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 私の家づくりノート 1.危険な建材・薬剤
住宅の有害物質

   ■住宅内の有害物質
■揮発性有機化合物(VOC)
■国のガイドライン(1)
■国のガイドライン(2)
■有害物質のない家

■住宅内の有害物質
住宅の中には色々な有害物質がありえます。それが原因でシックハウスになることはぜひ避けたいです。
 住宅内で建材・設備由来で、人体に有害な物質は次のようなものがあります。
有害物質 本サイト内 サイト外
重金属 シロアリ防除上水道の水 水道管の鉛(AR環境情報のサイト)
有機化合物 シロアリ防除の防除、ホルムアルデヒド
環境ホルモン 塩ビクロス
鉱物繊維 アスベストグラスウール・ロックウール
放射性物質 ラドン(東さんのサイト)
オゾン
電磁波 電磁波 AR環境情報ここここ
細菌、ダニ、カビ

 燃料を燃焼させることにより発生する有害物質には以下のものがあります。
   ・二酸化炭素 ・・・・ 暖房機器の燃焼ガス
   ・一酸化炭素
   ・窒素酸化物
   ・硫黄酸化物

 さらには、焼却するとダイオキシンの原因になる塩化ビニルなどのハロゲン化合物、オゾンホールの原因のフロン、地球温暖化の原因の代替フロン、特定フロンなどもあります。

 以上のように、住宅の中の有害物質は非常に多いです。上記のうちいくつかはこのHPで取り上げています(リンクを張ってあるもの)。しかし上記の有害物質すべてをこのHPで紹介することは不可能です。以下を参照下さい。

室内空気汚染(住まいの化学情報センター) 東さんのサイト。詳しい情報あり
大気汚染物質のリスト 石森屋材木店のサイト
<参考図書>シックハウス・有害物質関係の本 『建築知識』1998年9月号、2001年3月号はお勧め


■揮発性有機化合物(VOC)
 ホルムアルデヒドを含む数多くの化学物質を揮発性有機化合物(VOC)と呼びます。
 それらは多くの種類があるためWHO、ヨーロッパではそれらを一括して示す総揮発性有機化合物(TVOC)のガイドラインがあります(表1)。WHOのTVOCのガイドラインは0.3mg/m3です。

表1 WHOのVOCガイドライン
VOCの種類 濃度(mg/m3) 備考
脂肪族炭化水素 0.100 個々の化合物の濃度は、それらが属する属性の全濃度の50%を越えてはならないし、TVOC濃度の10%を越えてもならない。
芳香族炭化水素 0.050
テルペン類 0.030
ハロゲン類 0.030
エステル類 0.020
アルデヒドケトン類
(除ホルムアルデヒド)
0.020
その他 0.050
目標値の合計(TVOC) 0.300
表2 TVOC濃度とその影響
影響 濃度
(mg/m3)
問題なし <0.2
問題が生じる
可能性あり
0.2〜3
問題あり 3〜25
毒性域 >25


 欧米では、ホルムアルデヒド同様にTVOCへの対策が行われてきたため、室内空気汚染の目安となるTVOCはすでに問題になっておらず、むしろその中の個々の化学物質に関する議論に移行し、VOCの種類毎にガイドラインが示されています。

 日本のVOCは、厚生省の調査( 「居住環境中の揮発性有機化合物の全国実態調査」)では、新築3ヶ月未満の住宅の平均で、トルエン(芳香族炭化水素の1つ)だけで0.3mg/m3です。TVOCは、新築住宅では10〜100mg/m3あるのがほとんどで、数ヶ月経っても数mg/m3にしか低下しないという報告もあります。日本での実態はそうとうにひどい状況です。

 ヨーロッパではVOCの分類毎にガイドラインを示している
 日本の住宅のVOC濃度はそのガイドラインを越えている。
しかし、
 日本ではホルムアルデヒド以外はガイドラインが示されていない

※2000年になって、数種類の化学物質についてガイドラインが示されました。その点は後述の「国のガイドライン(2)」で加筆しました。


■国のガイドライン(1)
 非常に多くある有害物質のうち、厚生省は1997年6月にホルムアルデヒドのみについてのみ室内濃度の指針値(ガイドライン)を示しました。 

厚生省によるホルムアルデヒド室内濃度指針値
30分平均値で0.1mg/m3(約0.08ppm)

 1998年3月、建設省などによる「健康住宅研究会」は「化学物質による室内空気汚染が原因となる居住者の継続的な健康への影響を低減する住宅づくりを目指」すことを目的にして「設計・施工ガイドライン」を示しました。
 そこでは「一般に使用される建材・施工材から放散される」ものから以下の3物質3薬剤が「優先取扱物質」として挙げられています。しかし、具体的な数値を示したのは上記のホルムアルデヒドのみです。

表3 国が建築資材への使用削減
を決めた3物質3薬剤
3物質 3薬剤
ホルムアルデヒド
トルエン
キシレン
 木材保存剤 
可塑剤
防蟻剤

●ホルムアルデヒド
 無色で強い刺激臭のある物質。発ガン性が問題視されている。
    0.08ppmから臭いを感じる。 0.4ppm程度で目がチカチカする。 0.5ppm程度で喉が痛くなる。

 合板パーティクルボードなどの建材、壁紙を張る際の接着剤など、グラスウールなど断熱材にも接着剤として含まれているものがある。詳しくは<ホルムアルデヒド>の項を参照下さい。 

●トルエン、キシレン
 トルエンは通常は無色の液体。キシレンは無色透明の液体。
 接着剤や塗料の溶剤などに使われ、キシレンは可塑剤の原料としても使われる。

●木材保存剤
 木材の防腐や防虫を目的とした薬剤。主成分に、クレオソート油やアルキルアンモニウム、有機リン系殺虫剤、ピレスロイド系殺虫剤などが使われる。

●可塑剤
 塩化ビニールなどの材料に柔軟性を与えたり、加工しやすくするために加える薬剤。ビニールクロスや断熱材、接着剤などに使われているものがある。<塩ビクロス>も参照下さい。

●防蟻剤
 ケーブルや建物をシロアリの被害から防ぐために用いる薬剤。主成分は有機リン系殺虫剤やピレスロイド系殺虫剤。<シロアリ対策>も参照下さい。


■国のガイドライン(2)
厚生省は、2000年6月にトルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンの室内濃度指針値を発表し、同年12月にはエチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジ-n-ブチルTVOCの指針値を定めました。(表4)
表4 室内濃度指針値
揮発性化学物質 室内濃度指針値
mg/m3(ppm)
発表
年月
ホルムアルデヒド(再掲) 0.10(0.08) '97.7
トルエン 0.26(0.07) '00.6
キシレン 0.87(0.20)
パラジクロロベンゼン 0.24(0.04)
エチルベンゼン 3.80(0.88) '00.12
スチレン 0.22(0.05)
クロルピリホス 0.001(0.07ppb)
ただし小児の場合
0.0001(0.007ppb)
フタル酸ジ-n-ブチル 0.22(0.02)
TVOC(暫定目標値) 0.40
注:( )内は25℃の場合の換算値。

これらの基準が実際の住宅においても実行されるような規制を行うように望みたい。

●クロルピリホス使用中止へ

なおこの指針を受けて、通産省は(社)日本しろあり対策協会に対して有機リン系防蟻剤のクロルピリホスの使用自粛を要請し、同協会は段階的自粛を決定し、会員企業に要請した。

クロルピリホスはダウ・アグロサイエンス社が製造元の有機リン系の殺虫剤で、日本ではシロアリ駆除のシェア第1位の薬剤です。以前から日本の消費者団体などが被害の実態を訴えていて、すでに97年に国民生活センターがクロルピリホスの危険性を指摘する報告書を出していた。
米国では現在も農薬・非農薬として広く使われているが、米環境保護庁(EPA)は子供の神経系への影響を否定できない強い薬剤だとして、子供が触れるかもしれないところ、要するに家や庭では、クロロピリホスの使用停止を求めていた。ダウ社は2000年6月にEPAと合意し、住宅向けなどで段階的に使用停止を決定していた。

しかしダウ社が使用自粛を決めた後も、日本しろあり対策協会は「米国とは使用場面が異なる」として、自粛には反対していた。今回は、厚生省の指針や建設省の要請を受け入れて自粛を決定した。
自粛のスケジュールでは、家屋への使用中止は2002年3月末です。この間に防除会社が在庫を使い切る目的で、駆け込み的に使う危険性も指摘されています。

なお今回の自粛には次のような背景もある。90年代に入って新型殺虫剤、ハチクサン(ネオニコチノイド系)や各種合成ピレスロイド系が開発され、その使用が急速に伸びていることです。シロアリ駆除の価格競争は厳しく、新型剤を使いたくても、値段の安いクロルピリホスを使わざるを得なかった事情があり、業界団体はこの決定をきっかけに新型剤に切り替えることにメリットを感じているのではないか、と指摘されてます。
「正しい農薬の知識を身につけるマガジン」第13号


■有害物質のない家
 有害物質のない家にしたいものです。そのためには以下のことをします。

床下のシロアリ対策・防腐薬剤処理薬剤を浸潤させた材を使ったり、土壌や土台周りに薬剤処理をしない
合板・パーティクルボード使わない。無垢材を使う。。使う場合には有害成分の少ないものを使う。
内装壁紙に塩ビクロスは使わない。塩ビの可塑剤が環境ホルモンだったり、樹脂モノマーが出たりします。<塩ビクロス>参照。和紙を張ったり左官材を用いるのがよいです。
接着剤要注意。極力使わない。ホルムアルデヒドなしの壁紙接着剤を使うことが多くなってきましたが、その多くは糊であるでんぷんに酢酸ビニルの混合物や防かび剤を混ぜてます。防かび剤はもちろん問題ですが、酢酸ビニルも発ガン性物質ですから、壁のような大面積に酢酸ビニルを使うのは問題です。 

 無垢材や自然素材を使うことが有害物質を減らす良い方法ですが、それらを使えば問題が解決するというわけではありません。例えば無垢材は微量の有害物質が放散しますし(<無垢の木材>参照)、自然素材と呼ばれるものには注意すべきものも多くありますし、またその使用方法を理解しないといけません。

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2000/1/22
2000/2/10 updated
2001/4/27 国のガイドライン(2)を加筆