■熱の伝わり方
■ペアガラスの断熱原理
■ガラスの断熱性
■サッシの断熱性
■温室効果
熱を伝わり方には3つあります。
1.熱伝導
2.対流
3.放射・輻射
断熱材の効果は1つめの熱伝導による熱の移動を絶つことです。断熱材の中には空気がいっぱい入っていて、空気は熱伝導率が悪いですから、そのおかげで断熱材は熱を伝えにくいのです。
対流はお湯をわかすと水の中に起きる現象ですが、空気でもこれが起こります。暖かい空気は軽くなって上へのぼり、反対に冷たい空気は下がってくるのです。部屋の上部が暑くなるのはこのためです。
放射・輻射は空間を熱が赤外線などで飛ぶことです。真空中でも起こります。
複層ガラスのサッシではガラスの間に空気を入れています。空気は熱伝導が低いですからペアガラスや3重ガラスサッシの断熱性が良いのです。
ところが空気層をうんと厚くすると、熱伝導による断熱効果は増すのですが、対流による熱の移動が起こってきてしまい、サッシ全体の断熱効果は向上しないのです。おもしろいことに空気には粘性があって、ガラス面からある厚みの空気部分はその粘性のおかげでガラス面にへばりついて、動かないのです。そのせいで、空気層が薄いと空気の対流が起こらず、対流による熱の移動がないのです。
結果的に、30mm前後の厚みの空気が最も断熱性が高く、ドイツや北欧では24〜30mm厚の空気層のガラスがあるとのことです。日本では6mmか12mmが一般的で、メーカーによっては輸入品のスペーサーを使って空気層16mmのペアガラス入りサッシもあります。
サッシの断熱性能はメーカー・製品による差がかなりありますが、引違いサッシは以前は気密性が押し開きサッシに比べて劣ってましたが、近年は同等の性能になってきています。
サッシ枠にはいくつかの種類はあり、従来からあるアルミサッシに加えて、そのアルミサッシ内部に樹脂の断熱部材を入れた断熱サッシ、樹脂(塩ビ)製の樹脂サッシ、外気側がアルミで室内側が樹脂のアルミ樹脂サッシ、木製サッシなどがあります。
断熱性は、アルミサッシ<<断熱サッシ<アルミ樹脂サッシ<樹脂サッシ<木製サッシ です。
塩ビ製の樹脂サッシを用いるかどうかは評価がわかれるところでしょう。
夏にガラス窓の室内が非常に暑くなる現象をご存じでしょう。またガラス面が熱くなる現象もあります。これはガラスの持つ不思議な現象に要因があります。
ガラスは、透明だから全ての光を通すのかというと、実はそうではないのです。太陽からの光は可視光線の他に紫外線とか赤外線とかをいろいろ含んでいますが、ガラスはそのうちの赤外線(近赤外線)は通すけれども遠赤外線は通しにくいのです。そうするとどういうことが起こるのか。
日射(紫外線、可視光、赤外線)はガラスを通して室内に入ります。日射を受けた床・壁などは温度が上昇します。そうすると暖まった部分は熱を空中に放射します。この熱は、目には見えない光、遠赤外線です。ところがガラスはこの遠赤外線を通しづらい。ガラスを通過せず、ガラス面で止まり、ガラスを暖めます。すなわち太陽光の多くの放射エネルギーはガラスを通過して室内に入るが、反対に室内の放射エネルギーは屋外に出ない。それで室内に熱が室内にこもるわけです。
これが「温室効果」です。
断熱性が良いほどこの効果の影響も大きい。そこで、日射透過率をあえて悪くしたLow-Eガラスがあるのです。
夏には窓から日射が入るのを防ぐことが重要になります。窓の外で太陽光を遮らないといけないわけです。庇、スダレやヨシズ、オーニングなどで日射を遮り室内への日射と熱進入を阻止することが重要です。この点については<遮熱とパッシブクーリング>を参照。
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2001/4/18 一部加筆修正
2006/10/22 温室効果について修正。