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 私の家づくりノート 3.知っておきたい構造・設備


遮   熱
   ■夏の日射し:東西からの日射
■日射の遮蔽
 ●軒・庇の出
 ●スダレ・ヨシズ
■ガラスの温室効果
■生活熱
■冷房ロス

 関東以西では、暖房よりも冷房に大きなエネルギーを使うことが多いです。
 夏、涼しくすごすためには住宅の断熱・遮熱が大切です。
■夏の日射し:東西からの日射
 夏の日射しが強いことは説明いらないでしょうが、日射の角度は、南は高いですが西や東はかなり低いことが問題です。
 東西からは、ほぼ真横から日が射します。しかも南面よりも東西面の方がはるかに多くの太陽エネルギーを受けます。夏至のときには、約1.5倍です。ちょっと不思議ですが、事実です。
 東西は太陽の位置が低いので日射しが強い(壁に垂直に当たる)ということと、その太陽が西からさらに北へ回り込んで沈んでいくために日照時間が長いからです。家相で西窓や西玄関が要注意とされる理由です。

 以上の日射角度の問題は、窓の向きとも関係してきます。南の窓は庇などで遮熱しやすいですが、北東から南東、南西から北西の窓はどうしても熱を取り込み易くなります。したがって同じ規格の家でも、壁面が南東と南西に向いている家では、夏の日射がとくに入りやすく、遮熱をきちんと計画しないととても暑い家になります。


■日射の遮蔽
●軒・庇の出
 断熱は外から熱が入るのを防ぐことです。とくに屋根と西壁は熱くなりますから断熱を行うことが有効です。
 しかしそれにも増して重要なのは遮熱対策です。とくに高断熱の住宅では、日射で室内が暖まると断熱のせいで熱が逃げずに熱が中にこもってかえって暑くなります。断熱してあるから大丈夫なんて思うと間違い。日射を遮る対策を講じないといけません。

 日本は冬の日射量が多いので、それを多く取り入れて暖房に活用するために、南面に大きな開口部を作ることが大切です。しかし反面で、夏にはそこから多量の日射が入ります。

 昔の日本家屋は軒や庇(ひさし)が大きく出て、また窓の上のみならず周囲全体にまで庇が付いていて、夏の日射を遮っていました。「夏を旨とする」家はそうした点にも配慮がありました。夏の日射角は高いのでそれは庇で遮るが、日射角が低い冬の日射しは庇にじゃまされずに室内へ取り込むことができます。

 住宅金融公庫監修の工事仕様書では、日射遮蔽のための軒・庇の出は、軒先の高さの0.3〜0.4倍としています。この程度あると夏の日射遮蔽には有効です。


●スダレ・ヨシズ
 しかし現在の家は、敷地に十分な余裕がないこともあって、軒や庇が小さくというか、ほとんどとれない家も多いです。(敷地に余裕があっても、そうした家が建っているのは不思議ですが。)そうした家が高断熱だと夏の室内はきっと暑くなりますから、エアコンをガンガン効かせないといけなくなります。

 都会の家で軒・庇を大きくするのは難しい場合は、スダレやヨシズを窓の外に掛けたり立て掛けたりすることで、室外で日射を遮断し、室内を涼しくできます。これも古くからの先人の知恵です。壁にヨシズを立て掛けると壁の温度が下がるので、室内への熱の侵入も減ります。

 ところで、からの日射しを遮光するには上記の庇は有効です。しかし、朝方の北東から南東、夕方の南西から北西の日射は、入射角が低いので庇では遮れない。だから、東と西にはとくにスダレが有効です。

外付けのブラインドオーニングも有効です。要するに家の外で日光を遮って、室内に熱を入れないことが重要です。
各種窓の日射遮蔽率(%)
 窓の種類 日射遮蔽率
開いた窓 100 
カーテンのみ 30
ガラス(6mm) 81
ガラス+内側ブラインド 51
ガラス+外側ブラインド 18


■ガラスの温室効果
 夏の暑さにはガラスの温室効果も加わります。
 ガラスは面白い性質を持っていて、透明だから全ての光を通すのかと思うと意外にもそうではなく、赤外線とくに遠赤外線は通さないのです。

 日射が窓ガラスを通して室内に入り、それを受けた床などの温度が上昇すると低い温度の遠赤外線の輻射熱を出します。これがまたガラスを通じて屋外へ出ていけばいいんですが、しかしこれはガラスを通って外へは出づらい。ガラス面で止まって、ガラスを熱くします。それで熱が室内にこもるわけです。これが「温室効果」です。

 遮熱、すなわち日射を窓から入れない、窓の外で光・熱を遮ることを計画する所以は、ここにもあります。


■生活熱
 さらに「生活熱」の問題もあります。人間1人の出す熱が100w分というんですから、生活熱と合わせてかなりの熱が家の中なら出ていることは確かです。
発熱体 発熱量
kcal/h
人体 100w 86
炊事(ガスレンジ) 2〜3kw 1.72〜2.58
電力 電力×0.7 電力×0.7


■冷房ロス
 窓を閉め切って冷房したとしても、一定程度の換気が必要ですから、室内に入ってくる新鮮空気を冷やすために熱ロス(冷房ロス)が出てきます。

 温度33℃、湿度80%の外気1m3を27℃、55%に冷やすため除去すべきエネルギーは以下のとおりです。

 1m3の空気を冷やすだけなら、6℃冷やすのに1.8kcalのエネルギー除去(冷却)をします。
 ところがその気積の除湿のためには10.1kcalの冷却が必要です。除湿のためには、水蒸気(気体)を冷却して水(液体)にする必要があり、それには水蒸気から気化熱を奪う(冷却する)必要があります。潜熱とも呼ばれている熱量です。しかもさらに、空気を冷やすとともにその気積に残っている水蒸気をも冷やす必要がありますから、実際にはもっとエネルギーが必要です。



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1999/12/10
2000/1/21 updated
2002/2/18 修文