の概念図を示します。部屋数は省略してあります。
■配線計画
○配線形状(トポロジ)
情報分電盤から各部屋のコンセントへは、配線がタコの足のように伸びます。この配線の方法をスター配線といいます。星形ですね。情報分電盤から各部屋への配線は必ずスター状配線であることが重要なポイントです。
実際は、情報分電盤からスター状に伸びたCD管内に配線を入れます。

これに対して、一筆書きのように各コンセントを接続していく配線方法があります。バスがバス停を巡回するのに似ているので、バス配線(送り配線)と言います。電話の配線は、これでなければなりません。

しかし情報分電盤からはスター状にCD管が出ているので、配線はこれにあわせないといけません。だから電話配線では工夫が必要ということです。

○LAN配線
情報分電盤内にハブ(スイッチングHUB)を入れて、そこから各部屋コンセントのLAN用モジュラージャックへLAN線(UTPケーブル)を分配します。この配線はスター配線です。

ハブ用の電源コンセントも分電盤内に設置します。

配線図ではハブが2つありますが、実はハブはHUB2しかありません。拙宅ではPCが1台なので、HUB1を使わず、モデムにPCを直接に接続して使うことが多いんです。

いまどき有線LANなんて古い、無線LANでいいだろう、という意見もあるでしょう。しかし通信速度、確実性(電波の干渉)、セキュリティ(盗聴)や将来の拡張性を考えると、やはり有線LANだと思います。
松下電工の受け売りみたいですが、有線LANと無線LANの比較があります。

○電話配線
情報分電盤内に電話端子台を入れて、そこから各部屋のコンセントに配線します。

ところで、電話の配線は、本来はバス配線(送り配線)です。しかし先述したように、情報系の配線はスター配線にしなければなりません。

そこで、情報コンセントから電話用ターミナルへ電話用ケーブルを2本引き、「戻り」線を次の電話ターミナルへの「行き」線に接続することで、論理的にはバス配線だが、一見スター状になっている配線になります。情報分電盤の中で、この「行き」と「戻り」の配線を接続する場所が、電話端子台です。

○TV配線
アンテナからの同軸ケーブルをコンセント内に引き込み、TV分配器を介して各部屋へ同軸ケーブルを配線します。 各部屋のコンセントには、TV(VHF/UHF/BS)に加えてCS用のTVターミナルを設置します。BSはVHFと混合できるがCSはできないからです。ただし、現在は、機器を選定すれば回避することもできます。
BSやCSは12GHzのRF(Radio Frequency:高周波)で、そのまま同軸ケーブルを通すと減衰率が大きいので、周波数を変換してIF(Intermidiate Frequency:中間周波)にしてケーブルに流します。この周波数が重なるからですが、この事情はかなり変わっています。
TV接続台数が多い場合は、分配器の前にブースターを入れるのがいいですが、拙宅では接続台数が少ないので設置していません。

拙宅では、当面使わないCS用のTV配線を敷設しました。TVの先行配線です。


アンテナ用先行配線
上記の理由により、CS用にはアンテナからのケーブルももう1系統必要です。そこで拙宅では、TV(VHF/UHF)用ケーブルのほかに、さらにもう1線を先行配線してあり、これもコンセント内へ引き込まれています。でもまだ、使っていません。

○FMラジオ配線
居間にステレオがあるのですが、単線の室内アンテナでは音が悪いです(当然!)。専用アンテナがほしくなります。しかし設計当時は、FMチューナー用のアンテナのことは全く考えていませんでした。

ところが実は、TVアンテナはFMアンテナの代用ができることを、後で知りました。
FMラジオ放送の周波数はVHF帯(30〜300MHzの電波)を使っていて、日本では76MHz〜90MHzを使っています。TVはその上の90.0〜108.0MHz(ch1〜ch3)と170.0〜222.0MHz(ch4〜ch12)を使っています。ちなみにTVのch 1は90.0〜96.0で、FMラジオのすぐ上です。

だからFM専用アンテナがなくとも、TV(VHF)アンテナをFMラジオ用のアンテナ代用することができます。FMラジオ用のコンセントは、TVコンセントを使うことができるということです。

だからVHFアンテナからはTV用とFMラジオ用、そしてCS用という3つのコンセントを設置するのがいいでしょう。

拙宅では、新築後に自前で改良しました。
居間にTV用コンセントが2つあって、1つは使っていないCS用です。これを使うことにしたのです。
他の部屋の使っていないTVコンセントがあるので、そのコンセントに接続されている情報分電盤内のケーブルを分配器から外して、居間のCS用TVコンセントのケーブルを接続しました。これで居間のCSコンセントは、TV用になります。そのコンセントにFMチューナーのアンテナ端子をケーブルで接続しました。がぜん音が良くなりました。
結果オーライですが、計画としては失敗ですね。

○インターネット接続
かつてはアナログ電話やISDNで行われていましたが、現在では、ADSLや光(FTTH)、あるいはCATVを使うようになっています。現在の状態と今後のことを考えて、配線計画をすることが重要なポイントです。

拙宅では、新築当時はアナログ電話を使いモデムで接続していました。ISDNにしようかとも思いましたが、ADSLが普及し始めたので、転居後にADSLへ移行する計画にしました。

配線計画で迷ったことは、スプリッタやADSLモデムをどこに設置するかです。
情報分電盤内に設置するか、それともその外に設置するか、で迷いました。見栄えからは分電盤内設置です。でもそうすると分電盤がさらに大きくなる(コスト増)、熱が籠もる(?)。またモデムにブロードバンドルータを接続する。などを考えて、モデムは分電盤の外に設置することにしました。
(実は、ブロードバンドルータを設置する計画だったのですが、so-netの場合、ルータ型のモデムなので、その必要がなくなりました。)

接続は図を見て下さい。
NTT線は、一度情報分電盤に引き込んでから、さらに壁内のCD管を通して壁の電話用モジュラーコンセントに接続しています。(この接続方法がいいかどうかは、問題ですが。)
そこからケーブルで、スプリッタ、モデム(ルータタイプ)を接続。モデムからのLAN、TELケーブルを壁の戻し配線用コンセントに接続し、それらが情報分電盤で分岐して、宅内に配線されます。
拙宅では、分電盤近くにPCがあるので、戻し配線の前に、PCのFAXモデムに電話ケーブルを接続しています。


光ケーブル用先行配線
インターネット接続は、今後は光(FTTH)になるかもしれません。それを見越して、先行配線してあります。とはいえ、光ケーブルを配線してあるのではなくて、NTT線の入っているCD管の中に呼び線を入れてあるわけで、後日、これで光ケーブルを引き込めるようにしてあります。これは私のアイデアではなくて、電設業者のアイデアです。<工事日記>参照。


○ドアホン配線
拙宅では、ワイヤレス電話とドアホンとを接続して使っています。ドアホンに電話(実際にはその子機)で応答するようにしています。詳しくは<ドアホン&電話システム>をご覧下さい。
そのためにはドアホンアダプタを使いますが、これはスプリッタやADSLモデムの後に接続しないといけません。

なぜなら、ドアホンとADSLの競合という問題があるからです。ADSLは電話線に高周波の信号を畳重させて伝送を行っています。ところがドアホンも同様な仕組みで信号を送っています。ドアホンアダプタは信号にフィルタをかけるので、その後ろにモデムがあると、ADSLの信号に影響してしまいます。(この指摘は、オラホの家で知りました。)
拙宅のように、まずNTT線を情報分電盤で分岐させた後で、ドアホンに接続すれば問題は起こりません


ドアホン先行配線
ドアホン用の配線もCD管を通します。拙宅ではドアホンに電話で対応するので、ドアホンの親機がありません、玄関子機のみです。
しかしテレビドアホンにする場合には、ディスプレーのついた親機の設置が必要になります。だからテレビドアホンの親機の設置予定場所に先行配線をしておく必要があります。この点について図には書いていませんが、<ドアホン&電話システム>をご覧下さい。

■ケーブル
拙宅では以下のようなケーブルを使っています。しかもどれも塩ビを使わないエコケーブルです。詳しくは、<エコ電線と露出コンセントで脱塩ビ>をご覧下さい。

○LANケーブル
UTP(アンシールド・ツイスト・ペア)ケーブルのCAT-5e(エンハンスト・カテゴリー5)を使うことにしました。現在標準の100BASE-TXを使うだけでなく、さらにギガビットの1000BASE-Tにも対応できます。CAT-6を推奨するような話もよくありますが、その必要はないでしょう。

○電話ケーブル
電話ケーブルは数種類あります。電話用のモジュラージャックは、通常のアナログ電話は6局2芯、ホームテレホンは6局4芯、ドアホンなど特別の用途用は6局6芯です。用途に合わせて選ぶわけですが、普通は4芯を敷設します。ちなみにNTT線は2芯のケーブルを使います。

拙宅では、電子ボタン電話用ケーブルというインターホン用の4芯ケーブル(心線が0.4mm)を使いました。4芯のツイストペアケーブルです(ツイストペアだからLAN線と同じUTPケーブルの1つですが、0.4mmはLAN用ではありません。)

先述したように、電話配線はスター状にするために、「行き」と「戻り」の配線が必要です。拙宅では、ケーブルがCD管の中に2本入っています。「行き」「戻り」それぞれに4芯線1本を当てていています。電気屋さんが通常やる作業に準じました。

しかし、このケーブルは4芯だから、アナログ電話専用にするなら、そのうちの2芯を「行き」に、2芯を「戻り」に使えば、1本のケーブルで間に合わすこともできます。あるいはLAN線(8芯)を電話用に使うこともできます。
この場合、電設担当者は、いつもとは違う芯線の色に注意して作業をしないといけなくなります。よくご相談を。

○TV用ケーブル
同軸ケーブルはBS/CSを想定して、低損失のものを使います。拙宅ではS-5C-FBを電気屋さんが選びました。2重シールドの同軸ケーブルです(スズメッキ軟銅線編組、アルミ箔張付けプラスチックアルミテープの2重シールド)。

110度CS(東経110度上の衛星からのCS)が左旋偏波を使用する場合には、同軸ケーブルを含めて2600MHzに対応する機器を用いなければならないですから、今後は、それを考慮する必要があるでしょう。

■商業主義に惑わされず
先行配線の問題はコストでしょう。先行配線量を増やせば部材費と労務費が増えます。

ここで指摘したいのは部材費こと。部材の選び方の問題です。

マルチメディア対応配線システム」なんていうのがありますが、これは松下電工の商品名です。情報分電盤は「マルチメディアポート」、情報コンセントは「マルチメディアコンセント」という商品名で販売しています。住宅情報化推進協議会なるところが示している「住まいの情報配線」も、それを使っています。

マルチメディアに限らず、コンセントなどの電気設備の市場は松下電工の独壇場です。だからマルチメディア配線の分野でも松下電工の商品を使うこと自体は普通のことでしょう。しかし、それを特定の商品しか使えないように見せているのは、実は松下の戦略です。そこに示されているセット商品は高いのです。
それしか選択肢はないかのように思わせているのは、松下とハウスメーカーの商業主義です。

情報コンセントも情報分電盤も、松下のセット商品を使わなければならない理由はありません。ユーザーの自由でなんとでもなりますし、その方が部品のコストがずっと安いのです。

情報コンセントにしても情報分電盤にしても、オーダーメードでローコストにできます。拙宅の例は<工事日記>をご覧下さい。こうした仕様は、かないまる邸の家庭LANを参考にしました。

情報系の配線計画と部材の選択を自分の工夫で行って、ローコストに仕上げましょう!

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2006/4/17
2006/4/22 修正