私の家づくりノート 3.知っておきたい構造・設備
熱ロスの計算(簡略版)
■外気に接する面積
■部位別の断熱性能と熱ロス
■換気による熱ロス
家の断熱性能はどれくらいあるのか、あるいはどれくらいの熱が逃げているか(熱損失・熱ロス)の簡易な計算例を示します。実際上はこれで問題ないと思います。もっと詳しく知りたい場合は<熱ロスの計算>をご覧下さい。
ここでは藤井正一『住居環境学入門』(1984年、彰国社)で示されていることを紹介します。
熱ロスには基本的には2つのルートがあります。
第1は、壁・床・天井や屋根、そして開口部など外気に接する面から屋外へと逃げていく(貫流する)熱ロスです。
第2は、換気(すきま風も含めて)によって暖かい部屋の中に冷えた外気が入ってくるので、それを暖めるために必要な熱です。
■外気に接する面積
想定:4間(7.2m)×4間(7.2m)の建坪16坪の総2階建て、延べ床面積32坪。
| 部位 |
面積(m2) |
備考 |
| 1階床 |
51.8 |
7.2m×7.2m |
| 2階屋根天井 |
51.8 |
同上 |
| 外周全体 |
172.8 |
7.2m×4(周囲)×6m(高さ) |
| 開口部(窓) |
25.9 |
延床面積の25% |
| 開口部以外の外壁 |
146.9 |
外周面積−開口部面積 |
■部位別の断熱性能と熱ロス
断熱材等の違いによる断熱性の違いは以下のとおりです。(用語の説明はここ)
これらには壁・窓の室内側・屋外側表面にある空気層の断熱性が考慮されてます。
断熱材の厚さ
(mm) |
熱貫流抵抗(m2h℃/kcal) |
| 床 |
屋根天井 |
外 壁 |
|
窓 |
| 0 |
0.63 |
0.53 |
0.45 |
|
単板1重 |
0.35 |
| 50 |
1.88 |
1.78 |
1.70 |
|
ペアガラス1重 |
0.45 |
| 100 |
3.13 |
3.02 |
2.95 |
|
単板2重 |
0.52 |
| 150 |
4.38 |
4.28 |
4.20 |
|
|
|
| 200 |
5.05 |
5.52 |
5.44 |
|
|
|
注)床・屋根天井・外壁については藤井正一前掲書p.85による。
断熱材はグラスウール10Kを想定しているようです。
元データの単位はm2K/Wなので、1m2K/W=1.16m2h℃/kcalとして換算した。
各面からの熱ロスを計算します。
熱損失量=各面の面積/熱貫流抵抗×温度差
外気と室内との温度差は20℃とします。
断熱材の厚さ
(mm) |
熱損失(kcal/h) |
| 床 |
屋根天井 |
外 壁 |
小計 |
窓 |
| 0 |
1,644 |
1,955 |
6,529 |
10,128 |
単板1重 |
3,047 |
| 50 |
551 |
554 |
1,728 |
2,833 |
ペアガラス1重 |
1,919 |
| 100 |
331 |
343 |
996 |
1,670 |
単板2重 |
1,439 |
| 150 |
237 |
242 |
700 |
1,179 |
|
|
| 200 |
205 |
188 |
540 |
933 |
|
|
床・屋根天井・外壁からの熱ロスト窓からの熱ロスとを加えたものが、家全体での熱ロスです。
■換気による熱ロス
換気による熱ロス(kcal/h)=0.3×換気回数(回/h)×気積(m3)×内外温度差(℃)
0.3は10℃のときの空気1m3当たりの熱容量=容積比熱(kcal/m3℃)です。
この換気量(換気回数×気積)の正確な把握は実際には難しいです。隙間面積と外気の風速などですきま風の量が変わりますから。
換気回数は関東では1.5回/h、北海道では1.0回/h、高気密住宅では0.5回/h程度です。
1.5回/hとすると、
気積=D7.2m×W7.2m×H5.5m=311m2
温度差20℃
換気による熱ロス=0.3×1.5×311×20=2,799kcal/hです。
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履歴:
2000/1/17 全面改定。
2002/12/20 換気による熱ロスの計算誤りをSさんのご指摘で訂正。