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 私の家づくりノート .1.危険な建材・薬剤


上水道の水

  ■いろんな給水管がある
■さや管ヘッダー工法
  ●さや管ヘッダー方式のメリット
  ●さや管ヘッダーの留意点
■水道の鉛汚染
  ●水道管の鉛
  ●水栓の鉛
■飲用専用水栓のすすめ
■バケツ一杯のすすめ

■いろんな給水管があるが・・・
水道管には普通は硬質塩化ビニル管や塩ビライニング鋼管が使われています。
しかし給水設備の配管は、住宅金融公庫「共通仕様書」では以下のものが上げられていて、どれを使ってもいいことになってます。(水道法上そうなっています。)

呼称 規格 適用


硬質塩化ビニルライニング鋼管 JWWA K116の規格品  
耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管 JWWA K140の規格品  
ポリエチレン粉体ライニング鋼管 JWWA K132の規格品  
ステンレス鋼管 JIS G3448の規格品又は
JWWA G115の規格品
 
水道用ポリエチレンライニング鋼管 JIS H4312の規格品  
硬質塩化ビニル管 JIS K6742の規格品  
耐熱性硬質塩化ビニル管 JIS K6776の規格品
ポリエチレン二層管 JIS K6762の規格品  
水道用銅管 JWWA H101の規格品  
銅管(銅及び銅合金継目無管) JIS H3300の規格品で
C1220T-Lタイプ
 
被覆銅管 JBNA T202の規格品
JIS H3300の規格品で
C1220T-Lタイプ
 
ポリブテン管 JIS K6776の規格品
水道用ポリブテン管 JIS K6762の規格品
架橋ポリエチレン管 JIS K6769
水道用架橋ポリエチレン管 JIS K6787
注)JIS:日本工業規格、JWWA:日本水道協会規格、JBMA:日本伸銅協会規格


■さや管ヘッダー工法
拙宅では硬質塩ビ管や塩ビ被覆鋼管を使わないで、架橋ポリエチレン管やポリブテン管を使った、さや管ヘッダー工法で配管をしてもらいます。この工法とそのメリットは有田さんに教えていただきました。

AR環境情報 有田さんのHP
水道管以外にも多くのことを直接に教えていただいてます

住宅内にポリエチレン製のCD管のようなやや硬めの管を引き回し、その中に水ホースのように柔らかい架橋ポリエチレン管あるいはポリブテン管を通します。管が2重になっていて、外側の硬い管が刀の「さや」のようなので、さや管方式というわけ。
それらの管が、ヘッダーと呼ばれる分岐金具から各水栓ジョイントまで、途中での継手なし、シームレスの1本でつなげます。継手方式でないヘッダー方式です。繋ぎ目がないから管の途中で漏水しません。

それで「さや管ヘッダー式」とよぶわけです。

なお、水道本管からの引き込みは土中に埋設するので、硬いポリエチレン二層管を使います。


●さや管ヘッダー方式のメリット
これを採用する理由は以下の点です。

○工法上のメリット
1.メンテの容易さ
 水道管は10年、20年経つと配管を取り替える必要がでてきます。
 しかし壁内に配管があると、それを交換することは非常に困難です。
 しかしさや管ヘッダーなら、さや管の中にある水道管を交換することは容易です。

2.赤水(腐食)予防
 鋼管、鉄管は腐食するので赤水が問題になります。
 塩ビ被覆鋼管でも、どうしても継ぎ手部分が腐食します。
 さや管ヘッダー工法ならヘッダーが腐食しても、交換できます。

3.漏水予防
 ヘッダーから水栓までシームレスなので、そこからの漏水がない。

○材質上のメリット=脱塩ビ
1.塩ビ素材(塩ビモノマー
 塩ビモノマーには発がん性があり、硬質塩ビ管や塩ビ皮膜鋼管ではそれが溶出します。
 (塩ビについては<塩ビクロス>参照。)
 数年すると溶出は落ち着くようですが、やはりイヤです。

2.鉛溶出
 塩ビには安定剤として鉛が含まれています。その溶出が問題です

3.焼却時のダイオキシン
 塩ビを焼却するとダイオキシンが発生します。
 そのうちに焼却方法が改善されて、問題ではなくなることを期待します。

4.環境ホルモン
 可塑剤などに環境ホルモンの疑いがありますが、はっきりしたことはわかりません。

塩ビは問題がありますが、ポリエチレン管やポリブテン管が絶対に安全かどうかはわかりません。塩ビよりは良いだろうということです。(この点は後述)

エコロジー派の設計者の中にはステンレス管を推奨する人達がいます。確かに安全性では溶出がないので安全でしょうが、しかし、ステンレスはコストが高い。しかも熱湯用ではステンレスも錆びます。そのメンテをどうするのでしょうか。壁内に配管があっては取り替えは大がかりです。
それを考えると、配管を交換できる工法を選択する方がいいと思います。

(2003/8/2追記)
ステンレス管のデメリットは価格が高いことと、継手方式なので施工の精度(水漏れ)の問題がありますが、加えて上に書いたようなメンテの問題には注意です。ステンレスでも20年、30年使うと錆びてきます。給湯管ならなおさらです。そうなると管を取り替えないといけない場合がある。
管の取り替えは、ステンレスに限ったことではなくて、すべての材質の管にいえることです。普通の家の場合、配管は壁の中にあったり、基礎のコンクリートの中にあったりします。こういう場合には管の取り替えは容易にはできません。壁を壊したり、基礎をはつったりしないと管は出てこないからです。あるいは古い配管は放置して、新たに露出配管することになります。
こうした管の取り替えまで考えて設計するなら、パイプスペースを設けるのがよい。それならばステンレス管などでもいいです。

安全性に加えて、管のメンテナンスが容易な方法として「さや管ヘッダー」方式を推奨します。
メンテで管を取り替えるときは、硬い外側の「さや管」はそのままにして、その中の柔らかい管のみを入れ替えます。だから管が例え壁の中にあっても交換が容易です。


●さや管ヘッダーの留意点
数年前まではこの工法を住宅で採用するのは稀だったようですが、近年はハウスメーカーでもこの工法を採用するところが出てきたようです。理由は漏水予防と赤水予防です。クレームが回避できるからです。

工事についての留意点はメーカーの工事資料に載っているので、アールの取り方などはプロにお任せするのがいいでしょうが、施主としては以下の点に注意が必要と思います。

1.さや管を水栓に接続する部分には、専用のジョイントを用いる(水栓ボックスなどと呼ばれてます)。これを使わずに管を直接に水栓に接続すると、後日、さや管内の水道管を交換することができず、せっかくのさや管ヘッダー工法が意味なしになってしまう。このジョイントはやや高価(とはいえ数千円です)なので、省く業者(ハウスメーカー)がいるので要注意です。

2.さや管部分は結露する可能性は低いですが、ヘッダー部分は金属なので中を冷たい水が通るとヘッダーに結露しますのでその対策が必要です。断熱材(発泡ポリエチレン)で断熱(防露)するのがいいと思います。結露の様子を観察できるように、ヘッダーは点検が床下の出来る場所やパイプスペースに納めるのがいいでしょう。

3.後日のメンテ時には、さや管内の配管を入れ替えることになります。その際に抜き換え作業がしやすい位置にヘッダーを配置するのがいいと考えます。

・工事が終了したら水圧試験を行うこともお勧めします。


(2003/8/2追記)
上記のうち、とくに1.の水栓ボックスの使用には注意して下さい。これを使わないと、後日、内部の管を取り替えることができなくなります。困ったことにこのことを知らない業者が多く、むしろ使わないのが普通になっています。
水栓ボックス セキスイの部材紹介

実は拙宅でもそうでした。(苦笑)  恥ずかしながら紹介します。
水栓ボックス 使用前 誤った工事例
使用後 正しい工事例

WEBを見ても、水栓ボックスを使わない誤った工法を堂々と紹介しているサイトがあります。後日問題にならないように、メーカーはきちんと指導してほしいものです。


■水道の鉛汚染
●水道管の鉛
かつて水道配管は鉛管で行われていました。いまだに取り替えられないで使われている地域があります。自分の家までの配管が何で出来ているかは水道局へ行けば確認できます。
鉛管だけでなく、先ほどさや管ヘッダー方式のメリットでも書いたように塩ビ管にも鉛が含まれています。

こうした鉛の溶出は、日中、管内を水が流れているときは大きな問題ではないですが(溶出しても水が流れているので濃度が低い)、夜間に管内に溜まった水は鉛濃度が高いので問題です。だから朝、最初に水栓から出てくる水道水はバケツ1杯ほどは捨て水するのが防御策です。

この水道の鉛汚染について指摘する識者はほとんどいません。私も水道評論家の有田さんに教わりました。
今そこにある危険(鉛) 有田さんのHP
鉛の水道水 同上


住宅新築の際には、鉛汚染をできるだけ回避する水道配管を検討したいものです。その1つがさや管ヘッダー工法の採用です。管の材質はポリエチレンやポリブテンですから、鉛は回避できる。屋外の埋設管については、硬質塩ビ管が一般ですが、ポリエチレン2層管を使えば塩ビを回避できます。これは金属継手で管を接続します。

法的には道路に埋設してある水道本管から水道メーターまでもこの管で可能なのですが、水道当局によっては法的根拠がないままにダメだという場合があります。正面から争う価値はあるのですがそれは別にして、ステンレス管という選択もありえます。先ほどはステンレス管の錆のことを指摘しましたが、壁内埋設ではなく土中埋設ならば、場合によっては掘り起こせばいいわけですから、この点ではポリエチレン2層管も同じです。


●水栓の鉛
鉛問題は水道管だけかと思ったら、実はもっと広範囲にあります。
水栓には銅合金(黄銅など)が使われていますが、これらには鉛が含まれています。この微量な鉛が水道水中に溶出してきます。

水道水内の鉛基準値は、米国では1998年から0.011mg/Lで、それをクリアしない水栓の製造・販売は禁止されています。ところが日本の基準はその5倍の0.05mg/Lです。日本製の水栓は米国では使用禁止です。日本では2003年に0.01mg/Lになる見込みですが、業界の対応は非常に遅れています。

対応が進んでいるのはTOTOです。TOTOでは2000年から鉛低減の水栓を販売しています。そこで拙宅では水栓はTOTOのものを採用することにしました。
鉛溶出低減水栓 TOTOのサイト
TOTOのお知らせ 有田さんのHP


銅合金に鉛が含まれているということになると、問題は水栓だけに限りません。水道メーター継手、さや管ヘッダーのヘッダーも同様です。こうしたものの銅合金部分から鉛が溶出してきます。せめて米国並の対策を早くにやってもらいたいものです。

鉛レス銅合金給水装置 有田さんのHP
エコメーター? 同上


■飲用専用水栓のすすめ
水道管に溶出する物質は鉛だけではありません。熱湯配管の場合は、どんな材質のものを使っても配管内の物質の溶出があるようです。ポリエチレンやポリブテンでもなにやら解らない物質が色々出てくるでしょう。

キッチンなどでは混合水栓を使うことが多いですが、レバー式の混合水栓の場合には、レバーを給水側に回しきらない限り熱湯が混じります。それだと飲用水を出すときに熱湯と混じり、熱湯中の何やらわからない物資が飲用水に混じる可能性があります。

そうしたことを回避するためには、キッチンには混合水栓とは別にもう1つ飲用専用の単水栓を設けるのがいいと思います。こうすれば熱湯を介した溶出問題を回避できます。単水栓1個の増設なんて安いものです。


■バケツ一杯のすすめ
国立公衆衛生院等の共同研究「内分泌かく乱化学物質の水道水中の挙動と対策等に関する研究」で架橋ポリエチレン管やポリブテン管から環境ホルモンのビスフェノールAの溶出が検出されたことが2000年に報告されました。以下のサイトに要約と全文が載っています。詳しくは本文の89〜112ページです。
http://webabst.niph.go.jp:/shrk/shrkdad/SRsearch.disp_OneAbstract?aid=3762&rid=207400&dpos=1&dbold=1

ビスフェノールAはエポキシ樹脂やフェノール樹脂の原料ですが、他方で合成樹脂の安定剤に多用されているので架橋ポリエチレンなどからも溶出するようです。また一定期間通水すると溶出しなくなっていますが、それまでどの程度溶出しているのかは問題でしょう。

給水管、給湯管、水栓、継ぎ手など、いろいろな部分から有害物質が出ています。怖くて水道水が飲めなくなりますが、実際には水道管の中を水が流れているときの汚染は大きな問題ではなく、夜間、管の中に滞留していた水は溶出の濃度が大きくなります。ですから夜間、引き込み管以降に滞留していた水を飲まなければ有害物質による影響を少なくすることができます。

朝、最初に水道水を出すときは、管中の水、バケツ1杯分の水は飲用にはしない、というのが危険をさける方法です。

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2001/4/4
2001/4/5 一部修正
2002/2/22 「わが家のこだわりと工夫」から「家づくりノート」へ移動
2003/7/27 バケツ一杯のすすめを追加
2003/8/2 追記