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 私の家づくりノート 3.知っておきたい構造・設備


換気の計画

 ■自然換気と機械換気
 ■隙間風の大きさ
 ■風の強さと換気量
 ■風と熱ロス
 ■気密・換気の地域性

お断り(2008/4/7追記)
このサイトの気密や換気に関するページを読んで、高気密住宅や24時間機械換気の必要性を説明していると勘違いしている人が多いようです。残念ながら、そんな短絡的なことは書いていません。

■自然換気と機械換気

「換気方法には、送風機や換気扇を用いた機械力によるものと、窓など開口部を通して風力や浮力などの自然力によるものとがある。前者を機械換気、後者を自然換気という。」と文献にあります。この「自然換気」には隙間風による隙間換気も含みます。

窓などの開口部からの換気やこの隙間換気の量は、ともに室内外の温度差によって生じる浮力や風の影響で変化します。換気計画を考える場合に、こうした自然換気を無視するわけにはいきません

高気密住宅では、隙間をできるかぎり少なくして機械によって換気量を制御しきる、ということを目指すでしょう。その場合には、隙間換気量は非常にすくなくなっているから、機械換気は当然に必要で、しっかりした換気計画を設ける必要があります。(実際のところは、高気密住宅を唱いながら換気計画がいいかげんなメーカーが多い。)

他方、そうではない住宅の場合には、どうなのでしょうか。隙間が非常に多かった昔の住宅は隙間換気量が多いから、機械による換気など全く不要で、換気量の不足を問題にする必要はなかったでしょう。
しかしサッシュを用いてあるていどの気密性を持つ最近の住宅では隙間換気に頼っていていいのかどうか。換気量が不足なら、どの程度の別の換気を行うべきかを計画する必要があると考えます。

こうした住宅の場合に、どういう機械換気(換気扇を含めて)を採用すべきなのか、あるいは自然換気で換気計画はできないものなのでしょうか。

隙間風の大きさ

自然換気の大きさは、相当隙間面積の大きさ、外気の風速、室内外の温度差、住宅の高さによって影響されます。それがどの程度あるのか、いまだ知識不足で正確に紹介できません。

ここでは相当隙間面積と内外温度差による換気回数の変化について表を掲載します。数値の根拠は不明ですが、目安になると思うので紹介します。

   気密性能と換気回数  (単位:回/時)
内外
温度差
隙間相当面積(cm2/m2)
1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 8.0 10.0
30℃ 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.80 1.00
20℃ 0.07 0.13 0.20 0.27 0.33 0.53 0.66
10℃ 0.03 0.07 0.10 0.13 0.17 0.27 0.34
資料:『気密化住宅の換気設計』(財)北海道住宅指導センター

資料には5cm2/m2までしか掲載されていませんが、換気量は隙間面積に比例して増加しますから、8cm2/m2および10cm2/m2での数値を計算して載せてあります。

相当隙間面積が2cm2/m2を切るような高気密住宅では真冬でも換気量0.5回/時を確保できず、換気不足になります。
住宅金融公庫の「気密住宅」の基準である5cm2/m2では、北国の冬期間は自然換気で換気が確保できますが、それ以外の期間は、窓を開けるなりの何らかの換気が必要です。
通常の住宅では相当隙間面積は8cm2/m2程度あるようです。この場合には隙間からの換気で換気量がほぼ確保されているといえます。しかし冬の隙間風は熱ロスに影響するでしょう。

風の強さと換気量

外気の風速が大きくなると家の隙間から出入りする換気量が増えます。それはどの程度か。

集合住宅の実験では、相当隙間面積が0.7cm2/m2の「高気密住宅」と3.5cm2/m2の「気密住宅」の比較があります。(「建築技術」1997年2月号別冊「高断熱・高気密住宅の実践マニュアル」より。)

風速0m/sと6m/sとを比べると、
「高気密住宅」ではどちらの風速でも換気回数はほぼ0.4回/h、
「気密住宅」では0.6回/hから0.8回/h前後に上昇します。

1cm2/m2以下では、外気にまったくと言ってよいほど影響されないということです。
相当隙間面積が1cm2/m2では換気が「安定」するというかほぼ完全に制御できることになります。

■風と熱ロス

風が強くなると隙間換気量が増え、そのために熱ロスが増えます。
1m3の空気の温度を1度上げるのには、0.3kcalの熱が必要です。

先の実験では、3.5cm2/m2の「気密住宅」で換気回数が0.6回/hから0.8回/hに、0.2回/h増えたと仮定します。家が30坪で、内外温度差が20度だとすると、
 熱量(kcal/h)=0.3(kcal/m3℃)×換気回数(回/h)×気積(m3)×内外温度差(℃)
       =0.3×0.3×240×20
       =560kcal/h
 560kcal/hの熱ロスが増えます。

■気密・換気の地域性

同じ論文では、建築研究所の実験を引用して、
  ・屋外と室内との温度差が10〜20度の地域では2.5cm2/m2以下が必要
  ・温度差30度の地域では1.5cm2/m2が必要
と書いてます。

実験の違いによっていろいろ差が出ますが、機械による計画換気に必要な気密性は2〜3cm2/m2程度のようです。

平成4年に施行された「新省エネルギー基準」では「気密住宅」の基準は5cm2/m2以下です。これは北海道のみに適用されてました。平成10年の「次世代基準」では北海道・東北は2cm2/m2、それ以外の地域では5cm2/m2が適用されています。こうした気密性の地域差は、さきほど述べた温度差との関係によります。

2階建て住宅では2階の温度が高くなり、2階は、1階に比べてとくに外気との温度差が大きくなる。その温度差のせいで圧力差が生じ、2階は外気との圧力差が大きくなり、給気口からの給気がしづらくなります。そこで寒冷地では、2階の給気口からも給気できるためには気密性がより高い必要が出てきます。

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1999/12/17 updated
2000/1/26 updated
2002/12/20 風と熱ロスの計算誤りをSさんのご指摘で訂正