| 私の家づくりノート 1.危険な建材・薬剤
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| 断 熱 材 |
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| ■断熱材選択の基準 ■断熱材の種類 ■断熱材の毒性 ●グラスウール・ロックウール ●アスベスト ●ポリウレタン ●ポリスチレン ■発泡ポリエチレン ■PET断熱材 |
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| ■断熱材選択の基準 | |||||||
| 冬でも暖かい家にするために断熱材を使います。室内の熱が屋外に逃げていかないためです。 断熱材に何を使うかを選択する際の基準は何点かあります。 1)断熱の方法 内断熱(充填断熱):断熱材を壁の中に入れる方法で、一般にはグラスウール(GW)やロックウールを用います。 外張り断熱(外断熱):構造体の外側に断熱材を張る方法で、木造ではプラスチック系断熱材を用います。 →両者の比較は<内断熱と外断熱>を参照。 2)断熱性能 3)安全性 4)コスト ここでは、3)断熱材の安全性について指摘します。 断熱性能とコストに関しては、力石眞一『住宅現場公開講座 品質を守る木造住宅のつくり方』(井上書院、\3500)で、比較されています。ご興味のある方は、参照下さい。 |
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| ■断熱材の種類 | |||||||
| 断熱材の種類はその素材によって、以下の種類があります。 A.鉱物繊維系 :グラスウール、ロックウール、アスベスト等 B.発泡プラスチック系:ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン等 C.自然素材系 :炭化コルク、セルロースファイバー、ウール等 自然素材系断熱材については<自然系断熱材>を参照下さい。 |
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| ■断熱材の毒性 | |||||||
| 断熱材もいろいろ問題があります。よく使われる断熱材について問題点を列記します。 |
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| ●グラスウール、ロックウール | |||||||
鉱物繊維に発ガン性がある。
(社)日本石綿協会が編集した『せきめん読本』にも掲載されています。 接着剤にホルムアルデヒドを含みます。ホルムアルデヒドの有害性については<ホルムアルデヒド>のページを参照。 製品のグラスウールはポリエチレンの袋に密閉されていて、そのままではホルムアルデヒドの放散や繊維の飛散は少ないでしょう。しかし床断熱の場合にはその袋を切って根太間に充填するため、それらが出る可能性が大きいです。また、解体時には放散するでしょう。 (2001/11/4追記)
発表内容はIARCの報告書(2002年)を参照下さい。
(2002/5/2追記、2003/6/20修正) グラスウールやロックウールの繊維自体に発ガン性があるという可能性は低いのかもしれない。先述の『せきめん読本』のデータからは、繊維の太さと発ガン性の関係でそう推測できます。またグラスウールやロックウールは体内で溶けてしまうので、危険性が少ないという指摘もあります。よくわかりません。 グラスウールやロックウールに含まれている「添加物」に問題があるという指摘がある(鎌田紀彦氏の指摘)。たぶん接着剤に使われているホルムアルデヒドが大きな問題ではなかろうか。 接着剤、ホルムアルデヒドを含まない建材を使う、ということがやはり原則だといえるだろう。 |
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| ●アスベスト | |||||||
| 建物の断熱材としては使用されなくなりましたが、防露材としていろいろなところに使われています。 アスベストには発ガン性があります(「可能性がある」ではないです)。詳しくは<アスベスト瓦>を参照して下さい。 |
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| ●ポリウレタン | |||||||
| 燃えると青酸ガスが放出されます。ネオマフォームのサイトに「シアン化水素」いわゆる青酸ガス発生の比較が載っています。 青酸ガスの発生は断熱材に使われる硬質ウレタンよりもクッションなど使われている発泡ウレタンからの発生の方が重大で、火事の際には非常に危険です。 原料のモノマー(イソシアネート)は、喉の粘膜や目など刺激したり、 頭痛、胸部圧縮などの症状を引き起こす場合があり、人によってはアレルギー反応を示すこともあります。 また発ガン性の可能性があるとされています。[注] [注]イソシアネートの発ガン性 発泡剤にフロンガスや代替フロンを使っていて、これらが環境に与える影響は問題です。加えて、これらの発泡剤はしだいに断熱材から気散し、それに応じて断熱性が低下します。 この経年変化については、例えばこんなデータがあります。 |
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| ●ポリスチレン | |||||||
スチレンモノマーには発ガン性の可能性がある。
スチレントリマーとスチレンダイマーは環境ホルモンの可能性がある。 環境庁は2000年7月に環境ホルモン(内分泌攪乱物質)のリストから両者をはずしました。しかし2001年7月に東京都立衛生研究所が「可能性あり」の報告を出しましたので、「可能性あり」としておきます。 ただしトリマー、ダイマーは放散しにくいようなので、断熱材としての問題は少ないようです。
発泡ポリスチレンは、畳の床にも使われていますから、これによる室内環境の汚染の問題もあります。<畳>を参照下さい。 外断熱(外張り断熱)の場合、ポリウレタンやポリスチレンのボードを用いることが通常です。これらの断熱材は断熱性能は高いのですが、以上のような問題もあることを考慮する必要があります。 |
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| ■発泡ポリエチレン | |||||||
| いくつかある石油系断熱材の中で、発泡ポリエチレン(商品名:サニーライトなど)はホルムアルデヒドなどを放散せず、燃えても有毒ガスが出ないものです。 "燃えやすい"という石油系の運命的な問題を別にすると、安全性の高い断熱材です。耐久性はいったい何十年保つのか、樹脂ですから不明なところです。 問題は発泡剤に代替フロンを使っていること。温暖化の原因物質ですから、地球環境を考えると問題です。別な物質に変更されることを期待したい。なお、代替フロンは製造後2ヶ月で放出されてしまいます。 透湿抵抗が大きいので、防湿層を設けなくとも結露対策ができます。(逆にいうと透湿しないので壁内の木の呼吸は妨げられます。) 断熱性能は「ポリエチレンフォームB種」で熱伝導率は0.036kcal/mh℃です。 断熱性能が比較的低い方のグラスウール10K(密度約10kg/m3)でも0.043kcal/mh℃ですから、それと比較すると、高性能の断熱材ということではありません。 発泡ポリエチレンを屋根断熱に採用する場合には、屋根面の温度に注意しないといけません。発泡ポリエチレンの場合は温度が80℃を超えると熱変形します(溶けるのではなく、力がかかっていると形が変わる)。一方屋根の温度は、屋根材にもよるのですが、80℃位になることがある。ですから、断熱材と屋根材との間に通気層を作らないといけません。通気で断熱材の表面温度が下がって、変形を防げます。 |
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| ■PET断熱材 | |||||||
| PET(ポリエチレンテレフタレート)の繊維系断熱材(商品名:パーフェクトバリア)。ペットボトルの廃物を原料としたリサイクル断熱材で、原料の安全性は高い。ただし、PET自体に入っている難燃剤や安定剤は入っていますし、耐久性はポリエチレン同様、不明なところはあります。 接着剤は使わず熱融着成型したもので、片面硬化でヘタリが防止され、粉塵が出ない。自己消火性がある。繊維系で透湿性あり、湿気を吸わない。 断熱性(熱伝導率)はボードタイプで0.033kcal/mh℃、ロールタイプで0.039kcal/mh℃。 しかも価格が、100ミリで平米1.090円と安い。 ただし透湿性はあるが、水を吸うので、ベーパーバリア(防湿層)をかならず設けるようにメーカーは指導しています。結露には要注意ですが、グラスウールのようには水びたしにはなりません。 発ガン性が心配な鉱物系繊維(グラスウールやロックウール)を使うなら、この断熱材がお勧めでしょう。 |
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1999/12/7 2000/4/24 改訂 2000/12/4 PETを加筆 2001/3/10 ポリウレタンを修正 2001/11/4 グラスウール・ロックウールの発ガン性評価を追記 2002/2/9 ポリスチレンに関して「燃やすと塩化水素が出る」を削除 2002/5/2 グラスウール・ロックウールの発ガン性評価に追記 2003/7/19 コストと性能について、力石氏の著書を紹介。 |
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