低粘度オイルエンジン




数年前のこと、

新車を購入されたお客さんから、

「エンジンオイルが、これまでとは違うタイプらしい。」

そう、相談がありました。

ディーラーの人から聞いた話で、

詳細の確認と、

こちらでの扱いの有無の問い合わせの連絡でした。

日産のウィングロード、

取り扱い説明書を読むと、

SAE粘度が、0W−20と指定されていました。

ちなみに、API規格は、SL指定です。




・・・・・




SAE・・・、

API・・・

ご存知です・・・。






恒例っ!

脱線します。。。

 ↓



これは・・・、

オイルの性質、性能を表現する規格です・・・、

SAE粘度は、

温度によるオイルの粘度を表しています。

SAEは、「アメリカ自動車技術者協会」の略で、

ここが決めた規格だからSAE粘度です。




・・・・

普通ですね・・・。





オイルは、温度が上がると軟らかくなり、下がると硬くなります。

ハチミツと一緒です・・。

エンジンには、性能や性質の違いで、

最適な粘度のオイルの指定があります。

当然ですが、その数値はエンジンによって異なり、

こうした表示規格が必要となってくるわけです。

エンジンオイルの缶に表記されている5W−40や15W−50という数字・・。

これが、SAE粘度の表記です。

その意味ですが・・・

「W」はWinter(冬)の略、

そして、状態を示した表が存在し、

(オイル缶には表までは無いので、実際、分りにくいとは思いますが・・)

それによれば、

0Wは-35℃、

15Wは-30℃時の粘度を、

40や50は100℃時の粘度を意味します。

つまり、「W」のついている数字が低いほど、

寒い時にサラサラで、

また、Wの無い後の数字が大きいほど

温度の高い時に粘り強い性質になります。

寒い時にサラサラであれば、

オイルは流れやすく、

狭いところにもすばやく入ります。

また、オイルをエンジン内に行き渡らせるに使われる

エンジンパワーの使用量が減るため、

スムーズに走る事が可能となります。

そして、

温度が高い時に粘りが強ければ、

安定した油圧を確保でき、

エンジン内部を保護する力が大きいわけです。




もう一つのAPI規格、

これは、品質分類のための表示です。

API分類は、オイル性能の目安として、

アメリカ石油協会(API)と

アメリカ自動車技術者協会(SAE)と

アメリカ材料試験協会(ASTM)が、

協力して定める規格です。

ガソリンエンジン用のオイルの場合、

SAから始まり、SB、SC、SD、SE、SF、SG、SH、SI、SJと

アルファベットがABCD・・・の順番でSの後に付いた組合わせで続き、

品質が上であるほど、Aから遠ざかった文字となります。

現在、ガソリンエンジン用の最高グレードはSM(2006年現在)になっています。

(SM・・・・、何だかエロの気配が・・・、おっほんっ!)

ちなみに、ディーゼルエンジン用はCFです。

「じゃ、SMが一番、グッドなんだぁ!」

と、これまでの説明からだけですと、思ってしまいそうですが・・・、

実はそれがすべてではありません。

そこで・・・、説明を追加しますと・・・、

この規格、省燃費性、酸化安定性、オイル消費防止性など、

エコやクリーンを重視した規格であって、

上であるほど、モータースポーツのような過酷な使用環境でも強い?と言えば、

それはまた違うケースも存在するのです。

レースなどでは、

そのような理由から、

SFやSGを選択することもあるわけです。





先のSAE粘度は、オイルの粘りを表示した数値であり、

後のAPI規格は、オイルの質を表示した数値なのは、

ご説明の通りです。

量販店などで見かける15W−50のオイルの4リッター缶でも、

安いモノは、¥1000以下から、高額なモノは、¥10000を越えて、

販売価格の幅がとても広い理由は、

粘度が同じでも質が違うからなのです。

逆から考えると、

質がイマイチでも、粘度が規定の数値あれば、SAEの表示は同じになりますから、

「ぼくの車には、15W−50がいいんだよぉー。」

と・・・、

SAE粘度だけでオイルを選択すると、

性能が、エンジンの要求に達しない場合があるわけです。

API規格での質の低さを

SAE粘度での、粘りでカバーしたようなタイプもありえます。

(このタイプのオイルは、実は多く存在し、特に耐久面ではイマイチです。)







やっと最初の話に戻って・・・、

日産のウィングロード、

取り扱い説明書では、

SAE粘度が、0W−20、

API規格は、SL指定の、そのお話です。

(わき道、寄り道、多すぎですね・・・)





一般に、これまでの多くのエンジンでは、

SAE粘度、低くても5W−30や、10W−50など

粘りの強いタイプを使用してきました。

また、ターボやスーパーチャージャーなどの過給機が装着されたエンジンや、

高回転まで回して使用するエンジンの場合は、

オイルの粘りを上げて、エンジンを保護するため

15W−50や20W−60などを選択するケースもありました。

それが、0W−20とは・・・。





ところで、ここでまた・・・

わ・き・み・ち・・・

(またかいっ!と思わないでっ・・・)





なぜ、オイルの粘りが必要かというお話を・・・。

エンジンの内部には、

金属と金属が完全に接触して擦れ合いながら稼動している部分と、

金属と金属の間にオイルが入って近接していても基本的に接触しない部分があります。

接触している部分の代表格では、

カムシャフトとロッカーアームです。

グルグル廻る曲面で出来上がったカムシャフトを、

強力なスプリングで板状の金属プレートを抑えるつけるような構造は、

オイルがなければ、瞬間で傷だらけです。


そして、接触しない部分では、

クランクのメタルがそれに該当します。

平らなテーブルの上に油を広げ、

その上に、下敷きのようなプレートを置いて、

手のひらで前後左右に移動させた場合、

すぅぅぅぅーーーーーーっ、と動きますが・・・、

これは、テーブルと下敷きの間に油の膜が存在し、

両者の直接接触を防いでいる事で摩擦が限りなくゼロに近い事が理由です。

この関係をそのまま円にしたのが、クランクメタル部分の構造となります。

だから、このオイルが、もし、水に入れ替わった場合、

油膜どころか、逆にべったりと貼り付いてしまうような状態となり、

それがクランク部分であれば、双方の金属表面は傷だらけとなってしまいます。

一度傷が入ってしまうと、

次にオイルが油膜を形成しようとしても、

そこはもはや平面ではないため、

極圧が発生し、加重を均一にすることができず、

さらにオイルの逃げ道ができてしまう事で、

必要な強度の油膜を確保するのは難しい状態となります。

そのようなわけで、

適正な油膜のために、オイルの粘度はとても重要な数値となります。

ターボ車などのハイパワー車に関しては、

極圧がより大きいため、

より強い油膜の形成が必要となり、

さらに、

そうしたエンジンにありがちな高温でのオイルの質低下によるリスクを

粘度と品質を上げる事でカバーしようとするため、

15W−50や20W−60などの粘りの強いオイルの使用が要求されるのです。

(先の説明でもありましたが、それでも、最低限の品質は必要です。)





ここで、ふと思う事・・・

それならば・・・、

油圧が大きいほど、エンジンには良いのではないだろうか・・・?

より強い油膜になるのだから、エンジン内のすべてのパーツが保護され、

高い耐久性を得る事になるのでは・・・?

それは・・・・正解ではあります。

しかし、

粘りの大きなオイルを使う事で、

高い耐久性を得ても、

それが必要以上であった場合は、

その余分な領域が無駄、とする考え方も存在します。

油圧を作り出すために、エンジンの出力を使っています。

ですから・・、

油膜を作るために、パワーを削減している事にもなります。

それだけの油膜が必要なエンジンならともかく、

逆に、それ以下でも十分なエンジンの場合や、

十分でOKなように設計されているエンジンの場合、

油圧をかけるために、必要以上のパワーをエンジンから奪う事は、

今、世界で話題になっている日本語

「もったいない」行為に近づきます。

結果、

必要以上に高い油圧を得るために、

燃費やパワーダウンにつながるケースもあるのです。


「過ぎたるは及ばざるが如し」

そのような状態です。




やっとここで・・・、

話がまた、最初に戻ります。



スポーツカーなどのハイパワーな車ではなく、

経済性を重視した比較的低い馬力の車の場合、

燃費の向上や、

同じ消費燃料でできるだけパワーを搾り出すため、

無駄を減らした、

パワーに見合った

低粘度のオイルを使用する事を前提としたエンジンが搭載される事が、

最近、とても多くなっています。




ちなみに、

この・・・

粘度の低いオイルの使用が前提となったエンジンを、

「低粘度オイル指定エンジン」と言います。。。





そのままじゃん!







当初より、高出力のエンジンを前提とせず、

その代わりに、強い油膜を必要ともせず、

故に、粘度の高いオイルを必要としない、

無駄を省いた、ある意味、とてもスリムで合理的なエンジンが、

低粘度オイル指定エンジンであるわけです。

余分な力を削除した分、

これまでそのために使われていたガソリンも不要となるわけです。





このオイルを指定している車種を調べて驚いたのは、

例えば、ホンダのオデッセイ(RB1/RB2)です。

この車も、低粘度オイル指定なのですが、

しかし、Absolute(アブソリュート)と言うモデルだけは、

低粘度オイル以外を使用するようになっています。

Abusoluteは、他のオデッセイに比べて馬力が大きいのです。

馬力によって、使用するオイルまで同じ車種でも違うとは・・・。

ここまで徹底していると、

メーカーの考え方が、とてもしっかりしている事がわかります。





なるほど、なるほど、

低粘度オイルの存在意味は、このような理由です。

ならば・・・、

それを指定しているエンジンには、

指定通りの内容のオイルを使用すれば、

一件落着!

OKでぇぇぇ・・・すっ!

かと、思えば、

その低粘度オイルの中で、

同じSM表記の中で、

また、違いが有る事が最近分かってきました。




この低粘度オイルですが、

SAE、APIをクリアした多くの種類があるものの、

実はほとんどが、安価を目指したモノが多いようです。

使ってみると、「・・・・」な場合が正直多いです。

エンジンの回転の上がる感じや、

滑らかさ、静かさ、耐久性に関してですが・・・。

しかし、ユーザーさんには、

いろいろ試す機会など、普通、無いですから、

それがそのエンジンの普段の状態だと思われがちです。

しかし、使い分けて試してみると、

オイルによって、かなりエンジンの性能に違いの体感がありました。

仕事上・・・(興味、好奇心を含みます。。。)

どのオイルがどんな感じか、知りたいのは当然で、

テストの結果、

やはり「安価」を目指したオイルだからでしょうか・・・?

性能がイマイチなオイルが多いように思います。

(あくまで主観も大きいですが・・・)


その中で、100%化学合成タイプの国内メーカーの0W−20オイルが、

テストでは、すこぶる良かったです。

エンジンの軽さがまったく違い、

また、耐久性も、もっとも良い結果でした。

「ワゴンのオイルなんて、別にどこでもいいよー!」と言っていたぼくの友人ですが、

友人が故に、

ほぼ、押し売りに近い状態で

このナイスなオイルに交換してもらいました。

後、

彼のホームページに、感想を載ってました。



彼の名前は、ホームページ上では、「たぬき」と言います。

広島カープのRCC公式ファンサイトの管理人で

カープファンの間では、有名人のようです。。。

了解済みで、文章、引用しました。


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「今週の月曜日、「リオの主」さんのお店で、
たぬき号のエンジンオイル交換をしました。

以前も同じオイルに替えたんですが、
このオイル、すっっっっっっっっっごいの。
ほんとすっっっっっっっっっごいの。

オイルを替えて、店から出る時にアクセルを踏んだ瞬間、
もうそれまでとは別の車♪
エンジンの回転がとってもなめらかで、
出足が全然違います!


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ここまで絶賛してくれるなんて・・・。

うううう。。。 (嬉し泣き)

ありがとう、たぬきさん。

押し売りしたカイがありました。

押し売り、

押し売り、

押し売り。。。。


( ゚∀゚)ァハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \



よかった、気に入ってもらえて・・・。 (´∀` )






ところで、ここまで読んでもらって、

だけど、自分の車のエンジンは

そんな低粘度のオイル使うタイプじゃないから・・・、

と思われた方、

きっといらっしゃると思います。

だけど・・・

これが、意外と多いのです。

参考にまでメーカーごとに「あいうえお順」で羅列してみます。

ご参照くださいませ。




トヨタ

アイシス   1800cc と 2000cc

アベンシス  2000cc
(ワゴン含みます)

アリオン   1500cc と 1800cc と 2000cc 

アルファード 2400cc と 3000cc
(ハイブリッド含みます)

イスト    1300cc と 1500cc

イプサム   2400cc

ウィッシュ  1800cc と 2000cc

ウィンダム  3000cc

ヴィッツ   1000cc と 1300cc と 1500cc

ヴォクシー  2000cc

エスティマ  2400cc と 3000cc
(ハイブリッド含みます)

カムリ    2400cc

カルディナ  1800cc と 2000cc

カローラスパシオ   1500cc と 1800cc

カローラセダン    1300cc と 1500cc と 1800cc

カローラフィールダー 1500cc と 1800cc

ランクス   1500cc と 1800cc

クラウン   2500cc と 3000cc (GRS180〜183)

クラウンエステート  2000cc と 2500cc と 3000cc

クラウンセダン    2000cc
(ハイブリッド含みます)

クラウンマジェスタ  4300cc

グランビア      3400cc

グランドハイエース  3400cc

クルーガー  2400cc と 3000cc

サクシード  1500cc

シエンタ   1500cc

セリカ    1800cc (ZZT230)

セルシオ   4300cc (UCF30/31)

センチュリー 5000cc

ソアラ    4300cc (UZZ40)

ノア     2000cc

ハイエース  2000cc と 2700cc (TRH214、219、224、229)

レジアス   2000cc と 2700cc (TRH214、219、224、229)

ハイラックスサーフ  2700cc と 3400cc (TRN210、215、他)

ハリアー   2400cc と 3000cc
(ハイブリッド含みます)

ファンカーゴ 1300cc と 1500cc

プラッツ   1000cc と 1300cc と 1500cc

プリウス   1500cc

プレビス   2500cc と 3000cc

プレミオ   1500cc と 1800cc と 2000cc
 
プログレ   2500cc と 3000cc

プロボックス 1300cc と 1500cc

ポルテ    1300cc と 1500cc

マークX   2500cc と 3000cc

マークUブリット 2000cc と 2500cc

ラウム    1500cc

ランドクルーザープラド  2700ccと3400cc

ランドクルーザー100  4700cc

ランドクルーザーシグナス 4700cc

bB     1300cc

MR−S   1800cc

RAV4   1800cc と 2000cc (ZCA25W/26W、ACA20W/21W)

WiLLサイファ    1300cc と 1500cc



日産 

アベニール  1800cc (平成14年8月以降のAT車) と 2000cc

ウィングロード  1500cc と 1800cc と 2000cc (平成14年11月以降)

エキスパート   1800cc

エクストレイル  2000cc

キューブ   1400cc と 1500cc

サニー    1500cc

シーマ    4500cc (GF50、GNF50)

セレナ    2000cc と 2500cc

ティアナ   2500cc

ティーダ   1500cc と 1800cc

ティーダラティオ 1500cc と 1800cc

ノート    1500cc

フーガ    4500cc

プリメーラ  1800cc と 2000cc と 2500cc

ブルーバードシルフィ 1500cc と 1800cc と 2000cc

プレサージュ 2500cc

プレジデント 4500cc (PGF50)

マーチ    1000cc と 1200cc と 1400cc

ムラーノ   2500cc

ラフェスタ  2000cc

リバティ   2000cc

ADバン   1300cc と 1500cc と 1800cc



ホンダ  

アコード   2000cc (CL7/8)

アコードワゴン   2000cc と 2400cc (CM1/2/3)

インサイト  1000cc

インスパイア 3000cc

インテグラ  2000cc
(タイプRは除きます)

エアウェイブ 1500cc

エディックス 1700cc と 2000cc

エリシオン  2400cc と 3000cc

エレメント  2400cc

オディッセイ 2400cc (RB1/2)
(アブソリュートは除きます)

シビック   1500cc と 1700cc
(ハイブリッドを含みます)

ステップワゴン  2000cc と 2400cc

ストリーム  1700cc と 2000cc

フィット   1300cc と 1500cc

モビリオ   1500cc

モビリオスパイク 1500cc

ライフ    660cc

レジェンド  3500cc

CR−V   2000cc と 2400cc

MDX    3500cc



三菱

エアトレック 2000cc と 2400cc
(ターボ車は除きます)

グランディス 2400cc 

コルト    1300cc と 1500cc

ディオン   1800cc と 2000cc

デリカ    3000cc(GH−PD6W)

パジェロ イオ  1800cc と 2000cc

パジェロ ミニ  660cc

ミニカ    660cc (H42A/V、H47A/V)

ランサー   1500cc と 1800cc と 2000cc

ランサーカーゴ  1500cc

ekアクティブ  660cc



マツダ

アクセラ   1500cc と 2000cc と 2300cc

アテンザ   2000cc と 2300cc

デミオ    1300cc と 1500cc

トリビュート 2000cc と 2300cc と 3000cc

プレマシー  2000cc と 2300cc

ベリーサ   1500cc

MPV    2300cc と 3000cc

RX8    654cc×2



スバル

インプレッサ 1500cc

レガシー   2000cc



ダイハツ

タント    660cc

ブーン    1000cc

ミラ     660cc

ムーブ    660cc

ムーブラテ  660cc



スズキ

アルト    660cc

エリオ    1500cc と 1800cc

ジムニー   1300cc

スイフト   1300cc と 1500cc

ツイン    660cc

ワゴンR   660cc

ワゴンRソリオ  1000cc と 1300cc

Kei    660cc

MRワゴン  660cc

ラパン    660cc









こーーーーーんなにたくさんあるのです。


あ・・、

上記車種ですが、

年式や型式、ターボやスーパーチャージャーの有無で、適合が細かく違う場合があります。

それぞれ確認が必要です。。。





参考にまで、

お奨めのオイルを使用して、フィルターと同時交換した場合の価格ですが、

リオの価格では、

軽自動車クラスで、約¥4500、

ワゴン系で、約¥5500

セダンの大きいクラスで約¥7500です。




これは、超お奨めです。

お試しくださいませ。   m(_ _)m










最近、多い「低粘度オイル」のお話でした。

失礼しました。





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