くるまのはなし

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15



1.はじめに・・・


基本的に・・・

いや・・・・、

ほぼ、全域にわたり、

ノリとウケだけのここだけど、

まじめにコンピューターセッティングなど

チューニングのお話を

知りえる範囲で、

多少なりとも書いてみようかと・・・・

そんな似合わないことを思ってます。




それでも、

とても長くなりそうです。

途中で

いつものように

わき道、外れそうだし・・・・・。




セッティングに興味のある人、

特に、日産のシルビアや180SX(SR20DETエンジン)と

スカイライン(RB20DET、RB26DET)のオーナーの方、

将来的に購入の計画をたてて、

今はグランツーリスモの画面の前で、

チューニング計画を、頭の中で形にしつつある若人たち、

ブーストアップや

いつかは、タービン交換など

「やってみたいなぁ・・・・」と、

より具体的な形で、

その時を間近に待っている方、

時間の許す範囲で、

コーヒーやビールやワインやカクテルや牛乳やヤクルトを片手に、

軽い気持ちで読んでみてもらえると

嬉しく思います。

少しは、参考になるかも知れませんし・・・・。

(この程度なら全部知ってる人もいらっしゃるとは思いますが・・・)






基本的な部分では、

間違いを書かかないように気をつけ、

文章をすすめて行こうと思っているのですが、

特にセッティングについては、

絵画と同じで、個人の色と考え方があります。

意見の合わない内容も当然考えられますが、

そんな時は、

「こんな見方もあるんだなぁ。」と

方向性の違う別の考え方として

参考にしてもらえれば

またまた嬉しく思います。






2.GTR

ぼくの車は、

スカイラインGTR(BNR32)でした。

「でした」と書いたのは、

今は、その車、

リオ常連のねたろう君の愛車となり、

ぼくが乗っていた頃より、

よりハードな仕様となって存続しているからです。



GTR(BNR32)

「GTRの復活」と銘打って、

日産が発表した時には、

当日、

わざわざディーラーまで出向き、

その精悍な姿に、

心から興奮したものでした。

セラミックツインターボ、

2.6リッターの6気筒ツインカムエンジン

(その当時、2.5リッターで自動車税の境目があったためか、2.6リッターはありませんでした。)

厳ついライト回りのデザインや、

ワイドタイヤを容認するフェンダー、

国産初のピンホールの入ったブレーキローター

でっかいブレーキキャリパー、

純正とは思えないホールド性のよさそうなシート、

黒を基調にした内装、

そして、驚くべきは、その駆動システムです。

それまでは、低ミュー路の走行のためのものだと考えられていた4WDシステムを

ハイパワーを路面に伝えるためのシステムとして使用したことが、

とても斬新でした。

通常はリア駆動の2WDでありながら、

リアタイヤがスリップするような環境下でのみ

フロントタイヤに動力が伝わる

FR(フロントエンジン、リアドライブ)をベースにした4WD。

その当時、GTR以外のすべての国産車が

FF(フロントエンジン、フロントドライブ)ベースの4WDだった中で、

これは、革命的。

別世界の車だったように思いました。

しかし、走りだけを考えたハードなだけの車ではなく、

例えば、オートエアコンやパワーウィンドなど、

走るのが好きでも、

走りだけではない

ストリートユースも同時に求めるオーナーの気持ちを

絶妙に捕らえた車だったと思います。




「欲しいっ!絶対に欲しいーーーーっ!」







即、調べました。

購入可能な車かどうか・・・。

そして、わかったこと。




諸費用を合わせると、5百万円を越える・・・

注文しても、納車までに半年以上かかる・・・








無理・・・

どう考えても
無理・・・

納期はともかく、

お金が・・・。






そんな大金、

車を買うために使う金額ではありません。

常識の外の世界、

アウトオブ眼中であります。

無理を理解するために、自分自身に無理だと言い聞かせました。

なんとか、自分の中の欲しい病を治すために、

自分で自分を抑えたのですが・・・、

しかし、その気持ち・・・

抑えるとピコッ

また抑えるとピコッピコッ、

逆に増幅されてしまったのです。

この買いたい病は、

ついには、

無理無理と言いながら、

銀行に通い、

無理無理と思いながら、

資金繰りをし、

そして、ついに、

購入するに至ったのでした。

(最近、ここまで思わせる車が少ないような気がするなぁ・・・・。年齢のせいかなぁ・・・・。)






購入するのを決めた

最後の最も大きな理由。



GTRと名のつく車であれば、

完成度が高く、

購入した後で、チューニングに多大な費用がかからず、

中途半端な車にお金をかけるより

結果、トータルでは安く上がるはず。




もう、気持ちは買いたい方面へ一直線。

何の疑いもなく

そんな都合の良い考え方もまかり通ったわけです。

(実際、その時は、本当にそう考えてました・・)




そして、

待って、待って、やっと届いたGTR。

初めてシートに座り、

ステアリングを握ったときは、

それはそれは感動の世界のど真ん中でした。




しかし・・・、

乗っているうちに

その車が、どんなものか、

だんだんと分ってきました。

それは、

例えて言うなら、

高額な塗り絵。

(そんなのあれば、ですが・・・・)




そのまま下絵のままでの楽しめるけど、

そこへ色を入れると、

絵がオーナー好みへと豹変するのです。




見て、描いて、またそれを見る楽しみ。



そう、

無限の楽しみを潜在させた車。

わくわくさせる要素が

不完全に満載された車だったのです。





そして、

問題は、

そのための絵の具が・・・・・、

とんでもなく高額なことです。



GTRは、

ノーマルでも、グッドカーです。

何よりかっこいいっ!

その他の性能も前述の通り。

が・・・・、

これが

チューニング好きには、

とてもそのまま乗る気にはなれないのも事実。

あれこれと、パーツの交換や追加を考えてしまうと

結果、

財布には優しくない

いやっ、

厳しいです!





車高調

マフラー

タイヤ、ホイル (これは純正でもかっこいいのでそのままも有り)

ブレーキ

エアクリーナー


この辺までが、一般的なところで・・・


ブーストアップ

燃料ポンプ

プラグ

コンピューター



パワー系のチューニングへと進みます。



当然ですが、

ぼくも、この道を

よそ見せず、

まっすぐに突き進みました。


財布が壊滅しそうになっても、

それでも

止められませんでした。

面白くて、楽しくて、

終始、GTRに関係した生活が続きました。

ほとんど、ジャンキー(中毒)に近い状態です。




しかし、単に費用だけがかかったわけではありませんでした。

あちこち交換したり、触ったりすることによって、

日産車の勉強ができました。

やはり自分の車、

何をするにも、遠慮がありません。

実際に作業を進めるに当たって

特に、情報、技術の面では、

ずいぶんとプラスになったように思います。



その中でも、

特にブーストアップ。

重たいGTRのボディをものともせず加速させる力をゲットするためには、

もっとも効率的な方法だと確信しました。






3.ブーストアップ


ブーストアップとは?

言葉では、知ってる人が多いと思いますが、

意外と知られていないのが、その原理と構造です。

そこで、

今さらながらですが、

その内容に触れてみたいと思います。


ひとことでまとめてみると・・・。




ターボの最大ブースト圧を上げることです。

(ひとこと! そのまますぎ?)  





エンジンは、空気の取り込む方法では、「NA」と「過給機付き」の2種類に分けられます。

NAは、ノーマルアスピレーション(自然吸気)の略です。

ピストンが上下する際、

一番上(上死点)から一番下(下死点)までの容量分の空気を吸い込みます。

これが、NAの基本です。

人が息を吸い込むとき、

その人の肺活量が最大の吸い込み可能な空気の量ですが、

これも、ある意味、NAです。

これに対して、過給機付きエンジンのは、

自然に吸う以上の空気を無理やり入れる構造のエンジン、

ということになります。

人に例えると、

マウスツゥマウス

もしくは、激しい愛のぶちゅー

そして

肺活量以上の・・・・・







過給機付きエンジンは、

その大半がターボエンジンになります。

そこで、

ターボについてご説明します。

ターボの形は、

自動車雑誌等の写真でお目にかかれます。

かたつむりが二匹、ひっついたような構造をしています。

まず、一つのカタツムリが排気ガスの圧力を受け、

もう一つのカタツムリに

中心のシャフトを通じてその動力を伝達、

その力で、

自然吸気以上の空気を入れる構造になっています。

要約すると、

排気ガスの力を利用して、吸気を強制的に行うシステムなのです。

エンジンは、たくさん空気を吸うほど、

大きなパワーが出ます。

しかし、エンジンの構造を変更して、

もし、ピストンの上下の距離を増やすと、

高回転では、ピストンの速度が上がりすぎて

エンジンが壊れてしまいます。

(低回転では、バリバリに力がでますが・・・・)

このピストンの平均速度の限界は、2m/秒 と言われています。

これは、軽自動車からF1まで、おおむね共通する数値です。

街中で、たまに見かける

ハーレーダビッドソンやドカティなど

低回転で力を発揮するタイプのバイクは、

排気音が、

ドッ、ドッ、ドッ、ドッ と、とても特徴的です。

この単発的な低音は、

ロングストロークエンジンの特徴です。

ロングストロークエンジンは、

高回転まで使えない代わりに、

低回転で、大きなトルクを発生します。

ロングストロークエンジンを搭載した車は、

ギア比で高速に対応している場合もあります。

自転車の変速ギアを

最初から速度が出るシフトに入れて、

競輪選手が踏んでいるようなものです。

それは、それで速いですが・・・。



ストロークを増やすと、

高回転が使えない代わりに、エンジンが回ろうとする力(トルク)が大きくなります。

ストロークを減らすと、

高回転まで使える代わりに、トルクが小さくなります。

そこで、両者の性能をいいとこ取りして、

ストロークの小さなエンジンにターボを組み合わせ、

ロングストローク同等の空気量を強制的に入れて、

ピストンスピードを限界以下で使用可能にしたものが、

ターボエンジンになります。


こう考えると、

パワーを求めるエンジンの場合、

まさに理想の形となります。

ずっと以前

F1でターボエンジンの使用がレギュレーションで認められていたとき、

多くのチームがNAからターボへ移行したことなども

ターボエンジンのパワーでの優位性を表したものだと思います。




このターボエンジンですが、

それでは、

普通のNAエンジンにターボを装着しただけで、

しっかり速く、安定して

エンジンが動くことができるか、

と言うと、

実は、さまざまな問題があります。




重要な問題点のひとつが、

最大過給圧です。


先の内容になりますが、

ターボエンジンの行程です。



エンジンに燃料と空気が入ります。

  ↓

爆発します。

  ↓

排気します。

  ↓

タービンが回ります。

  ↓

自然吸気量に空気がプラスされます。

  ↓

通常よりたくさんの空気が燃焼室に入ります。

  ↓

通常より大きな爆発が起こります。

  ↓

通常より大きな排気が発生します。

  ↓

もっとタービンが回ります。

  ↓

もっとたくさんの空気が入ります。

  ↓ 

もっと大きな爆発が起こります。

  ↓

もっと大きな排気が発生します。

  ↓

さらにタービンが回ります。

  ↓

もっともっとたくさんの空気が入ります。

  ↓

もっともっと大きな爆発が起こります。

  ↓

もっともっと大きな排気が発生します。

  ↓

よりスペシャルにタービンが回ります。

  ↓

よりスペシャルに空気が入ります。

  ↓

より・・・・


もうええ?





と、

この繰り返しで、

エンジン内に入る空気は、加速度的に増え続け、

圧縮は上がり、

エンジンはパワーを得て

車はグイグイと前へ進むわけですが、

しかし、そのままでは、

エンジンは、その耐久の限界に達し、

いつかは壊れてしまいます。

そこで、どこかで制御をかけて

空気の量を制限する必要があります。

ここで、排気バイパスという制御のためのシステムが仕事を始めます。

これは、タービンの構造にセットされた機能で、

エンジンから送られてくる排気ガスの一部を

タービンを通さずに、わき道(バイパス)からマフラーに直接に逃がし、

ブースト圧を制御しようとするものです。


この排気バイパスへの通路の開閉を行うパーツを

アクチュエーターと言います。

(別の方法で、ウェストゲートなる方式もあります)


アクチュエーターは、きのこのような形をしています。

もしくは、からかさお化け・・・(古い?)

もしくは、ホイミスライムの足一本・・・・(わからん?)

本体は、小さな円柱構造で、そこからロッドが一本出ています。

中では、ダイアフラムと言う、薄い隔壁が構造を成しています。


このアクチュエーターに圧力がかかり、

ある一定の数値を越えると、ロッドが動きます。

圧力は、

タービンの加給側(吸気側)の出口より後の場所から

ゴムの配管で接続検知できるようになっています。

ブースト圧を正確に抜き出せる場所です。

ロッドの先端には、先の排気バイパスの扉が接続されていて、

一定の圧力が加わると、バイパスの扉の開閉を行い、

エンジンから出た排気圧力を

タービン本体と排気バイパスの2つの方向へ振り分けます。

それによって、排気ガスのタービンへの制御がされるわけです。

このアクチュエーターには、

最初から作動を開始する圧力の設定がされています。

もし、0.6Kg/cm2の圧力の設定がされたアクチュエーターを装備したタービンの場合、

0.6で排気バイパスは全開になりますので、

ブースト圧は、0.6になるわけです。

(実際は制御を加えた少し上の過給圧になります。)




ここで、ブーストアップの話に戻って・・・・

ではもし、

アクチュエーターに接続されているホースが抜けた場合、

どうなってしまうのでしょう?

タービンは制御を失い、

持てる力をフルパワーで発揮して、

ブースト圧を限界まで上げるよう仕事をします。

そして、運が悪ければ、

エンジンが負けてしまいます。


一瞬ですが、

「まじ?まじーーーーー?俺の車、速いーーーっ!!!」

驚く加速が展開されたその後、

悲しい現実が待っています。  (ToT)





では、そのホースに小さな穴が空いていた場合は、どうでしょう?

その場合、

例えば、アクチュエーターが0.6設定だった場合、

実際には、マニホールドで、0.6の圧力がかかっても、

アクチュエーターには、穴か漏れた空気分が差し引かれ、

0.5に下がるケースが考えられます。

すると、アクチュエーターは、0.6の圧力に対応するのですから、

もう0.1上がるまでは、排気バイパスの扉を開きません。

マニホールド圧が0.7近辺になって、

やっと、ブースト制御をするわけですから、

0.1のブーストアップが可能になるわけです。

(実際にはそんな簡単な計算ではありませんが・・・・)

このホースに空いた穴の大きさを調整することで、

ブースト圧は、コントロールが可能になるのです。


この考え方が、ブーストアップの原理の基本となります。









4.機械式ブーストコントローラーと電気式ブーストコントローラー


ブーストアップをするには、

具体的には、どうすればよいのでしょう?

そこで、

ブーストアップをするためのコントローラーの話です。




もう最近ではほとんど見ることがなくなりましたが、

機械式のブーストコントローラーなるものが

その昔、存在しました。

当時、

お客さんが、ブーストアップを希望される場合、

知識が豊富な方から、

電気式ブーストコントローラーと機械式ブーストコントローラーの違いの質問を受けます。

何と言っても、機械式は安いですから・・・・。



しかし、

この最近、チューニングの世界に足を踏み入れた人たちは、

機械式ブーストコントローラーを

きっと知らない気がします・・・。


見たことなかったりして・・・・・。(ToT)



機械式ブーストコントローラーは、

は、通常、VVCと呼ばれています。

Variable Valve Controlの略で、

可変バルブ・コントロールが訳です。

(どーして、これで、機械式になるんだろう・・・・?)



形は、もう、見るからに


水道の蛇口。


ぐるぐる回すダイヤルが付いています。



先のブーストアップの話に戻りますが、

結局、ブーストを上げるためには、

アクチュエーターへの配管に穴を開け

その穴の通気量でブースト圧をコントロールするわけですが、

もうひとつ、別の方法があります。

それは、

配管の途中を狭くして

空気の流量を減らす・・・

具体的に言うと、

チューブを指で押さえて、狭くする方法です。

水道のホース場合、

これによって、水の出方を制御することが可能です。

この機械式ブーストコントローラーは単なる圧力制御弁で、

その原理で、

アクチュエーターへ流れる空気を制御し、

実際に発生した加給圧よりも低い圧力を伝達することで

穴を開けるのと、同じ原理で最大ブースト圧をあげます。



そして電気式ブーストコントローラーの説明です。

これは、ホースに開けた穴の大きさの制御を

コンピューター計算によって行っています。

また通気量は、穴の大きさを変えられる特殊な構造のパーツを

使用しています。

その方法には、

ステッピングモーターとソレノイドバルブの二つの種類があります。

ステッピングモーターを使用しているメーカーは

HKS、トラストなど

超有名どころです。

ブリッツ、アペックス、サードは、

ソレノイドバルブを使用しています。

こっちも超有名ですね・・・。


この二つのシステムの違いは、どうでしょう?

ステッピングモーターは、

穴に針を差し込み、

針の差込具合で、針と穴の間にできる面積を換えて通気量を制御しています。

長所は、通気の微調整が可能なことで、

また、突然バルブを閉じることによって発生する

空気の逆流の発生も少なく

なかなかの優れものです。



ソレノイドバルブは、

オンとオフ、全開か全閉か、の二つを操作して、

その時間の割合で、通気量を制御します。

全閉の完全さと全閉までの速度はこちらの方に分があるようです。

(個人的な見解が、多少入ってるかも・・・)


このシステムの問題は、

全閉にすることで発生する空気の逆流です。

いきなりバルブを全閉にしますから、

そこへ向かって来た空気が行き場を失い

スムーズに流れない場合があります。

この現象を解決するため

バルブの開くタイミングを調整し

同じ開閉の割合の中でも

1秒間のうちに、何度開け閉めを行うかの設定を工夫し、

コンピューターで適切に調整できれば、

このタイプも高性能を安定して発揮することが可能となります。


結局、どちらの方式を採用しても、

その機種の詰めの部分での設定がしっかりしていればOKなのですが、

それがうまくできていない場合は、

いろいろなトラブルが発生します。

起こりうる現象としては、

最大ブースト時でのふらつき、ブーストのかかりの不良、

オーバーシュートがあります。

最大ブースト時でのふらつきは、

ブーストコントローラーが、最大ブーストで圧力を制御しきれずに目標値を越え、

それを遅れて制御するため、今度は、ブーストが下がりすぎ、

また、それを制御すると、今度は上がりすぎる現象です。

アクセルを一定にしているのに、

エンジン回転数が、上がったり下がったりする現象は

この調整が適正に行われていないことが原因の場合があります。




ここだけの話しですが・・・

以前、この現象に悩まされ、

ブースとコントローラーのメーカーに相談したところ、

「配管の取り回しが悪い」、とか、「途中になにやら対策部品を取り付けてくれ」、とか

こちらの作業を疑われつつ、面倒くさそうに説明され、

それでもどぉぉぉぉーーーしても直らず

これはもしかして製品の問題?と結論が達し、

他社のコントローラーに交換したところ、

まったく問題なく直ってしまいました。

この辺が、制御系の優劣の問題なのだと実感しました。

この問題のメーカーは、すでに存在しませんが・・・


ちなみに、オーバーシュートは、

この目標のブースト圧を勢いあまって越える状態で、

ブーストのかかりの不良は、これを恐れての

早めのブースト制御で、せっかくの馬力を失ってしまう現象です。

すべて、制御に関する問題点のようです。

最近では、

まじでどちらの方法も、メーカーの渾身の努力が注入され

まったく甲乙つけがたい状況となっています。



では、

機械式と電気式の具体的な違いは何でしょう?



それには、ブースト圧と負荷の関係の説明が必要になります。

ターボ車に乗ってる人は、

たぶん、みんなが感じたことがあると思います。

「どーして、1速は回転の伸びが悪いのだろう?」と・・。


そして、2速は、そこそこ、

3速からは、急にトルクフルになるのはなぜ?と・・・・・。


その理由は、負荷にあります。

負荷とは、

簡単に説明すると、走るための抵抗のことです。


例えば、

ニュートラルの状態で、アクセルを調整してエンジン回転数を3000回転に上げ、

それから、クラッチを踏んで、ギアをそっと1速に入れ、

アクセルはそのままで、車を前進させた場合、

エンジンの回転は、車を動かすために力(負荷)のために、

3000回転以下に落ちてしまいます。

そこで、アクセルをちょっとだけ踏み足し、

1速で3000回転になるように調整して、

クラッチを踏み、2速に入れると、

またまた、回転数は3000回転より落ちてしまいます。

2速は、同じエンジン回転数で1速より多くの距離を走りますから、

より大きな負荷がかかるわけです。

そこで、またまたアクセルを踏み足し、

3000回転に調整して、3速に入れた場合、

やはり、回転は落ちてしまいます。



以上から・・・・・・・・・




同じ回転数でも、負荷が大きいと、アクセルを多く踏んでいる。



アクセルを踏んでいる = 通気量が多い

ですから、

当然、燃焼室での爆発力も多く、

それによって、排気の圧力でパワーをもらうタービンは

よりたくさん回転することになります。

負荷が大きければブースト圧の上昇が速い理由は、

ここにあります。



ここで、機械式ブーストコントローラーの話に戻ります。

機械式の場合、

空気を制御するバルブの調整を走行中にグリグリ回して、

あれこれ触るわけにはいきませんので、(危ないから・・)

基本的には固定になります。

だから、ブースト圧を決める際には、

高いギアで設定を行う必要が発生します。

ブースト圧を仮に1キロに設定したい場合、

3速で、ブースト1キロに合わせると、

4速では、1.2

5速では、1.3

そんな現象が発生します。

機械式で最大ブースト圧を設定する場合は、

5速で合わせることがお約束となります。

逆の考え方をすれば、

低いギアほどブースト圧は希望値を下回ることとなります。

また、この負荷は、単にギアだけの問題ではなく

例えば、

アクセルをゆっくり踏んだ場合や

上り坂や、

乗車数が増えたり荷物が増えたりした場合も

負荷は増え、ブーストも上がる結果になります。

負荷は、簡単に考えるとと

自転車のチェーンが、いっぱいに張るような

そのような状態だと考えても良いと思います。

そのような環境下では、

機械式のブーストコントローラーは、

設定時、注意しないと、

気がつけばオーバー、にもなりかねないのです。



これまでの話しをまとめて考えてみると、

危険だから出来ないはずの

機械式ブーストコントローラーの使い方が、

もっとも理想的な操作となるのです。

具体的には・・・



1速。

もともと負荷の少ない1速は、

ブーストコントローラーのバルブを絞り、

出来る限りのブースト圧を確保するように努力します。

たぶん、通気がゼロでも

ブースト圧は、目的値には到達しない可能性すらあります。

(タービンによっては、上がりますが・・・・)

そして、2速。

さすがに、バルブ全閉では、

ブースト圧が上がりすぎてしまいます。

そこで、ちょっとだけ制御です。

しかし、ここで、重要なコツがあります。

まず最初は制御を最大にして、ブースト計とにらめっこ。

目標のブースト圧になる寸前まで

アクチュエーターを動かさず、

排気の全てをタービンに集中させます。

それにより、

速い立ち上がりで、ブースト圧を確保することができます。

そして、急速にバルブをしめて、狙ったブースト圧に抑えます。

さらに3速、

今度は負荷もばっちりかかってますから、ブーストの上がりも急なはず。

そこで、音速のスピードで、コントローラーを回し、

同じように目標のブースト圧でばっちり止めます。

・・・・・・・・・・・


事故します・・・、確実に・・・・・・・。




でも、この方法が

アクチュエーターの通気量を操作してのコントロールとしては

ターボ車を最も速くするはずです。

そこで

この人間業では不可能な操作をするのが、

電気式ブーストコントローラーです。





同じブースト圧でも、

機械式と電気式のブーストコントローラーではでは速さが違います。

また、

電気式ブーストコントローラーの中でも、

その制御のためのコンピューターの頭の良さの違い、

空気の制御の方法の違い、

それらの要因で、

速さの違いが、

より明確に出てくる可能性は高いのです。




では、どこのメーカーが良いのか・・。

それは、お店によってそれぞれの見解があるはずです。

リオでは・・・・・




ご来店された方に、

もちろん、「これが!」と思うものをお勧めしてます・・・。






5.コンピューター



話がだいぶ違う方向へ行ってしまいました・・・。

GTRを購入後、

結局、たくさんの部品を交換してしまったわけですが、

その中に、某大手チューニングメーカーのコンピューターがありました。


ブーストアップをしたら、コンピューターを交換するのは定番。

定番であること

それが購入の一番大きな理由だったのです。(高かったけど・・・)



しかし、

実際のところ

コンピューターを交換する理由とは何なのでしょう?



コンピューターを交換してみて思ったこと。


EVCをオンにして、最大ブースト圧を上げると、

その効果は歴然です。

明らかに違う加速を体感できるのですが、

EVCをオフにすると、

あまりこれまでとは違いを感じることができなかったのです。

(個人差があるとは思いますが・・・、もしかして、にぶいだけ・・・・?)

ここで思ったのは

コンピューターの交換では、車は速くはならない。

あくまでも、ブーストアップとのセットで、性能は発揮されると・・・。





GTRの場合、コンピューターの交換では、

速くなるよりは、耐久性の面でのメリットが大きい・・・・。


そう思った理由には、空燃比とガス冷却の考え方が背景にあります。



(スピードリミッターカットの目的もありますが・・・・。)





6.空燃比とガス冷却


ブーストアップをする場合、

コンピューターを交換するのは定番。

その理由は・・・?


パワーアップを目的として

ブーストアップをするために

EVCを装着して

最大ブースト圧を上げてしまえば、

それで、OKか?と言えば、

もちろんそうではありません。

エンジンに入ってくる空気の量が増えるのに合わせて、

燃料の量も、合わせて増やす必要が発生します。

ノーマルのコンピューターのままでも走行は可能ですが、

バランスが崩れた状態になっている場合や、

コンピューター自体に、

ノーマル以上のブースト圧に対してのリミッターが設定されている場合もあり、

そのままでは、エンジンの耐久性に対しての大きなリスクとなります。

リミッターに関しては、そのプログラムを変更するか削除することで、

簡単に言えば、それだけですが、

これも、コンピューターの内部を操作できないと、不可能な作業です。

参考までに、ですが、

コンピューターのプログラムを変更する以外で、

スピードリミッターやブーストリミッターの機能を得る場合、

コンピューター部分の配線に割り込ませる

スピードリミッターやブーストリミッターなるパーツを使用する場合があります。

スピードリミッター(通称、SLD:スピードリミットデバイス)は、

速度が時速160キロ前後から

コンピューターに入る信号を、それ以降、

どんなに速度が上がっても時速180キロ以下のダミー信号に変換し

リミッターを効かせない方法を使っています。

ブーストリミッター(通称FCD:フューエルカットデバイス)は、

ある一定の圧力からの信号電圧にゼロ以下の倍率を掛けて(例えば0.8とか・・)

リミッターが作動しない電気信号に抑えることで、

その解除を行っています。

スピードリミッター解除の場合、

コンピューターは一定以上の速度では、

速度によるプログラムへのフィードバックがほとんど無いので、

これを装着することによる実害はないのですが、

ブーストリミッター解除に関しては、

実際のブースト圧よりも低いダミーのデーターをコンピューターが認識することで、

燃料が薄くなる現象が発生します。

これは、エンジンにとってはよろしくない状態ですから、

(なぜよろしくないか、は、また後で・・・)

リミッターがカットされているとは言っても、

上げることのできるブースト圧は

エンジンの耐久性を考えると、小さい範囲に留める必要があります。




ここで、空燃比の話です。

空燃比とは、

その文字の通り、

空気と燃料の比率のことです。

理想空燃比、と言う言葉があります。

これは、

空気と燃料が都合よく混合して爆発する比率のことで、

その数値は、燃料1に対して、空気14.7と言われています。

しかし、この状態のままで、

例えばターボ車の場合、

過給圧を上げて、ガンガンに走ると、

エンジンはダメージを受け、故障或いはブローする可能性が大です。

その理由は、燃焼温度です。

通常、エンジンの耐えられる温度は、約850度です。

燃焼室の形状や材質、吸排気のバルブにナトリウム封入するなどの工夫で、

その限界温度を950度近くまで上げているエンジンもあります。

しかし、もし、上記の空燃比で爆発をさせた場合、

ブースト1キロを越えた時点で、この温度を軽くオーバーしてしまいます。

そこで、冷却のために、必要以上に燃料を入れる方法を使い、

この温度上昇を抑えて、エンジンを保護しています。

燃焼室は、密閉された空間ですから、

そこに入る空気は限られています。

そこへ、必要以上に燃料が送り込まれた場合、

爆発するための空気と結合できた燃料は、そのまま燃焼しパワーになりますが、

それ以外の燃料は、

燃焼したくても相手の空気がなく、爆発できずに

燃焼室で、気化するだけとなります。

中学校の科学の授業の内容になりますが、

液体が気体になるとき、

気体として必要な分子運動を得るため、熱を奪う現象があります。

この奪っていく熱を気化熱と言います。

手にガソリンやシンナーが付いたとき、

スーと冷たくなる現象がそれです。

この現象を利用して、

余分に入れた燃料の気化熱を利用して、燃焼室の温度を下げ、

エンジンの保護をするわけです。

これを、ガス冷却と言います。

特にターボ車は、

エンジンを保護するために、このガス冷却に依存している度合いが大きいのです。





7.チューニングコンピューターの性能


チューニングコンピューターが必要な理由・・・、

ガス冷却によりエンジンが保護されているのは

これまでの内容の通りです。

ブーストアップによって、吸い込む空気量が増える分、

それに見合った燃料を増量するのは当然で

それ以上にエンジンを熱から守るための

余分の燃料まで必要となるのです。

そのための、チューニングコンピューターの交換は、

エンジンを保護するための条件、

つまり、

ブーストアップを安全に行うための畑のような役割があるのです。

だから、チューニングコンピューターを交換するだけでは、
 
エンジンが飛躍的にパワーが上がることは有り得ない。

当初、そのように考えていました。

(実際、速さを体感できなかったですし・・・・)

しかし、エンジンの耐久性を確保するためには、

どうしてもコンピューターの交換が必要。

しかし、それが本領を発揮するのは

ブーストアップとセット。

そうすることによって

初めて、その性能を体感できる。

だから、交換!

そう確信していました。




しかし、何か違うんじゃないかなぁ・・・・・





本当にコンピューターを交換しただけでは速くならないのか?

これは、大きな疑問でした。

また、いろいろなパーツが渾然となった条件の違う車に対して、

その仕様を聞いただけで、

ぴったりのプログラムを導き出す、

そんな世界的なワインのソムリエが

お客さんの好みにぴったりなワインを選び出す、みたいなことが

実際に可能なのでしょうか・・・?




その疑問が生じるには、理由がありました。






当時、ぼくが乗っていたGTR(BNR32)は、

インジェクターはノーマル、

タービン、インタークーラーなど定番のパーツが交換され、

そして、先にも書きましたが大手チューニングロムメーカーの

コンピューターを使用し、

ブースト圧を1キロで使用していました。

一応、排気温度計を取り付けて、

GTRの限界温度である、950度以下であることを確認していましたが、

ちょっと無理をすると、

たちまちこの温度に近づきます。

どうやら、ノーマルインジェクターでは、

ガス冷却が追いついていないような感じでした。

回転が5000rpmを越えたあたりから、

急激な加速感があり、

高回転の領域では、自分なりに満足できるものの

それ以外では、不満がいくつかありました。

まず、そのひとつは燃費です。

ストリートでは、リッター4km〜5km。

6kmは、長距離を走った時に、やっと出る数値で、

7kmは、夢の世界です。

それでも、2600ccのツインターボ、

駆動のためのロスの大きな4WDですから、

それも仕方の無い話かなぁ、と思っていました。

もうひとつ、こちらも結構大きな不満だったのですが、

低回転でのレスポンスの悪さです。

例えば、小さな路地から大きな道へ入る場合、

他の車がある程度速いスピードで後方より走ってますから、

早めにその速度に到達させるのことが、

交通の流れに乗れて安全です。

そこで、ギアを1速で、アクセルを低回転から大きめに開き

加速させようとすると

エンジンが失速してしまうのです。

ぐ、ぐ、ぐ、ぐ、ぐ・・・・・と、そんな感じで吹き上がりません。

そこで、ちょっとの間我慢して、アクセルをハーフの状態で一定にすると、

そのうち、

ぐ、ぐ、ぶ、ぶぉ、ぶぉ、ぶぉぉぉぉぉ・・・・・・っ!と加速を開始します。

ひとたび加速が開始されれば、

ストレスなく吹き上がり、とてもいい感じです。


が、



その時、

ルームミラーに映る後方の光景は、

真っ黒い煙でくすんだ世界となっています。

タービンが純正よりでっかりからかなぁ・・・・?

こちらも、燃費同様、

仕方の無いこと、と、

それでも、とりあえず納得していました。

そして、おまけの不満。

エンジンオイルの汚れ方が異常に早いのです。

ターボ車だから、仕方ない、と言えば、

ほんと、そうなのかも知れませんが、

汚れ以外に、すごくガソリン臭いのです。



これらの状況を、まとめて考えてみると、

もしかして・・・・

燃料が濃い。


濃いい?


そう考えるしかありませんでした。

入ってくる空気に対して、

インジェクターから噴射されるガソリンの量が多いため、

必要以上に濃くなってしまい、

特に、回転の低い部分で、

ピストンの速度に勢いがない場合、

プラグが燻って

レスポンス不良、燃費悪化の現象が起きているのでは?




だんだんと、この疑問は大きくなっていきました。




しかし、このコンピューター

オーダーの際、

車種、年式、マフラーなどの交換部品の仕様、ブースト圧など、

それなりに細かく連絡してプログラムしてもらっているはずですから、

もし、

先の予測が事実であれば、

そのアンマッチの理由が理解できません。




やはり、

聞くだけでベストワインを選択するソムリエの仕事は、

コンピュータープログラムの常識では無理なのかも・・・。




その可能性は大です。





8.プログラム


GTRのレスポンスや燃費について、

いろいろと悩んで、

それらを解決するためには、どうしたらよいか?

答えは簡単です。

現状の車の状態を知って、

悪ければ、それに対して、手段を講じればOKです。

具体的には、

エンジンの状態に合わせて、

空燃比や点火時期や

その他の補正を

ケースバイケースで合わせれば良いのです。

それらを総括するのが、

メインコンピューターですから。

さらにより具体的には、

自分でロムが打てるようになり、

自分でプログラムを変更できるようになることが、

これらを解決し、

快適な調子を実現する唯一の手段のはずです。


そう考えたのは、今から数年前。






この領域は、大切なことが山積みになっている気がする・・・・。




これを理解実践することは

今後、

仕事として自動車を扱うにあたって

必要不可欠なことに違いない・・・。


日々、そう思う気持ちは強くなっていきました。



しかし、

通常の内容と違い、

このコンピューターの領域には、

難関と選択が多く存在しました。






まず、ロムを打ちかえるために、

どこの機械を使うか?



雑誌などで見ると、

チューングで有名なショップは、

ほぼ100%、ロムチューンを自社で行っています。

しかし、そこで使うコンピューターは

一つには統一されていません。


メジャーなところでは、

HKS製のVプロ。

アペックス製のパワーFCです。

それから目に付くのが、

トラスト製のEマネージ、

トーメイ製のレイテック。

その他、いろいろです。



どこがいいの?



使い勝手や性能や精度など、

使い始めてから分ることが、

きっとあるはず・・・。

それなりに、高額な出費を要する内容ですから、

購入した後で、

「あっちの方がよかったかな?」

なんて、思いたくないのは、心情です。

また、一度使い始めると、

長くそれに携わるのも確かで、

それだけに、より慎重に選択の必要があったのです。

(車を買う時みたいな情報が雑誌には載ってないですから・・・)




そして、



それ以上に問題なのは、

どうやって使い方をマスターするか?

これが、メーカーの選択以上に、重要です。


この二つの課題のためにずいぶんと悩みました。

悩んで、

悩んで、

悩んで、

時間ばっかりたって、

結局、「これだっ!」みたいな答えが出ないまま、

数年、経ってしまいました。








9.岡村さんとの出会い


リオへ谷口君が初めて来てから、

なんと10年を越えてしまいました。

最初はね、

ほんと、

あまりに濃いキャラに圧倒されました。

別の言い方をすれば、


わけわかんなーーーい・・・(いまどきの女子高生 風)



バイクのマフラーを持って来て

「俺の86につけてー!」

とか言うし・・・。



備北サーキットで、

2&4モータリング社の

ホットバージョンというビデオ撮影中に

シルビアのミッション壊して、

「うわーーーっ、どーしよー、明日、九州に行くのにー・・・」

とか嘆いているから、

「この車じゃ、ダメだねー。無理だよー。」

って、諦めるように遠まわしに言ったら、

「むふ、むふ、むふふふふーーーー。

広島戻ったら、予備のミッションがあるんだー。

ねえねえねえねえねえねえねえねえ・・・

今晩、交換しようよぉぉぉ・・・・・。

俺、手伝うからさぁ・・・・・。」

「うん。」と言うまで離れません。


結局、夜の11時頃から作業開始したような記憶が・・・。




その昔、

ドリフトの大会や取材とかあると仕事休んで、

とにかく、

車中心の生活をしていた頃、

まじで、将来を心配したことがあったのです。

でも、

その後、上京して

今や、しっかり車を仕事にしてます。

いや、それ以上に成功していると言っても間違いないでしょう。

ほんと、うれしい限りです。

人気者だし。



その谷口君、

忙しい合間をぬって、

たまに広島に戻ってくる機会もあり、

そんなときは、

お酒など飲みながら、いろんな話をします。

その当時、

話の中によく出てきた話題のひとつに、

ヤシオファクトリーがありました。

初代D1チャンピンを獲った年、

谷口号は、ヤシオファクトリーのメンテナンスでした。

お世話になってるそうです。

彼の場合、

お世話になってる = 無理聞いてくれる

ですから、

ヤシオファクトリーは、

かなりキャパのでかい会社だと思いました。 

ヤシオファクトリーの社長さん

岡村さん(通称 岡ちゃん)は、

当時からビデオや雑誌では有名人でした。

きっとビデオキャラだとは思うのですが、

ちょっと

怖いです・・・。

よく見ると、

やっぱり、怖いです・・・。

ビデオじゃ、いつも、

「てめー!」とか言ってるし・・・・。





ヤジオ 「岡村さんって、怖くない? どんな人?」

NOB 「怖くないよー。いい人だよ。」

ヤジオ 「ふーん。あれは、ビデオキャラなんだ?」

NOB 「いや、そーでもない。」

ヤジオ 「じゃ、やっぱし、怖いじゃん。」

NOB 「ぷぷぷ、ちょっとね・・・・」

ヤジオ 「よくわからないなぁ・・・。」

NOB 「岡村さん、リオのホームページ見てるみたいだよー。」

ヤジオ 「まじ?」

NOB 「谷口といい感じだなぁ、とか言ってたよ。」

ヤジオ 「まじ、まじー?!」

NOB 「まじだよー。」





と言うわけで、

思い出し帳(当時は、日記)に、

「岡村さん、見てもらってありがとうございます。」と

見てもらってるのをに前提にお礼を書いたことがありました。

すると、

速攻、

掲示板に「岡ちゃん」の名前で書き込みが・・・。

谷口君の話しは本当でした。

書き込みは、

アップした当日の反応だったので、

毎日、チェックしてくれていること、

間違いなし。

嬉しい話です。





ところで、ヤシオファクトリーといえば、

シルビアのチューニングではメジャーな存在。

その当時、

強烈な印象に残ったのは、

ホットヴァージョンと同じ2&4モータリング社の

ベストモータリング(ビデオ)で、

あちこちのチューングカーが集まってのバトルの

グリッドスタートでのこと。

逆グリッド(予選で上のタイムが後ろからスタートするやり方)だったので

確か、最後尾だったはず。

それが、スタートするや、

1コーナーまでに、トップになったシーンは、

あれは、すごかった・・・。

スタート直後、

グイグイと全車を抜いてトップになった映像は

鮮明に記憶に残っています。

どーやったら、あんなに速いシルビアを作れるのだろう・・・?

簡単にはとても言えない試行錯誤や技術があの車には、

きっとたくさん詰まっているに違いないです。





そして、2003年の年始、

谷口君の紹介で、

ついに、岡村さんと会うこととなりました。

この数年、

年始、関東圏ツアーは、

ぼくの恒例行事となっています。

半分遊び、

半分仕事、

が、建前のこの行事ですが、

実は、いろんな自動車関係の人と出会え、

なかなかに有意義な内容だったりします。

そして、2003年は、岡村さんと会えたことが最大の収穫です。


都内の韓国料理店で、

ご馳走になっちゃいました。

(こちらがご馳走する予定だったのですが、

最後、支払いの時、レジへ行けないように

体を張ってガードされました。)

そこで、

焼肉&ビール&その他韓国料理いろいろを食しながら、

チューングのいろんな話を聞きました。



その内容は、

あまりにもたくさんありすぎて、

そして、

ヤシオファクトリー的企業秘密も含まれていますから、

ここで羅列することはできないのですが、

その話のなかで、

コンピューターセッティングのすごさが、

岡村さんの口から熱く語られました。

実践の試行錯誤、

たくさんの苦労、

それによって得ることができたデーターがあってこその

あのシルビアの速さなのだと

確信できる時間でした。



10.ロムチューンへ



谷口君からの電話。



NOB 「あのさ、岡村さんがね、ヤジオにセッティング教えてあげるよ、って言ってるよ。」

ヤジオ 「え?」

NOB 「前に、覚えたい、って言ってたじゃん。」

ヤジオ 「ホント?」

NOB 「まじ。」

ヤジオ 「うーん。激お願いしたいけど、本当にいいのかなぁ・・・。」

NOB 「岡村さんが、いい、って言ってるんだから、いいと思うよ。」

ヤジオ 「でも、データーとか企業秘密みたいなもんがあるでしょ。」

NOB 「岡村さんが、いい、って言ってるんだから、いいと思うよ。」

ヤジオ 「いい話だなぁ・・・。いいのかなぁ・・・、お願いして・・・。」

NOB 「いいと思うよー。」





そんなわけで、岡村さんの好意で、

突然ですが、

ロムチューンへの第一歩が始まりそうです。





前述の問題点、

最大級の悩み、

「どうやって、ロムチューンを会得するか?」



それは、岡村さんの登場で、クリアされてしまいました。


何か、

とんでもなく、ラッキーです。

こうなったら、このまま突っ走るのが一番です。


そこで、

次の悩み。

どこの機械を使うか?

これも流れに任せるのが、当然ですが、最良の手段です。



その頃から、岡村さんとは、メールでやり取りをするようになりました。

何を購入してスタートすればよいか、

またまたアドバイスを請ったわけですが・・・・、

そこで、岡村さんからの回答は、








NEKO製データーロガー




・・・・・・・・・・・・・・




名前は知っていました。

性能のすごさも、薄々ですが、情報がありました。

しかし、

それまでの、購入候補には入っていませんでした・・・。

なぜか・・・?




それは、




高額だからです。 (ToT)



それ以外のメーカーであれば、

セッティングに必要な機材一式をそろえても、

約50万円くらいが平均です。

が、

NEKOで、全部揃えると、

約200万円弱・・・・。

知ってはいました・・・・。

いえ、

しっかり知ってました。

が、

知らないフリをしていました。

NEKOのだけは高いから恐いと・・・。




しかし、

岡村さんは、それを指示したのです。





















とおっ!
 (清水の舞台から飛び降りた音)












これまでの人生、

まだ40年ちょっとの期間ですが、

その中で、大きな岐路に立ったことが数度。

その度に、感じるのが、

自分を後押ししてくれる流れのようなもの・・・。

今回、

まさに、それが・・・。



ぼくの背中を押したのです。






後に、

NEKOのデーターロガーの性能については、

驚くべき内容であったことが確認されました。


「これにして良かったっ!」



実感するに至りました・・・・








しかし、その時、

気分は、まさに、










ゴーゴー夕張・・・・




キルビル見た人しかわからん? かっこいいよね・・・彼女。ちょっとファン・・・・







11.岡村さん、広島へ


NEKOのデーターロガーの購入が決まり、

数日後、

ゴージャスな一式が到着。



数日後、

データーロガーの使用説明のために、

ネコエレクトリックの浅井さんが来店。

データーロガーの使用方法と

セッティングの流れ、の説明を受けました。

テストには、

リオ常連の、ジーグ(通称)S15が使われました。


「ロムチューンのお勉強するから、車、貸してちょ!」

の言葉に、

彼は、速攻OKをくれました。







データーロガーでのチューニングの流れ、

まず、ノーマルコンピューターにNEKO製の基盤を取り付けます。

半田付けで、ノーマル基盤のサービスホールを利用して、

ポチッ、ポチッ、とやるわけです。

別の命令を入力するCPUのチップを内臓した基盤を

しっかりと貼り付け、
 
以降、このチップが

これまでの純正コンピューターのデータ-での

燃料や点火時期の命令系のメインとなります。


車体に、データーロガー本体と空燃比計のセンサーを取り付けます。

空燃比、エンジン回転数、エアフロ電圧、インジェクター開弁率、ノッキングなど

走行したデーターが

時間を横軸にして、同じグラフ上に表されるようになります。


実走。

データーロガーのRAMカードに車の状態が記憶されます。

そのカードをノートパソコンに入力し、

走行時のデーターを多方面から表示、チェックします。

それにより、ROMチューンの方向性を探ります。

方向性が決定した段階で、マップを作成します。

マップには、燃料マップと点火マップ、

それ以外には、基本噴射係数など

必要な内容を暫定で入力します。


再び実走。

マップに入れたデーターが、どう反映されたかを確認します。

状況に合わせて修正。

また実走。

これを繰り返すわけです。


そして、驚くべきは、修正を加える度に、

車の変化を確実に体感できることです。

明らかに速く、軽く、トルクフルになっているのです。



NEKOの浅井さんは、

あくまでも基本を重視しての内容でのレクチャーでした。

ここから先が、

試行錯誤により、

お店の個性が出てくる領域です。

最も苦労するのは、これからですが・・・・

しかし・・・

リオには・・・・







岡村大明神がドドーーーンとついているのです。







なんちゅー他力本願・・・・





これまで

ヤシオファクトリーが

岡村さんが

苦労して得たデーター、

これが、そのショップのノウハウであり、

オリジナルであるわけですが、



「教えてあげるよー。」



うううう・・・・ (感涙)







数日後、

岡村さん、登場です。






岡村さんと谷口君とで、盛り上がった二日間。

リオ歴には、大きく残る時間でした。

当時、ヤングヴァージョンの編集長であったマリモさんも、

(今はGTRマガジン)

一緒にご来店です。

雑誌掲載の写真撮影のため、

カメラを持って、

目の前のパイパスの中央分離帯まで走り、

ビュンビュン走る車の中、

写真撮影をしてくれました。

・・・・・・ご苦労様です。

(マスメディアの人って映像に命かけてますね・・・・)

ありがたいことです・・・・  m(_ _)m




キャンペーン期間中に、

タービン、セッティング関係パーツを

リオでお買い上げの

4台のシルビアは、

後日、

岡村さんのセッティングによる

仕上げとなりました。

最高のお勉強の場です。

「タービンやカムなど交換しても

それを車に合わせてデータ-を入力しない限り、

本来の性能を発揮することは無理ですから、

がんばって、データ-を入力しましょう!」

岡村さんの説明が始まります。






助手席・・・・。

岡村さんの運転の助手席。

風景がぶっ飛ぶ中、

岡村さんのレクチャーを受けながら、

空燃比計やマッピングモニターを見て、

後に、マップ作成への流れを

背後霊のように、お勉強しました。



前述ではありますが、

こう言った方法やデーターは、企業秘密。

ヤシオファクトリーが

長い時間をかけて培った数値が満載なのですが、

岡村さんの場合、

ほんとうに

懇切丁寧に教えてくれます。



ビデオで見る

「てめーーー、このやろーーーーっ!」のイメージは、

ビデオキャラ・・・・・


「ここはね、こんな感じで見るのです。わかりました?」

そんな風に話す岡村さんは、

まさに、
紳士。

あのビデオキャラは、

絶対に作った物に違いない・・・。




と、その時、

岡村さんの携帯から着信音が・・・・

電話に出る岡村さん

そして・・・

「なんだよー!てめー、そんなこと言ってるとぶっとばすぞー!」

(ピ!←携帯電話を切る音)




・・・・・・ええと、どこまで話ましたっけ・・・?」

やっぱり
紳士です。




岡村さんの後日談ですが、

このデーターロガーで、

ばっちりセッティングが決まったシルビアの速さと気持ちよさは、

その持ち主にしかわからない。

シルビア、180SXファンの人口増加。

それが岡村さんの希望だそうです。

巷(ちまた)に多い、

現車セッティングなのに不調を訴える車の存在が

とても悲しい現実、

その部分は、

特に強い口調でした。





それにしても・・・・

仲間に入れてもらえてラッキーです。

リオを始めるとき、

まったく考えもしなかった展開です。

いい意味で

先がわからないのは、

とても楽しいことです。









12.市販のチューンドコンピューター



S15シルビアの場合、

マフラーとエアクリーナー交換した程度の

ライトチューンの燃費は、

約6キロ〜8キロが一般的です。

ぼくの愛車のS15も

リッター約6キロで走ります。

それは、平均的な数値です。

仕様は、マフラー交換だけで、他はまったくのノーマル。

純正での状態をチェックしつつ

今度後のチューニングに進めようと

あれこれ考えている途中なのですが・・・、

それにしても

やっぱ、ノーマルは遅い・・。

低速トルクはあるものの、

ある領域だけ、ギクシャクするのです。

そして、高回転でのレスポンスの悪さは、

やはりそれなりです。

それにしても、気になるは、

マフラー出口付近のバンパーが黒いこと・・・。

ちゃんと触媒もあるのに。

それ以外、フルノーマルなのに・・・。


もしかすると、

純正の状態は、

空気に対しての燃料の割合(空燃比)が

意外と濃いのかも知れません・・・

燃費にしても、リッター6キロは標準値には違いないけれこ、

他のオーナーの話では、

中にはリッター8キロ以上の車もあるようです。

(これは、運転の内容によってかなり違いが出るとは思いますが・・・)


現車合わせのセッティングが必要な理由は、

その車に装着された多数のパーツの性能の組み合わせによって

吸気や排気などの効率の違いがでることに対して、

コンピューターで理想値を算出、実現することで、

パーツ本来の性能を適正に発揮することだと考えていましたが、

もしかすると、

元々の車の状態から

すでに、予想以上の状態の違いがあるのかも知れません。



そこで、お客さんや友達の

まだ、コンピューターを触っていないS15やS14を借りて、

空燃比を計ってみたのです。

使用したのは、ネココーポレーションの空燃比計で、

16万円もする優れものです。

(高額ですが、性能はそれ以上です。


一台ずつ、フロントパイプに穴を空けて

センサーの取り付け台を溶接し、

機材をセット。

そして、実走して計測をしてみました。

結果、

S15を3台、S14を5台で数値を見たところ

アイドリング領域から

中間加速領域

全開での領域で、

一番濃い車と薄い車の差が0.7もありました。

わずか0.7・・・

0.7でどれくらい違うの?

そう思われた方もいると思います。

セッティングによる目標の空燃比は、

これこそが、社外秘になる部分です。

(岡ちゃんの許可が無ければ、とても書けないです・・)

しかし、具体的に説明しますと、

空燃比10と、空燃比10.7では、

10は、黒煙吐きまくり、アドリング不良、燃費最悪

10.7であれば、実走行では、問題の発生はありません。

これが、さらに下がって、

9.7なら、熱価の高いプラグならエンジン始動すら難しくなります。


マフラーやエアクリーナーのメーカー違いはあるものの

ほとんど同じ仕様。

部品による差が出ている可能性は否定できませんが、

しかし、

同じ車、同じマフラー、同じエアクリナーの組み合わせで

偶然にもチェックできたのですが、

その2台ですら、0.4の差があったのです。(高回転時)

もっとたくさんのデーターを計測してみないと

信憑性のある統計とは言えないかもしれませんが、

それでも、これは事実です。

新車の状態でも、エンジン本体等の個体差は予想以上に大きいようです。

そこに、個体差のあるマフラーなどを装着するわけですから、

これは一台ずつで、まったく違うデーターとなるのは間違いありません


自動車を生産するメーカーもこの事実は当然知っているはずです。

でなければ、純正コンピューターを製作することは不可能です。

メーカーがコンピューターのプログラムを設定する際は、

製品としては、1種類で統一しているわけですから、

このエンジン個体差を視野に入れて、

空燃比等のデーターの幅の中で、

一番危ない状態のエンジンにセッティングを合わせていると考えられます。

(02センサーなる空燃比を調べるパーツで、ある程度までは適正な数値に近づけるようにはなってますが・・)

燃費の良し悪しや、

「君のエンジンは当たりだね。」と言われる会話は、

マージンの少ないエンジンほど、

純正のコンピューターに設定が合っている、

そんな事実もあるのかも知れません。


では、チューンされたコンピューターはどうなっているのでしょう・・?

そんな疑問が

ふつふつ

ふつふつと沸きあがってきたのです。


まったくノーマルのエンジンですら差があるのに、

それに、マフラーやエアクリーナーなどのパーツを交換し

さらに、EVC等でブーストを上げて

カムシャフトなど交換したときには、

この個体差は、ノーマルのそれよりも全域で大きな差となるはずです。

それを、一台ずつ状況の確認をせずに、

仕様だけを知って製作するとしたら、

純正のコンピューターと同等の発想で、

推定しうる一番危ない状態のエンジンに合わせたプログラムでないと

場合によっては、エンジンを壊してしまう可能性があります。

そして、その差は、

ノーマルよりも遥かに大きく、

すべてを安全にマージンを取りながらクリアできるプログラム、

それは、

空燃比の濃い、点火時期も遅い、

できる限り無理をしない、

そんな内容以外では、製作は不可能となります。

仕様を連絡して、送られてくるコンピューターに交換した際、

なんだかあまり速くなっていない、

燃費が悪くなった、

レスポンスもイマイチ、

そんな声をよく聞くのは、

マージンを山のように乗せて

純正コンピューターと同じ考え方で制作されたプログラムに

その理由のすべてがあるのです。





13.現車合わせのロムチューン


車のデーターを測定せず

単に仕様だけからコンピューターのロムのベストセッティングを出すことは

前述の内容から、無理のようです。

逆に考えると、

車の状態をしっかりと確認し、

その車だけのコンピュータープログラムを製作することは、

本来、エンジンやチューニングパーツの持っている性能を

しっかりと発揮させる必要十分条件と言えるわけです。


変更するプログラムの内容は、

加速補正や温度補正などの細かい補正数値がなど

多岐に渡りますが、

メインは、

フューエルインジェクターの噴射時間と

点火時期の2つになります。


しかし、先だっての岡村さんとの話しや、

ホームページを通してのメールでの相談など、

実際にこの現車合わせを行った車両でも、

調子が悪い車も多いようです。

純正の方がよかった、

そこまで言うオーナーの方もいるようです。

また、

プログラムの変更後、

エンジンが簡単に壊れてしまった、などの不評も耳にします。

その理由は、

単にプログラムが車に適合していないだけなのですが、

それではなぜ、そのようなことが起こるのでしょうか?

それは、セッティングを行うための機材の差による

データ-の収集力の違い、

セッティングを行う人間の考え方と知識の違い、

パーツの選択とセッティングの関係の違い、

この3点が、

ぼくが考える大きな理由だと思います。





14 フューエルインジェクター



エンジンを適正に仕事させるための

数々の部品がありますf。

その中のひとつ、

フューエルインジェクター・・


これまでに何度か出てきた言葉ですが、

「何、それ?」

わかっている人も、

そうでない人も、

またまたお付き合いください。

(特にお酒のお付き合いは大切です・・・)



エンジンは、

当然のことですが、ガソリンで動きます。(軽油とかもありますが・・)

そして

空気も必要です。

空気とガソリンが混ざって爆発し

それが、パワーとなるわけです。

この空気とガソリンの比率を空燃比といいます。

ガソリンタンクからフューエルポンプがガソリンを吸出し

エンジンルームに圧送します。

エンジンルームでは、

この燃料の圧力(以降、燃圧で表現します)を利用して

フューエルインジェクターが、

その先端部の小さな穴から、ガソリンを霧状にし

インテークマニホールド(エンジンへの空気の通路)へ

ガソリンを噴射します。

フューエルインジェクターは、パイプ状で

その途中には、電気で開閉するバルブが内臓され

電気が流れた時だけ、開く構造になっています。

そんな構造ですから、

フューエルインジェクター自体には、

ガソリンを噴出すための機能はありません・・。

開閉だけを行って、

燃料ポンプが圧送によって作り出した燃料の圧力(燃圧)を利用しての噴射となります。

ここで、ガソリンは空気と混ざります。

空気とガソリンの混ぜ合わさったガス(以降、混合気と表現します)は、

次に、エンジン内部へと進みます。

ピストンが下がりながら吸気、

ピストンが上がりながら圧縮の行程を進み、

スパークプラグに電気が通り着火、

混合気に火が入り爆発、

エンジンはパワーを得るわけです。


シルビアS14の場合

純正のフューエルインジェクタ-の容量は、375ccです。




15 フューエルレギュレーター


先のフューエルポンプ、フューエルインジェクターと燃圧の関係の追加説明で、

フューエルレギュレーターは

外せない部品です。


説明が重複しますが、

フューエルインジェクターの構造は

基本的には細いパイプです。

それ自体には、

燃料を噴射するような機能はありません。

噴射には、燃料ポンプから押し出された燃料自体の圧力を必要とします。

これが、燃圧です。

燃圧に依存してガソリンを噴射しているのですから、

燃圧が違えば、

同じインジェクターの

同じ開き時間で、

異なった量の燃料が噴射されることになります。

また、別の考え方では、

噴射する先の気圧の差でも、

同じインジェクターの

同じ開き時間で、

こちらも異なった量の燃料が噴射されます。


フューエルインジェクターの位置は、

通常、インテークマニホールドです。

スロットルバルブとエンジン間の通路部分になります。


ターボ車に、メーターを装着しようと思ったとき、

検討されるひとつに、ブースト計があります。

このメーターがなければ、最大ブースト圧を知ることはできません。

タービン関係のトラブルで、

ブースト圧が異常に上がったり、下がったりした場合、

(特に上がった場合は)

いち早く、状況を知り、

運転に制御を加えるか、中止することで

重大な故障を回避することも可能です。


ブースト計を装着している人なら

みんな、知っていると思いますが、

アイドリングのとき、

針はゼロ以下の負圧を指します。

負圧とは、大気圧以下の圧力のことで、

例えば、掃除機の吸入口や

ストローでジュースを飲むときや

激しいブチューなどがそれに該当します。 

なぜ、負圧が発生するか・・。

それは、エンジンがシリンダー内でピストンの上下運動により空気を吸い込む状況下で、

空気の入り口であるスロットルが閉じているため、

必要な空気が、必要なだけ供給されないことが、その理由です。


そして、このブースト計が表示している数値は、

インテークマニホールドやサージタンクなどの

スロットルとエンジン間の圧力ですから、

つまり、フューエルインジェクターの燃料を噴射する空間のそれと同じになるわけです。

ブースト計の説明書に、

圧力の取り出しをする際、

フューエルレギュレーターのホースに接続する指示があるのは、

このような理由によります。


先の説明の通り、

インテークマニホールドはアイドリング時、

負圧です。

また、加速途中では、ブースト計の表示のように

0(ゼロ)を越えて、数値を上げ、最大ブースト圧に到達します。

その時、

その部分にガソリンを噴射するための装着インジェクターと

噴射されたガソリンにはどのような状態が発生しているでしょう?


例えば、負圧の場合、

ガソリンを噴射する先の空間の気圧は、

通常の大気圧より低いですから、

ガソリンはとても出やすい状態になっています。

同じ燃圧であれば、同じ時間、

大気圧に対して噴射するより、負圧の状態に噴射した方がより多くの量になります。

また、過給圧がかかった場合は、

今後は逆に、圧力の高いところに噴射するわけですから、

極端な例では、もし燃圧が、過給圧よりも低い場合は、

インジェクターを開いた際、空気がインジェクターの噴射口に逆流し、

まったくガソリンが出ないことになります。


大気圧とまったく同じ量が噴射されるのは、

ブースト計が0(ゼロ)を指しているときだけなのです。


これでは、困ってしまいます。

なぜなら、

コンピューターは、インジェクターの噴射時間を制御することで

燃焼に使うガソリンの量を調整しているのですから、

ブースト圧の違いによって、

同じ時間で噴射される燃料に差が出れば、

適正な燃料の調整ができません。


そこで、登場するのがフューエルレギュレーターです。

この部品は、マニホールドの圧力によって燃圧を調整し、

常に、同じ時間で同じ燃料の量が噴射する仕事を受け持っています。


ガソリンは、燃料タンクから電動ポンプによって吸い出されます。

そして、パイプを通り、フューエルフィルターで金属やゴミなどが濾過され

フューエルインジェクターホルダーへ。

そこから、各インジェクターへ、

その先にあるのがフューエルレギュレーターです。

レギュレーターを通ったガソリンは、そのままタンクへ戻ります。

(最近、戻らない車がありますが・・・)



で・・・、

このフューエルレギュレーター

具体的にどんな仕事をするか?

簡単に言えば、通せんぼするわけです。

ダムと同じと考えても良いと思います。

マニホールド圧が負圧で、ガソリンが噴射しやすい状態では、

ほとんどスルー。

インジェクターホルダー内の燃圧をぐっと下げます。

そして、過給圧が上がり、燃圧を必要とする状況になると

どんどん通せんぼして、燃圧を上げます。

これにより、マニホールド圧と燃圧が一定の関係を保つようになり、

同じ開き時間で、同じ燃料が噴射されるところとなるのです。


余談ですが、

ここでガソリンが戻ることで、冷却の効果もあります。

行き止まりのままでは、熱がたまり、

インジェクターからガソリンが液体で噴射する以前に沸騰して気体となり

空燃比がめちゃくちゃになって、

エンジン停止、もしくは、ブローする場合もあります。

専門用語では、パーコレーションとも言います・・・。

(林家パー子とは、関係ありません・・・・・)

ガソリンをタンクとエンジン間で、ぐるぐるさせて冷やすのです。



誰が考えたか・・・

これも、すごいシステムだと思います。







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