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 私の家づくりノート 3.知っておきたい構造・設備


換気扇の選択

■居室の換気扇
■台所の換気扇
■建築基準法による必要換気量
■フードの形態
■理論廃ガス量
■ガス器具と必要換気量
■換気扇の選定方法
■給気口

台所では換気のために換気扇は必須ですし、居室にも必要に応じて換気扇が必要です。
どの程度の換気扇をつけるべきか、換気扇の選定の方法をここでは紹介します。

なおここの情報の多くはメーカーのカタログです。『三菱換気送風機総合カタログ』と『東芝換気扇総合カタログ 設計・工事専門家用』はともに詳しい解説があり、参考書として優れモノです。メーカーにお願いすれば無料で頂けるというのもマルです。

■居室の換気扇

居室でも換気は大切です。一般には2時間に1回の換気が必要とされています。この根拠については<換気>を参照下さい。

ここでは、部屋の大きさと必要台数の一般的な目安を示します。
10m2(約6畳)
以下
17m2(約10畳)
以下
33m2(約20畳)
以下
50m2(約30畳)
以下
台所 15cmまたは20cm
1台
25cmまたは30cm
1台
30cm
2台
 
便所
洗面所
20cm1台または
脱臭気
25cm1台 25cm2台または
30cm1台
30cm2台または
40cm1台
食堂、居間、
応接間、事務所
20cm1台 20cmまたは25cm
1台
25cmまたは30cm
1台
25cm2台または
30cm1台
調理室、
天ぷら屋
25cm1台 30cm1台 30cm2台または
40cm1台
40cm2台

■台所の換気扇

台所ではガスレンジを使いますが、その排気のために換気扇は必須です。
ところでこの換気扇の能力はいったいどの程度あったらいいのでしょうか。その点について紹介します。

■建築基準法による必要換気量

建築基準法施行令第20条の3第2項には、調理室、浴室その他の室にかまど、コンロその他火を使用する設備・器具がある場合の換気(吸気・排気)設備について定められてます。

建設省告示第1826号に、その調理室等に設ける換気設備について、理論廃ガス量によって換気風量(有効換気量)を決めるようになってます。
表1 必要な換気量
V=係数×K・Q
V:有効換気量 (単位:m3/h)
係数:フード形態による係数
K:理論廃ガス量
  単位:m3/m3(気体燃料)、m3/kg (液体燃料) かkcal/m3 (発熱量)
Q:器具等の燃料消費量
  単位:理論廃ガス量の単位にあわせてm3/h、kg/hかm3/kcal

■フードの形態

フードの形態によって決まる係数は以下の4つです。
表2 フードの形態と係数
フードの形態 係数 用途 フードの具体的仕様
1 フードなし 40 標準換気扇 ・排気口や排気筒にとりつけた換気扇
2 排気フードI型 30 レンジフード ・高さ(レンジからフード下端まで)は1m以下
・フードの大きさは、レンジを覆う
 (火源から高さ×1/10の距離までを覆う)
3 排気フードII型 20 業務用換気扇 ・高さ(レンジからフード下端まで)は1m以下
・フードの大きさは、火源から、高さ×1/2以内の距離までを覆う
・フードは、下部に5cm以上の垂下りがあり、集気部分が水平面に10°以上の傾斜がある
4 煙突   ・煙突に換気扇を取り付ける
注:フードの大きさについて、下地および仕上げが不燃材料でできた壁などがある部分には適用しない。

家庭では排気フードI型を使います。拙宅でもこの形状でフードをオーダーします。

実は、排気フードII型の方が換気量が少なくていい、すなわち効率のいいフードなのですが、フードの大きさが「高さ×1/2」を覆うとなると、かなり大きいです。
フードの高さはレンジから80〜90cm程度ありますから、コンロ位置よりも40〜45cmも幅広の大きさのフードが必要なわけですから、プロの厨房では可能ですが、家庭ではむずかしそうです。(壁がある部分はその対象外ですので壁がない部分についてですが。)

■理論廃ガス量

燃料の発熱量と理論廃ガス量は以下のとおり。気体と液体で単位が異なります。
表3 各燃料の発熱量と理論廃ガス量
燃料の種類 発熱量 理論廃ガス量
消費量当たり 発熱量当たり
都市ガス(13A) 11,000kcal/m3 11.88m3/m3 0.00108m3/kcal
LPガス 12,000kcal/kg 12.9m3/kg 0.00107m3/kcal
灯油 10,300kcal/kg 12.1m3/kg 0.00117m3/kcal

■ガス器具と必要換気量

ガス器具の場合、燃料消費量と発熱量のめやすは以下のとおりです。
また換気扇を排気フードI型にした場合に必要な換気量も示してます(詳しくは次項で説明)。
表4 ガス器具と必要換気量のめやす
ガス器具 燃料消費量 1時間当たり
発熱量
必要換気量
(V=30KQ)




13

コンロ 1口  0.25m3/h  2,750kcal/h   81m3/h
2口  0.50  5,500  178
3口  0.73  8,000  259
湯沸器 5号  0.91 10,000  324
炊飯器 1L  0.10  1,100   36
2L  0.14  1,550   50






コンロ 1口  0.18kg/h  2,160kcal/h   70m3/h
2口  0.40  4,800  158
3口  0.65  7,800  251
湯沸器 5号  0.80  9,600  311
炊飯器 1L  0.12  1,440   45
2L  0.16  1,920   64

■換気扇の選定方法

1.キッチン用レンジフード
家庭用ガスコンロを例にして必要換気量を示しましょう。
ガス:都市ガス
コンロ:3口コンロ+魚焼き器
     9,500kcal/h
フード形状:排気フードI型

必要換気量=30KQ
       =30×0.00108×9,500
       ≒308(m3/h)

この値以上の風量がある換気扇を選定します。

レンジフードはこの家庭用のガスコンロ用に設計されていて、深形レンジフードでは強で600m3/h、中で300m3/h程度の風量になっています。

2.有圧換気扇
家庭用コンロでは火力が弱くて不満がある方は、業務用コンロはいかがでしょうか。ただしそのときには換気扇の能力にも注意が必要です。

業務用のガスコンロの場合の必要換気量を示しましょう。
コンロタイプ ガス消費量
(kcal/h)
必要換気量
(m3/h)
ガスタイプ
フード形状
2口コンロ
(12000+5000)
17,000 551 都市ガス

排気フードI型
3口コンロ
+オーブン
36,000 1,166
業務用コンロは火力が強いので、そのための風量を確保するには有圧換気扇が必要です。25cmの換気扇で950m3/h程度の換気能力があります。

東芝製の有圧換気扇です。

拙宅ではこうした換気扇を使おうと考えてます。
詳しくは「わが家のこだわりと工夫」の<プロ仕様のガスレンジと換気扇>を参照下さい。



■給気口

換気扇、とくにキッチン換気扇のときに忘れてならないのは給気口です。これは意外に無視され、せっかくの給気口がふさがれていたりします。

換気は、屋外に出ていく排気量と同じだけの量の空気が給気(外気から取り入れ)されないといけません。

この給気量が不足だと、以下のようかことが起こります。
 ・換気扇をいくら回してもその能力を発揮しない
 ・換気扇がゴーゴー音を立てる
 ・給気口や窓の隙間からピューピュー音がする
 ・室内が負圧になって、その圧力でドアが開かない


給気口=空気の取り入れ口は以下のことに注意します。

1.給気口の大きさ
 一般には換気扇の取り付け面積よりも大きくする。
 理由は換気扇が排出する空気量に見合う外気を導入するためです。
 取り入れ面積が大きいほど、入ってくる風速が弱く、風が感じにくい。

2.給気口の位置
 換気扇からできるだけ遠くに設けるほど、よく換気する。
 換気扇の近くに設けるとショートサーキットで排気が給気口から室内にまた入 ってきて、換気の効率が下がる。
 キッチンの場合は給気口を外壁に設け、他室を通じた空気の導入を避け、独立した給気にする。

一般には、キッチンの低い部分に給気口を設けてます。冷蔵庫の後ろが良いという指摘もあります。コンロからの熱があるとはいえ、給気口の付近は寒くなるので、それを見込んだ方がいいということでしょう。

換気扇を使っていないときに給気口から冷気が入るのを防ぐことを考えると、換気扇が動いたときに給気口が開くようになるものに、差圧式給気口(高気密住宅向け)や電動シャッター付給気口もあります。

高気密住宅では給気不足が大きな問題なので、同時給排気型のレンジフードがありますが、排気口と給気口との位置関係には注意が必要と思います。近いと排気が給気口から入ってくる(ショートサーキット)。

有圧換気扇の場合、排気量が大きいので、それに見合った給気口をどう確保するのか、悩ましいところです。
メーカーに問い合わせたら、口径が25cmの有圧換気扇の場合、自然給気口であれば25cmの穴を2つというアドバイスでした。
また給気口からの風が気にならないためには、風速は1〜1.2m/s以下がよいというアドバイスをもらいました。

 換気扇の排気風量が950m3/hとすると、給気量も同じですから
   950m3/h=950÷3600(1時間=3600秒)=0.264m3/s 
 給気口からの風速を1〜1.2m/sにするためには0.22〜0.26m2の給気口が必要になります。

キッチンのドアにギャラリをつけて隣室から給気することもできますが、その場合は隣室での給気が十分でないといけないでしょう。
給気が不十分だと、換気扇でキッチンが負圧になって、ドアや窓などからゴーゴーと隙間風が入ってくるでしょう。

ところで給気量が大きいと、どれくらい室内の熱が奪われるか。
1,000m3/hの換気扇の場合、屋外と室内の温度差が20℃あると、その給気を室温まで暖めるのには
  1,000(m3/h)×20(℃)×0.3(kcal/m3℃)=6,000kcal/h
もの熱が必要です。(<熱ロスの計算>参照。) この熱量は、FF式ヒーターの最大火力並です。

post 意見・質問・感想は へお寄せ下さい。

2001/2/20
2001/3/21 給気口を追加
2001/4/24 給気口などの内容を修正
2001/5/26 業務用コンロの必要換気量の表の数値を訂正。給気口の大きさについて加筆。
2002/12/20 Sさんのご指摘により、表1に単位を追加、表4のデータの訂正など。